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2019年11月17日日曜日

弾劾世論調査:トランプ支持率が50%に回復―【私の論評】日本の腑抜け野党によく似てきた米民主党だが、それでも日本の野党よりはましだ(゚д゚)!

弾劾世論調査:トランプ支持率が50%に回復

<引用元:ワシントン・エグザミナー 2019.11.15

ラスムセンレポートによる毎日の大統領追跡調査によると、トランプ大統領の支持率が弾劾で上昇している。

大統領に対する毎日の評価は、下院弾劾公聴会の初日の13日以降、4ポイント上昇した。



ラスムセンの調査分析によると、「大統領の総合支持率は、下院弾劾公聴会初日の13日以降上昇をたどっている。13日朝は46パーセントだったが翌日には48パーセントに上がり、現在50パーセントとなっている。現在の調査の3晩分のうち2晩分は大々的に報道された公聴会後のものである」。

バラク・オバマ大統領は1期目のこの時点で49パーセントの支持率だった。

調査結果ではトランプの仕事ぶりに49パーセントが不支持を示している。

※なお、RealClearPoliticsによる各世論調査平均でも同様の傾向が見られる。



【私の論評】日本の腑抜け野党によく似てきた米民主党だが、それでも日本の野党よりはましだ(゚д゚)!

米民主党が問題視しているトランプ大統領の言動とは、「ウクライナが必要とする武器の供与を餌に、バイデン候補が副大統領当時に同氏の息子がウクライナ企業から多額の報酬を受け取っていたかどうかを調べることを強要した」というものです。

この話の最大の弱点は、トランプ大統領がウクライナの要求する武器の供与を、ウクライナからの調査結果を受け取っていないにもかかわらず既に実行していたことです。

次に、内部告発にあった7月25日の電話会議を始点として考えると、武器の供与が9月下旬で2カ月のタイムラグがあります。

つまり、ゼレンスキー大統領が合理的人間で、トランプ大統領が明確に要求していたとするならば、ゼレンスキー大統領が2カ月間も調査を放置していたにもかかわらず、ということは、トランプ大統領の要求を無視したにもかかわらず、武器が供与されたことになります。

ここで重要なのは、米国の外交官やCIA職員、大使などが大統領の意思をどう忖度(そんたく)したか、また彼らがトランプ大統領の意思としてゼレンスキー大統領に調査を求めようとしていたと感じていたか、ということではありません。トランプ大統領が実際に調査依頼を自分で考え、具体的に指示したかです。頭で考えていたかもしれない、ということではありません。

トランプ大統領が民主党の申し立て通りに調査報告を交換条件としていたとするならば、その条件が満たされないうちに武器を供与したことの理由づけが難しいです。いまのところこの点で、トランプ大統領に不利となるような証言が出てはいるものの、決定的な証拠は出てきていません。

トランプ大統領に「フェイク・ニュースを流すフェイク・メディア」とばかにされてきた大方の米メディアはトランプ大統領について、自分の利益を最優先し、何でも自分で一度に実現できると考え、しかも自分の意見を頻繁に変える気まぐれ屋と批判してきました。また、衝動的で自分の希望が通らなければ取引を中止する傲慢さを持っているとも批判しています。

トランプ大統領(下端)と支持者ら

ティラーソン前国務長官を筆頭に、トランプ政権を去った人々の多くは大統領の頭は小学生レベルで、アイデアを彼らに語っても次の瞬間にはそれを覆して別のことを言う、またはなかったことにするいい加減な人間だと批判しました。

一方、日本文学研究者のロバート・キャンベル氏によれば、トランプ大統領は就任から現在までに300回、ウクライナ疑惑の内部告発がなされてからの1カ月ほどで45回、「魔女狩りだ」と連呼したとのことです。同時に彼は人々はことの真偽にかかわらず、メッセージの反復発信で信用するという研究結果も付け加えています。トランプ陣営からすれば、トランプの「魔女狩り」ツイートこそがリスク回避戦術なのです。 

一般に伝えられているトランプ大統領の性格を考えれば、民主党が主張しているような思惑を持ち、それを周囲に漏らした可能性はあります。ただ、しばらくしてその考えを変えて、指示はせず、行動にも移さなかったのかもしれないです。

また、ゼレンスキー大統領に調査の見返りという条件を提示していたならば、多くの米国メディアが報道するように、トランプ大統領が偏執的な性格というのが本当であれば、から2カ月も黙って待っていることはできないでしょうし、要求を無視されてプライドを傷つけられた大統領がウクライナに武器を売る判断をすることはあり得ないでしょう。

結局のところ、現段階でトランプ大統領の弾劾が成功すると考えるのは、かなり困難だという結論に落ち着きます。

さらに、以前このブログでも掲載したように、米国では大統領の弾劾そのものがもともと難しいのです。その記事のリンクを以下に掲載します。

民主党へのしっぺ返しもあるトランプ弾劾調査―【私の論評】トランプ弾劾は不可能、禁じ手を複数回繰り出す民主党は相当追い詰められている(゚д゚)!

ニクソン大統領
詳細は、この記事をご覧いただく
民主的な選挙で選ばれた大統領を政治的な動機で糾弾し解任しようとする弾劾措置への反発は、米国民の間で従来から根強いものがありました。だからこそ民主党のペロシ議員は、昨年11月の中間選挙前も、「ロシア疑惑」が高まったそれ以前の時期でも、弾劾への動きには一貫して反対してきたのです。
さらに、この記事では、かつてニクソン大統領が弾劾されそうになって辞任したときのことも掲載しています。
ニクソン大統領のウォーターゲート事件がありましたが、あのときニクソン氏は、弾劾されそうになったため自ら辞任しました。 
なぜ弾劾されそうになったかと言うと、当時の共和党の議員が彼を見捨てたからです。そこで、これはもう万事休すだということで辞任したのです。
現状のトランプ大統領は、とてもそのようなことにはなりそうもありません。

これは、過去にもこのブログで述べたことですが、トランプ大統領を、ロシア疑惑と、ウクライナ疑惑の二回にわたって、弾劾しようとした米民主党は、相当追い詰められているるとみるべきです。

そうして、最近の米民主党は日本の野党に良く似てきたと思います。

トランプ政権の経済差政策は、特に雇用政策がうまくいっているし他の経済指標も悪くはありません。この点で、民主党はトランプ政権を批判できることはあまりありません。

さらに、安全保障に関しても同様です。 むしろ、オバマ政権では軍縮してきたため、米軍に負の遺産を残したのですが、トランプ政権がそれを立て直しつつある状況です。この点でも、民主党は共和党を批判できません。

さらには、中国への対峙は超党派で行われていることなので、民主党はこれを批判できません。

要するに、現状では米民主党は、あまり米共和党を批判することができないです。だから、トランプ氏個人の資質を問題としているのです。

米民主党ならびに米リベラルメディアは、トランプ氏は政治家としての資質がないことを喧伝してきましたが、彼らの忘れていることがあります。

それは、多くの米国民はオバマやクリントンなどの、既存の政治家には失望したからこそ、生粋の政治家ではない実業家のトランプ氏を選んだのです。

生粋の実業家であれば、既存の政治家や、政治家とは反りが合わないのは当然のことです。実業家では、いわゆる朝令暮改は当たり前のことです。朝に正しいと考えていたことを、夕方には改めることは良くあることです。そうでなければ、企業は厳しい環境を生き抜いていけません。既存の政治家や、官僚にはできない芸当です。

このような資質は、ティラーソン前国務長官を筆頭に、トランプ政権を去った人々の多くには、いい加減な人間だと写ったのかもしれません。さらに、このような資質は、民主党や米リベラル・メディアにとっても、格好の攻撃材料だったに違いありません。

しかし、いくらトランプ氏の資質を煽ったところで、トランプ氏は一向に動じる気配がないため、米民主党はとうとう禁じ手ともいえる、大統領弾劾に動き出したのです。それも、二度もです。

この動きは、日本の野党にも似たところがあります。日本の野党は、「もりかけ」問題に拘泥しましたが、これは最初から、倒閣に結びつけようというのは、無理筋というものでした。

現在は、「桜を見る会」をやり玉にあげていますが、これも無理筋でしょう。しかし、日本のリベラル・メディアはここぞとばかり、安倍政権を批判していますが、これも倒閣には結びつけようもありません。「桜を見る会」を野党とメディアが糾弾しはじめてから、安倍政権の支持率があがるという始末です。



これは、米民主党が、トランプ氏への弾劾の動きを強めた途端にトランプ大統領の支持率が上がったことと、良く似ています。

それでも、米民主党のほうが、まだましかもしれません。なぜなら、安倍政権は、トランプ政権と比較すると、増税するなど経済政策はトランプ政権の逆をやっており、安全保障、外交でも習近平を国賓として招くというような米国と比べると信じがたいことをしています。

言ってみれば、現在の安倍政権は、残念ながらつつきどころは満載です。もし、米民主党が日本の野党だとしたら、勢いづき、安倍政権を批判するだけでなく、様々な政策論争を展開してるでしょう。特に、米国と比較するとまるで、一大政治集団のように振る舞う財務省を徹底的に批判することでしょう。

しかし、日本の野党はそのようなことはせずに、「桜を見る会」をやり玉にあげています。これでは、万年野党の地位を打開することなど、永遠にできないでしょう。情けない限りです。

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