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2020年3月8日日曜日

日本は韓国を“反面教師”に脱中国を進めよ! 国際社会は結局「自国第一主義」 識者「日本国民を売って自らの利権を確保する政治家らに裁きを」 ―【私の論評】日本人の武漢肺炎ウィルスへの脅威が、「脱中国」を促す(゚д゚)!


マスクを生産する中国・青島市の労働者。日本は過度な中国依存から脱却する必要がある

政府は新型コロナウイルス感染が拡大している中国と韓国に対する入国制限を決めた。だが、習近平政権への配慮から当初の対応が甘く、遅きに失した感は否めない。国際社会の「自国第一主義」があぶり出されるなか、国際投資アナリストの大原浩氏は寄稿で、日本は韓国のような中国依存の脆弱(ぜいじゃく)な構造の国を反面教師とし、ビジネス面でも脱中国を進めるべきだと強調する。


 安倍晋三首相の要請による小中高校などの一斉休校については、要請そのものを考えれば、それなりに妥当な判断だと思う。また、5日には中韓からの入国制限を公表したのだが、もっと前から「中国からの入国全面禁止」を行うべきだったという非難から免れることはできない。

 法律うんぬんで官僚が頑強に抵抗したという議論があるが、それならば習主席に「団体旅行だけではなく、個人旅行やビジネスでの訪問も禁止」にするよう要請すればよかったのだ。当時の状況で、「国賓招待」との交換条件なら、習氏も断れなかったはずだ。

 現状は、燃え盛る家から自分の家に飛び火するのを傍観していて、燃え移るのを確認してから命がけで消火活動を行っているようなものである。

 マスク売り切れ騒動も「転売屋」やドラッグストアの抱き合わせ販売が非難されているが、本当の問題点は過度の輸入依存だ。2018年に日本で約55億枚流通したマスクのうち、国産は約11億枚で残りの約44億枚は輸入品だ。輸入比率がなんと80%にのぼる。輸入品の多くが「メイド・イン・チャイナ」と推定されるが、彼らが自国の緊急事態において「思いやり精神」や「恩返し」で日本への輸出を続けているだろうか。

 その他の国も「自国民優先」が当然であるから輸出に回すとは考えられない。このような状況で、共産主義中国や韓国に、「日本国民の安全・安心・生命」を犠牲にして、血税で備蓄していたマスクどころか防護服まで贈呈する政治家、官僚、役人、企業は、「日本国民を売って」自らの利権を確保しているとしか言いようがない。緊急事態が終わった後に、彼らは日本国民から厳しく裁かれるべきである。

 政府はメーカーに大増産を依頼しているというが、供給の80%が消えたと考えられるから、日本メーカーがこれまでの5倍のマスクを生産して通常の需要をやっと賄えるに過ぎない。極度に需要が増加した現在の需要を満たせるはずがないのは当然だ。

 問題は、マスクに限らない。2018年度の食料自給率は、カロリーベースでは37%にとどまっている。生産額ベースでは66%というのも決して高い数値ではない。

 もちろん、現代の農業は産業化されており、農業機械の稼働や食糧を運ぶトラックなどのガソリン、化学肥料、農薬が入手できなければ生産・供給を維持できなくなる。

 1973年の第1次オイルショック後、日本が世界をリードする省エネ国になったのも、この時経験した「石油供給が途絶する恐怖」のトラウマの結果である。

 日本の目の前に反面教師もいる。フッ化水素などの3品目の「輸出管理の強化」を日本の国防上の必要から限定的に行っただけで、大騒ぎをした韓国である。半導体製造装置や各種材料など、韓国経済が日本に依存した脆弱な構造であることは明らかだ。

 対中国において、製造業の先端技術分野では、おおむね日本が輸出側で優位に立っているが、原油を始めとするエネルギー資源や鉱物資源では弱い立場だ。特にレアアースの生産は中国に偏っており、政治的に利用されて日本企業が大変困ったこともあった。

 グローバル化は「お互いに助け合う」スタンスでなければ成り立たない。「いいとこどり」をして「恩をあだで返す」国々が、世界貿易の枠組みに紛れ込んで来れば維持できなくなるのは当然だ。その意味で、「トランプ米大統領が『国民ファースト』の政策を推進し、自由貿易を破壊する国々にお灸をすえた」のは正しかったといえる。

 すでに米国は、コストうんぬん以前に戦略上重要な製造業を国内回帰させる方針であることを明言している。日本もこれに遅れてはならない。

 経済・社会の基本単位が「国家」であることはこれから、ますます意識されるであろう。

 ■大原浩(おおはら・ひろし) 人間経済科学研究所執行パートナーで国際投資アナリスト。仏クレディ・リヨネ銀行などで金融の現場に携わる。夕刊フジで「バフェットの次を行く投資術」(木曜掲載)を連載中。

【私の論評】日本人の武漢肺炎ウィルスへの脅威が、「脱中国」を促す(゚д゚)!

大原浩氏が上の記事で語っていることは正しいです。ただし日本人としては、その前に若干理解して置かなければならないことがあります。

中国発の新型コロナウイルスが今まさに日本でも猛威を振るおうとしていた矢先の2月17日、免税家電量販店のラオックスが「希望退職者を募集する」と発表した。その数、全従業員の20%にあたる140人(子会社のシャディを含めると160人)。

ラオックスと言えば、昔は激安のパソコンショップとして名を馳せた企業ですが、不況の影響で10年程前に中国企業である蘇寧(そねい)の傘下に入り、社長も中国人の羅怡文氏が務めています。

LAOX THE DIGITAL館がオープンして大賑わい(1999年10月)約3年後の2003年1月13日、様々な事情に
より閉店してしまいました。現在はパチンコ店と飲食店が入居する複合ビルとして営業

昨年から既にインバウンド需要に翳りが見え始めていましたが、ここに来て、中国で伝染病が発生したため、更なる企業業績の悪化は避けられないとの判断なのでしょう。インバウンド需要の変化(減少)は一過性のものではなく、ある程度は長期化すると見越した上での人員削減なのだろうと思われます。

日本経済はバブル崩壊後、「失われた30年」とも言われ、バブル期には土地や株式などの資産価格は上昇していたものの、一般物価の値上がりさほどでもなかったにも限らず、その当時の、とち狂った日銀が、金融引締に展示、その後も平成年間のほとんどの期間を引き締め続け、これに輪をかけてとち狂った財務省が、増税などの緊縮財政を続けたため、日本は深刻なデフレに陥りました。

日本は誤った財政・金融政策のためGDPは横ばいだった

当然のことながら、将来の先行き不安から多くの人々が財布の紐を固く締め、お金を散財しなくなりました。一方で、バブル経済の真っ只中にあったお隣の中国人の一部は、どんどんとお金持ちになり、日本に訪れて、高性能で安全な日本の商品を日本人に成り代わってゴッソリと購入しました。

その景気の良い姿に気を良くした日本の商売人達は「お客様(中国人)は神様」と言わんばかりに、我先にと中国人旅行者の獲得に努めました。

日本のバブル期を彷彿とさせる中国人の購買姿勢は、いつしか「爆買い」と呼ばれるようになり、「インバウンド消費」という言葉がテレビや新聞のタイトルとして踊り、お茶の間を賑わせました。識者の中には、景気浮遊=インバウンド消費であるかのように、したり顔て語る識者も大勢いました。

デフレ真っ只中の日本では、日本の製造業が日本で製造して日本国内で販売するよりも、中国や韓国で製造したものを輸入して日本国内で販売したほうが、コスト的に優位という異常事態が発生しました。

そのため、日本企業は中国と合弁企業を設立して、中国人従業員を大量に雇用して、中国で商品を製造し、日本に輸入するという方式をすすめました。そのため、中国は随分と潤ったわけです。

そうして豊かになった中国の富裕層や準富裕層などが、日本を訪れ爆買をしたのです。政治的には、日本の尖閣諸島を乗っ取ろうという思惑を抱いた中国に「ノー」を突き付けても、日本企業は中国に進出し、中国を豊かにし、さらにその中国からの一般旅行客は別物とばかりに「ヨイショ」するというような異常な事態が繰り広げられていたのです。

政治と経済で明らかな二重基準(ダブルスタンダード)を貫いてきた日本でしたが、今回の新型コロナウイルス騒ぎによって、その二重基準は改められようとしているかに見えます。

多くの日本人には、唯物論者が多いせいもあるのでしょうか、殊更に目に見えないものを恐れる傾向があります。原発の放射能と同じように、ウイルスも目には見えません。

こういう場合、正しい判断をするには科学的に冷静になることが求められるのですが、原発事故の時に判明したように、日本では、人体に全く悪影響が無い微量な放射線でも頭から、と言うよりも、脊椎反射で科学的事実を受け付けないという人が大勢いました。無論、それは過去形ではなく、現在進行形で存在しています。

今回のウイルスも放射能と同じような感覚で、脊椎反射で否定する人々は大勢出てくるものを思われますし、既にそういった人々は存在しています。

彼らが抱いている恐怖は、ウイルスだけでなく、ウイルスを運んでくる中国人や中国という国そのものにも向いています。

尖閣諸島を乗っ取ろうとする中国、核兵器で日本を狙っている中国、組織的で体系化された中国の反日教育等にはあまり危機感を抱かなかった人々が、ウイルスを日本国内に持ってくる中国には断固として「ノー」を突き付けています。特に、中国政府が当初武漢肺炎の感染を隠蔽していたことに、不条理を感じている日本人は多いでしょう。

実に皮肉な現象ですが、多くの日本人は自分自身に被害が直接及ぶと思われるもので、目に見えるものにはそうでもないのですが、目に見えないものには実に厳しい態度に変化します。それに気づいていないのは、日本の政財界の愚かな親中派どもだけです。

最近では、自分達に直接害を与える国のリーダー習近平が日本国賓で訪れるというスケジュールをなかなか変えず、多くの日本人が不信感をつのらせていました。さらには、中国全域からに日本への入国制限を安倍政権はなかなか実施しませんでした。その結果安倍政権への支持率が低下しました。



遅きに失した感はあったものの、習近平の訪日は延期され、結局中国全域からの日本への入国制限は実行されることになりましたが、中止ではなく延期であること、やはり遅すぎた入国制限などで、安倍政権の支持率の低下はすぐに解消されるかどうかは、不透明です。

これを機会に多くの識者が中国の真の脅威を説けば、中国に対して危機感を抱くだけではなく、不条理を感じる人も多くなるのではないかと思います。そうして、その不条理は、放射能への恐怖とは異なり正鵠を射たものなのです。

安倍政権としては、支持率が落ちたことを真摯に反省し、党内政治等のために党内親中派や財界親中派に忖度し続けるのか、それとも国民の声を聴くべきなのか、選択を迫られているとと捉えるべきです。

日本は、政治的にも経済的にも、ようやく「中国依存」から「脱中国」に舵を切ろうとしているようです。それは、短期的には大きな衝撃ですが、長期的には良いことです。

2019年6月25日火曜日

日本にとって心強い、モディ首相のインド太平洋重視―【私の論評】アジア地域のサプライチェーンの脱中国的な再編が加速化し日本やインドは良い影響を受ける(゚д゚)!

日本にとって心強い、モディ首相のインド太平洋重視

岡崎研究所

世界最大の民主主義国、インドで、モディ首相率いる与党は勝利をおさめ、モディ首相は、引き続き首相の座に留まることになった。総選挙勝利の一週間後の5月30日、モディ首相は、ジャイシャンカル前外務次官を外相に任命した。

インドの女優Shruti Haasan 

ジャイシャンカル氏は、駐中国大使、駐米国大使を勤める等、大物の外交官である。米印間の原子協定の締結に貢献した実績があり、第一期モディ政権でも、良好な米印関係の構築に寄与した。中国との関係では、2017年の中印間の軍事衝突の危機の際に、それを回避させることに成功した。モディ首相のジャイシャンカル氏への信任は厚く、モディ首相が第二期政権で外交を重視する方針を明らかにする中で、外交の責任者である外相に任命された。

今回、モディ首相は、就任式に、環ベンガル湾多分野経済技術協力(BIMSTEC)の代表を招待した。BIMSTEC の参加国は、インド、バングラデシュ、ミャンマー、スリランカ、タイ、ネパール、ブータンである。パキスタンを排除し、近年では、BIMSTECが、南アジア地域協力連合(SAARC)にとって代わっている。

インドは建国以来、インドのDNAと言われるくらい大国志向が強かった。南アジアでは超大国であり、その中でパキスタンとの関係の調整に腐心してきた。と同時に、世界の中での大国を志向する動きも見せてきている。核保有国になったのはその表れの一つであり、国連安全保障理事会の常任理事国入りを目指す動きもそうである。国連安保理の常任理事国入りでは、日本、ドイツ、ブラジルとともにG4を構成している。

これは一つには、中国を強く意識していたことの反映とも考えられる。 モディ首相がインド太平洋を重視するに至ったのは、中国の影響力の増大を強く意識する中で、地域的には南アジアの枠を越えて、大国としての外交を展開しようとする意欲の表れとも考えられる。

その点、モディ首相が BIMSTEC を重視するようになったのは興味深い。BIMSTECは日本ではあまりなじみのない言葉であるが、モディ首相が、インドの東側、東南アジアを重視するようになったことを示すものとして、インドの戦略の重要な変化を象徴するものである。

ジャイシャンカル外相の下、日本とインドとの関係が一層緊密化することが期待される。 6月4日、河野外務大臣は、ジャイシャンカル外相と電話会談を行い、日本と関係の深いジャイシャンカル外相の就任に祝意を表した上で、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、グローバル・パワーたるインドが果たすべき役割と責任は極めて大きい、と述べた。

日本と関係の深いジャイシャンカル外相というのは、ジャイシャンカル外相がかつて日本に勤務した経験があることを念頭にしての発言と思われる。ちなみに、ジャイシャンカル外相の夫人は日本人である。 

ジャイシャンカル外相

河野外務大臣はまた、昨年モディ首相が訪日したことを踏まえ、今年は安倍首相がインドを訪問する番であるとも述べた。 モディ首相が、インド太平洋を重視する政策を掲げていることは、日本にとって心強いことである。インド太平洋の航行の自由を確保することは、日本にとって死活的な重要性を持つ。日本は、2015年の安倍首相のインド訪問の際に言及した両国の特別戦略的グローバル・パートナーシップの一層の推進に努めるべきであろう。

第二期モディ政権のモディ=ジャイシャンカル外交は、十分、それに応えてくれることが期待できる。上記のBIMSTECを重視するインドの姿勢もそうだが、昨年のシンガポールでのアジア安全保障会議「シャングリラ・ダイアローグ」の基調講演でも、モディ首相が明言したように、インドは、「アクト・イースト」政策を推進し、ASEANを中心に、自由で開かれたインド太平洋を求めて行く(詳細は、2018年6月18日付の本コラムを参照)。実際、既に、インドは、様々な諸国と海洋協力を推進している。例えば、昨年10月11日から15日は、インド洋のベンガル湾で、日本の海上自衛隊が、護衛艦「かが」と「いなづま」を派遣して、日印共同訓練を行っている。


最近では、2019年(令和元年)5月3日から9日、米国と日本、インド、フィリピンの4か国で、南シナ海を中心とした海域で共同訓練を行なった。この4か国で共同訓練したのは初めてだと言われる。インドが、もはや非同盟中立国の伝統よりも、「アクト・イースト」政策を通じて、民主主義諸国とともに、ルールに基づいた「自由で開かれたアジア太平洋」を維持していきたいとの表れと見ることができる。日本としても歓迎すべきである。

【私の論評】アジア地域のサプライチェーンの脱中国的な再編が加速化し日本やインドは良い影響を受ける(゚д゚)!

今回の総選挙でモディ首相は有権者の愛国心をかき立てることによって勝利を引き寄せたが、途上にある経済改革を前進させることなしに国民の支持を維持し続けることは難しいでしょう。

経済大国に至る具体的な道筋を打ち出すことができなければ、格差や雇用に対する国民の不満が間を置かずに吹き出し始めるでしょう。

世界景気の先行きに不透明感が強まるなか、高い経済成長を実現し続けるのは難しいようにも見えます。ただインドにとっては、不透明感を強めている主因の1つである米中貿易摩擦が追い風になる可能性があります。中国と米国に代わる世界経済の担い手としてインドへの期待が高まっているからです。

これから、アジア地域のサプライチェーンの脱中国的な再編が加速化するのは当然のことであり、このことにより、日本やインドは良い影響を受けることになるでしょう。

アジア地域のサプライチェーンの脱中国的な再編が加速化

米中貿易戦争は、供給過剰で疲弊している世界経済を救うかもしれないです。なぜなら現在世界経済が疲弊しているのは、中国を中心とする国々の過剰生産とそれに伴う過剰貯蓄の影響だからです。

各国経済のマクロ・バランスにおける「貯蓄過剰」とは、国内需要に対する供給の過剰を意味します。実際、中国においてはこれまで、生産や所得の高い伸びに国内需要の伸びが追いつかないために、結果としてより多くの貯蓄が経常収支黒字となって海外に流出してきたのです。

このように、供給側の制約が世界的にますます緩くなってくれば、世界需要がよほど急速に拡大しない限り、供給の天井には達しないです。供給制約の現れとしての高インフレや高金利が近年の先進諸国ではほとんど生じなくなったのは、そのためです。

中国が過剰生産をできるなくなることによって、世界経済は良い影響を受けるでしょう。特に、インドや日本はそうです。ただし、これは中長期的みかたであり、短期的には中国経済の悪化は無論日印によって悪影響を及ぼす可能性もあります。そのため、日本では増税などしている場合ではないです。インドでも当面の経済運営が重要になります。

米国と中国という二大国の経済成長に対する不安が高まれば高まるほど、安定した日本と巨大な市場と豊富な人材を抱えるインドの重要性が相対的に高まります。インドは米中に代わる投資先としての魅力をアピールすることで、400億ドル台で足踏みしている海外からの直接投資の流入量を増やすことができるかもしれないです。日本は、安定したハイテク部品の供給の見地から、見直されることになります。

懸念材料として、米国が次の“貿易戦争”のターゲットとしてインドを見ているのではないかという指摘はあります。今年に入りインドに対する一般特恵関税制度の適用を取り消す方針を示したからです。

また米国のイランへの経済制裁は、同国から原油を多く輸入してきたインド、そして中国を直撃しています。ただ、仮に米国がインドへの締め付けを強めるとすれば、それはインドと中国とを接近させる結果を招き、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)のような新しい経済圏の誕生を後押しすることになるでしょう。

それに、インドと中国とは根本的に違います。中国では選挙はありませんが、インドでは選挙があります。確かにインドは地方にいくと、未だに社会が遅れているところがあり、数年前にも、持参金問題で嫁を焼き殺すなどの信じがたい事件がありました。

とはいいながら、インドは民主化、政治と経済の分離、法治国家化が十分とはいえないまでも、少なくとも中国よりははるかに進んでいます。

政治と経済の分離が進んでない中国では、国営・国有企業がゾンビ化して、中国経済の足を引っ張っていますが、インドではそのようなことはありません。そもそも、インドでは中国のように、需要を全く無視して、製品を製造したり、住宅を建設することなどできません。そんなことをすれば、企業が倒産します。

西欧的な社会構造をある程度受け入れたインドと、それを拒絶した中国とでは、社会構造が全く異なります。米国にとっても、中共は滅ぼすべき相手ですが、インドの現在の体制は滅ぼすべき相手ではなく、ともに繁栄したいと望む相手です。無論日本も米国にとってはそのような存在です。

モディ首相率いる与党の優勢が伝えられて以来、株式市場や為替市場ではインド株とルピーが買われ大きく上昇しています。モディ首相は今回の選挙で獲得した国内における強い基盤と、海外投資家や企業からの期待を追い風にして、途上にある経済改革を加速させることができるでしょうか。2期目に入る政権の真価が問われます。私としては、中国が弱体化しつつある現在、モディ首相はうまくインドの舵取りをしていくと思います。

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