2016年12月12日月曜日

【トランプ次期大統領】中国報道官、「一つの中国に縛られず」発言に「深刻な懸念」 中国紙は「武力統一」ちらつかせる―【私の論評】トランプ氏の対中国強硬策は正しい(゚д゚)!


北京の中国外務省で記者会見する耿爽副報道局長=12日
中国外務省の耿爽報道官は12日の定例会見で、トランプ次期米大統領の「一つの中国」原則をめぐる発言に対して「台湾問題は中国の主権と領土保全、核心的利益に関わることであり、『一つの中国』原則の堅持は中米関係を発展させる政治的基盤だ」と述べ、「深刻な懸念」を表明した。

 耿氏は、米国の新政権と指導者に対し「台湾問題の高度な敏感性を十分に認識し、『一つの中国』政策を引き続き堅持し、中米関係の大勢が著しく損なわれないよう促す」と強調した。

 中国の官製メディアもトランプ氏の対中姿勢に警戒感を強めている。中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は12日付の社説で、トランプ氏が「一つの中国」政策を放棄した場合は「どうして台湾の平和統一を武力による回復に優先させる必要があるだろうか」として武力統一を選択肢とすることもにおわせた。

 社説はトランプ氏が「一つの中国」をカードとして利用し、短期的な利益を不正に得ようとしていると分析。外交面において同氏は「子供のように無知だ」と非難し、「一つの中国」政策は売買することができないと主張した。

【私の論評】トランプ氏の対中国強硬策は正しい(゚д゚)!

トランプ次期米大統領は11日放送のFOXテレビの番組で、米国が台湾を中国の一部とみなす「一つの中国」という従来の政策を維持していくかは、中国の対応次第だとの考えを表明しました。

FOXテレビのインタビューを受けるトランプ氏(10日、ニューヨーク)
トランプ氏は同番組で「私は完全に『一つの中国』政策を理解している」と力説。一方で「貿易関係などで(中国と)合意を得られなければ、なぜ『一つの中国』政策に縛られないといけないのか」と言明しました。「一つの中国」政策を維持するかどうかを見極める具体的な政策として中国の通貨政策や、南シナ海での海洋進出、北朝鮮の問題での対処を挙げました。

さて、以下に過去の歴史を振り返っておきます。一つの中国ということが言われるようになったのは、1972年2月当時のニクソン大統領が中国を訪問し毛沢東らと会談し、米中共同宣言を発表しました。米中国交正常化は1979年に実現しました。

後にニクソンショックと呼ばれたニクソン、毛沢東会談
アメリカのニクソン大統領は、1971年8月、突然、来年の中国訪問を発表し、世界中を驚かせました。米中関係の改善の動きは、その前月、大統領特別補佐官キッシンジャーが密かに中国を訪問したことから始まっていました。

キッシンジャーは周恩来と会談して、米中関係の改善、ニクソンの訪中を打診し、同意を取り付けていました。ニクソンはベトナム戦争終結を模索し、当時はベトナムを支援していた中国に接近して和平の道を探ること、また中国と対立しているソ連を牽制することができる、と考えましたた。

キッシンジャー(左)と周恩来(右)
また、キッシンジャーの新しい勢力均衡論、つまり米ソの二極対立の時代は終わりソ連・欧州・日本・中国・アメリカの五大勢力が相互に均衡を保つことによって世界の安定を図るという考えを採用したものでした。

ニクソンは予定通り、1972年2月、訪中を実現し、アメリカ大統領として始めて中国首脳の毛沢東と握手をし、20年間にわたる敵視政策を転換させることを約し、両者は米中共同宣言(上海コミュニケ)を発表したのです。

この会談により、米中は体制間の相違を相互に認め、それを超えて「平和共存五原則」に基づき国際問題及び二国間問題を処理することを約束したのです。この会談により、「中国は一つであり、台湾は中国の一部である」との中国の主張を米側が認める形となりました。

この時米中とも戦略的に覇権主義的なソ連を強く意識したことは言うまでもありません。同時に中国が西側諸国との平和共存路線へ転換したことも意味していると考えられました。

約半年後の9月、中国は、日本と国交正常化を実現し、10月には西ドイツ、その後ベルギー、オーストリアなどと国交を樹立しました。イギリスとオランダはそれまでの代理大使級から大使級の外交関係に昇格しました。<天児慧『中華人民共和国史』1999 岩波新書 など>

鄧小平(中央)とカーター(右)
ニクソン訪中で相互の存在を承認しあったアメリカと中国は、その後交渉を重ね、1979年にカーター大統領と鄧小平のもとで、米中国交正常化を実現させました。この結果、中華民国政府(台湾)は、国際連合から追放され、アメリカ・日本など世界の各国は正式な国交を台湾と断絶しました。 → 中国の国連代表権

さらにニクソンは3ヶ月後にモスクワを訪れ、第1次戦略兵器制限条約(SALT・Ⅰ)に調印、華々しい外交成果を誇った。ニクソン大統領は前年の1971年8月には金とドルの交換停止というドル防衛策を発表して、ドル=ショックという衝撃を世界に与えましたが、この外交上の大転換も、もう一つのニクソン=ショックと言われました。いずれも1960年代後半からのアメリカの経済・外交の行き詰まりを打開するための起死回生をねらった政策転換でした。

ニクソン(手前左)とブレジネフ(手前右)
ニクソンの訪中は前年の1971年7月16日でしたが、日本に通知されたのはわずか数十分前にすぎず、その決定は日本を頭越しに飛び越え、米中だけで決定されました。日本政府(佐藤内閣)は仰天しました。日本はアメリカと強固な同盟関係にあるし、つい数ヶ月前はニクソン=佐藤栄作会談で、両国の緊密な連携を約束していたからでした。

当時日本の状況は中国共産党政権を承認し、台湾を切り捨てることは考えられなかったことであり、特に与党自民党の中には親台湾派が多数存在していました。なによりもアメリカがこのような重大な外交方針の転換を同盟国日本に相談なしに実行するとは考えられないことだったのです。

しかしアメリカのニクソン=キッシンジャー外交はそのような甘いものではなかったのです。事前に日本の了解を得ることは困難と考え、極秘裏に事を進め、ニクソン訪中のマスコミ発表の数十分前に電話で日本の外務省に知らせただけでした。

その背景には、当時並行して進められていた日米繊維交渉で、日本側の態度が煮え切らず、アメリカ側がイライラしていたこと、そもそもキッシンジャーは日本嫌いであったことなどが考えられるのですが、アメリカは外交を冷徹なマキャベリズムで判断していたのに対し、日本は「信頼関係」とか「友人」といった甘い、感情的なレベルでしか捉えていなかったことに問題があったのかもしれません。

日本政府、外務省がニクソン訪中について事前に情報をキャッチしていなかったことは、情報収集能力、外交能力に欠けるとして、マスコミは佐藤内閣と外務省を厳しく批判した。それは佐藤内閣が7月に退陣に追い込まれる直接の引き金となりました。

このような「一つの中国」をトランプ氏が「一つの中国に縛られず」と発言したわけですから、これは中国政府にとっては、「一つの中国」決まった当時の日本政府の狼狽よりも、さらに深刻であり、まさに青天の霹靂だったに違いありません。

さて、最近習近平はキッシンジャー氏と会談しています。それに関しては、このブログにも掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
【スクープ最前線】トランプ氏「中国敵対」決断 台湾に急接近、習近平氏は大恥かかされ…―【私の論評】トランプ新大統領が中国を屈服させるのはこんなに簡単(゚д゚)!
台湾の蔡英文総統との電話会談で中国を牽制したトランプ次期米大統領
詳細は、この記事をご覧いただくももとして、この記事ではドナルド・トランプ次期米大統領が、中国への強烈な対抗姿勢を示したことを掲載しました。

トランプ氏は、台湾の蔡英文総統と電撃的な電話協議を行い、「経済、政治、安全保障面での緊密な結びつき」を確認したうえ、フィリピンのドゥテルテ大統領とも電話会談で意気投合したのです。トランプ氏は「アンチ・チャイナ」の急先鋒(せんぽう)だっただけに、戦略的に行動した可能性が高いです。習近平国家主席率いる中国は衝撃を受け、「対中激突」や「孤立化」を恐れていいます。

そうして、実は、中国がトランプ、蔡両氏の電話協議に激怒した3日、中国共産党の機関紙「人民日報」は1面で、習氏とキッシンジャー元米国務長官が笑顔で握手する写真を掲載しました。記事は前日の会談を報じたもので、習氏は『(トランプ政権と)安定した発展を継続したい』と表明を出していました。世界各国が注視するなか、習近平氏は物笑いの種にされ、大恥をかかされたのです。

握手した習近平(左)とキッシンジャー(右)
トランプ氏はこのように中国に対して、強硬姿勢をとるというメッセージを強烈に発信していたのですが、さらに今回の「一つの中国に縛られず」発言です。この発言で、トランプ氏は習近平の面子を粉々に砕きました。

トランプ氏としては、ソ連が崩壊した後の中国は明らかにソ連に変わって覇権主義の道を走っているとみなし、米国の対中政策を変えることを宣言したのです。

トランプ氏の中国に対する発言

トランプ氏は、「一つの中国に縛られず」と発言しています。一つの中国に縛られずとは、大陸中国と台湾の両方を認めるということでしょうか、もしそうなら「台湾を独立国として認める用意がある」などと発言すれば良いことだと思います。

この「一つの中国に縛られず」という言葉にはもっと大きな意味が含まれている可能性があります。

その可能性は、現中国が建国以来他国に対して侵略を繰り返してきたことを考えれば、おのずと理解できます。

以下に、現中国が、建国したばかりの頃の中国の版図を示す地図をあげます。


建国したばかりの中国の版図は「支那」と掲載した赤い部分のみです。その他満州、内モンゴル、ウィグル、チベットはすべて独立後に支那が侵略して、自らの版図に組み入れたものです。

ニクソンが「一つの中国」を認めたとき、すでにこれらの本来外国であったはずの、国々は、中国が侵略して我が物としてきたのです。キッシンジャーや、ニクソン、カーターはこうした中国の覇権主義的性格を見抜けなかったのです。

そうして、その後は南シナ海に進出しています。このような国家は、侵略国家であり、覇権主義国家であることは明らかです。そうして、これらの国々は徹底的に中国の弾圧を受け、民族浄化の危機にあります。

このようなことを考えると、トランプ氏の対中国強硬策は当然のことと認識できます。一つの中国に縛られずというのなら、これらの国々も独立の方向で、長期戦略を練ってほしいものです。何十年かかってでも良いので、これらの国々は独立すべきでしょう。

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2016年12月11日日曜日

【流行語大賞トップ10】俵万智さん「『死ね』が世の中動かした」「こんな言葉を使わなくて良い社会に」―【私の論評】「日本死ね」を正当化する人々には「日本から出て行け」と言いたい(゚д゚)!


炎上した俵真智さんのツイート

 「2016ユーキャン新語・流行語大賞」のトップテンに「保育園落ちた日本死ね」が入ったことについて、審査員を務める歌人の俵万智さん(53)が11日までにツイッターを更新し、「良い言葉ではないが、世の中を動かした。そこには言葉の力があった」と選考理由を自ら説明した。

「保育園落ちた日本死ね」は、匿名のブロガーが保育園の抽せんに落ちた怒りをつづったもので、大きな反響があった。また、この言葉が新語・流行語大賞に選ばれ、ユーキャン(東京都新宿区)に街宣活動があるなど、賛否両論があった。

俵さんは「『死ね』が、いい言葉だなんて私も思わない。でも、その毒が、ハチの一刺しのように効いて、待機児童問題の深刻さを投げかけた。世の中を動かした。そこには言葉の力がありました。お母さんが、こんな言葉を遣わなくていい社会になってほしいし、日本という国も日本語も、心から愛しています」(原文のまま)とつづった。

俵さんは、この文章をツイートする前に「ちょっと見ないうちに、何か書かないと次に進めない雰囲気になっていました。だから一回だけ、その件について、私の思いを書きますね。お騒がせ&ご心配おかけしました」(原文のまま)と前置きして、自らの思いを述べた。(Web編集チーム)

【私の論評】「日本死ね」を正当化する人々には「日本から出て行け」と言いたい(゚д゚)!

俵万智
今年の流行語に関してはまだまだ物議をかもしているようです。。毎年何かと問題は起きるようだが、特に今年は「待機児童問題」というナーバスで解決糸口の見えにくい内容もからみ、そして「日本死ね」という言葉の汚さからさらなる波紋を呼んでいる。さてそんな中、審査員である俵万智さんが、それについてツイートし炎上していました。審査委員を務めた歌人の俵万智さん(53)に対し、「俵万智さんが選んだとは思いたくない」などとネット上で批判の書き込みが相次いでいます。

以下に俵さんのツイートそのものを掲載しておきます。
日本死ねに関しては、数々の問題を投げかけましたが、その中で言葉の汚さが問題として取り沙汰されていました。そんな中審査員である「俵万智」さんがついにその選出理由を語りました。するとたちまちネットでは炎上。やはり審査員が「日本死ね」の選出理由を正当化することで、火に油を注ぐ形となってしまったのは案の定としかいいようがありません。。

また別件でこの問題に関し発言をしていた、つるの剛士さんも持論を述べ炎上してしまいました。このツイートそのものは、現在はネット上には見当たりません。以下にそのコピーを掲載します。

フォローするつるの剛士
✔@takeshi_tsuruno

『綺麗な言葉を使おうね』なんて一言も言ってないです。そもそも僕も言葉使い良い方ではないですし。。
ただ、死ねが流行語??と。そんな声に国会議員が満面の笑みで登壇に違和感を覚えたというイチ視聴者の感想ツイートでした。。すいませんでした https://twitter.com/sirenia888/status/804839067804266496 …2016年12月3日 09:18
5,3775,377件のリツイート 7,555いいね7,555件
以下に、つるの剛士氏の持論に関する記事を掲載します。

つるの剛士の持論「保育園落ちたの受賞が悲しい」にネット共感
http://www.yukawanet.com/archives/5139969.html

その他、「日本死ね」に関するネットの反応など集めて見ました。

ーネットの反応
・ 「日本死ね」の何年も前から保育園は増え続けていますよ。
・ ツッコミ山ほど入ってるけど、問題は歴史が書き換えられていることだと思うよ。
・ 「日本死ねと言われる方も悪い」という論調は「虐められる方も悪い」という論調と同じように愚かだ。
・ ナイフの滅多刺しの誤りでは?
・ 他者に死ねという事を肯定してしまってる点が問題だよ
・ あなたは日本語の美しさを表現する短歌という分野で世に知られた人で有りながら【保育園落ちた日本死ね】と言う日本語として美しさも品性の欠片も無い言葉を価値の有るものと認めた。
・ 仰る通りですね。
・ いきなり後ろから殴られたような……いきなりけんかを仕掛けてきたような
・ 「死ね記念日」の俵さんに脱皮でしょうか??
・ 博愛ですね。まったく心に響きません。これがマチさんの言霊です。
・ 日本死ねって言葉を広めておいて、こんな言葉を使わなくてすむような世の中にしたいみたいな、偽・ 善者丸出しなとこがたまらん。
・ 言葉のプロが、言葉の影響力を見誤った結果
・ 暴言には暴言で返されるだけだ。
・ 『死ね』という言葉は背景に何があろうと認めてはいけない。
・ 釈明や説明がいる時点で流行語ではありません。
これに関しては、このブログでも以前も掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
つるの剛士さん「保育園落ちた日本死ね、が流行語大賞なんて…」―【私の論評】日本社会は発狂してしまったのか?
つるの剛士
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事の結論部分のみ以下に掲載させていただきます。
国会での審議など、多くの国民の規範にもなるべきものと思います。そんなところで、平気で「死ね」などという言葉を審議過程で用いられ、あまつさえ流行語大賞になってしまえば、小学校などでも、「死ね」「殺す」が当たり前になってしまうのではないでしょうか。 
そうして、「死ね」「殺す」よりはまだましであると思われるような、「菌」などという言葉、何のてらいもなく大声で話される言葉になってしまいかねません。

国会議員、マスコミなどが、どんな文脈であれ、このような言葉を平気で使う日本社会は狂っているとしか思えません。
「死ね」などという言葉横行する組織は、学校であれ企業であれ、「いじめ」が横行しかねない
国会議員や、マスコミなどが駄目なら、少なくとも私たちの日々過ごす組織の中では、こういうことは禁忌とすべきと思います。というより、国会議員やマスコミが狂っていても、日本の多くの組織の中では、このようなことは元々禁忌となっていると思います。だから、国会議員やマスコミが狂っていても、日本の社会は安定しているのです。 
組織の中では、禁忌とされることをしでかしてしまったものは、たとえ一見それが正しいことのために行われたようにみえても、いずれ懲罰を受けます。いつまでたっても、出世しないとか、給料が上がらないとか、禁忌を破った直後か、そうではなくとも、何年かたったあと左遷されたり、減給されたり、降格されたりします。そのとき、はじめて禁忌を破ったことの重大性に気づく愚か者も存在します。最近では、気づかいない人もいるです。しかし、これは組織の秩序を保つため当然のことです。 
国会議員やマスコミなども、今のままでは、さらに増長しとんでもないことになってしまいかねません。山尾志桜里のような議員には、選挙では票を入れないことです。マスコミは新聞・テレビなどの購読や視聴をやめることです。
とにかく、この狂った社会風潮は何十年かけてでも、是正すべきです。
以下に、保育所の問題については、渡邉哲也氏が動画で語っています。以下にその動画を掲載します。



この動画をみていただければ、保育所関連についても「日本死ね」という本来つかってはいけない汚い言葉をつかってまで、自民党批判をしようとした民進党にとってブーメランになっていることがわかると思います。

そもそも、保育所に関しては、民進党時代には予算が凍結されたのですが、自民党時代に入ってから予算も増え、施設数は倍増しています。

民進党の山尾志桜里は、単なる不勉強で国会であのような質問をしたわけです。

このブーメランに関連する用語を流行語大賞とするというのは、いかなる理由をつけても、正当化はできないものと思います。

この言葉遣いを正当化する人は、まともな神経ではありません。日本死ねを正当化するというのなら、本当に日本が死んだのと同じような状態(日本国に住んで、日本国民としての権利がなくなる)に自ら身をおくという意味で、この日本から出て行けと言いたいです。

日本から出て異邦人になったとき、その時本当の意味で「日本死ね」という言葉の意味が理解できるのだと思います。これは、過激な発言と受け取られるかもしれませんが、そもそも「日本死ね」という言葉自体が「日本はら出て行け」より過激な発言であり、このような発言をする人を私はとても正常な神経の持ち主であるとは思えません。

私は、「日本を出て行け」と「日本死ね」という言葉の間には、その意味合い、程度において天と地程の差があると思います。

このようにある程度過激に発言しなければ、理解不能の人々が多数存在するこの社会は狂っているとしか思えません。日本人はいつから惻隠の情を失ってしまったのでしょうか。

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2016年12月10日土曜日

台湾初の慰安婦記念館が開館―【私の論評】蓮舫氏には、謝家一族の現状、事業と資産ならびに、戸籍など情報公開できない理由がある?


台湾の女性人権団体「婦女救援基金会」は8日午前、台湾初となる
慰安婦記念館の台北市内の予定地で看板除幕式を開催した。元慰安婦の
女性らと共に前馬英九総統(前列右から5人目)も出席した。

台湾で初めてとなる慰安婦記念館「阿●(女へんに、つくりは「麻」の下に「糸」の上部分)=アマ(おばあちゃん)=の家 平和・女性人権館」が10日、台北市内で正式に開館した。

 台湾では、1992年に元慰安婦だと名乗り出た58人のうち3人が存命。開館式典にはその一人、陳蓮花氏(92)が出席し、「みなが思いやりをもって守ってくれた」と謝意を述べた。鄭麗君文化部長(文部科学相に相当)は「歴史を残すことで傷みに向き合い、同じ過ちを避けることができる」とあいさつした。

 記念館は、女性人権団体「婦女救援基金会」が台北市内の2階建て商店跡を改装した。展示物に史料は少なく、同基金会による支援活動を振り返る写真や絵画などが中心。1階の喫茶店の収益を維持費に充てる。

 式典には、台湾で慰安婦として過ごした韓国人女性のほか、日本や中国、米国の支援者も出席した。今年3月に行われた看板の除幕式には、元慰安婦への思い入れが強い馬英九総統(当時)が出席、日本政府に謝罪と賠償を求めた。5月に発足した蔡英文政権は日本への配慮から、表だって慰安婦問題を取り上げていない。

【私の論評】蓮舫氏には、謝家一族の現状、事業と資産ならびに、戸籍など情報公開できない理由がある?

今頃、慰安婦の記念館がオープンされるということは、台湾というと、日本では無条件で親日とする一部の保守派の人々にとっては不都合な真実かもしれません。

日本と台湾とは明らかに利益が相反しているところもあります。それについてはこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
「尖閣は台湾のもの?」“二重国籍”蓮舫新代表が知っておくべき日本と台湾の対立点―【私の論評】南京・尖閣問題で台湾は決して親日ではない(゚д゚)!
民進党代表決定の名前を呼ばれる直前にハンカチで目頭を押さえる 蓮舫新代表=9月15日
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事で掲載した日本と台湾との利益が相反する事柄につい以下に簡潔に掲載します。

それは、この記事のタイトルにある通り、台湾が尖閣の領有権を主張していることと、南京虐殺に関しては大陸中国と同様に日本を批判していることです。

そうして、この二点に関しては、全く台湾側の主張は正しくはないというこも掲載しました。ただし、これらに関しては、前馬英九政権は主張していましたが、5月に発足した蔡英文政権はこれらのことについて主張しているわけではありません。

蔡英文氏
とはいいつつ、蔡英文政権はこれらをはっきりと取り下げているというわけでもありません。やはり、台湾にはこれらを主張する台湾の勢力も多数存在するので、これらを無下にとりさげるわけにも行かないのだと思います。

なぜ、このような状況になるかといえば、一口に台湾人といっても日本のような単一民族ではないし、同じ民族同士でも、立場が異なる人々がいるということで、台湾は決して一枚岩ではないからです。

さて、この記事からそのあたりを示した部分を以下に掲載します。

"

ちなみに、本省人とは戦前から台湾に移住して住んでいる人達の事です。本省人には2種類あり、福建系(ほとんど)と客家系(少数)にわかれます。本省人(福建)は台湾語を話し、本省人(客家)は客家語を話します。

台湾は日本などとは異なり、多民族国家です。本省人の他に、外省人とは戦後に中国大陸からやってきて台湾に移住した人達のことです。

台湾といえばネット等では「親日的」とされるのが常ですが、すべての人がそうではなく、特に外省人などは大陸中国に近い反日的な人間も多いです。また、本省人や現地人の中には、親日的な人も多いようですが、心からそう思っている訳ではなく一種の処世術でそうしている人も多いようです。しかし、そうはいっても、ある一定数の親日的な人々は確実に存在します。また、日本に無関心な人も多いです。これは、否定できません。

現在の台湾は国連に加盟しておらず国家として承認しているのはごく少数に留まっています。戦後すぐに急速な経済成長を遂げた台湾に対して、中国は大躍進・文化大革命の相次ぐ失敗で荒廃してしまいました。

そのため、中国人が海峡を渡って台湾に亡命する事も多かったものです。ところが、80年代にニクソン訪中をきっかけに急速な経済成長が始まり、あっという間に台湾を抜き去りました。とはいっても、それは全体のGDPだけの話ではあります。

日本、台湾、中国の一人あたりGDPは以下のような状況です。(単位:USドル)
日本   32,485.55 
台湾   22,287.56 
中国    7,989.72
それにしても、国全体では大陸中国は、台湾を圧倒するようになりました。それまで日本に好意的では無かった台湾が急に「親日的」になったのは、この頃からであり、苦境を乗り切るための国家戦略とも取れます。これは、大陸中国の脅威もありやむを得ないことであったかもしれません。

80年代以前の台湾は韓国や大陸中国と同じく、従軍慰安婦や日本の侵略を非難していました。ただし、その当時の反日活動は、今日の韓国や大陸中国のように、執拗で質の悪いものではありませんでしたが、当時は大陸中国も、韓国も、台湾も反日的であったのは事実です。

台湾には大きく分けて台湾独立を志向する政党と、中国による台湾統一を志向する政党、台湾による中国統一を志向する政党が存在します。

国民の考えもほぼこの3通りに集約されています。
"
この3通り考えのうち、中国による台湾統一を志向する国民のグループは当然のことながら、反日的ですし、このグループの数が比較的多いことから、蔡英文政権も、これらの人々の考えを全く無視するわけにもいかず、そのため台湾の尖閣諸島の領有権の主張や、日本による南京虐殺問題をはっきりと取り下げることはできないのでしょう。

そうして、今日台北で開館した慰安婦記念館も中国による台湾統一を志向するグループによるものです。馬英九元総統は、もちろんこのグルーブに属しています。

馬英九氏
このグループは政党では国民党ですが、国民党は下野し野党になりましたが、それでも今でも大き勢力であるには違いありません。現在のところ、民主進歩党が与党で、総統は蔡英文氏ですから、露骨な反日政策などはとりませんが、国民党が政権を奪還することもあり得ます。そうなれば、馬英九のような総統になる可能性もあるのです。

そうして、台湾というと、日本にとっては、蓮舫民進党代表の二重国籍問題があります。この問題最近あまり話題になりませんが、重要であることは今でも変わりません。

特に、元々台湾籍だった蓮舫氏が、3つのグループのどれに属していたのか、あるいは今でも属しているのかは、大きな問題です。

そうして、これについては、いろいろと調べてみたのですが、はっきりしません。蓮舫氏は、日本の企業との間で貿易業を営んでいた台湾人の政商である父・謝哲信と、「ミス・シセイドウ」だった日本人の母・斉藤桂子の長女として東京都で生まれました。

父に抱かれて兄とお墓参りに行った
ときのものとされる蓮舫一家の写真
この謝哲信氏について、調べたのですが、やはり3つのグループのうちどれに属しているのかも良くわかりませんでした。ただし、蓮舫氏の祖母にあたる人と謝哲信氏については以下のようなことがわかりました。


蓮舫氏の祖母である陳杏村氏は、昭和41(1966)年に参議院農水委員会で公明党黒柳明議員から追求されていました。

戦後バナナは、国内のほかのフルーツを圧迫することなどを理由に輸入制限されていましたが、昭和38(1963)年になって輸入自由化が発表されました。自由化で業者が乱立し、輸入競争が激化しましたた。

そこで、カルテルを結んで安定させようとして、 昭和40(1965)年に設立されたのが「日本バナナ輸入組合」でした。この組合の初代理事長には砂田産業の砂田勝次郎氏が就任したのですが、これは神戸市を地元とする自民党の代議士で文部大臣などを務めた砂田重民氏の兄弟でした。

この一連の動きに台湾側の窓口として暗躍したのが、台湾で日本への輸出枠の50%を握っていた陳杏村であり、その息子の謝哲信らでした。そして、これは「黒い霧・台湾バナナ事件」が参議院農林水産委員会で昭和41年11月1日 に取り上げられていました。そのなかに以下のような注目すべき言葉がありました。

質問したのは公明党の黒柳明参議院議員、答弁は主として三木武夫通産大臣だ。
「かつて日本が台湾バナナ輸入を自由化した当時から、国民政府によって輸出総量の50%の割り当てを与えられて、わが国の国内バナナ輸入業者に対して絶大な支配力を持っておる、こういう人が陳杏村」
「陳杏村氏の令息に当たる人で謝哲義と謝哲信、こういう人がおります。今度はむすこさんのことですが、それぞれ砂田という日本人商社名をつけた多数のバナナ輸入会社を実質的に支配し、まかされております」
「この駐日弁事処は、日本の業者がかつて輸入バナナ一かごに何百円というリベートを持参しなければ台湾バナナを輸入しない、そういうようなことでリベートを取って、外為法違反容疑で警察から取り調べを受けた事件がある」
結局のところこの件は、黒い霧として警察が調べたり国会で追及されたにもかかわらず、立件されなかったのですが、陳杏村がかかわる台湾側の組織が、日本の輸入業者からリべートをとったり、政治家にペーパーカンパニーをつくらせてそれを実質的に支配することで莫大な利益を上げていたと疑われたという事件でした。

昔コロッケ5円、ラーメン30円、国電初乗り
10円の時代に台湾バナナは1本100円で売られていた
そして輸入業者に本人や家族が関連している政治家としては、すべてが陳杏村と関連していたというわけではないでしょうが、小泉純也、河野洋平、吉武恵市、砂田重民、大竹平八郎、蓮見進がいると名前が挙がっていました。

謝哲信氏は同志社大学に留学し卒業したあと、母親である陳杏村のビジネスを、東京を拠点に手伝っていました。ホテルニュージャパンに住んで、毎晩、200~300万円の札束をポケットに銀座で豪遊していたと蓮舫へのインタビューで構成された「婦人画報」の記事にありました。

こうして築いた財産は、どうなったのでしょうか。蓮舫は父親は台湾でいっさいの財産を残さなかった、国籍もどこか分からないと9月のYahoo!インタビューで話しているのですが、どういうことなのでしょうか。蓮舫の自宅は母親が経営する会社の名義になっているので資産公開しても、その詳細は出てきません。

謝家一族の現状、事業と資産について不明のままでは、野党第二党の代表にはふさわしくはないと思います。さらに、蓮舫氏が戸籍など情報公開に応じないことも問題ありです。

最近トランプ氏の閣僚が次々と発表されていますが、確か財務長官はまだのはずです。オバマ氏が政権についたときは、財務長官が半年以上にわたって空席という異常な状態が続きました。
現米国財務長官ジェイコブ・ルー
財務長官になるためには、米国では候補者の身元を徹底的にこれでもか、これでもかというくらいに洗うそうです。そのための時間もかかるし、それに何から何まで調べ尽くされるので、嫌がる人が多いので、財務長官になるのを嫌がる人も多いのだそうです。そうして、大統領候補者の身元もこれ以上に徹底的に洗われます。こういうこともあってか、オバマ氏も大統領になってからも、身元について様々な憶測がなされていました。

日本でも、そこまではしなくても良いとは思いますが、野党第一党の民進党の代表ならば、少なくとも、先に掲載した、謝家一族の現状、事業と資産ならびに、戸籍など情報公開などはすべきではないでしょうか。そうして、今後は議員や、各党の幹部などについても、アメリカなみに身元を洗い、重要な情報は有権者に対して開示すべきものと思います。

今のままでは、蓮舫氏はこれを公開できない理由があるものと勘ぐられても仕方ないと思います。

そうして、現状では昨日のこのブログにも掲載したように、1月解散、2月総選挙ということは多いにありそうなことですが、直近でそれが、白日の下に晒される可能性もあります。そうなると、民進党は大惨敗を喫し、当然のことながら、蓮舫氏は、選挙での惨敗の責任をとって失脚ということになるでしょう。

そのようなことになる可能性は蓮舫氏も気づいていると思います。しかし、情報公開ができないのというのには、それなりの理由があるとしか思えません。

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2016年12月9日金曜日

蓮舫代表、醜悪ブーメラン直撃 首相相手に罵詈雑言連発の党首討論デビュー―【私の論評】パチンコ業界守護神の蓮舫民進党は風前の灯火(゚д゚)!

蓮舫代表、醜悪ブーメラン直撃 首相相手に罵詈雑言連発の党首討論デビュー

7日の党首討論で、安倍晋三首相への口汚い批判を繰り返した蓮舫民進党代表
民進党の蓮舫代表に、あきれ果てるブーメランが直撃した。初めて臨んだ7日の党首討論で、安倍晋三首相への口汚い批判を繰り返したうえ、何と「息をするようにウソをつく」などと言い放ったのだ。「二重国籍」問題で、国民にウソをつき続けたのは、一体誰なのか。ネット上では「おまいう」(=『お前が言うな』の略)という言葉が飛び交った。

まさに、「恥ずかしく」「哀れ」というしかない党首討論デビューだった。いつもの白いスーツで登壇した蓮舫氏は、カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)整備推進法案などをめぐり、感情むき出しの攻撃的な口調で安倍首相に噛み付いた。

「議論の前提となる質問は間違いだらけ」と指摘した新聞もあるが、蓮舫氏は国民の反感を買いそうな、次のような暴言を放った。

安倍首相が10月の国会答弁で「強行採決をしようと考えたことはない」と述べたことを、「息をするようにウソをつく。昨年、安全保障法制を強行採決したじゃないですか!」と絶叫したのだ。



蓮舫氏は「二重国籍」問題で、説明を二転三転させた。疑惑が指摘された直後、テレビ番組で「(台湾)籍は抜いている」「私は生まれたときから日本人です」と公言したが、新聞や雑誌のインタビューで「父は台湾で、私は二重国籍なんです」「在日の中国国籍の者としてアジアからの視点にこだわりたい」などと発言していたことが次々と発覚した。
その後、「二重国籍」状態をやっと認め、台湾籍を抜いて日本国籍選択の宣言をしたというが、それを証明するための戸籍謄本の開示はかたくなに拒否している。

蓮舫氏は党首討論で「総理のその答えない力、逃げる力、ごまかす力、まさに“神って”います」と流行語大賞を持ち出して安倍首相を批判した。だが、国民にウソをつき、疑惑に「答えない力」、疑惑から「逃げる力」を発揮しているのは蓮舫氏ではないのか。

そもそも、約3年3カ月の民主党政権は、衆参の委員会で24回も「強行採決」を行っている。

これほど愚かな政党トップは見たことがない。

「二重国籍」問題を追及してきた徳島文理大学の八幡和郎教授は「蓮舫氏は言葉こそ激しいが、完全に空回りしている」といい、続けた。

「蓮舫氏は、記者会見で証拠開示を求められても『子供に影響がある』などと拒んでいる。一方で、テレビのバラエティー番組には子供を平気で出演させている。こうした対応は明らかにおかしい。安倍首相は、蓮舫氏が次の党首討論でも一方的に責め立ててくるなら、『国籍問題について証拠を開示して説明すべきだ』と逆襲してはどうか。国民もそれを望んでいるはずだ」

【私の論評】パチンコ業界守護神の蓮舫民進党は風前の灯火(゚д゚)!

上の記事で、八幡教授が語っている、テレビのバラエティー番組とは、おそらく金スマの11月18日のものであると思われます。その動画を以下に掲載します。


確かに、この時期にはすでに二重国籍問題などで、いろいろ騒がれているのに、バラエティー番組に子どもを平気で出演させています。どうも、これは一般的な日本人の感性ではほとんど理解不能です。

それにしても、国会とは不思議なところです。蓮舫氏のように罵倒を繰り返すような、人間が議員は愚か野党第一党の代表というのですから、本当に恐れ入ってしまいます。

「日本死ね」がユーキャンの今年の流行語大賞の譲位10位内に入り、山尾志桜里がいそいそとその授賞式にでかけ、受賞して満面の笑みを浮かべるような有様ですから、そもそもどこか頭のネジが狂っていて、最初からタガが外れているので、このようなことも仕方ないといえば、仕方ないのかもしれません。

カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)整備推進法案に関する蓮舫氏の安倍総理への批判は、そもそも全く反論にすらなっていません。

衆院内閣委員会は2日、カジノを含めた統合型リゾートの整備を政府に促す法案 (IR推進法案)を、自民党などの賛成多数で可決した。法案は6日に開かれる衆院本会議でも可決されました。

この法案は、いわゆる「プログラム法案」です。これは、特定の政策を実現するための今後の手順やスケジュールなどを規定した法律です。つまり、今回のいわゆるカジノ法案では、「これから、いろいろな法律改正をします」といっているだけで、カジノに関する実定法は何も決まっていないのです。

論より証拠として、まず、今回の法案をご覧になると良いと思います。テレビなどでの多くのコメンテーターが法案を読まずにものを言っているのは片腹痛いですが、実際の法案はふつう一般人には読める代物ではありません。ところが、このプログラム法案は、大雑把な今後のスケジュールなどしか書いていないので、多くの人に理解できるはずです。

カジノ法案は、衆議院のサイトに掲載されています。以下にそのリンクを掲載します。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g18901020.htm)。

この法案のポイントは、
第5条「政府は、次章の規定に基づき、特定複合観光施設区域の整備の推進を行うものとし、このために必要な措置を講ずるものとする。この場合において、必要となる法制上の措置については、この法律の施行後一年以内を目途として講じなければならない。」 
という点と、
第14条「特定複合観光施設区域の整備の推進を総合的かつ集中的に行うため、内閣に、特定複合観光施設区域整備推進本部(以下「本部」という。)を置く。」
です。

つまり、「政府は1年以内に法律を準備しなさい、推進本部を作りなさい」と言っているのにすぎません。

こうしたプログラム法に対して、蓮舫氏を含めた反対論者は、ギャンブルを正当行為によって解禁するのに、ギャンブル依存症問題、青少年への影響、暴力団対策、マネーロンダリングなどの対応策がないのは問題であるといっています。

それにしても、このようなブログラム法の段階でかくも執拗に反対をするというのは裏に何かありそうです。

蓮舫氏は、党首討論の冒頭で、ギャンブル依存症の弊害を生々しく語っていますが、この日本では未だカジノは合法化されておらず、ギャンブル依存症の弊害とは今の日本では発ンコが原因であることがほとんどです。しかし、蓮舫氏はパチンコについては一切述べませんでした。これは、本当にかなりの矛盾です。

これは、背後にパチンコ業界が絡んでいるとしか思えません。

パチンコ業界といえば、犯罪の予防という名目によって、全国管区警察局長ごとに天下りの「縄張り」が決められ、警察官僚の天下り利権となっています。パチンコは実質的には「民間賭博」ですが、法的には風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)で規制されており、「警察の所管」という形になっています。

もっとも、このようなシステムのために、パチンコ店は景品を出し、パチンコ店のすぐそばの景品交換所でその景品をおカネに交換するという、刑法賭博罪的にグレーな運営方法が採られています。

これに対して、カジノ法案では、パチンコのようなグレーな方法でなく、カジノを真っ正面から健全娯楽と位置づけようとしていす。カジノ法案が成立すると、パチンコはどうなのか、といる議論も予想されますが、それが警察官僚には鬱陶しいのでしょう。

パチンコは大きな産業ですが、経営者の出身はその多くが韓国、北朝鮮であり、日本系は少数といわれています。また、パチンコは脱税の多い業種です。毎年国税庁から公表される「法人税等の調査事績の概要」をみると、法人税の不正発見割合では毎年上位になっています。

現在の日本のパチンコ業界は、この際カジノに乗ってビジネスチャンスにしようという人と、カジノをつぶしてパチンコを守ろうという人と二分化されているのでしょう。それが、カジノ推進派と反対派の背景になっているのだと考えられます。

マスコミは、カジノ推進派はカジノ経済効果を主張し、カジノ反対派がカジノの弊害を強調するという構図で報道していますが、根っこには、パチンコ業界内部のカジノ推進とカジノ反対が関係しているのでしょう。

これは、パチンコをどのように理解するかという本質的な問題になってくると思います。厚労省の調査によれば、日本人の成人の4.8%がギャンブル依存症とされています。これは、米国1.6%、香港1.8%、韓国0.8%と比較して高いです。実質上の賭博であるパチンコが身近であることが、海外より数値が高い理由です。


法的にはパチンコは賭博でない、となし崩し的に扱われているのにも違和感があります。世界中で試みられているのは、ギャンブルを街中から隔離し管理して国民を守るというスタンスです。ギャンブルがなくなれば、それにこしたことはないでしょうが、それができないので、次善の策が必要になります。カジノはその流れです。

もしカジノを作り、そこへの誘導策を同時に実施すれば、街中のパチンコ屋は一気に衰退することでしょう。そして、カジノは140ヵ国で認められた世界標準なので、外国人観光客も引き寄せて、大きな経済効果が出ることになります。

カジノをきっかけにして統一的なギャンブル規制法ができればベストですし、その中で依存症対策などでマイナス面を減少させ、経済効果を最大化するという発想が必要です。

いずれにしても、今よりマシなギャンブルの規制作りをするためには、今回のカジノのプログラム法案は好都合です。にもかかわらず、カジノ法案を審議拒否したら、今のパチンコの問題を放置することになってしまうでしょう。それは、結果として、世界から異様に思われている「街中に事実のギャンブルがある状態」を擁護することになってしまいます。

責任ある野党というのは、「カジノ反対!」と口でいうばかりではなく、カジノで指摘される負の影響としてのギャンブル依存症問題、青少年への影響、暴力団対策、マネーロンダリングなどの対応策などで、政府案を凌ぎ、国民に喝采されるものを国民に提示することではないか。そうして、パチンコもギャンブルとみなし、規制を強めるなどの措置をすべきです。

パチンコといえぱ、このブログでも随分前に非常に不可解であることを掲載しまています。その記事のリンクを以下に掲載します。
「自販機、パチンコやめちまえ」 石原都知事の発言が大反響―【私の論評】両方とも必要ない!!
この記事は、2011年4月12日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部分を引用します。

当時の石原東京都知事
4選を果たした石原慎太郎東京都知事(78)が、自販機やパチンコの電力消費ぶりをぶった切り、ネット上で絶賛する声などが相次いでいる。一方、両業界では、節電に努めていると反論しており、困惑している様子だ。 
選挙戦最終日の2011年4月9日、やっと始めた街頭演説で石原節がさく裂した。
「自動販売機なんてやめちまえ。コンビニで買って家で冷やせばいいじゃない」 
「パチンコはジャラジャラと音を立てるために電気を煌々とつけるのは、世界中で日本だけだ」
パチンコに関しては、カジノのように限らた場所ではなく、商業地区など人の大勢いるようなところでの賭博ということで、多くの人は感覚が麻痺して、パチンコが賭博であることをあまり意識しないようにさえなっています。

この記事では、その他に、パチンコチェーンストア協会の政治分野アドバイザーの当時の名簿も掲載しました。

政治分野アドバイザー
2011年3月31日 現在
氏名政党議院選挙区所属
羽田 孜民主党衆議院長野3区元首相、党最高顧問、
娯楽産業健全育成研究会名誉顧問
鹿野 道彦民主党衆議院山形1区党副代表
古賀 一成民主党衆議院比例九州娯楽産業健全育成研究会会長
小沢 鋭仁民主党衆議院山梨1区娯楽産業健全育成研究会会員
池田 元久民主党衆議院神奈川6区
古川 元久民主党衆議院愛知2区娯楽産業健全育成研究会常任幹事
山田 正彦民主党衆議院長崎3区娯楽産業健全育成研究会副会長
中川 正春民主党衆議院三重2区娯楽産業健全育成研究会会員
海江田 万里民主党衆議院東京1区
小林 興起民主党衆議院比例東京
山岡 賢次民主党衆議院栃木4区
牧 義夫民主党衆議院愛知4区娯楽産業健全育成研究会事務局長
松野 頼久民主党衆議院熊本1区
中山 義活民主党衆議院東京2区
生方 幸夫民主党衆議院千葉6区
吉田 公一民主党衆議院比例東京
鈴木 克昌民主党衆議院愛知14区娯楽産業健全育成研究会常任幹事
松宮 勲民主党衆議院福井3区
下条 みつ民主党衆議院長野2区
樋高 剛民主党衆議院神奈川18区民主党副幹事長
北神 圭朗民主党衆議院京都4区
辻 恵民主党衆議院大阪17区
石井 登志郎民主党衆議院兵庫7区
坂口 岳洋民主党衆議院山梨2区
黒田 雄民主党衆議院千葉2区
大西 孝典民主党衆議院奈良4区
斎藤 やすのり民主党衆議院宮城2区
萩原 仁民主党衆議院大阪2区
小川 勝也民主党参議院北海道娯楽産業健全育成研究会常任幹事
羽田 雄一郎民主党参議院長野県
岩本 司民主党参議院福岡県娯楽産業健全育成研究会幹事
前田 武志民主党参議院比例区娯楽産業健全育成研究会副会長
増子 輝彦民主党参議院福島県
柳澤 光美民主党参議院比例区娯楽産業健全育成研究会会員
石井 一民主党参議院比例区娯楽産業健全育成研究会名誉会長
水戸 将史民主党参議院神奈川県
室井 邦彦民主党参議院比例区
民主党 計37名 
中川 秀直自民党衆議院広島4区
山本 有二自民党衆議院高知3区遊技業振興議員連盟、カジノ議連
野田 聖子自民党衆議院比例東海
木村 太郎自民党衆議院青森4区遊技業振興議員連盟
岩屋 毅自民党衆議院比例九州カジノ議連事務局長
田中 和徳自民党衆議院比例南関東遊技業振興議員連盟幹事
後藤田 正純自民党衆議院徳島3区遊技業振興議員連盟、カジノ議連
髙木 毅自民党衆議院福井3区
松浪 健太自民党衆議院比例近畿
坂本 哲志自民党衆議院熊本3区
伊達 忠一自民党参議院北海道区遊技業振興議員連盟
自民党 計11名 
高木 陽介公明党衆議院比例東京
漆原 良夫公明党衆議院比例北陸信越
富田 茂之公明党衆議院比例南関東
公明党 計3名 
鳩山 邦夫無所属衆議院福岡6区
中島 正純無所属衆議院大阪3区
無所属 計2名 
合計53名 

これに関しては、これだけの議員が名を連ねているというのは本当に異常です。特に民主党(現民進党)の政治家が多数名を連ねていることには驚きました。これに関しては、かなり世間の風当たりも強くなりました。私もことあるごとに、これに関してはブログなどでも指弾しました。

そのためでしょうか、政治分野アドバイザーなるものは名簿からはなくなりました。それは、以下のリンクから、パチンコチェーンストア協会のサイトをご覧いただければ、わかります。
http://www.pcsa.jp/member.htm
しかし、サイトから名簿は消えたものの、多くの政治家がパチンコチェーン協会と関係があったし、現在もあることは容易に想像できます。特に民主党とは関係が深いようです。

だかこそ、私も、蓮舫氏も民進党の他の議員も、ブログラム法に過ぎない「カジノ法案」について、大反対して、パチンコ業界を守ろうとしているとしか思えないのです。

自民党に関しても、パチンコ業界と関係のある議員もいるのだと思います。しかし、安倍総理はこのカジノ法案の先に、野放しになっているギャンブル・パチンコを何とかしたいと考えているのだと思います。

さて、このブログ記事には、パチンコの弊害などを示す動画も掲載しました。この動画現在も今でも見られます。その部分をこの記事から引用します。
パチンコ業界については、以前から疑問に思っていたので、YouTubeでも、以下のような興味深い動画を発見して、全部見ました。その説明と動画そのものを貼付けておきますので、皆さんも是非ご覧になってください。 
違法であり、射幸性などもたびたび問題視されながらも、一大娯楽産業として根付いてしまっているパチンコが、いかに日本の社会や個人の人生を蝕んでしまっているのか? そして、韓国では成し得たパチンコ全廃への動きが日本で見られない背景には何があるのか? 政界 及び 警察、メディアの癒着など、業界をめぐる実態を明らかにしておられるノンフィクション・ライターの若宮健氏とともに、パチンコ依存症で苦しんでおられる方や、業界の裏事情­に詳しい方へのインタビューなども交え、検証していきます。 
出演者若宮健(ノンフィクションライター)三輪和雄(「正論の会」代表・「日本世論の会」会長)水島総(日本文化チャンネル桜代表)高清水有子(皇室ジャーナリスト)





とにかく、カジノ法に反対する議員などで、パチンコにも反対するというのなら理解できますが、パチンコにはノータッチというのなら、パチンコ業界に利権があるものとされても致し方ないと思います。

カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)整備推進法案などをめぐり、感情むき出しの攻撃的な口調で安倍首相に噛み付いた蓮舫氏にはそうした裏があるものと見るべきです。

蓮舫代表は、党首討論の冒頭で、ギャンブル依存症の悲惨な症状について述べています。このギャンブル依存症の原因とは一体何なのでしょうか、現在の日本ではカジノは合法化されていません。非合法のカジノなどあったにしても、わずかです。これを考えると、蓮舫氏の言うギャンブル依存症とは、ほとんどがパチンコによるものであることは明らかです。

しかし、そのことは一切口に出さず、ただただカジノに反対するだけです。これでは、パチンコ業界の守護神蓮舫と呼ばれてもいたし方ないのではないでょうか。

それにしても、蓮舫氏、破滅型性格とでもいうのでしょうか、破滅への道をひた走っているしか見えません。

ブログ冒頭の記事で八幡氏は
「蓮舫氏は、記者会見で証拠開示を求められても『子供に影響がある』などと拒んでいる。一方で、テレビのバラエティー番組には子供を平気で出演させている。こうした対応は明らかにおかしい。安倍首相は、蓮舫氏が次の党首討論でも一方的に責め立ててくるなら、『国籍問題について証拠を開示して説明すべきだ』と逆襲してはどうか。国民もそれを望んでいるはずだ」
と主張しています。 しかし、それは当然安倍首相の腹積もりの中にあると思います。一昨日のブログでは、今後の政治日程に関する仮設を掲載しました。それを以下に掲載します。
もともと年明け解散は、12月15日~16日に行われる日ロ首脳会談の成果を掲げて行われたかもしれませんが、その後、北方領土問題の大きな進展は期待薄となったため頓挫したと思われていたのですが、今回の外交成果(ブログ管理人注:安倍首相の真珠湾での慰霊)で内閣支持率を伸ばすか最近あがってる支持率を維持しつつ、そのまま解散総選挙に打って出る可能性がでてきたということです。
そうして、安倍首相は、蓮舫議員の二重国籍問題に関しては、いまのところは蓮舫氏をそのまま泳がせておいて 、選挙の直前の国会で、追求させるなどして徹底的に蓮舫民進党に打撃を与え、選挙で大勝利する腹づもりであるものと思います。

民進党のように、政策論争はそっちのけで、安倍総理や自民党に対して、のべつまくなくネガティブ・キャンペーンをしているようでは、有権者にも飽きられてしまいます。多くの有権者はもうあのやり口に辟易していると思います。

ここぞというときに、徹底的に行なうことこそ、ネガテイブ・キャンペーンをは大きな効果が期待できます。

まさに、蓮舫民進党は風前の灯火です。

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2016年12月8日木曜日

安倍首相真珠湾「慰霊」を批判する人たち 「広島原爆投下と同列でない」―【私の論評】トランプ旋風後の安倍総理の真珠湾訪問はまさに時宜にかなっている(゚д゚)!

安倍首相真珠湾「慰霊」を批判する人たち 「広島原爆投下と同列でない」

安倍晋三首相が2016年12月26日、27日に米国ハワイ・オアフ島を訪問し、オバマ米大統領と首脳会談をするとともに、太平洋戦争の戦端を開いた真珠湾に行き犠牲者を慰霊することが発表されたが、ネット上には、この慰霊を激しく批判する人も少なからずいる。

アメリカのバラク・オバマ大統領が16年5月27日に原爆が投下された広島を訪れたが、それと安倍首相の真珠湾訪問はセットで組まれたものだった、と考える人たちだ。この2つは内容も重みも全く異なるものであり、もし安倍首相が「謝罪」の言葉を口にすれば、日本は歴史的な完全敗北をするだろうと憂いている。

安倍首相

 菅官房長官「慰霊のためであって謝罪のためではない」

各紙の報道によれば、16年11月にペルーで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、安倍首相とオバマ大統領が短時間で言葉を交わした際に12月に2人で真珠湾を訪問することを確認した。これは17年1月に退任するオバマ大統領との最後の首脳会談を兼ねている。安倍首相は75年前の旧日本軍による真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊することで、
「二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。未来に向けた決意を示したいと思う」
と記者団に語った。菅義偉官房長官は翌6日午前の記者会見で、日米が和解した価値を発信するいい機会になるとし、
「訪問は戦没者の慰霊のためであって謝罪のためではない」
と強調した。

首相の真珠湾慰霊のニュースは、ネット上でもかなり好意的に受け止められていて、
「戦後の総決算をするためにも慰霊をするのは良い事だよ」 
「オバマ大統領の広島訪問への返礼だね。素直に評価したい」 
「この政治力と、世界平和を希求する姿勢が、世界の指導者にも、国民にも愛される原動力。素晴らしい」
などといったことがツイッターでつぶやかれた。

しかし、「安倍首相の真珠湾訪問に反対する」という意見もけっこうある。

 原爆は非戦闘員が犠牲、真珠湾奇襲は戦闘行為

それは、安倍首相の真珠湾訪問とオバマ大統領の広島訪問とは等価値ではない、という理由からだ。アメリカの原爆は一般市民を虐殺した国際法違反であり、一方の日本は真珠湾を奇襲攻撃したけれども、狙ったのは軍事関連で一般的な戦闘行為だったから、二つを同列に扱ってはならない、というものだ。このため、仮に安倍首相が謝罪の言葉を口にすると、日本の歴史的な完全敗北になる、とし、

2チャンネルなどのネット掲示板やまとめサイトには、
「オバマは広島で非戦闘員に対する慰霊をしたのであって、真珠湾いってアメリカ兵の慰霊をするのは日本の総理がやってはいけないことです 」
「日本が生き残るための先制攻撃だったはずなのに、なぜ『反省』なのか?その前に戦没者の遺骨収集が先だろ!安倍総理の行動に対し一気に冷めた。残念だ!」
「広島と長崎の原発投下に殆どのアメリカ人が謝罪する気ないのに、真珠湾ごときの犠牲に謝罪するのか」
などといった首相の慰霊訪問を批判する書き込みも大量に出ている。

首相の慰霊訪問を現地の人たちはどう思っているのだろうか。

テレビ朝日は16年12月7日、真珠湾攻撃があった当時、沈没した戦艦「アリゾナ」の近くで任務に当たっていた元海軍のリチャード・ヤングさん(94)のインタビューを報じた。リチャードさんは驚いたとしたうえで、
「(訪問の)理由は償いのためだと思う。それが本当ならば素晴らしい。(謝罪は)悪くないだろう。でも、私たちは日本に原爆を落としている。謝罪をし始めたらきりがない」
と語っている。

【私の論評】トランプ旋風後の安倍総理の真珠湾訪問はまさに時宜にかなっている(゚д゚)!

本日12月8日(米国時間では12月7日)は、75年前に日本軍がパールハーバーを攻撃した日です。ハワイでは今年も毎年のように犠牲者の追悼式が行われました。

この日は首都ワシントンでも慰霊の式典が行われ、マイク・ペンス次期副大統領やジョン・マケイン上院議員らが臨席しました。以下に本日のハワイでの追悼式の模様の動画を掲載します。



日本でも、真珠湾攻撃に関することで以下にようなことがありました。

首都大学東京システムデザイン学部の渡邉英徳研究室(インダストリアルアートコース)は、1941年12月8日(日本時間)の「真珠湾攻撃」から75年目を迎える本日、真珠湾攻撃の証言・写真資料に人工知能技術で着彩し、3Dマップ上にまとめた多元的デジタルアーカイブ「パールハーバー・アーカイブ」を公開しました。

【アーカイブの概要】
■ The Pearl Harbor Archive|パールハーバー・アーカイブ
http://1941.mapping.jp/
制作に当たっては、首都大学東京・渡邉英徳研究室の「ヒロシマ・アーカイブ」(2011年7月発表)などの「多元的デジタルアーカイブズ」の技術を応用しました。コンテンツは、PC、スマートフォンのウェブブラウザで閲覧できます。

さて、ブログ冒頭の記事で、「アメリカの原爆は一般市民を虐殺した国際法違反であり、一方の日本は真珠湾を奇襲攻撃したけれども、狙ったのは軍事関連で一般的な戦闘行為だったから、二つを同列に扱ってはならない」という主張を掲載しています。私は、この主張は正しいものと思います。

ただし、このように主張する人々が、今回の安倍首相によるパールハーバーでの慰霊に関して否定的であるというくことは理解できません。菅官房長官が「訪問は戦没者の慰霊のためであって謝罪のためではない」語るように、安倍首相は慰霊はしても、謝罪はしないでしょう。私は安倍総理が慰霊をすることによって、さらに日米関係の絆は深まると思います。

なぜ、そのようにはっきりと言うかといえば、その根拠があります。その根拠の一つとしては、ブログ冒頭の記事にもあように、日本は真珠湾を奇襲攻撃したけれども、狙ったのは軍事関連で一般的な戦闘行為だったからです。

さらにもう一つの根拠としては、パールハーバーの奇襲は宣戦布告なしで行われたと言われますが、そもそも、当時、開戦前に宣戦布告しなければならないという国際法は確立されておらず、当時、ソ連もドイツも守っていません。

宣戦布告は1945年の日本による米国に対する宣戦布告が最後となりました。ただし、この宣戦布告は、残念ながら手続きなどの時間がかかり、パールハーバーの奇襲よりも少しだけ遅れてしまいました。しかし、宣戦布告したことは事実です。本当は、宣戦布告などは必要もなかったのですが、最初の攻撃より多少遅れても律儀な日本はそれを行ったというのが、史実です。

専門家によっては、日本海軍のパールハーバー攻撃以前に、米国の駆逐艦が日本の潜水艦に攻撃を行っており、戦争を開始したのは米国であるとする人もいますが、このあたりは、どっちが先かなどの議論はあまり意味がないので、ここでは詳細は述べません。

そうして、現在でも戦争を始めるにおいて、相手国に対して宣戦布告しなければならないという義務などはありません。「日本は過去アジアを侵略し、宣戦布告もせず不当に戦いを始め、悪いことをした、だから原爆も落とされ、東京を焼け野原にされたのもしかたがなかったのだ」こうした教育が日本の学校やメディアで行われています。皆さんも聞いたことがあるかもしれません。

このような歴史観を刷り込まれ、パールハーバーはだまし討だなどと言われれば、それを単純に信じこんでしまう人も多いかもしれません。

しかし、戦争に至るまでの世界の歴史の流れを知り、日本の立ち位置を知り、事実を知れば、この考えは「欧米にとって都合よく通られた歴史観」だということが容易に理解できます。

そうして、このことは、パールハーバーを訪れれば、よく理解できるかもしれません。それに関しては、つい先日もこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
安倍晋三首相、26、27両日に米ハワイ訪問へ 真珠湾で慰霊も―【私の論評】日米関係を邪悪なルーズベルトと近衛文麿の以前に戻せ(゚д゚)!
詳細は、 この記事をご覧いただくものとして、真珠湾の戦いの記念館で、どのように日本の真珠湾攻撃が説明されているかを示す部分のみを引用します。
さて、ハワイには、World War the Second Valor in the Pacific National Monumentという。真珠湾の戦いの記念館があります。この一体は、大きな国立公園として存在しています。下の写真が、その記念館です。
受付がこうあって、そしてこの記念館に入っていきますね、2つ建物があって、その一番最初の、入り口のところにある展示なんですよ。説明なんですよ。だからこれが、この記念館全体を説明してるわけですが、さあ、そこに何て書いてあるかというと、以下の様なものです。
このタイトルは、A Gathering Storm、迫り来る嵐という意味です。Conflict is brewing in Asia. その、アジアで紛争が起きましたと続いています。そして、古い世界が変わりつつあってと続いていて、、そしてここその下に、Two new powers, the United States and Japan, are rising to take leading roles on the world stage. つまりこれアメリカと日本を全く対等に考えていて、その、世界の舞台で、新しい主導的な役割を果たそうと、アメリカと日本が勃興してきたと書いてあります。 
そうして、当時の海軍力において日本が最先端で、アメリカより上で、特に、大きな軍艦ではなくて、飛行機こそ、大事だということを教えてくれたとかいてあります。教えられたのが真珠湾攻撃であって、真珠湾で徹底的にやられたので、アメリカは日本の方が正しいと反省をして、そして航空戦力を強くして、翌年の1942年6月のミッドウェー海戦でやり返して祖国を守ったと書いてあります、非常にフェアな、展示がしてあります。 
空母赤城やその艦載機の展示もある
このような説明の仕方はされていますが、 真珠湾攻撃がだまし討であったなどの説明はありません。アメリカにも、歴史を歪めて日本を貶めようとする人々も大勢いますが、少なくとも、軍人はこのように歴史の事実を受け止めています。

そうして、この記事にも掲載したように、日米は過去のこのような戦いなどのわだかまりを超え、それだけではなく、当時のソ連に両国とも操られて、本来すべきでなかった日米戦争をしてしまったことを反省し、日米の新たな協力関係を構築しより強固にすべきです。

さすがにアメリカは、歴史を歪めなければ、統治の正当性を主張できない、中国、韓国、北朝鮮とは一線を画しています。そうして、軍人の立場とすれば、日本を貶めるようなことをすれば、真珠湾攻撃で戦死した多くの軍人たちを貶めることにもなると考えていると思います。

あくまでフェアに戦い、たまたま日本の戦術が優れていたので、真珠湾では負けてしまって、大勢の尊い命が犠牲になったと考えているのだと思います。心情的には、そう考えるのが当然です。

以下に日本側と米国側が撮影したものをまとめて、カラー映像化した真珠湾攻撃の動画を掲載します。



真珠湾で犠牲となった大勢の軍人らの尊い命を安倍総理が慰霊するということは、米国側からみても歓迎されるものと思います。中国や韓国、北朝鮮などのように謝罪せよとか、謝罪をしなければ非難するなどということはないでしょう。

一部のメディアや狂った歴史観を持つ政治家、知識人などは非難するかもしれませんが、こんなものは今のアメリカでは少数派であり、オバマ大統領でさえ、そうして米軍は当然のことながに、そうしてトランプ氏も、そうして多数の米国民も、非難するはないでしょう。

トランプ旋風が吹いて以来、アメリカは変わりつつあります。現在のアメリカまさに、ポスト"リベラル・左派"の時代に入りつつあります。保守派が台頭し、リベラル・左派はまともな言論人は生き残れるでしょうが、歴史修正を行なうような愚かなものたちは、徐々に活躍の場が限らるようになることでしょう。

トランプ旋風は政治の世界におけるその先駆けとなりました。これから、他の分野でも、徐々にそうなり、歪んだアメリカの歴史修正主義者は徐々に力を失っていきます。

そうなれば、米国内の日本に対する歪んだ歴史観の呪縛から解き放たれることになります。

まさに、安倍総理がパールハーバーで、亡くなった軍人らの慰霊を行なうことは、両国にとって時宜にかなっています。

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2016年12月7日水曜日

邪魔者は殺す プーチン大統領のデスノート―【私の論評】プーチンは、生かさず殺さず利用することが我が国の目指すべき道(゚д゚)!

邪魔者は殺す プーチン大統領のデスノート

ウラジーミル・プーチン 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 超大国ロシア復権を目指すプーチン大統領は、政権に批判的な者を露骨に排除してきた。ロシア・旧ソ連圏の安全保障に詳しい軍事アナリストの小泉悠氏は、「ロシアの恐怖政治は今後も続く」と見ている。

 * * *

 2015年2月27日、ある男がモスクワ中心部の橋で4発の銃弾を浴びて死亡した。男はロシアの野党指導者ネムツォフ。反プーチンを掲げて大規模デモを開催する2日前の暗殺だった。後に当局は5人を逮捕したが「黒幕」は不明のままだ。

暗殺されたとみられる野党指導者ネムツォフ氏
 プーチンという男を批判する者の不可解な死は今に始まったことではない。

 有名な例が、プーチン政権誕生の鍵を握る事件を追及していたジャーナリストのポリトコフスカヤだ。

 1999年、ロシア3都市のアパートが連続爆破され、約300人が死亡した。当時、ロシア首相のプーチンはチェチェン独立派武装勢力のテロと断定して報復攻撃を開始した。決断は国民に広く支持され、大統領に上り詰める基盤となった。

 だが、後に同型の爆弾を仕掛けた不審者がロシアの諜報機関と関係していた事実が発覚。ポリトコフスカヤは、アパート爆破はチェチェン侵攻の口実が欲しいプーチンの「自作自演」ではないかと追及した。

暗殺されたとみられるポリストフスカヤ氏の葬儀
 そして彼女は標的となる。2004年のチェチェン武装勢力による中学校占拠事件を取材する際、現場に向かう機内で提供された一杯の紅茶を飲んで意識を失った。彼女は紅茶に毒を盛られたとして、「ロシア当局による毒殺未遂」だと主張した。

 奇跡的に一命を取り止めたが、2006年10月7日、モスクワ市内にある自宅アパートのエレベーター内で射殺された。全容は不明だが、この日はプーチン54歳の誕生日であり、暗殺は「最大の贈り物」とされた。

 3週間後、彼女と同様にロシア政府の関与を追及していた元KGB(ソ連国家保安委員会)のリトビネンコが亡命先のロンドンで体調不良を訴える。髪の毛が抜け、嘔吐を繰り返した彼は、やつれ果てた姿で死亡した。

病気の治療を受けていたリトビネンコ氏
 死体からはロシアで独占的に製造される放射性物質のポロニウム210が検出された。後に英国の調査委員会は、暗殺にロシア政府が関与しており、少なくともプーチンの承認を得ていたと結論づけた。

 KGBには「チェキスト(情報機関員)は死ぬまでチェキストだ」との鉄則がある。KGB出身のプーチンにとって、西側に魂を売ったリトビネンコは、「許されざる裏切り者」だった。(談)

 ●取材・構成/池田道大(ジャーナリスト)

 ※SAPIO2017年1月号

【私の論評】プーチンは、生かさず殺さず利用することが我が国の目指すべき道(゚д゚)!

上の記事をご覧いただければ、おわかりになるように、プーチンは政治家というより、マフィアの親分とでも考えたほうが、妥当です。

そのようなマフィアの親分との交渉で、安倍晋三首相は、北方領土返還に執念を見せています。9月2日、ウラジオストクで、ロシアのプーチン大統領と首脳会談を行い、年内にあと2回会談を重ね、安倍首相がソチ五輪時の会談で提示した経済面での8項目の「協力プラン」の具体化を加速して両国の協力関係を強化することで合意したといいいます。

その直前には、安倍総理は、「ロシア経済分野協力担当相」職を設置するなど“本気”を印象付けました。北方領土返還のため、冷戦時代の「政経不可分」戦略をかなぐり捨てて、「経済先行」を前面に押し出しています。

日本とロシア(旧ソ連)は、1956年の「日ソ共同宣言」で法的な戦争状態を一応終結したが、いまだに「平和条約」は締結できていません。父祖伝来の領土である北方領土の返還は悲願です。

しかし、この努力は報いられない可能性のほうが高いと考えられます。その根拠は、以前もこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
安倍首相と米露のバトル口火 TPPは“トランプ版”に衣替え、北方領土はプーチン氏と論戦に―【私の論評】日米は、中国の現体制と、ロシアの中のソ連を叩き潰せ(゚д゚)!
ウラジーミル・プーチン
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事にはロシアという国の本質を掲載しました。その部分を以下に掲載します。
私たちは、ロシアとの北方領土交渉に関することを述べる前に、ロシアとはどういう国なのかを知っておく必要があります。

現代ロシアを理解するうえで大切なことは、ロシアとソ連は宿敵だということです。ロシアを乗っ取ってできた国がソ連なのですから、両者を一緒くたに考えるべきではありません。

エリツィンは現在では単なる酔っ払いとしか評価されていないのですが、間違いなくロシアの愛国者でした。そのエリツィンから大統領の地位を禅譲されたプーチンがやっていることは、ソ連邦の復活であり、ロシアに対する独裁です。
ロシアの愛国者エリツィン氏
プーチンが日本文化に詳しいから交渉しやすいなどという甘い幻想は捨て去るべきです。ロシアはそれほど単純な国ではありません。例えば、2002年にアレクサンダー・レベジというロシアの政治家が死にました。

彼はロシアの自由化を進め、チェチェン紛争の凍結にも尽力した人物です。NATOや日米同盟にも融和的でした。何より、近代文明とは何かを理解し、実行しようとしました。

ロシア史のなかでも、一番の真人間と言っていい存在です。しかし、彼の末路はヘリコプター事故死です。ロシアではなぜか、プーチンの政敵が『謎の事故死』を繰り返します。このレベジについてなんら言及せず、『プーチンは親日家だから』などと平気で言っているような輩は、間違いなく馬鹿かロシアスパイです。
アレクサンダー・レベジ
しかし、無論プーチンに限らず誰にも様々な面があります。どんな物事にも良い面もあれば悪い面もあります。『誰が善玉で誰が悪玉か』という子どものような区別の仕方はすべきではありません。

ロシアを支配しているのは、徹底した『力の論理』です。自分より強い相手とはケンカをせず、また、自分より弱い相手の話は聞かないというものです。

日本からの投資などで、ロシア側の姿勢を軟化させ北方領土問題を一歩でも進めよう、などという声もあるようですが、話を進める気のない相手に交渉を持ち込んだところで、条件を吊り上げられるのがオチです。

そもそも、戦争で取られたものは戦争で取り返すしかない、というのが国際社会の常識です。力の裏づけもないまま、話し合いで返してもらおうなどと考えている時点で、日本は甘すぎます。これは、それこそ子どもの論理と謗られてもしかたありません。
これは、プーチンとメドヴェージェフの役回りを考えてもわかります。子分が大袈裟に騒ぎ立てたところへ、親分が『まあまあ』と薄ら笑いで入ってくるのは、弱肉強食のマフィア社会などでは常套手段です。にもかかわらず子どものままの日本は、プーチンの薄ら笑いを友好的なスマイルだと勘違いしてしまっています。要するに、マフィアの社交辞令を真に受けているわけです。
プーチンとメドベージェフ
そもそも、多くの日本はロシアを知らなさすぎます。ウクライナの問題にしても、ロシアの歴史を知っていれば『またやってるよ』で終了です。『アメリカの影響力の低下』を論じる向きもありますが、そもそも、旧ソ連邦であるウクライナ、とくにクリミア半島に欧米が手出しできるわけがありません。メキシコにロシアが介入できないのと一緒です。

これは、世界の通史を知れば国際社会の定跡が学べ、おのずと理解できることです。そうして、文明国として、日本が強くなるべき理由やその方法も理解できるはずです。

プーチン大統領にとって、ウクライナはあくまで自分たちの持ち物です。元KGBである彼の故郷はロシアではなくソ連邦なのです。ウクライナを狙うのは、彼が旧ソ連を取り戻そうとする行為の一環なのです。

プーチンは故郷であるソ連邦の歴史をムダにしたくないし、ソ連の崩壊が敗北だったとは決して認めたくないのです。例えばプーチンは、ガスプロムという天然ガスの企業を使って、ロシア人から搾取を続けています。
このようなロシアの本質を知れば、北方領土問題がどんな形であれ解決すはずもないことは、はっきりしています。

それは、最近のプーチンの動きでも良く理解できます。

安倍晋三首相と、ロシアのプーチン大統領が今月15、16両日に山口県長門市で行う首脳会談に向けて、激しい駆け引きが続いています。プーチン氏は演説などで「経済協力」ばかりをアピールしています。日本としては北方領土問題を含む平和条約締結交渉が最優先であり、プーチンの一方的食い逃げは絶対に許すべきではありません。

 「(日本の)指導部がロシアとの経済的な結びつきを発展させ、共同プロジェクトや計画を始動させようとしていることを歓迎する」

 プーチン氏は今月1日、クレムリンでの年次教書演説で対日関係について、こう語っていました。安倍首相が提案した経済協力プランを“べた褒め”したのですが、領土問題を含む平和条約交渉には触れませんでした。

 まるで、領土問題は二の次のような態度です。

岸田文雄外相は2日夜、ロシア・サンクトペテルブルクで、プーチン氏と会談。安倍首相の親書を手渡し、首脳会談に向けた「詰めの作業」を行いました。

岸田外相
出発前の1日、岸田氏は都内で「日本側の考え方を直接伝えたい」と意欲を語っていましたが、百戦錬磨のプーチン氏を相手にするには、「お子様」のような態度ではなく、断固として領土を取り戻す気概が求められます。

おそらく、プーチン氏は日露両首脳会談で一見、領土問題に譲歩をみせるような態度をとるかもしれませんが、それでも、明言は避けることでしょう。

このようなことがある程度予めわかっているからこそ、安倍総理は今月米国のハワイに訪問することを取り急ぎ決めたのではないかと私は睨んでいます。

これは、日本国内の政治日程を考えると良くわかります。安倍晋三首相が来年一月召集の通常国会冒頭に衆院解散・総選挙に踏み切るのではないか、との臆測が与党を中心に広がっています。十二月の日露首脳会談で成果を出し、その勢いで国民に信を問う-という筋書きです。ただ、与党にとっては改憲発議に必要な三分の二の議席を失うリスクがもあるので、否定的な意見も多いです。

安倍総理がその腹だとすれば、日露首脳会談でめぼしい成果をあげらけなければ、このスケジュールは多いに狂うことになります。

そこで、浮上したのが、安倍首相の今月26~27日真珠湾訪問です。安倍首相は、オバマ大統領と最後となる首脳会談を行うとともに、旧日本軍による真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊します。

オバマ氏は今年5月、現職の米大統領として初めて、米軍が原子爆弾を投下した広島を訪問している。そのため、今回の真珠湾訪問は「返礼」の意味合いがあるとの見方もあるが、菅義偉官房長官は12月6日の記者会見で「広島訪問とは関係するものではないと思っている」とこれを否定。一方で「本年が真珠湾攻撃75年という事も総理の頭にあったのではないか」と述べた。

米ホワイトハウスは5日に声明を発表し、「両首脳の訪問は、かつての敵国同士が最も親密な同盟国となり、共通の利益と価値の共有により結束しているという和解の力を示すだろう」と評価した。キャロライン・ケネディ駐日米大使も6日、「真珠湾訪問は日米間の友好と同盟の証です」と歓迎するツイートを投稿している。

安倍首相としては、歴代首相が成し遂げられなかった真珠湾訪問によって「日米の戦後」に終止符を打つとともに、日米同盟の強固な関係を内外にアピールする考えです。

もともと年明け解散は、12月15日~16日に行われる日ロ首脳会談の成果を掲げて行われたかもしれませんが、その後、北方領土問題の大きな進展は期待薄となったため頓挫したと思われていたのですが、今回の外交成果で内閣支持率を伸ばすか最近あがってる支持率を維持しつつ、そのまま解散総選挙に打って出る可能性がでてきたということです。

解散総選挙は、安倍首相の胸先三寸で決まるわけですから、憶測をするしかないのですが、それでも、このような選択肢も安倍総理の腹の中にあるのは確かだと思います。

このように掲載すると、日露首脳会談は無意味のようにも受け取られかねませんが、そのように考えてしまうことこそ、先に述べたような「子ども」の態度と言わざるを得ません。民進党の幹部や、蓮舫代表などは、そのように考えて、もし日露会談が不調に終われば、「意味が無い」等と国会で安倍総理を糾弾することでしょう。あまりにも下らなくて、今から目に浮かぶようです。

蓮舫氏
しかし、これこそ「子ども」のような態度です。ロシアは今や、大国ではありません。ロシアの GDP (国内総生産)は日本の四分の一にすぎません。人口においても、1億4000万人と、日本より若干多い程度です。軍事的にも旧ソ連だったころの面影もなく今では、NATOと戦っても負けます。というより、そのような戦争を遂行するだけの力もありません。

しかも、ロシアは中国と世界で一番長く国境を接する国です。そうして、中露国境では、多数の中国人が国境を超え、ロシア領内で様々な事業を営んでいます。このように多数の中国人が国境を超えて、ロシア領内で活動していることから、国境が曖昧になり、「国境溶解」と呼ばれています。

ロシアにはこのような中国の脅威があるわけです。もし、ロシアが崩壊してしまえば、中国はシベリアなどに大々的に進出し、中国が北極海沿岸の地を自らの版図に収めてしまうかもしれません。あるいは、オホーツク沿岸も手中に収めるかもしれません。

そうなれば、当然のことながら、かつてソ連が冷戦中に対米核戦略の拠点としたオホーツオホーツク海ならびに、北極海の深い海を原潜の聖域とするかもしれません。

そうなれば、北半球にある国々は中国の脅威にさらされることになります。我が国にとっても、安全保障上の重大な脅威になります。

だかこそ、ロシアには強大になりすぎても困りますが、やはり現状の影響力は維持しつつ、中国に対峙している状態が、北半球の国々とっては、いまのところベストということになります。

一番良いのは、中露を互いに争わせ、他国にも火の粉が降りかかるような大きな戦争にはならないようにして、互いを疲弊させることです。ロシアと中国がともに疲弊すれば、我が国にとっての安全保証上の脅威はなくなるし、そうして、北方領土が日本に帰ってくる可能性も高まるというものです。

そうして、無論のことですが、中国で習近平政権が、ロシアではプーチン政権が、統治の正当性が低いという事実があります。そもそも、プーチン政権の統治の正当性が高ければ、全近代的な暗殺などする必要もないわけです。習近平だって、統治の正当性が高けば、腐敗撲滅運動とう名の権力闘争などする必要もないわけです。

日本ができる事は限られていますが、米国やイギリスその他自由主義陣営の国々は当然のことながら、中露を内部から腐敗させ、弱体化させるための行動をとっていることでしょう。特にトランプ氏が大統領に就任してからは、その動きは加速化されることでしょう。

我が国も情報提供の面などから、この動きに協力していくべきです。そうして、中露とも、経済が疲弊していて先が見えない状況です。ここで、我が国の経済力を活用して、中露を手球にとることもできます。

このようなことは、当然のことながら安倍首相の腹の中にはあることと思います。一見ロジアのプーチンに利用させているように見せかけておいて、実はこちら側が、利用しているという形にもっていければ、我が国にとっては最善です。こうしたことから、今回の日露首脳会談も揺るがせにはできないのです。

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