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凶悪な、あるいは猟奇的な犯罪が起きると、必ずと言っていいほど「暴力ゲーム」が槍玉に挙げられる昨今。以前と比べゲーム自体の社会的認知度があがり、大衆に広まった結果と受け止めることもできるが、それでも犯罪と関連付けられればゲームファンとして気分のいいものではないだろう。しかしこのほど、英紙で「暴力ゲームは犯罪数を減少させる」というレポートに関する記事が掲載された。この種のゲームをこよなく愛するゲーマーたちには朗報かもしれない。
イギリスのテレグラフ紙(オンライン版、2011年10月1日付)によると、このレポートは「暴力ゲームが暴力的犯罪に及ぼす影響の理解」というもので、欧州経済研究センターのベンジャミン氏、テキサスにあるベイラー大学のスコット氏、テキサス大学のミカエル氏らによって発表された。彼らは「暴力ゲームと犯罪の間に関連性があるとは思えない」「ゲーマーたちは現実世界でそのような犯罪を起こすことよりプレイに忙しい」と主張する。
「現在までにおいて、暴力ゲームが人間に攻撃性をもたらすということは”研究室での実験”のなかでは立証されているものの、それらのゲームが(実際に)暴力や犯罪の原因になったという実証はない」
「”研究室での実験”では、ゲームを長期間プレイした場合、つまり、プレーヤーがゲームをプレイすることに時間を費やし、(現実世界で)暴力的行為をおこなうような時間を失っている場合の調査ができていない以上、”研究室での実験”の結果で社会における暴力ゲームの影響を語るのは不充分なのではないか」
レポートではこのように述べられており、さらに「暴力ゲームの新作が発売されると、暴力犯罪率は急上昇するどころか、実際には下降するのである。これは、(潜在的に暴力的傾向のある)ゲーマーたちが、家でゲームをプレイするのに勤しんでいるためだ」とも書かれているという。
「もし暴力ゲームを規制する新たな法律が定められたら、かぎられた一部のゲーム・プレーヤーを暴力行為に引きよせ、短期間で犯罪を増加させる可能性すらもある。暴力ゲームは、結局は犯罪率を減少させているのである」
最終的にこう結論づけられているという同レポート。掲載された記事に対しては、「興味深いね」「このレポートを信じていいものかどうか」「その通り。同じことがポルノにも言えるんじゃない」など、英国民からのツイートが寄せられている。
この結果、疑問に感じる人もいるかもしれませんが、私自身は、あり得ることであると思います。なにせ、いかに最近の暴力ゲームがリアルになったとはいえ、現実世界とは違います。ゲーマーもそのことを十分に認識していると思います。
暴力の最たるものは、戦争ですが、戦争、特に規模の大きい最前戦に実際に参加した人なら、その凄まじさは、とてもじゃないですが、映画やゲームの比ではないことが十分に認識していると思います。戦争映画が大好きだからといって、暴力的になるなどということは信じられません。これは、戦争ゲームでも同じ事だと思います。
上は、『栄光の代償』というタイトルの、BBC制作のフォークランド紛争をテーマとした、テレビ番組の動画です。あの戦争は、大英帝国が勝利し、旧宗主国の面目躍如というところで、輝かしい面ばかりが強調されがちですが、この中に出てくる、兵士や、元兵士など、口々にこの戦争がこれほどの規模になるとは、考えてもいなかったことを語っています。口々にその悲惨さを語っています。現実は、本当にそうだったのだと思います。この紛争に関しては、以前もこのブログに掲載したことがあります。上の、動画には出てこない、さらに、悲惨な出来事があったことなど掲載しました。
いずれにしても、上記の「暴力ゲーム」が、犯罪数を少なくするかも知れないという、研究結果は、一般の人の認識とは異なると思います。しかし、そのようなことは、探せばたくさんあります。
たとえば、最近あの地球温暖化は、嘘であると、発言して有名になった武田教授が、別のことで、興味深いことを語っています。それは、タバコと、肺がんには、何の因果関係もないという発言です。武田教授は、「ここ、10年ほど、喫煙者の数が減り続けているにもかかわらず、肺がん患者数が増え続けていることを論拠として、これを語っています。武田教授は、そのことはをご自身のブログにも、書かれています。そのブログのURLを以下に掲載します。興味のある方は、是非ご覧になってください。
http://takedanet.com/2011/09/post_26f1.html
こんなことは、何も、犯罪ゲームや、タバコについてでの話だけではなく、その他にもいろいろあります。
たとえば、最近であれば、朝霞の公務員宿舎の建設の取りやめがありました。 野田首相は30日、首相官邸で記者会見し、国家公務員宿舎「朝霞住宅」(埼玉県朝霞市)の建設について、与野党双方から批判が出ていることを踏まえ、近く現地視察を行った上で建設計画を見直す考えを示唆しました。
東日本大震災の復興策を盛り込んだ2011年度第3次補正予算案に関し、「一日も早く野党との協議を進めたい」と述べ、自民、公明両党との3党協議を早期に開始することに意欲を表明しました。同予算案を提出する次期臨時国会の召集時期については「10月のなるべく早い時期」と語りました。
首相は朝霞住宅の建設について、「近々現場を見に行き、最終的な判断をしたい」と述べた。朝霞住宅は13階建て850戸の公務員用住宅で、9月1日に着工されました。
この朝霞宿舎は、結局のところ、5年間の凍結になりました。このニュースを聴いて皆さんは、どう思われますか。今の日本では、建てないことのほうが、大正解で、誰も、そのことを疑いはしないでしょう。与党も、野党も、建てるべきではないとの大合唱です。野党は、野党で、鬼の首をとったかのような剣幕で、この宿舎の建設に反対しています。
しかし、皆さん、ここで、上の「暴力ゲーム」のことや、「タバコ肺がん説」など思い返してください。みなさんは、この宿舎を建設することは何が何でも、間違いであると考えますか?これに関しては、実は、本来ならば、この宿舎は建設すべきですし、さらには、公務員の給料をあげるべきです。
このように書くと、皆さんは、違和感を感じますか?しかし、マクロ経済的にいえば、今は、宿舎は絶対に建設すべきであり、公務員の給料もあげた方が良いです。なぜ、そうなのかといえば、現在は、デフレだからです。
デフレとは、ご存知のように、「持続的な物価下落」です。物価が下がるのだから人々の暮らしはよくなるのではないか。インフレよりよっぽどいいのではないか。そう考える人も多いでしょう。実際、技術革新や安い外国製品の流入、流通業の効率化といった要因で物価が下がっている側面もあります。それなら人々の実質的な生活水準は上がっているのだから、デフレは何も悪いことではありません。「良い物価下落」という表現もあるくらいです。
しかし、実は物価全体が下落するという現象と一部の物価だけが下落するという現象は、経済には全く異なった影響を与えます。全ての物価が比例的に下落する状況の極端なケースは、デノミでです。つまり、今までの100円を新たな円で1円と表記するやり方です。この場合は、預金残高も賃金も住宅ローンも全て100分の1の価格になります。したがって、デノミそのものは経済に中立的です。
しかし、実際に生じているデフレの場合には、全ての物価が一律に下がっているのではありません。例えば、預金残高、現金、住宅ローンといった金融資産・負債といったものは、デフレであっても名目価値が下がりません。むしろ、デフレでは、こういった資産の価値は実質的に上がっています。そうすると、ローンを抱えた人たちはデフレで損をし、預金を持っている人たちはデフレで得をしていることになります。デフレによる所得移転です。デフレの所得移転は、経済にはマイナスに働く可能性が高いです。なぜなら、ローンを持っている人は、貯金している人よりも、もともと消費意欲や投資意欲が高いはずだからです。ローンを抱えている人から金融資産をもっている人に所得を移転すると、ものが売れなくなります。デフレによる所得移転が不況を深刻にしていくのです。
同じことは、賃金にもあてはまります。実は、正社員の賃金はデフレだからといってほとんど下がっていません。そうすると、雇い主からみるとデフレの時には正社員に高めの賃金を支払っていることになります。製品価格に比べて高くなった賃金のもとでは、雇い主はリストラして正社員の数を減らそうとします。一方、パートの賃金は、その時点の経済情勢で決まってくるので、高すぎるということはありません。すると、雇用主は、正社員をリストラして、パート社員を採用することになります。正社員の賃金は下がっていませんが、パートの賃金はデフレを反映して下がっています。正社員が減る一方で、パートが増え、両者の賃金格差は拡大します。運悪くリストラされた人たちや就職氷河期に就職できなかった人たちは、パートやフリーターとして低賃金の職につくか失業者となります。運良くリストラされなかった人たちも、リストラの恐怖で消費を控えてしまいます。
これは、本当に良くないです。だから、デフレは、経済の癌ともよばれていて、何をさておいても、なおさなければならないものです。しかし、一般にこの認識は低いです。
デフレの時の政府や日銀の対応は、やり方は、いろいろいでしょうが、方向性は、単純で、誰もがわかることです。政府は、大規模な財政出動を行ない、日銀は、金融緩和をすべきです。そうなると、何がおこるかといえば、インフレ傾向になり、ローンを抱えた人たちはインフレで特をし、預金を持っている人たちはインフレで損をしていることになります。そうなると、デフレによる、所得移転が是正されます。無論、やりすぎれば、この傾向がずっと続き、ローンを抱えた人は、大儲けで、預金をしているひとは、ますます、大損をすることになります。だから、やりすぎは良くないです。少し前の中国はこのような有様でした。なにしろ、年収200万円の人が、平気でローンを組んで、億単位のマンションを購入していました。これは、かなり異常なことです。
度を過ぎた、インフレになれば、政府は、緊縮財政をして、増税し、日銀は、金融引き締めをしなければなりません。
上記で、デフレの時に、政府は大規模な財政出動を行うと書きましたが、これは、具体的には、政府がお金をたくさん使うということです。お金を使うといえば、たとえば、公務員の宿舎を建築したり、公務員の給料をあげることも含まれます。だから上で、朝霞宿舎は建設すべきといったのです。朝霞宿舎を建設すれば、それを請け負う会社にお金が入ります。それは、その会社の賃金になります。従業員は、そのお金で、消費をします。
こうして、お金が世の中に、宿舎を建てないときよりは、お金がでていきます。無論、朝霞の宿舎だけでは微々たるものですから、このような工事をたくさんすれば良いのです。無論、無駄なものの建設はダメですが、必要なもの、将来も多く之人が恩恵をうけるようなものをたくさん建てれば良いのです。こんな時に、増税すればどういうことになりますか、そうです、賃金が実質的に目べりするので、あまりお金を使わなくなります。実施すべきは、減税です。減税すれば、多くの人の賃金が実質上がったことになるので、お金を使うことになります。
そうして、公務員の給料も上げれば良いのです。そうすれば、公務員も賃金が上がらなかったときに、くらべて、消費を多くします。消費が多くなれば、消費にあわせて、企業は、設備投資などして、生産を増やします。設備投資には、お金が必要です。そのお金は銀行などから借ります。こうして、デフレが克服されていくわけです。
今の日本は、全くこの反対をしていると思いませんか?デフレの最中に、増税をしようとしていますし、朝霞の宿舎建設は取りやめにして、緊縮財政をしようとしています。全く逆のことをしています。
まあ、政府が増税などを含む緊縮財政をしている最中ですから、公務員宿舎だけ建設するというのでは、風当たりが強くなるのが当たり前です。マクロ経済学で教えている基本中の基本どおり、復興は、建設国債でまかない、その他の景気対策は、国債で賄い、両方をすみやかに実施し、復興ならびに景気対策で、景気を回復し、税収入をあげるというのが、まっとうなやり方です。
ドラッカーが、マネジメントには、原理原則があると語っているように、国政のマネジメントにも原理原則があります。これを知らないで、国政を司るから、民主党は右往左往するのだと思います。まったくもって、困ったものです。世の中、まずは、原理原則どおりに動いてみて、それでも駄目だったら何か新しい今までとは異なる事態に直面しているということと判断して、また、別の手を打て場良いのに、最初から原理原則を無視したのでは、どうしょうもありません。
そうして、景気が回復して、過熱気味になれば、今度は、増税して、緊縮財政をすればよいのです。日銀は、金融引き締め策をすれば良いのです。
今の状況では、本来、政府が、大規模な財政出動を行ない、減税をして、日銀は、金融緩和を行ない、その一環として紙幣を増刷を行うべきです。でも、今の政府、日銀は、すべて逆です。何で、こんなことをするのかさっぱり理解できません。この行動、上の記事でいえば、政府が、暴力ゲームを禁止して、かえって、犯罪を増やしているとか、タバコを値上げして、庶民の手にはいりずらくしても、結局、肺癌が減らないという事態に直面するようなものです。皆さんも、全部の人が両手をあげて、大賛成するような事柄は、一度徹底的に疑ってみる必要があると思います。
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