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2013年11月26日火曜日

米政府「認めず要求にも応じない」と強調、「不必要に挑発的だ」―【私の論評】中国の狙いは、米中二極体制であり、それが可能かどうかオバマの態度を見極めるための策略が防空識別圏設定!米国は大人しくしていれば戦後体制を守りきれぬ(゚д゚)!

米政府「認めず要求にも応じない」と強調、「不必要に挑発的だ」


米国防総省のウォレン報道部長は25日、中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)を含む東シナ海上空に設定した防空識別圏を認めず、中国側の要求には応じないとの方針を強調した。

ウォレン氏は中国側が、米軍などの航空機が飛行する際、経路の通報など4点を要求していると指摘。そのうえで「われわれは識別圏を飛行する際、(中国に)飛行計画を提出せず、無線周波数などを認識させることもしない。米軍機は(中国が求める)措置を一切取ることなく飛行できる」と語った。

さらに「米軍は(日本などの)同盟国との軍事行動も含め、行動を変更するつもりはない。われわれは常に、自衛能力を保持している」と警告した。

一方、アーネスト米大統領副報道官は大統領専用機内で記者団に、防空識別圏の設定は「不必要に挑発的なものだ」と重ねて批判した。そのうえで「地域での争いは外交的に解決されなくてはならない」と、中国に自制を求めた。

【私の論評】中国の狙いは、米中二極体制であり、それが可能かどうかオバマの態度を見極めるための策略が防空識別圏設定!米国は大人しくしていれば戦後体制を守りきれぬ(゚д゚)!

中国の防空識別圏設定に関して、その事実に関しては様々に報道されていますが、その背景、その意味するところまではほとんど報道されていません。これは、トップシークレットに属するものなので、なかなか報道されないのだと思います。

かくいう私も、トップシークレットに属する事柄を探索するすべもなく、本日はこれに関していろいろ分析することにより、識別圏設定の真相を解明していきたいと思います。

まずは、上の防空識別圏の地図をご覧になってください。尖閣列島から日本方向に識別圏が広まっています。もし、尖閣に中国の人民解放軍などが上陸するとか、その構えをみせたときなど、日本の自衛隊の航空機はもとよりアメリカの航空機も、尖閣を守るつもりがあれば、この識別圏の中を飛行することになります。

このことを前提としていろいろ考えてみると、中国の意図が見えてきます。

現在日本では、ほとんど報道されていませんが、日本海はむろんのこと、この海域などアメリカの艦船が航行し、航空機も飛行しています。それは、軍事上の機密であって、この事実が公表されたり、報道されることはまずありません。私の記憶でも、ほとんどなく確か一回だけ、そうしたアメリカの艦艇へ日本のリポーターが同乗してリポートをしているのをテレビで見た記憶があります。確かリポーターは落合信彦さんだったと思います。



それも、もう10年以上も前のことだったと思いますが、テレビで見ていても、緊迫している様子がわかりました。場所は、日本海ということだけで、正確な位置は示していなかっと思います。そのテレビ番組の中でも、国籍不明の潜水艦らしきものを発見して、それに向けて速射砲を連射しているところも放映されました。実際に、発射し海面に水柱がたっていました。

あれは、あくまで威嚇か何かなのでしょうが、結局この報道では、国籍不明の潜水艦らしきものは、潜水艦ではなかったということでしたが、あの時本当に相手が潜水艦であったとしたら、その後はどのような対応をとっていたのか興味のつきないところでした。

このように、日本海でもアメリカの艦船が日々このような活動をしているということですから、沖縄周辺はもとより、尖閣の付近だって、アメリカの艦船や航空機が監視活動などを続けているものと思います。これに関しては、無論軍事機密なので、日本のテレビなどでは報道されないのだと思います。そういわれてみれば、東日本大震災においてはアメリカは、「ともだち作戦」で日本政府などの了承を得ることもなく、震災地に救助隊として軍隊を送りこんでいました。これは、無論救助という側面もありますが、震災という異常事態に乗じて、中国や北朝鮮の軍隊などがおかしげな行動をしないように牽制するという意味あいもあったものと思います。



こんなことからも、当然尖閣付近にも、米国は航空機も送り込んで、アメリカ独自の立場から、情報を収集しているのは間違いないです。この米国の航空機が中国の航空機と遭遇した場合などもいろいろ想定していると思います。

このように米軍の航空機が飛行する空域にまで、中国が航空識別圏内としたということは、日本に対しては無論のこと、暗にこの領域に米軍機が入ったときも、連絡などの正規の手続きをしない場合は撃墜する場合もありえると表明しているのと同じことです。

米軍のオスプレイとともに軍事演習を行った自衛隊

そうして、これは中国側のオバマ大統領に対する挑戦でもあります。オバマ大統領は大統領になった当初は、"YES WE CAN"のキャッチフレーズとともに、リーダーシップのある大統領とも思われましたが最近では、政府の債務上限を上げることにも手間取り、その力量が問題視されています。

中国としては、オバマ大統領の力量を推し量るため、今回の識別権を設定した面があるのは否めないと思います。

オバマ大統領は、尖閣問題についてはずっと煮え切らない態度をとり続けています。この態度が中国側の日本に対する示威行動をさらにエスカレートさせている点は否めません。これについては、以前にもこのブログに掲載したことがありますので、以下にそのURLを掲載します。
「オバマ政権は尖閣は日本領と表明せよ」 米紙ウォールストリート・ジャーナルが主張―【私の論評】オバマは尖閣日本領表明によって、自ら頭の中のお花畑の虚構に生きるルーピーではないことを証明せよ(゚д゚)!
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では米ウォールストリート・ジャーナルによるオバマは、尖閣は日本領と表明すべきとの論評につき解説しました。
そもそも、アメリカ側の立場にたっても、尖閣問題に関しては、戦後体勢を維持するという観点からも、中国の示威行動はやめさせるべぎです。ここで、アメリカが何もしなければ、中国は本来戦後体制の利得者ではないにもかかわらず、結果として戦後体制利得者であることを認めることになります。現在の中国共産党中央政府は、日本とは戦争をしていません。戦ったのは、蒋介石率いる国民党軍です。戦後の国々は、戦後体制によって三つに分類されました。第一国は、米英などの第二次世界大戦での戦勝国、第二国は、日独などの敗戦国、第三国は、そもそも戦争に参加して直接戦わなかった国々です。 
現在の中国、韓国、北朝鮮は、あくまで第三国であり、戦後体制の利得者ではありません。そもそも現代中国が独立したのは、戦後のことです。にもかかわらず、もし今後も尖閣について日本の領土であると、アメリカが表明しなければ、アメリカは中国の戦後体制の利得を認めることになります。 
それを許せば、中国は他の戦後体制の利得を次々と要求することになるのは必定です。そんなことは、少し考えれば理解できることです。中国は、明らかに戦後体制利得者になる道を模索しています。 
アメリカがこのように、煮え切らない態度をとり続けてきたのは、最近の中国の台頭をみて、今後中国国内が世界最大の消費市場になると見込んだ米国内親中・媚中派が、中国側の巧みな誘導にのって戦後体制の次の新しい世界の体制は、米中二極体制であると思い込みこみ、アメリカ国内でも、大きな影響力を発揮しているからです。
要するに、戦後体制に替わる次世代の世界の体制は、アメリカ・中国の二極体制であるとの幻想です。しかし、特にここ20年の中国の経済的躍進の原動力は、日銀の金融引き締め政策による、デフレ・円高政策です。これなしに、中国は経済発展することはできませんでした。 
そうして、現実には、昨日も示したように、現体制の中国は経済的にも、社会構造的にも持ちそうもありません。現中国が、本気で社会構造改革に取り組まなければ、分裂は必至です。そうして、これは、中国の過去の歴史が証明しています。
中国は、明らかに戦後体制の枠の中では、第三国の地位から、第一国である戦後体制利得者になる道を摸索しています。そうして、これが成功したあかつきには、その次の段階で、これはほとんど妄想に過ぎないのですが、戦後体制の次の体制を米中二極体制にしようと目論んでいます。

この妄想は、すてにソビエト連邦崩壊ということで、失敗事例があるにもかかわらず、中国はそれを狙っています。アメリカは、冷戦後にはソ連が崩壊したことから、世界アメリカ一極体制を摸索していたようにも見えましたが、最近ではそれはほとんど不可能であることを悟ったようです。

ソビエト連邦はいちはやく崩壊した


冷戦構造による、米ソ二極体制ももともとは不可能だったと思います。それが、ソ連の崩壊によって崩れたわけですが、もしソ連が改革などに成功して、はやい時期に共産主義体制を捨て去り、実質的に資本主義の道を歩んでいて、未だ継続していたとして、その後もずっと米ソ二極体制をとっていたら、いずれ米ソともともに崩壊したかもしれません。しかし、ソ連が一方的に早く脆くも崩れ去ったおかけで、アメリカの国体は今でも維持されています。

中国は、この過去にも大失敗した二極体制の再来を望みあろうことか、アメリカとともにもう一方の極を占めようとしています。中国は以前からこれを望み、以前からアメリカに対して、様々な申し入れを行ってきています。たとえば、太平洋のハワイより西半分を中国の覇権下におさめ、東半分は米国のものにするなどという途方もない妄想をアメリカに申し入れたのですが、オバマによって一蹴されています。

現在の中国は、習近平が掌握しきれておらず、ぱらぱらです。それは、先日の三全中の結果をみても、改革、改革と叫びながらも、結局その中身が明示されず、結局何もできない中国の今日の姿を浮き彫りにしました。自国をまともに治められない国が、世界の半分を治めるなどという途方もない考えを抱くのはこっけいですらあります。

米中二極体制は中国と習近平の妄想にすぎない

そんな国が対外的には、戦後体制利得者の道、そうしてあわよくば米中二極体制の一方の雄になる道を選ぼうとしています。

そうして、これに対するアメリカの反応を探るため、尖閣に防空識別圏を設定して、アメリカの出方を見ています。今のところ、オバマは、識別圏については厳重抗議をしていますが、未だ尖閣は日本領であることをはっきり明言していません。

こういう優柔不断な態度をとり続けていれば、中国は戦後利得者としての権利を主張しはじめます。それは、尖閣の領有権は無論のこと、その他の南の海の島々などの領有権です。

ここで、アメリカが中国の戦後利得者の道をとることを認めてしまえば、中国はさらにエスカレートすることが考えられます。それこそ、その後は、米中二極体制に突っ走ることになります。結局、中国や韓国の戦後選んだ道は、戦後利得者ではないにもかかわらず、日本からその利得をせびりとってきましたし、それができました。この次は、アメリカから利得をせびりとる番ということなのだと思います。かつて、日本に対してそうしたように、今度はアメリカを対象にいわれのない利得をせびるという行為に出たというのが、防空識別圏の設定の背後にあるものです。

オバマを揶揄するポスター。HYPEは詐欺という意味。

そうして、これは、絶対に成功はせず、失敗すれば中国は必ず旧ソ連邦のように崩壊します。しかし、それまでの間、中国はアジア地域の不安定要因を生み出し続けます。こんな馬鹿なことにならないためにも、オバマはいつまでも優柔不断な態度を続けることなく、はっきり「尖閣は日本領、よって、日中に領土問題なし」とはっきりと声明を出すべぎです。それによって、中国の戦後体制利得の確保と、米中二極体制の妄想の両方を打ち砕くことが出来ます。

そうして、日本もこのような背景を理解し、煮え切らないオバマが声明をこれからも尖閣が日本の領土であるという声明を出さないことも想定に入れて、悪中国への対抗措置を考えていくべきです。米国だけではなく、日本も中国の米中二極体制の妄想など粉々なに打ち砕くべく、安倍総理の構想した安全保障のダイヤモンドの強化にむけて努力をつづけ、中国孤立化の道を歩むべきと思います。

こうした中国の挑発行動は、大東亜戦争の勝者による戦後体制を揺るがしつつあります。日本にとっても、戦後体制から脱却は念願であり、日本は、この機会を捉えて、日本国に有利なポスト戦後体制を築くための好機とすべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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