環境危機時計(かんきょうききどけい、the Environmental Doomsday Clock)は、
旭硝子財団が毎年実施している
アンケート「地球環境問題と人類の存続に関するアンケート」(Questionnaire on Environmental Problems and the Survival of Humankind)の回答により、
環境問題による
人類存続への
危機意識の程度を
時計の針にたとえて表示したものです。
同アンケートは
1992年を第1回として始まり、世界各国の環境問題の有識者に対して行なっている。第15回(2006年)には、3989人中655人(16.4%)から回答があっりました。
環境危機時計は、以下の目安による回答を集計したものです。
0:01~3:00 ⇒「ほとんど不安はない」
3:01~6:00 ⇒「少し不安」
6:01~9:00 ⇒「かなり不安」
9:01~12:00 ⇒「極めて不安」
今年のアンケート集計結果では、 「環境危機時計」の針の世界平均が14分進み9時31分と、92年の調査開始以来最も進みました。 環境危機時計のモデルは、核戦争による地球滅亡までの時間を示す「終末時計」です。今年の日本は9時34分。昨年より19分、92年より1時間56分進みました。
16年間の継続調査から浮かび上がったのは、針は地球温暖化をめぐる国際交渉の情勢を反映してきたという点です。
調査初年の92年には、国連環境開発会議(地球サミット)が開かれ、世界の首脳は気候変動枠組み条約などを採択し、環境を守る決意を示した。当時の世界平均時刻は7時49分。だが、温室効果ガスの排出抑制は進まず時計の針は悪い方向に進み続け、96年には初めて9時台に突入しました。
97年、先進国間で温室効果ガスの削減義務を課した京都議定書が採択された。すると、針は9時前後を推移するようになり、将来を不安視しながらも落ち着きを見せました。
ですが、01年に世界最大の温室効果ガス排出国の米国が議定書からの離脱を表明した。議定書は05年に発効したが米国は参加せず、削減義務の対象国には排出量が急増中の中国やインドは入っていません。温暖化防止の実効性に暗雲が垂れこめ、この2年間は急激に針が進みました。
日本の9時34分は、世界平均より「3分」、日本を除く海外平均9時28分より「6分」進んでいた。その分だけ、日本の専門家が環境への危機を深刻に受け止めているということだ。京都議定書が採択された97年以前は、日本の環境危機時計の針は海外に比べ43~75分も遅れていたが、最近では10分以内の差に収まっている。
一方、冷戦時代に有名になった「終末時計」では、今年の1月に地球滅亡までの時間は、5分前としています。
米科学誌『ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ』の理事会は十七日、核戦争の危機を警告するため地球滅亡までの残り時間を示す「終末時計」の針を二分進め、滅亡「五分前」としました。針が動かされたのは二〇〇二年二月以来で初めてです。
同理事会は声明で「われわれは第二の核時代の瀬戸際に立っている。広島と長崎への最初の原爆投下以来、世界がこれほど危険な選択に直面したことはない」と表明。北朝鮮の核実験とイランの核開発に加え、「米国が改めて核兵器の軍事的有用性を強調していること」を挙げました。
米国の核政策については、〇二年の「核態勢見直し」が核兵器の有用性を表明したこととともに、〇四年には「『時間が切迫した標的』を破壊するために核兵器さえも速やかに使用することを信奉するこの新概念が実施に移された」ことを指摘。「米国が改めて核兵器の必要性を強調したことで、他の諸国も核兵器は自分たちの安全に必要だと考えるようになった」と批判しています。
さらに針を進めた理由の一つとして地球温暖化問題を初めて挙げ、「気候変動がもたらす危険は、核兵器がもたらす危険と等しく差し迫っている」と指摘。「核爆発が生み出す破壊に比べれば短期間の影響はそれほど劇的ではないかもしれないが、今後三十年から四十年にわたって、気候変動は人類社会が生存に必要とする生活場所に大規模な被害をもたらしかねない」と警告しました。
同誌は、第二次大戦中に米国の原爆開発に協力した科学者が、その反省から戦後創刊。一九四七年に「零時七分前」で終末時計を始めました。針が最も進んだのは、五三年に米国とソ連がともに水爆実験を計画した時の「二分前」です。
この二つの危機時計どちらも非常に危険なレベルに達しています。この危機に本当に人類の英知が発動されて、とめることは可能なのでしょうか?地球が破滅したら、私たち自身も私たちの子孫の将来もなくなってしまいます。少しでも地球全体のことを考えて、回避できるように努力すべきです。