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2015年3月11日水曜日

日本と過去:消化されていない歴史―【私の論評】多くの日本人が、虚心坦懐に過去を評価しないから金融政策でも、震災復興でも、歴史問題でも間違いがいつまでも続くのだと心得よ(゚д゚)!


2015.03.11(水) The Economist

(英エコノミスト誌 2015年3月7日号)

昭和天皇が被災地視察 東京大空襲の深川 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 1945(昭和20)年3月18日、昭和天皇が東京大空襲で焼け野原となった深川地域の富岡八幡宮境内などを視察した。10日未明、米爆撃機B29約300機による2時間半にわたる焼夷弾の投下で、江東、墨田、台東の下町地区を中心に約27万戸が焼失し、10万人以上が死亡したとされる。(写真ならびにこの説明文はブログ管理人挿入)
被害者としても侵略者としても、日本はなかなか過去と向き合えずにいる。

東京で眠っていた多くの人は、米国のB29爆撃機の轟音を聞いていなかった。下町に住む早乙女勝元さんが父親に体を揺すって起こされた時には、自宅周辺が炎に包まれていた。

東京大空襲による犠牲者 以下同じ

運河は逃げ場にならなかった。ゼリー状になった爆弾のパラフィンが水を炎に変えていたからだ。一度パラフィンがくっつくと、体が「骨まで」燃え続けたと早乙女さんは言う。

東京大空襲の惨禍


現在83歳の早乙女さんは、1945年の東京大空襲の記念日を迎えようとしていた。3月9日から10日にかけて、一晩で約10万人が亡くなった。多くの男性が(破滅的な方向に向かっていた)戦争で東京を離れていたため、犠牲者の大部分は女性と子供、老人だった。

その夜の犠牲者の数は、1945年8月6日の広島の原爆投下による犠牲者よりはいくぶん少なかったが、その3日後に長崎に落とされた原爆による犠牲者より多かった。

焼夷弾を用いた空襲を受けたのは、東京だけではなかった。1944年11月から1945年8月にかけて、70近い都市が瓦礫と化し、民間人を中心に恐らく30万人が死亡した。一連の空襲は欧州で行われたどんな軍事行動よりもはるかに破壊的なものだった(下表参照)。



横網町公園の一角にある記念館が、数千人の死者の灰が入り混じった納骨堂の隣で犠牲者の証人になっているが、死者を文書に記録する公式な試みは2009年に始まったばかりで、まだ不完全だ(横網町公園は、1923年の関東大震災の犠牲者も追悼している)。

1945年の東京大空襲を題材にした小説を書いたブレット・フィスク氏は、戦争の後、東京には犠牲者を適切に悼む感情的、財政的な余力がなかったと言う。日本には、冷戦下の新たな同盟国になった米国と事を構える意欲もなかった。1990年代には、博物館新設計画が頓挫した。保守派は、戦争犯罪の描写を含むプロジェクトは愛国心に欠け、「自虐的」だと言った。


民間人の苦しみを認めるのが難しいとすれば、日本のナショナリストたちが日本帝国陸軍によってアジアの至るところで行われた残虐行為を受け入れるのはもっと難しい。

注目の戦後70年談話

今では、現職の首相が8月15日の終戦記念日の10年ごとの節目に、戦争に関する談話を発表するのが慣例になっている。1995年には、社会党の村山富市首相が最も踏み込んだ発言をし、日本の「植民地支配と侵略」に対する「痛切な反省」を表明した。戦後ほぼ一貫して日本を支配した自民党の出身で、ナショナリストの小泉純一郎氏は2005年に、村山談話の主要な言い回しをほぼ一字一句繰り返した。
安倍総理 戦後70年談話で何を語るのか注目されている

現首相の安倍晋三氏が70周年記念に際して何を言うかが、目下、多くの憶測を呼ぶ話題になっている。

安倍氏は、村山談話を「全体として」踏襲すると述べている。だが、最近の兆候は、日本と先の戦争に関する極めて重要な表現が変更される可能性があることを示唆している。

安倍氏は間違いなく、平和と繁栄を促進してきた戦後日本の模範的な実績と、それが今後どのように続くかを強調したいと思っている。だが、自民党のあるベテラン議員が先月要請したように、首相が日本の明るい未来を強調する最も確実な方法は、逃げずに、過去に関するこれまでの談話を引き継ぐことだ。

【私の論評】多くの日本人が、虚心坦懐に過去を評価しないから金融政策でも、震災復興でも、歴史問題でも間違いがいつまでも続くのだと心得よ(゚д゚)!

まさしく、日本は逃げずに過去の歴史をしっかりと見直すべきです。

さて、上のエコノミストの記事は、全くイギリスの歴史観からしかものを語っていません。日本の歴史観からすれば、大東亜戦争は、まったく別次元の出来事となります。

下の地図をご覧になって下さい。これは大東亜戦争始まる少し前のアジアの地図です。この地図でみると独立国は、何と日本と、タイ国だけです。この状況からすれば、日本もうかうかしていれば、欧米列挙に飲み込まれるおそれが十分にありました。

大東亜戦争以前(80年前)のアジアの実像ー
ブログの冒頭の記事を掲載したイギリスは、アジアで最大の植民地を運営していたではありませんか。それも、当時の日本の朝鮮や、台湾などの統治と異なり、徹底的に搾取の対象とした植民地経営をしていたではありませんか。ロシアも、フランスも、オランダそうしてアメリカもアジアに広大な植民地を持っていたではありませんか。

これらの国々の植民地支配は苛烈なものでした。日本のように、朝鮮や、台湾に優秀な人材を派遣して、総督府を設立して、学校・病院・郵便制度その他文明化をするなどとは程遠い、全く搾取の対象でした。

日本は、特に当時のロシアの南下に脅威を抱いていたので、まずは日露戦争でロシアを屈服させましたが、その後のロシアの脅威は続き、朝鮮王朝の希望もあったので、朝鮮を併合し、その後満州国を傀儡として独立させ、ロシア南下を阻止することにしました。

とにかくこの時代では、アジアに西欧の列強が次々の侵攻してくるものですから、日本としては、自己防衛のためにこのようなことをせざるを得ませんでした。

これについては、マッカーサーがアメリカに帰国した、マッカーサーが、日本の戦争は防衛戦争だったとして、公聴会で証言しています。

さて、大東亜戦争が終了したときには、日本が満州に傀儡国家である満州国を樹立していました。しかしながら、ここはもともと少数民族の地域であり、国家として成立していてもおかしくはない地域でした。

そうこうするうちに、日本は、ABCD包囲網(米英中蘭)を構築され、ハル・ノートをつきつけられため、日本としては、石油などの資源を求めて、南方に進出せざるを得ない状況に追い込まれました。そうして、日本は南方に侵攻し、アメリカとも戦うことになりました。

そうして、今日大東亜戦争は無謀な戦争だったといわれていますが、これこそ、米国のGHQに植え付けられた全く誤った考えであり、大東亜戦争は十分に勝つ見込みのある戦争でした。それに、欧米列強の植民地政策にあえいでいた植民地の人民の多くは、日本の侵攻をアジアの開放として歓迎しました。

これについては以前このブログにも掲載したことがあるので、その記事のURLを以下に掲載します。

これだけではなく、現在ですと、倉山満氏氏の以下の、書籍をご覧いただけると良くご理解いただけるものと思います。

現状の北朝鮮、韓国、中国などの日本侵略説など、全く後世のつくり話です。しかも、北朝鮮、韓国、中国と日本とは一度も戦争したこともありません。なぜなら、北朝鮮・韓国は、当時日本領であり、当時中国を支配していて、日本と交戦したのは、中華民国であり、現在の中華人未共和国ではないからです。

大東亜戦争終了直後の中国の版図は以下のようなものでした。中華人民共和国設立直後の中国の版図は以下の赤い部分のみでした。そこから、中国は侵略を開始し、満州国、東トルキスタン国、チベット国に対して侵略を開始し、現在の中国の版図にまで拡張しました。



そうして、中国の侵略を除くと、他の多くの国々は、元々あった自国の版図を取り戻しています。それが、以下地図に示したの今日のアジアです。

終戦から70年、現在のアジアの地図

さて、上記が日本側から見た、大東亜戦争のあらましです。このようなことは、世界中の人々が周知していることです。このように歴史を振り返ってみると、英国のエコノミスト紙の記事がいかに偏ったものであるか理解できます。

しかし、そうはいっても、確かに日本人も多くの人びとが、様々な理由からなかなか過去の歴史に向き合うことができていません。

特に、終戦後アメリカのGHQが日本を占領して以来、上で述べたような明らかな日本側からみた、アジアの歴史がないがしろにされ、修正されてきました。

歴史修正の一つとして、バターンの死の行進なるものがあります。大東亜戦争中、フィリピンで、日本軍の捕虜になった7万人のアメリカ兵が、「バターン死の行進」で、大勢死んだことになっています。

ところが、ジャーナリストの笹幸恵(ささゆきえ、もちろん、女性)が、実際に同じ道を同じ季節に歩いたところ、簡単に歩けてしまったそうですそうです。良く考えてみると、わずか80キロです。800kmではありません。

笹幸恵さん
多くの皆さんは、「フィリピンは、さぞ暑いだろう」と思うかもしれませんが、実は東南アジアは、日本の夏より、ずっと、涼しいのです。日本は、湿度がかなり高くて、東南アジアより、体感温度は、ずっと暑いのです。

”日本歩け歩け協会”(私も、一時期、会員でした)の会員は、毎月のように、日本や外国のどこかで、ウォーキングの大会をやっています。

1日~4日くらい(大会によって違う)の期間でやりますが、1日に歩く距離は、20キロ~50キロです。
80キロなら、わずか2日で歩けます。

ねつぞうされたバターン死の行軍

「健脚だからできるんだろう」と言われそうですが、歩いていたら、健脚になるんであって、はじめから、健脚の人はいません。

しかも、この”歩け歩け協会”の会員の方々は、「寝たきりになりたくない!」とがんばっている高齢者(年金生活者)の方が多いです。

平均年齢は、65歳を超えていて、80歳を超えている人もいます。

「日本の高齢者が歩けるのに、アメリカの若者が歩けない」なんてことは、ありえません。「バターン死の行進」は、日本軍を貶(おとし)めるための、でっちあげとしか思えません。

これ以外にも、とんでもない歴史の修正が多数なされています。これは、西欧諸国によるものだけではなく、何と、韓国、北朝鮮、中国などこの時代には歴史に刻まれてもいないような国々の捏造も多数あります。

慰安婦募集のチラシ

韓国は、日本軍は、従軍慰安婦20万を強制的に徴用して死に至らしめたなどというとんでもない歴史修正を行いました。上の写真は、当時の朝鮮での慰安婦募集のチラシです。従軍慰安婦は、強制連行・日本兵による強姦というのは全くの嘘であり、従軍慰安婦は捏造された歴史である何よりの証拠です。

この当時の巡査の初任給が45円だった時代、月収300円というのは現在の価値に換算すると月収133万円以上の高給であり、軍の高級将校の給与に匹敵します。慰安婦の募集内容からして、誰が読んでも 「売春の仕事だ」と分かります。

それに20万ものおびただしい女性が、強制連行されたというのであれば、東京大空襲の犠牲者よりも多いわけですから、各地に写真やその他の証拠がいくつもみつかるはずです。にもかかわらず、韓国が出す証拠は嘘偽りだらけのものばかりです。

中国は、中国で南京虐殺20万などと途方もないことを言い出し、こちらも、当然のことながら史実ではないので、まともなし証拠などあげられた試しはありません。彼らの証拠は、まるで玉ねぎの皮のようなものであり、まともに受けて、真剣に玉ねぎの皮をむくように、むいていくと最後には、何もなくなってしまうような代物ばかりです。

今の世界は、このような偽りの日本の歴史が世界中に満ち満ちています。

日本軍による南京虐殺の証拠写真だといわれた写真 後に捏造であることがはっきりした
このような様々な虚偽の歴史が喧伝され、蔓延していたので、多くの日本人は、過去の出来事、特に大東亜戦争前後の歴史に関して、まるで腫れ物に触るように、避けてきたという面は否めません。

まさに、こういう点では、日本人は過去の歴史に真剣に真正面から取り組んでこなかったという指摘は、正しいです。

そうして、この期間の歴史をあまり振り返らないということが、その後の日本に多くの災いをもたらしました。

それは、今日2つの大きな問題を日本にもたらしています。

まずは、20年にも及ぶ長い、デフレの放置です。いわゆる世界恐慌の原因は今日はっきりしており、それはデフレでした。日本も、大東亜戦争の直前には、深刻なデフレに見舞われて、とんでもない状況に陥っていました。ちなみに、日本のこのデフレを日本では、昭和恐慌と呼んでいました。

しかし、これは当時の大蔵大臣に高橋是清により、今でいうところの、金融緩和策と積極財政により、立ち直ることができました。そうして、これによって日本は世界で最もはやく、世界恐慌から脱却することができました。

こうした輝かしい歴史も、日本人が歴史を真摯に振り返らないという姿勢があったせいか、政治家や、官僚、マスコミでさえも、振り返ることもなく、最近の日本のデフレは、放置され、結果として20年もデフレというとんでもない結果を招いてしまいました。

これなど、高橋是清のデフレ政策を虚心坦懐に振り返っていれば、こんなに長期にわたって、デフレ・円高政策が執拗に繰り返されるというような愚の骨頂のようなことは防げたはずてす。

そうして、もう一つの馬鹿げた珍事もありました。それは、東日本大震災の復興に際して、復興税なるとんでもない代物が出来上がったことです。

これなど、過去の関東大震災の歴史や、戦後の復興などの歴史を振り返っていれば、こんな馬鹿真似はしなかったはずです。復興に増税とは、まったく開いた口がふさがりませんでした。

これについては、高橋洋一は、震災復興当時の記事を以下のようにツイートしています。
古今東西、大規模な自然災害などや戦災の復興に関して、増税するなどという馬鹿真似をした国はありません。あったとしたら、東日本大震災時の復興にあった当時の民主党政権の日本しかありません。これは、事実です。疑問に思われた方は、史実をお調べ下さい。

この馬鹿さ加減については、経済学者の田中秀臣氏も以下のようにツイートで痛罵しています。
とにかく、復興を増税で賄おうなどという発想は、ほとんどあり得ません。東日本大震災のような大災害の復興途上では、日本国全体の経済が悪化しているのが当然ですから、そこで増税などという発想には普通なりません。

しかも、当時の日本はデフレの真っ最中ですから、さらに始末におえません。増税してしまえば、デフレ・スパイラルのどん底に再度突入するのははっきりしていましたし、それに復興のためただでさえ円の需要が増えるにもかかわらず、金融緩和もしないという有り様では、超円高になるのは当たり前のど真ん中でした。

しかし、当時の政権はもとより、その当時は野党であった自民党までが、復興税に賛成して、とんでもない、歴史上の最大の汚点でもある、復興財源としてての増税をしてしまいました。本当にとんでもないです。

もし、この頃にまともな人間が政府内にいて、復興と金融緩和、復興債を大量刷るような政策をとっていたら、日本はかなりはなくデフレから脱却することができました。

以上みてきたように、確かにエコノミスト紙がいうのとは全く別の次元で、日本人はもっと過去の歴史、特に近現代史を真摯に見直すべきです。

なぜなら、欧米諸国に対して、正しい歴史認識をさせ今後の世界で無用な対立を避けるためにも、日本自身のためにも、過去を虚心坦懐に振り返る必要があるからです。

まさに、多くの日本人が、虚心坦懐に過去を評価しないから金融政策でも、震災復興でも、歴史問題でもま間違いがいつまでも続くのです。私達日本人は、過去に遡れば素晴らしい歴史があるわけですから、それを正しく評価して、新たなことに立ち向かえば、たいてのことは正しく判断できるはずです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思わますか?

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2015年2月13日金曜日

やはり「ISILも“普通”のイスラム教徒も根本は同じ」なのだろうか―【私の論評】中東やイスラムの問題を日本人の感覚で語るのは間違っているどころか、百害あって一利なしと心得よ(゚д゚)!

やはり「ISILも“普通”のイスラム教徒も根本は同じ」なのだろうか


やはり「ISILも“普通”のイスラム教徒も根本は同じ」なのだろうか。

在日イスラム教団体『日本アハマディア・ムスリム協会』が、『シャルリー・エブド』の風刺画を転載した本を出版した出版社に対し、「宗教を侮辱する行為を断固として非難する」とするコメントを発表した。
『日本アハマディア・ムスリム協会』の声明(抜粋) 
今回、第三書館が出版する本について知った時はすごく心が痛みました。私達は、全ての宗教、全ての預言者たちを尊敬するべきであり、お互いの感情に気を使うべきであると理解しています。そうしたなかで、宗教を侮辱するような行為に対して私達は、断固として非難します。 
言論の自由は社会を発展させるのに必要だということにはなんの疑う余地もありません。しかしこの「自由」は宗教を侮辱するべきではありません。侮辱することは、道徳的にもいけないことです。
今のところマスメディアでは「“普通”のイスラム教徒まで刺激するのはマズい」という“配慮”からか、件の風刺画やイスラム批判を自主規制する論調が主流となっている。

だが、参考資料として件の風刺画の転載は必要だと考える人もいるネットの自由な言論空間では、この声明を「イスラム教のルールに従わないのは侮辱だから従え」という、在日イスラム教徒の傲慢な意思表示として受け止めた日本人も多かった。何せここはトイレの神様とか貧乏の神様なんてものまでいて、それらすべてが昔から普通に絵に描かれたり、今だと“薄い本”に登場したりもする国である。ある特定の宗教の象徴だけを殊更丁重に扱えと求められても、それは受け入れがたい。幸いと言うべきか、これまで日本人はイスラム教徒との接点がほとんどなかったが、今回の声明を見て、頑なに唯一神を崇め続ける“敬虔”なイスラム教徒と日本人は非常に相性が悪いことに気付いてしまった人が多いのではないだろうか。

そもそも多神教への明確な敵意が記述された『コーラン』を素直に読めば読むほど、イスラム教の教義自体が独善的で異教徒に対する暴力性をはらんでいると思わざるをえない。『コーラン』で多神教徒の扱いについて記された最も有名な章句である9章5節には「多神教徒は見つけ次第殺せ。ただし、イスラム教に改宗し義務を果たすなら許せ」という主旨のことが書かれているが、これが原理主義と結びつくと恐ろしい結果を招くことになるのは明白だ。ISILの支配地域では今まさにヤジディ教徒の虐殺が起こっているし、異教徒を拉致して強制改宗を迫る事件もイスラム国家の各地でしばしば発生している。ISILの構成員には、移民・難民としてヨーロッパ各国に流入し、現地に溶け込まず独自のイスラムコミュニティを形成して“敬虔”かつ“普通”に暮らしていたイスラム教徒の二世・三世が多く合流しているという。イスラム教を擁護する人は「イスラム教は“本来”寛容な宗教だ」と決まり文句のように言うが、“実際”に世界各地で起こっていることを見ると、テロ組織であるISILに限らず、今のところは穏健派とみなされているイスラム教徒も容易に危険な過激派に転びうる恐れがあるのではないかという疑念を拭い去れない。

そこで日本人が「イスラムの教義は多神教徒を侮辱しているから修正しろ」と要求したところで、まず間違いなく彼ら“敬虔”なイスラム教徒は聞く耳を持たないだろう。イスラム教圏の国でイスラム法に基づく生活をしてもらっている分には一向に構わない。しかし、日本にその価値観を持ち込まれても迷惑だ。イスラム教徒全体が押し付けがましく傲慢だと思われても仕方がない。

日本人は宗教に関して無頓着すぎるとよく言われる。かといって虚無主義的な無宗教者でもなく、緩い信仰心を保ちつつ、まずまず社会規範を守って暮らしてきた民族だ。イスラム教に支配された中東・アフリカ諸国よりもおおよそ豊かで治安も良い、民主的な先進国として認められている。

民主国家では、政治や宗教のように人々を強制的・盲目的に従わせる権力の集まる機構こそ常に自由な批判に晒されなければならない。日本国内では自由な宗教批判が可能な一方で、モスクの建設を認めていないわけでもないし、信徒の勧誘を禁じているわけでもないし、コーランの出版をすることもできる。信教の自由は保障されている。それで十分ではないか。己のすべてを委ねて帰依できるほど素晴らしい宗教ならば、無知な不信心者になんと言われようと鷹揚に構えていればよいのだ。

『シャルリー・エブド』の風刺画は確かに下品で低俗かもしれない。だが風刺と侮辱の間の線引きは誰のどんな価値観をもってするのか。あの風刺画を見て、「その通りだ、面白い」と感じる人もいるのだ。「俺が侮辱だと感じるから禁止」という理屈は通らない。高尚で公益に資する言論だけが認められる社会は不自由だ。ロクでもない言論こそ守られなければならないのが言論の自由というものだろう。「鬼神を敬してこれを遠ざく」「触らぬ神に祟りなし」と言うが、また同時に日本は「鰯の頭も信心から」ということわざもあるように、「お前の拝んでいる神様はおかしいよ」と言ってやることもできる、言論の自由がある国なのだ。「シャレにならない反応が起こりそうだからやめておこう」などと“配慮”をする者は、意識・無意識はともかく、テロリストの“抑圧”に手を貸す愚か者である。だいたい、1000年以上も昔に生きていた「ターバンを巻いたおっさん」の絵を描いたからといって、具体的に誰がどんな被害を被るというのか。

あるいはそんな日本人のテキトーな宗教観が気に入らないというイスラム教徒がいるのなら、その人は、多神教を信仰することによって“堕落”した日本社会を批判し、みすぼらしい貧乏神やトイレの神様をバカにした風刺画でも公開してみてはいかがだろう。自由主義者が信奉する「言論の自由」に対する風刺でもいいかもしれない。恐らくほとんどの日本人は笑って“寛容”に受け流すであろうが。くれぐれも暴力に訴えることだけはカンベンしてもらいたい。

画像引用:『日本アハマディア・ムスリム協会』公式サイトより
http://www.ahmadiyya-islam.org/jp/


【私の論評】中東やイスラムの問題を日本人の感覚で語るのは間違っているどころか、百害あって一利なしと心得よ(゚д゚)!

上の記事、日本には表現の自由があるので、これは意見として述べるのは良いとは思いますが、とても賛同できるものではありません。

その理由としてまず、第一に、、韓国の元大統領の李明博の「(天皇陛下が)韓国を訪問したいのなら、 独立運動で亡くなった方々に対し心からの謝罪をする必要があると(日本側に)伝えた」と
発言したという出来事がありましたが、この発言はかなり日本国内でも、不評だったし、実際無礼極まりなく話にも何にもならなかったと思います。この件に関しては、

これは、2012年の出来事ですが、これに関して高崎経済大学教授・八木秀次氏が当事取材を受けて、産経新聞に以下のような記事を掲載していました。

高崎経済大学教授・八木秀次氏
日本人の怒り理解できぬ韓国人

 ≪天皇を最高政治権力者と誤解≫

 東日本大震災の被災地や、被災現地を訪問された天皇皇后両陛下について取材した経験から、李大統領の発言は竹島や慰安婦の問題とは次元の異なる、触れてはならない日本人の 神聖な部分に触れたような思いがする、解説してほしい、という趣旨であった。

 韓国では王室がなくなって久しいこともあって、天皇を政治権力の最上位の存在と 理解している。韓国で天皇を「日王」と呼ぶのはそのためで、李大統領もそのような 認識で発言したはずだ-。記者は、そう問いかけてきた。

 私は、天皇はそうではなく、国家・国民のために「祈る存在」である、と強調した。天皇は実際の政治とは遠いところから、国民生活の安寧や国家の発展、世界平和を祈る宗教的な存在であり、そして、そのような立場からその時々の権力者に対し、その地位を認める存在であると説明した。

 大震災を取材して、記者には思うところがあったようだ。韓国人は古くから外国の 侵略と戦ってきたのに対し、日本人は古来、島国ゆえに外国からの侵略はほとんどなく、 自然災害と戦ってきたのだなと実感したという。そして、絶えず自然災害にさらされている日本では、国民生活の安寧を祈る天皇のような存在が必要なのだと納得するようになった。

日本人にとってはそのような存在である天皇を、大統領発言は侮辱したのではないか。 
だとすれば、これは大変なことをしてしまったのではないかと心配になっている、と。
以上の韓国人記者のはなはだしい認識不足には、愕然とします。まずは、天皇陛下を最高権力者であると勘違いしていることも酷いですが、そんなことはないとは思いますが、もし李明博が、天皇陛下を日本の為政者のトップとみなして、あのような発言をしたのだとすれば、とんでもないぶっ飛び発言であり、韓国は下から上まで、馬鹿の集まりということになると思います。

上の記事で、八木氏は「天皇は実際の政治とは遠いところから、国民生活の安寧や国家の発展、世界平和を祈る宗教的な存在であり、そして、そのような立場からその時々の権力者に対し、その地位を認める存在であると説明した」とありますが、八木氏は、天皇陛下のことを宗教的存在としており、特定の宗教の最高権威者というような言い方はしていませんでした。

実際、天皇陛下はそのような存在ではありません。しかし、日々いろいろとご祈念されていることは間違いありません。元日にも、お祈りの時間が決まっていて、朝はやくからお祈りされていたということも事実です。

実際元旦の未明には、毎年四方拝と歳旦祭という儀式が、行われるため、天皇陛下は仮眠はおとりになる程度で、ほとんど徹夜をなさいます。天皇陛下は黄爐染御袍という、天皇のみが着装を許される古式に則った装束をお召しになり、厳寒のなか防寒具もおつけにならず、ひたすら国民の幸せをお祈りになります。この四方拝をお済ませになると、続けて宮中三殿にお進みになり、歳旦祭をなさいます。

儀式に臨まれる天皇陛下

陛下の元旦は、こうした儀式で始まりますが、その他日々様々な儀式があります。まさに、国家・国民のために「祈る存在」であらせられるのです。しかし、だからといって、天皇陛下が他の宗教のたとえば、バチカンの法王のような存在かといえば、それもまた異なります。だから、韓国人など外国くの人々には天皇陛下の本当の存在の意味などなかなか理解できないと思います。

天皇陛下に対して李明博の行った、発言は天皇陛下のいちづけなどほとんど理解していないから、平気でできたのだと思います。

それと同じように、多くの日本人は、イスラム圏での、預言者の位置づけなどほとんどわかっていないと思います。それは、フランス人も同じことです。そのような感覚で、むやみに他国の預言者などの批判など軽々しく行えば、まるで李明博のように愚かなことになってしまいかねません。

第二に、日本人とイスラム教文化圏と、キリスト教文化圏とでは、全く文化が異なります。日本は特異中の特異です。それに関しては、ジャーナリストの渡邉哲也氏が以下のようなツイートをしています。
私達日本人は、他の国々とは全く異なる環境に生まれ育ったときから慣れ親しんで、体に染み付いてしまっているので、これを特異だとか、変わっているなどとは全く思いません。その感覚で、中東やイスラムの問題を語るのは間違いです。

さらに、渡辺氏は以下のようなツイートもしています。 
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教における、預言者エイブラハムは、「聖典の民」が篤く尊敬し、祝福する預言者で、ヤハウェが選んだ預言者です。


今回の人質事件に関しては、左翼系の人々が上の写真のように、在日韓国人等が「I am not ABE」というプラカードを持ってデモをしていました。これを見たユダヤ教、キリスト教、イスラム教徒はどう思ったでしょうか?ひよっとすると彼らは期せずして、全世界を敵に回した可能性があります。無知を自覚せずに、主張するとは恐ろしいことです。

ちなみに、日本が宗教に関して特異であるということについては、このブログにも以前掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
「中韓」とは異質な日本人の「精神世界」…仏作家は「21世紀は霊性の時代。日本は神話が生きる唯一の国」と予言した―【私の論評】日本は特異な国だが、その特異さが本当に世界の人々に認められ理解されたとき世界は変る。いや、変わらざるをえない(゚д゚)!
式年遷宮「遷御の儀」で現正殿から新正殿に向かう渡御行列。
伊勢神宮は日本人と心のふるさと、未来への道しるべだ
=平成25年10月2日夜、三重県伊勢市の伊勢神宮

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事をご覧いただければ、いかに日本が宗教において、世界で特異な位置を占めているかご理解いただけるものと思います。

日本では、宗教以前に霊性を重んじるという、精神文化が継承されてきて、根付いており、日本人の多くが他国とは全く異なる宗教観を持っています。

このような私達は、韓国人が天皇陛下の存在が理解できないように、他国の宗教や預言者を理解することは容易ではありません。イスラム教に限らず、キリスト教など他の宗教はなかなか理解できません。理解できないという事自体は、特に問題はないですが、宗教関係のことを語るときには、なかなか理解できないことを前提として語るべきです。

その意味では、上の記事は、その配慮に欠けていると思います。日本国内で、日本語で書かれているだけなので、さほど問題にはなりませんが、これが多国語で世界的に配信されるようなメデイアであれば、とても掲載できるような代物ではありません。

この記事では、日本の特異性が、世界の宗教的対立を避けるための大きなヒントになるのではないかということも記載しましが、ここでは特に掲載しません。興味のある方は、是非この記事をご覧になって下さい。

最後に、これは当たり前のど真ん中ですが、ISILと“普通”のイスラム教徒とはどう考えてみても、同じではありません。ISILはテロ集団です。普通のイスラム教徒は、無論例外もいますが、テロリストではありません。これを同列に語ることはできません。

以上3つの点から、上の記事は、一個人の表現の自由としては認めますが、とても承服できる内容ではありません。このような記事が、世界に出回るようなことがあれば、百害あって一利なしという結果になると思います。

上の言説もそうですが、日本では良く理解しないで自分の感覚で、宗教問題を語る人も多いです。このようなことは厳に慎むべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年12月1日日曜日

【経済学101】間違ってたときにすべきこと―【私の論評】日本にも金融緩和反対派がたくさんいて、こちらもどうして間違えたのか説明する人がいない!彼奴ら増税で経済が腰折れしたら、大騒ぎするだろうが、まともに信じちゃいけない(゚д゚)!

【経済学101】間違ってたときにすべきこと
by ポール・クルーグマン

ポール・クルーグマン博士
評論家の Barry Ritholtz がこの前,オンラインの文章で思い出させてくれたように,通貨毀損とインフレを警告する例の公開書簡がでてから3年目を迎えた.この書簡は,連銀の量的緩和政策が悲惨な帰結をもたらすだろうと警告していた.あからさまに間違ったわけだ.

それに,この書簡をいま読み直してみると,執筆陣はいったいどういう経済モデルを念頭においていたのか,不思議になってしかたない.著者たちはこんな風に書いてる:「計画されている資産購入は,通貨毀損とインフレのリスクを冒している.また,この政策によって,雇用推進という連銀の目的が達成されるとも思えない」

じゃあ,拡張せずしてインフレ促進的になるってこと? いったいどういう風に機能すると思われてるんだろう?

Ritholtz氏は,その議論のなかでこうした連中に耳を貸すべきでない理由としてこの間違いぶりを取り上げている.たしかに,注意信号にはちがいない.でも,ぼくはこんな風に考えてる.人々が間違ってるかに目を向けるだけじゃなく,自分の予測どおりに事態が展開しなかったときにその人がどう反応したか見ておくべきなんだ.

進行中の事態について文章を書いていながら一度たりとも間違ったことがないとしたら,ようするに十分に突っ込んだことを書いてないってことだ.世の中いろんな物事が起こる.ときに,自分が起こると思ってなかったことだって起こるものだ.

じゃあ,そういうとき,どうするの? そんなこと言いませんでしたよって言い張る? 批判してくる相手に食ってかかって,被害者ぶる? それとも,どこがどうして間違ったのか探り出して,それにしたがって自分の考え方を修正する?

これまでの年月,ぼくは何度も間違った.たいていは小さいことでのまちがいだったけど,ときには大きなまちがいもやらかした.1998年以前に,ぼくは流動性の罠なんて真面目に心配するようなことじゃないと思ってた.日本の例を見て,自分は間違ってたと悟った.それからやがて,流動性の罠はたしかに大問題だと結論づけるにいたった.2003年に,アメリカは潜在的にアジア危機方式の信頼の喪失に見舞われるおそれがあると考えていた.実際にはそうならなかったとき,ぼくは自分のモデルを考え直して,外国通貨での債務が決定的に重要だと理解して,見解を改めた.

ユーロの場合はちょっとちがう:緊縮と内的切り下げの戦略についてぼくはすごく悲観的だった.この戦略はひどいコストを伴うとぼくは考えていた――そして,その考えは完全に正しかった.また,このコストは政治的に維持できなくなり,ユーロそのものの危機につながるだろうとも推測していた.少なくともここまでのところ,ぼくはまちがってる.ぼくの経済モデルうまく機能してるけれど,暗黙裏の政治的なモデルはよろしくなかった.――まあ,そんな感じ.

2010年の公開書簡に名を連ねていた面々のうち,間違いを認めてどうして間違ったのか説明した人が誰かいるだろうか? そう,誰か1人でもいる? ぼくの知るかぎりゼロだよ.

ここにいたって,これは知的議論にとどまらなくなる.人格の問題になるんだ.

【私の論評】日本にも金融緩和反対派がたくさんいて、こちらもどうして間違えたのか説明する人がいない!彼奴ら増税で経済が腰折れしたら、大騒ぎするだろうが、まともに信じちゃいけない(゚д゚)!

民主党の反省会は意味がなかった本当の反省は間違いを認めて間違った理由を明確にすることだ

これは、アメリカの話なのですが、日本でも全く同じようなことがありました。そうです。安倍総裁がまだ総理になる前から、金融緩和をするといいだすと、金融緩和すると、ハイパーインフレになるぞと脅したり、金融緩和しても、銀行にお金が滞留するだけで何もかわらないとか、国債が大暴落すると脅したりとか?いったいあの人たちは、今頃どうしているのでしょうか?クルーグマン氏がいうように、この人たちが間違いを認めて、なぜ間違ったかを説明しない限り、知的議論にとどまらず、人格の問題になります。

とにかく、まともなマクロ経済学で教える、不景気のときには、金融緩和と財政出動をしなさいという理論(中には、財政出動だけすべきとケインズが言ったなどという似非ケインジアンなるものもいます)に対して、真っ向から反対する人々が日本にも大勢いました。このブログでもいくつか取り上げました、その典型的な例をこのブログにも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。(一つだけ、外国のものもあります)
民主・海江田氏、アベノミクスを追及…代表質問―【私の論評】お笑い番組みたいな、無意味、錯誤発言大炸裂の海江田代表!!民主党大丈夫か? 
低劣番組『新報道2001』で前原氏がデフレ原因は人口減、円高原因は震災によるサプライチェーンの寸断だと発言−【私の論評】日本で横行する、財政も、金融も、日本自体もわからなくなくなる低劣番組は視聴に値しない!! 
IMF会見「アベノミクスは世界のリスク」 困りモノの針小棒大報道―【私の論評】妄想にしがみつくIMFが主張するプライマリーバランス(財政バランス)重視が間違いであることは、市場が知っている。そうして近いうちに日本が最大の実証者になる(゚д゚)! 
安倍晋三氏の無責任な経済政策 - 池田 信夫氏−【私の論評】安倍総裁を無能呼ばわりしたつもりでしょうが、矛盾点が露呈してますが?! 
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第5回 デフォルトは「しない」ではなく「できない」―【私の論評】デフレの今日、財政破綻だの国債が暴落すると騒ぐ人は単なる詐欺師? 
【浜矩子】直視せよ!"バブデフレーション"で大格差時代が来る―【私の論評】矩子さまの凄すぎる御託宣(゚д゚)!でも、過去の御託宣はことごとく外れてますね(・・;)
テロ朝とうとうアベノミクス頓挫のためついに反日ドラマまで投入(゚д゚)!―【私の論評】どうしても、アベノミクスを頓挫させたいテレ朝の目論見を挫くため、テロ朝に抗議文を発信しよう!!まだ間に合うかも(゚д゚)!
アベノミクスの反対は「竦みのベア」 西日本新聞の皮肉コラムに「下品」「陰湿」と批判集中―【私の論評】マスコミはアベノミクスの本質を理解できないし理解しようともしない。「戦後体制からの脱却」は、マスコミ崩壊から始める(゚д゚)! 
アベノミクスに立ちはだかる経済メディアは「オオカミ少年」そのもの―【私の論評】新聞の経済論考を信じれば、国民の生活を破壊するだけ!!俺たちでチェックして、反日マスコミを駆逐しょうぜ!!経済記事は田村の兄貴に決まり!!
【安倍自民大勝利…永田町時限爆弾】アベノミクス支持者の卑劣な予防線―【私の論評】卑劣な八幡、新手法でアベノミクスを頓挫させようと試みるも、論拠があまりに幼稚か?
話題沸騰! あの『デフレの正体』の著者・藻谷浩介「里山資本主義」で日本は復活する―【私の論評】藻谷ファンタジー炸裂!増税推進派を含むアベノミクス反対派の思想的背景は結局空想的社会主義によるファンタジーか?そんなことでは、何も解決できない(゚д゚)!
(論文)日本の人口動態と中長期的な成長力:事実と論点の整理 :日本銀行 Bank of Japan―【私の論評】出た出た、日銀得意の嘘レポート!!

このブログの過去の記事検索すると、出てくるわ、出てくるわ!政治家としては、民主党の海江田代表、前原氏の円高は日本の円高はサプライチェーンの寸断という説とか、IMFから、池田信夫氏による金融緩和無効説とか、それにマスコミによる国債暴落話、紫おばさん(浜矩子さん)の不可思議なご託宣から、田村氏によるまるで狼少年のような新聞のお話、八幡氏によるアベノミクス派を卑劣モノ呼ばわりする理解不能の主張、アベノミクスに公然と反論する藻谷氏による「里山ファンタジー」、日銀によるデフレ人口減説という奇妙奇天烈説などなど、摩訶不思議、理解不能できりがないのでこれくらいにします。

それにしても、この記事に掲載したのはほんの一端に過ぎず、マスコミも、いわゆる似非識者の人たちも、こぞって、金融緩和しても無効とか、かえって駄目になるとか、さんざんぱら言っていましたが、現在の状況はどうでしょうか、昨年の今よりははるかに良いです。それは、経済指標が明らかに示していて、否定のしようがないです。そうして、来年4月に増税する直前の3月まで、間違いなく経済は上向き続けます。

この状況を上の記事で金融緩和を批判してきた人たちは、どう見ているのでしょうか?まだ日本は、デフレから脱却できてはいないものの、金融緩和をする前から比較すると随分良くなっています。今四半期も、特にこれから何も特別なことがない限り、さらに上向き続けることになり、速報値が出される頃には明らかにさらに良くなっていると思います。

しかし、彼らは未だに何も釈明しようとも、なぜ間違ったかも、誰も説明しようしもしません。これは、本当に知的議論にとどまらず、人格の問題です。

そうして、私はあらかじめ予告しておきます。これら恥知らずどもは、今は地下にもぐって何もいわず、来年の4月以降に増税で経済の腰が折れ始めたとたん、増税のことなど無視して、それみたことかと一斉に「金融緩和批判」「アベノミクス批判」そうして、「安倍総理批判」を執拗に繰り返すことになります。

金融緩和しても駄目だとか、増税などのことは無視して、あるいは増税による景気悪化効果など巧妙に隠蔽して、金融緩和に効果がないことをさかんにまくしたてることでしょう。これに関しては、さらに新手の似非ケインジアンが、金融政策に効果なし、財政政策だけ効果ありなどと、奇妙奇天烈な説をさかんにまくしたてています。とにかく相手が誰であろうと、日本が駄目になるようなことに導く発言を、金融緩和の効果が明らかに統計上にも表れている現在出来ないぶん、増税で景気が腰折れしたとたん、それみたことかと、百倍返しでいいたて、はやしたて、安部総理を潰しにかかることでしょう。

ほとんど人格破綻のリーガル・ハイのキャラクター?

しかし、良く考えてください、彼らはの金融緩和をして経済が上向いても、いっさい自分が間違えたとは認めず、間違えた理由も説明しない、傲慢な人格破綻者です。このようなものを信じてはいけません。

来年の4月以降、雇用が悪化したり、景気が停滞したとすれば、それは金融緩和が間違いなのではなく、増税が間違いなのです。本来は、増税せずに金融緩和と財政政策の両輪を動かせばよかったのですが、増税のために経済が落ち込むのです。連中は放置しておけば、またぞろ、金融緩和も、挙句の果ては財政出動も効果がないとか、駄目になるとか、格差を助長するなどと言い出すと思います。こんなのは、頭が馬鹿か、あるいは中国スパイかいずれかであり、いずれであっても、もう人格が破綻しているということです。

20世紀最悪の人格破綻者ヒトラー

人格破綻者の言うことを信じる必要はありません。私はそう思います。皆さんは、どう思われますか?

本日は、関連記事すでに上にたくさん掲載しましたので【関連記事】は掲載しません。

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2012年8月28日火曜日

仕事での失敗、年代別の受け止め方−【私の論評】失敗に関する見方で組織でも個人でも淘汰されるされないが決まる!!

仕事での失敗、年代別の受け止め方:


 人生に失敗はつきものです。どんなに能力が高い人でも失敗することはありますし、挫折することもあります。

 問題はその失敗を、自分の糧にできるかどうか。人の成長や進歩はその一点にかかっているといっても過言ではないはずです。

 『失敗バンザイ!やずやの西野さんに学ぶ「逆転成功」 の法則』(橋本陽輔/著、マガジンハウス/ 刊)は「にんにく卵黄」や「香醋」でおなじみの通販大手「やずや」で長... 続きを読む


さて、これに関しては、上記の元記事を読んでいただくものとして、Amazonの商品説明から以下にこの書籍の商品説明を掲載しておきます。
現・やずやグループ・(株)未来館の代表取締役である西野博道(にしの・ひろみち)氏のこれまでの仕事を分析することで、生き残る会社&生き残るビジネスパーソンはどこが違うのかを検証する自己啓発書の決定版。
1億円もの借金を背負って前の会社を潰した西野さんは、どうやってその借金を返し、「やずや」の急成長を支えたのか。
「一人でも多くの顧客を満足させる」「売上はお客様を喜ばせたご褒美である」という持論を実践した彼のビジネス哲学は、「失敗を原動力として成功する方法」に導かれる。
つまり本書は「失敗バンザイ! 失敗を原動力として活用する本」なのである!

■著者データ
新刊JP
ウェブサイト: http://www.sinkan.jp/



【私の論評】失敗に関する見方で組織でも個人でも淘汰されるされないが決まる!!

科学実験につきものの失敗
上の記事の内容は、失敗に関しての個々人の考え方、対応法を掲載しています。そうして、失敗を原動力として、活用する方法が掲載されているようです。確かに、それは、それで重要であり、意義深いものなのですが、そもそも、失敗に関する個々人などを超えた考え方、さらに、組織論的な考え方も必要不可欠であると思いますので、本日はそれに関することを掲載します。


ドラッカーは、著書「マネジメント」で以下のように述べています。

「決して間違いや、へまや、失敗をしない人だけは信用できない。そのような人は、食わせ物か、それとも無難なこと、絶対確実なこと、とるにたらないことしか手をつけない人である」
まさに、この通りだと思います。上の記事では、失敗への対処の仕方など掲載していますが、根本的にこの精神がなければ、組織は腐ってしまいます。実際、電力会社などには、このような精神がなく、組織論的に腐っているところがあります。

これに関して昔あった本当の話を思い出してしまいます。北海道電力会に勤めていた30歳台の人が、会社からアメリカに留学を命じられ、アメリカで最新鋭の知識を身につけて、もどってきてから、それをいかして改革をしようと意気込んでいたら、「そんなことは、しなくても良い、君はエリートなんだから、大過なく過ごせば、必ずときがくれば、偉くなれるから、余計なことはしなくても良い」といわれて、失望して会社を辞めてしまったということがありました。その当時には、北海道庁でも似たような事例があり、結構話題になりました。

北海道電力に限らず、電力会社は、一般に「役所よりも役所らしい組織」といわれるほど、保守的です。きっと、上の例でも、上司は、「部下が余計なことをして、失敗されては困る。今のままの状態を続けていれば、失敗することもなく、大過なくすごせて安泰だ」とでも考えていたのだと思います。まさに、失敗に対する考え方により、その企業の本質が見えるという格好の事例だと思います。こういう組織風土のあるような企業は、いまの世の中では、そのままでは長続きしないことでしょう。


また、「イノベーションと起業家精神」という著書では以下のように述べています。
「経営陣は、判断力に対して報酬を支払われているのであって、無過誤に対してではない。逆に、自らの過誤を認識しうる能力に対して、報酬を支払われているとさえいえるのである」
これも、まさしくその通りであり、会社全体が、新しいことに向かってチャレンジしていれば、経営者も全く失敗しないということはないはずで、経営者が全くの無過誤であったり、そうあらねばならないと思っているとしたら、非常に危険だということです。

そういわれてみれば、あの先進的なIT企業である、Googleも失敗していることはいくらでもあります。この失敗を駄目だと見る人はGoogleが常に新しいことに挑戦し続けていることを忘れているのかもしれません。

ドラッカーといえば、氏が提唱していた「組織の精神」も忘れるわけにはいきません。これについて、ドラッカーは以下のように述べています。
「組織の目的=凡人をして非凡なことをさせるこ=天才をあてにしない」
組織の役割は、凡人から強みを引き出し、凡人の弱みを消すことにあります。それは、結果として成果を中心に据えることになります。

「成果を中心に考える」
組織は常に事なかれ主義からの誘惑にさらされています。だから、高い基準を保ち続けることが必須なのです。成果をあげることは、百発百中はありません。あくまで打率で考えるべきなのです。なぜなら、優れているものほど、間違いを犯すが、新しいことを試みるからです。失敗しないこと組織の中心に据えれば、とんでもないことになってしまうことは皆さん容易に理解できると思います。

長々と書いてきましたが、結論は、個人でも、組織でも、「失敗しないことだけに血道をあげれば、いずれ淘汰される」ということです。

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