ファストフードといえば マクドナルド が思い浮かぶ程私達の生活に身近なものとなった マクドナルド。
中国マクドナルド 原価一覧が流出し騒動!ハンバーガーは28円
宅配サービスを開始したり、新しいコンセプトの店を出店したりと不景気の中で拡大を続けるマクドナルド の「企業秘密」である原価一覧表がネット上に流出し大騒ぎになっている。
流出したのは、中国のマクドナルドの原価表。
その一部が以下のようなもの▼
マックフライポテト(S)…約14円
マックフライポテト(M)…約19円
ハンバーガー…約28円
フィレオフィッシュ…約41円
チーズバーガー…約35円
ダブルチーズバーガー…約60円
ビッグマック…約65円
チキンマックナゲット(4個)…約25円
クォーターパウンダー…約60円
チョコレートシェイク…約17円
などなど。
原価一覧がどのようにして流出したかは不明ですがマクドナルド側としては非常事態。
気の毒…とは思いつつ食い入るように見てしまう一覧表流出の話題でした。
【私の論評】この原価をどうみるか?
上海のマクドナルド |
中国のマクドナルドは、価格的には、下の表示価格を15倍くらいすれば、だいたい日本円での価格とみて間違いないです。しかし、これは、2008年当時のものですから、今は物価の値上がりが激しいからどうかはわかりません。当時としては、下の価格表の15倍にすれば、だいたい日本円に換算できました。
しかし、それはそれとして、現在でも商品そのものは、日本の半分くらいと考えておくのが妥当だと思います。なのに、原価が先のとおりだとすれば、たとえば、ビッグマックは、定価が330円で、原価が、65円ですから、単純に割り算をすると、19.7%というところです。
こうして計算してみると、かなり安いといえば、安いですが、さりとて、暴利というほどでもないような気がします。
2008年当時の価格表 |
日本のビッグマックに相当するものは330円程度で、日本の半額 |
おそらく、あまりに原価率が国よって、ことなれば、マクドナルドのシステムが成り立たないのではないかと思います。それにしても、日本の場合は、100円マックもありますから、実際のところはどうなのでしょう。しかし、いずれにせよ、かつてのマクドナルドのように値引きばかりしていても、成り立ったというのは、こういうようなシステムがあったからこそだったのだと思います。
マクドナルドは世界中から仕入れをしているようですから、複数個所あるところのうち、その時々で最も安いところから仕入れをしていると思います。ただし、あまり頻繁に仕入れ先を変えたり、あるいは、あまりに短い期間だけ仕入れするということになれば、かえって、仕入れ価格を高めることになるので、そのへんはバランスをとって、仕入れ先とも良い関係を構築しながら実施しているのだと思います。さらに、工場など想像を絶するほど、合理化されていますから、この原価で出来るのだと思います。
それにしても、利は元にありと言う言葉があります。マクドナルドの経営努力、なみなみならぬものがあると思います。日本マクドナルドの社長は、12月が創業以来の最高益だだったことを発表した記者会見において「多様な価格政策の使い分けがこれかも重要」としていました。こんな、価格政策ができるのも、背後にこのようなシステムがあるからです。
最近では、「マクドナルド化する社会」などという書籍が出されるほど、悪いものの代表のようにもいわれるようなマックですが、確かに社会が合理性だけを追求するようになれば、まずいですが、企業としては、お手本になるものだと思います。どんなことをいっても、まずは、企業は利益をだせなければ、どうしようもありません。利益を出してはじめて、社会に貢献できます。タイガーマスク現象のように、「良き意図」だけでは、結局は大きな社会貢献にはつながりません。
グローバル経営などといって、日本国内で努力しないで、新興国市場ばかり狙うような企業経営者はこうしたマクドナルドの表にはみえない地道な努力を見習うべきと思います。
【関連記事】
マクドナルド、10年12月は最高益―【私の論評】日本マクドナルドは、実に日本的会社、いまこそ日本そのものを見直す時では?