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2017年10月24日火曜日

北朝鮮危機「アメリカには安倍晋三が必要だ」―【私の論評】北朝鮮版「ヤルタ会談」のキーマンは安倍総理(゚д゚)!

北朝鮮危機「アメリカには安倍晋三が必要だ」

ジェフリー・ホーナング(米ランド研究所、政治学)

ジェフリー・ホーナング氏 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
<衆院解散前、束の間「希望の党」が躍進しそうに見えた刹那、アメリカにとっていかに安倍晋三が貴重か気づいた、と筆者は書く>

10月22日の日本の総選挙は、アメリカ人があまり意識したことのない真実をあぶり出した。アメリカとドナルド・トランプ米大統領が北朝鮮や中国に対抗するためには、日本の安倍晋三首相が必要だ、ということだ。

カリスマ性のある東京都知事・小池百合子が「打倒・安倍政権」をキャッチフレーズに「希望の党」を立ち上げた後、束の間とはいえ安倍の自由民主党が不利に思えた時期があった。日本が、過去数十年で最も有能な首相を失いそうに見えたのだ。さらに悪いことに、小池は総理の座を目指さないと明言し、万一安倍が敗れたら、誰が次期首相になるのかさえわからない状態だった。

重大な事実が明らかになったのはその時だ。アメリカは、北朝鮮の核・ミサイル問題や中国の拡張主義はもちろん、テロや自然災害まで、東アジアの安全保障上の脅威に対処する上で、安倍という強力なパートナーに頼ることにいつの間にか慣れ切っていたのだ。

これらの大きな脅威に、アメリカは一国で立ち向かうことはできない。勝利のためには、前進基地を作り同盟国からの支援を受けることが不可欠だ。日本はその両方をしている。日本には世界中のどの地域よりも多い5万人近い米兵が駐留しているのだ。

在日米軍には、米第七艦隊、その空母打撃群、海兵隊第3遠征軍、そして戦闘航空団を含む相当規模の空軍が含まれる。日本政府は、これだけの部隊を維持するための「在日米軍駐留経費」も年間約20億ドル負担している。

|過去にない緊密さ

安倍がアメリカの戦略目標の強い支持者で、常に日本の経済的・外交的な影響力を割いて協力してくれることも重要だ。日本の自衛隊と米軍との相互運用もうまくいっている。

日米同盟に反対する声はいずれの国にも少ないが、安倍はそのつながりを前例がないレベルまで強化した。新たな法律や政治の枠組みを作ることで、安全保障で日本がより積極的な役割を担えるようにした。

2012年に首相に就任して以降のわずか5年で国家安全保障戦略を作り、武器輸出3原則を緩和し、10年間減り続けていた防衛予算を増やした。海洋における国際法遵守を積極的に訴え、オーストラリア、インド、ベトナム、フィリピンなどと安全保障協力の関係を築いた。日米同盟の関係において、自衛隊の役割と機能も拡大した。

さらに、日本国憲法の解釈を変更して自衛隊が集団的自衛権を行使できるようにした。これによって日本は、地域覇権を狙う中国を牽制する位置づけになり、有事の際には重要な役割を果たすことができるようになった。また安倍は前任者たちと違い、沖縄県の米軍普天間飛行場の移設先を県外や国外にするのではなく、同じ沖縄県の名護市辺野古に新基地を建設することを強く支持してきた。

安倍の政権基盤が強力であることは、アメリカにとって重要だ。東アジアの安全保障上の脅威はなくならない。対抗するには、アメリカと共に積極的な役割を果たすことのできる指導力が必要だ。今現在、それは日本だけだ。

アメリカが日本やその他の国にとってどれほど重要かという話はよく聞くが、日本がアメリカにとってどれほど重要かという話はほとんど聞かない。東アジアの安全保障問題に関して言えば、アメリカの政策は日米同盟に始まり日米同盟に終わるということを肝に銘じるべきだろう。

【私の論評】北朝鮮版「ヤルタ会談」のキーマンは安倍総理(゚д゚)!

この記事、できれば選挙前に出していただきたかったものです。日本のマスコミはこのような米国の視点など流しません。

本来北朝鮮の危機が迫っているという状況での選挙であれば、このような視点は欠かすことができないはずですが、日本のほとんどのマスコミはこのような視点は完璧に無視して、単なる政党間の政治的かけひきばかり報道しました。

それも、「打倒・安倍政権」という立場からの報道が多く、今やフェイクと断定されたと言っても良い低次元の「もりかけ」問題を含む悪意に満ちたものが多かったです。

ジェフリー・ホーナング氏はランド研究所の 政治学者です。アジア太平洋地域における日本の安全保障と外交政策、東アジアの安全保障問題、海上安全保障、米国の外交・防衛政策を専門としています。

1991年の湾岸戦争と2003年のイラク戦争で自衛隊のイラク派遣に関する日本の意思決定に関する論文により、ジョージ・ワシントン大学で政治学の学位を取得しました。 2005年から2006年にかけては、東京大学にフルブライトフェロー留学しとして研究を行いました。

さて、このブログ冒頭の記事を理解するためには、若干の背景を理解していることが必要だと思われます。それについては、以前このブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
麻生副総理の「武装難民」発言を裏付ける防衛省極秘文書の中味―【私の論評】衆院選後は、戦後最大の日本の危機に立ち向かえ(゚д゚)!
麻生副総理
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します
半島有事の際の日本のリーダーは誰でしょうか。それは、小池百合子氏でないことだけは確かです。やはり、安倍晋三氏をおいて他にはいないでしょう。 
安倍首相のリーダーシップに関しては、日本ではマスコが全く報道しないため、ほとんど知られていません。 これに関する動画を以下に掲載します。

この動画をみると、安倍総理はインドでは8キロものパレードで大歓迎うけたことと、トランプ大統領には外交でかなりあてにされていることがわかります。 
なぜそのようことになったかといえば、安倍総理の外交努力によって安倍総理は、ASEANやインドと関係が深いため、これらの諸国とトランプ氏と仲介役をしたところ、米国とこれらの国々の関係が飛躍的に良くなったという経緯があるからです。 
このような実績持つ人は今の日本では、安倍総理をおいて他にありません。
これを考えると、半島有事の際の日本のリーダーは安倍総理が最適であると考えます。

ASEAN諸国や、インドも、反米勢力が多いです。フィリピンなどはその典型例です。フィリピンのドゥテルテ大統領は特に、イスラム教徒のモロを何百人も殺した大虐殺事件について激怒しています。1906年にホロ島に上陸した米軍によって女や子供も含めて虐殺したという事件が発生しています。

他の国々のいずれも反米勢力は無視できないほど多いです。そのため、この地域で米国がイニシアチブを発揮しようとすると必ず反発されます。

日本のマスコミはほとんど報道しませんが、安倍総理は就任以来これらの国々を歴訪し、かなり良い関係を構築しました。そうして、安倍総理はこれらの諸国とトランプ氏と仲介役をしたところ、米国とこれらの国々の関係が飛躍的に良くなりました。

そのため、米国では安倍総理抜きでは、米国はこれらの地域でイニシアチブをとるどころか、良い関係を構築することもできないといわれているのです。

このようなことから、安倍総理はトランプ氏から絶大な信頼を得ているのです。何も、二人で仲良くゴルフをしたから絶大な信頼を得たというわけではないのです。

さらに、トランプ大統領は大統領就任前は、当然外交の経験はありません。ビジネスの世界と、外交の世界とは根本的に異なることも多いです。それに比較すると、安倍総理は外交の経験も豊富です。だからこそ、トランプ大統領は安倍総理に全幅の信頼をおいているのです。

当然のことながら、トランプ氏は北朝鮮対応においても、安倍総理をあてにしていることでしょう。

北朝鮮問題に関しては、今年の末から、来年の前半あたりには必ず何らかの動きがあります。最悪の場合は、米国による爆撃などの武力行使があることでしょう。この場合、中国の参戦もあるかもしれません。あるいは、制裁に北朝鮮が折れて何らかの進展があるかもしれません。

いずれになるにしても、間違いなく、来年前半あたりには必ず動きがあります。

安倍総理とトランプ大統領
その前に、11月に日米首脳会談、米中首脳会談があります。また、APECでの各国首脳会談には、ロシアも出てくるでしょう。それらの国際会議では、北朝鮮問題が話し合われるのは間違いありません。これらは、北朝鮮版「ヤルタ会談」ともいうべきものです。

「ヤルタ会談」とは無論のこと、第二次世界大戦終了直前の当時のアメリカ合衆国イギリスソビエト連邦による首脳会談です。ソ連対日参戦国際連合の設立について協議されたほか、ドイツおよび中部・東部ヨーロッパならびに極東における米ソの利害を調整することで、大戦後の国際レジームを規定したものです。これが、後に東西冷戦の端緒ともなりました。

こうした北朝鮮版ヤルタ会談ともいえる、会議において、安倍首相は大きな役割を果たす可能性が高まってきました。これらの会議では、北朝鮮が最終的に戦争に突入した場合と、制裁に屈した場合の両方について、協議が行われることでしょう。

いずれにしても、この重要な会議において、再び極東のレジームが定められることは間違いありません。そうして、この新たなレジームを定めるにあたり、経験の浅く、本土が北朝鮮からかなり離れている米国のトランプ大統領だけが、北朝鮮に国境を接している中国・ロシア首脳と会談をすすめるということになれば、米国にとっては不利な状況になります。

しかし、日米同盟の同盟国でもある、半島情勢に大きく左右される日本がこの会議に参加し大きな役割を果たせば、米国も中国やロシアと対等に話ができます。

そうして、この会議で最も重要なのは、「ヤルタ会談」のように、大戦後の国際レジームを規定が齟齬をきたして、後の東西冷戦を招いたようなことにならないようにすることです。

北朝鮮が戦争するか、しないで制裁に屈服した場合のいずれの場合でも、その後に再度北朝鮮が核武装をしたり、米中露による新たな冷戦が起きないようしなければならないのです。

そのためには、やはり日本がリーダーシップを発揮しなければ、とんでもないことになってしまいます。

まさしく、北朝鮮版「ヤルタ会談」においては、安倍総理はキーマンなのです。そうして、ヤルタ会談では日本を含む極東レジームも定められましたが、北朝鮮版「ヤルタ会談」では新しい極東レジームが定められることになります。

とすれば、極東レジームの日本の戦後レジームも崩壊することになります。これは、まさに安倍総理が取り組んできたことです。

もし、今回の選挙で、最悪自民党が敗北して、安倍総理が辞任した場合、一体誰がこの大事な会議でイニシアチブを発揮することができるでしょうか。

希望の党が勝ったとすれば、誰が総理大臣になるかもわからない状況でした。希望の党ははやい段階で、勢力を失ったのですが、それにしても、小池百合子氏が、民進党の全員を無条件で受け入れていれば、大勝利していた可能性も否定できません。

そうなると、その時の力の均衡で、左派系の親中・親露的な人間が日本の総理大臣となっていたとしたら、北朝鮮版「ヤルタ会談」では、日米はかなり不利な状況になったことが予想できます。そうなると、新たな戦争の種を生むことが必定になったかもしれません。

そうなれば、日本はとんでもない窮地に追い込まれることになります。しかし、今回与党が大勝し、てその危機は去りました。

パリでケネディ前駐日大使との対談でコメントする小池百合子氏
私を含めた一部の保守層の人々が、小池百合子を氏を徹底的に糾弾して、希望の党が失速したことをもって「55年体制」が維持されたと批判する倉山満氏のような人もいます。それはそれで理にかなってはいると思いますが、もし上記で述べたような最悪の事態になったとすれば、「55年体制」より酷い状況に見舞われました。

私を含めた保守層の人々が、小池氏を徹底的に糾弾したのは、上記のような理由からであるということを理解していただきたいです。

結局日本の有権者は正しい選択をしたと思います。小池百合子氏や、枝野氏などもとより、日本のマスコミのほとんどはこのようなことは全く考えも及んでいなかったでしょう。だからこそ、これらの勢力は結局「平和ボケ」といわざるをえないのです。

小池百合子氏は保守中の保守という人もいるかもしれませんが、私はそうではないと思います。そもそも、保守本流の人間ならば、北朝鮮情勢が緊迫している中であのような愚挙をするはずがありません。

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