■“バカ”を連発…5分間で5回
大阪府の橋下徹知事(39)は16日、府庁で報道陣の質問に答え「文科省はバカだ」などと“バカ”を連発した。文科省が、来年度の全国学力テストの市町村別の成績について、都道府県教育委員会の要請次第で非開示の部分があっても良いとする方針を決めたことに反発したもの。“バカ発言”は5分間で5回に及んだ。今後、国と府との間で激しいやりとりが予想される。
■霞が関全般に辛らつ発言
大阪府は10月から全国学力テストの市町村ごとの平均正答率データ、情報公開請求者に開示している。
これに対して文科省は15日、市町村別、学校別のデータ公表を禁止する方針を維持することを確認。次回テストで情報管理を徹底する方針を打ち出し、大阪府を“けん制”した。これに橋下知事がかみついた。
「バカですね、ほんと国は」「文科省は本当にバカ。選挙で選ばれた文科相以外は全員、入れ替わった方がいい」
文科省は来年度テストの実施要項に、都道府県教育委員会から要請があれば、特定のデータを提供しないとの内容を盛り込む予定。この動きを橋下知事は「予算をつぎ込んでテストやって、データを府教委が要らないと言うと思っているのか。あきれてものが言えない。感心しますよ、このバカさ加減には」と批判した。
さらに「バカですね、本当に」「このバカげた教育行政をかえないと」と語気を強め、5分間の間に“バカ発言”は5回を数えた。
この日はこの他に「役人連中は最悪」「役人が自分たちの責任をとれなくなってきた」などと、霞が関官僚全般に対して辛らつな発言が相次いだ。
一方で、市町村別、学校別の情報開示に前向きな鳥取県の条例改正案については「地方の実情に応じた首長の判断」として、一定の理解を示した。
大阪府教育委員会は従来、「市町村の反発を招く」として、市町村別のテスト成績開示に消極的な姿勢だった。しかし10月から知事の要請をうけて公表する方向に転換している。
[ 2008年12月17日付 スポニチ ]
知事の言っていることの中で正しいことと間違っていること?
橋下知事の言っていることは、正しいと思います。まさに、その通りだと思います。なぜなら、現在の日本は、学歴社会ではありません。完全な学歴社会の中では、成績は開示しないほうが良いかもしれません。なぜなら、開示したとしても事態をほとんど変更することができないからです。
韓国においては、普通他の人に「あなたはどこの大学のご出身ですか」と聞いてはいけないこととされています。なぜなら、韓国では卒業した大学により将来がほとんど決まってしまい、先の質問は実質上「あなたは、一流の人間か、それとも二流か、それ以下か?」と聞くのと同じことだからです。
アメリカも日本よりはるかに学歴社会です。博士課程卒、修士卒、大学卒、高卒の賃金は最初から区分されています。それも、日本のように長く学校に通っているから、その分高いという程度の差ではありません、かなりの厳然とした差があります。それに、かなりの企業が大学院卒とそうでない人の間に差をつけています。大学院卒は、最初から経営職につくもの、そうでない人は経営職とは無関係としているところが多いです。
フランス、イギリスでは、学歴どころか、階層社会で生まれついて、労働者か経営者になるかが決まっています。今では結構緩んでいるところもありますが、イギリスで労働者の師弟が上を目指すには、大学教授か、聖職者になるしか方法がないというのが実体です。ビートルズの面々は、お金もちですが、彼らが若い頃から金持ちであったとしても、たとえば、イギリスの金融のセンターである、シティに会社を開いたり、いずれかの会社に就職することは不可能だったでしょう。それは、いまでも変わりません。労働者の師弟はシティに就職することはまず無理でしょう。できたとしても、なかなか上に這い上がることはできません。
日本では、学歴や出自で進路が決まるわけではないので、学業の成績はごく生徒のごく一面を示すだけにすぎません。成績が悪いからといって、将来性が全くないとか、逆に成績が良いからといって将来性が高いなどということはないです。まあ、成績が良いほうが、可能性としては高いかもしれないという程度だと思います。
それよりも、日本では開示しないことの弊害のほうが大きいでしょう。ごく近くにある町や市の成績が極端に悪かったり、良かったりすれば、何か問題があるかもしれません。それこそ、以前にある大臣が「日教組」に問題ありという発言していましたが、そういう問題があるかもしれません。親からすれば、自分の子供成績が普通くらいだと思っていたものが、全国平均からすれば相当下であったとすれば、考え直さなければなりません。成績の開示はこうしたことの解決の糸口、いやそもそも問題があるのかないのかを考えるための貴重な情報源ともなると思います。
経営学の大家である、ドラッカーのどの著書だったか忘れましたが、教育機関は20世紀には、生徒の成績が悪いのは、教わるほうの問題だったが、21世紀には教えるほうの問題とされるだろうと書かれていました。教育の問題いろいろありますが、やはり、教えるほうの問題というのが、これからピックアップされてくるだろうと思います。文科省の今回の方針は、こうしたことに対する責任逃れだと思います。
さらに、ドラッカー氏の著書の内容から、橋下知事の誤りについても、指摘しておきたいと思います。橋下知事は、官僚の問題を指摘されていますが、確かに官僚の行動、考え方には問題があります。そうして、頻繁にその弊害が起きています。しかしこれもドラッカー氏の複数の著書、論文に掲載されていますが、頻々として似たような問題がある場合は、最早人の問題ではないシステムの問題である。システムを変えなければならないとしています。
橋下知事は、「文科省は本当にバカ。選挙で選ばれた文科相以外は全員、入れ替わった方がいい」としていますが、仮に橋下知事の言うように、全員入れ替えたとしても、文科省のシステムを変更しなければ、同じ問題が発生し続けると思います。やはり、文部科学省のシステムを構築しなおさないと何も変わらないと思います。
それは、たとえば、枡添厚生労働大臣(写真左)が、大方の期待を裏切って、意外となかなか変革などできないでいることをみても判ると思います。何も私は、枡添さんが悪いとはいう気はさらさないです。今までの厚生労働行政が悪かったとすれば、それは個々人の問題もあるでしょうが根本はシステムの問題があるのです。枡添さんは、あの旧態依然としたシステムの中ではかなり奮闘している部類だと私は思います。しかし、システムを変えずに厚生労働大臣を変えたからといっても、ほとんど変わらないというのが実体です。
大阪府に関しても改革の途上にありますが、おそらくシステムを大改築するか、大変革をしない限り、なかなか改革は成就できないでしょう。また、成就したとしても、大きくシステムを変更しなければ、一時は成功したように見えても、やがて元に戻ってしまうと思います。
こうした、システムの変更にあたって、国のレベルでも、地方自治体のレベルでもNPOをうまく活用できるようにシステムを変革することは必須だと思います。国の独立法人などは全部廃止して、NPOをうまく活用していくべきだと思います。地方自治体も役所の付帯施設など、独立採算制にするだけでなく、うまくNPOを活用できるようシステムを変革していくべきです。ここで、システムの具体的な変更に関して、ここに掲載すると話が長くなってしまうので、それに関してはまた別の機会に掲載したいと思います。
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