逮捕されソウル拘置所に向かう韓国の前大統領、朴槿恵容疑 |
巨額の収賄罪などに問われている韓国前大統領、朴槿恵(パク・クネ)被告の求刑公判が27日、ソウル中央地裁で開かれ、検察は朴被告に懲役30年、罰金1185億ウォン(約118億5000万円)を求刑した。
この日も朴被告は出廷せず、公判は被告人不在のまま、書面での陳述もなく進められた。
朴被告は、親友で女性元実業家の崔順実(チェ・スンシル)被告が事実上、支配していた「ミル財団」や「Kスポーツ財団」への大企業に対する拠出強要、大手財閥のサムスングループやロッテなどからの収賄、朴槿恵政権に批判的だった文化・芸術関係者の政府支援からの排除、公務上の秘密漏えいなど計18の罪で昨年4月に起訴された。うち13の罪が崔被告と重なっていた。
事件をめぐってソウル中央地裁は今月13日、朴被告と共謀し財界に資金拠出を強要したとして、崔被告に対し、職権乱用や収賄などの罪で懲役20年と罰金180億ウォン(約18億円)、追徴金約73億ウォンの実刑判決を言い渡した。
また、韓国ロッテグループ会長、重光昭夫(韓国名・辛東彬=シン・ドンビン)被告に贈賄の罪で懲役2年6月、追徴金70億ウォンを、朴槿恵政権で大統領府政策調整首席秘書官を務めた安鍾範(アン・ジョンボム)被告に懲役6年と罰金1億ウォンの実刑判決をそれぞれ言い渡した。
朴被告に対し、地裁は昨年10月に最長6カ月の勾留延長を決定。朴被告はこれに「法治の名を借りた政治報復だ」と反発し、弁護団全員が辞任した。地裁が国選弁護人5人を選び、その後、裁判は再開されたが、朴被告は「不利益」が生じる可能性を地裁から指摘されたにもかかわらず、出廷を拒否し続けた。
【私の論評】韓国の悲惨な現状は対岸の火事ではない、他山の石とせよ(゚д゚)!
元大統領に対して、検察が懲役30年を求刑したという報道を見て、韓国では過去のほとんどの大統領が悲惨な末路を遂げているることを思い出します。それについてはこのブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
韓国「反・朴槿恵」狂騒 “犯罪者は晒し者に”の社会力学とは―【私の論評】大統領による統治システムは何度も同じ間違いを繰り返した、最早個人の倫理問題ではない(゚д゚)!この記事は、2016年11月20日のものです。このときは、また朴槿恵は逮捕はされていませんでした。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に朴槿恵より前の大統領で悲惨な末路をたどった過去の大統領のことを掲載した部分を引用します。
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私はこのブログに今日まで、今回の朴槿恵大統領のスキャンダルを掲載したのは一回だけです。なぜかといえば、ブログ冒頭の記事にもあるように、韓国では大統領のスキャンダルは5年に一度の恒例行事になっていたからです。
朴槿恵大統領ももちろんその例外ではなく、2018年までの任期ですから、いずれ任期が近づけは必ず何らかのスキャンダルが出てくるだろうと確信していました。ただし、2017年くらいからではないかと考えていたので、若干それよりは早いということですが、それにしてもさほど驚きはしませんでした。
ここで、過去の大統領についてふりかえっておきます。
不正選挙を糾弾するデモ(四月革命) |
三人目は現職の朴槿恵大統領の父・朴正煕氏。側近に射殺され、妻も暗殺されるといった「裏切り」により人生の幕を閉じることとなりました。
朴正煕氏 |
五人目の全斗煥は光州事件の責任や不正蓄財で無期懲役の判決を受け、続く盧泰愚も懲役17年の判決を受けました。
その後七人目の金泳三、八人目の金大中は共に親族が収賄により逮捕されています。
金泳三(左)と、金大中(右) |
さらには九人目の盧武鉉。退任後、兄が収賄で逮捕され、自らにも捜査が及ぶと崖から飛び降り自殺。悲劇的な結末を迎えました。
盧武鉉氏の葬儀 |
竹島に上陸したことで物議を醸した十人目の李明博大統領は親族が収賄で逮捕されています。
李明博 |
経営学の大家ドラッカー氏は以下のように語っています。
同じような間違いが何度も起こる場合、それは最早個人の問題でなく、システムの問題である。
ビジネスは個人的能力も大切だが、それよりもシステムを重視しなければならない。会社とは、平凡な個人に非凡な仕事をさせるシステムなのだ。
(ピーター・ドラッカー)
韓国の大統領による統治システムは、以上のように過去に同じような間違いが発生し、さらに現職の朴槿恵大統領にも間違いが発生しています。
こうなると、最早韓国の大統領による統治システムに問題があるのであって、個人の問題ではないと思われます。今後、このシステムを変えずに、朴槿恵大統領を辞任に追い込んだところで、システムが変わらない以上同じことがまた繰り返し起こることになります。
"
この記事を書いた時点では、過去10人の大統領のうち、8人の大統領が悲惨な末路を辿っているわけですから、朴槿恵も入れると、過去11の大統領のうち、9人の大統領が悲惨な末路を辿ったことになります。
李始炯氏 |
朴槿恵在任中の、2013年から16年の4年間をふりかえってみると、この間の韓国実質成長率の平均は約2・9%です。リーマン・ショックの影響を受けた09年、そしてその反動増ともいえる10年を除いて、21世紀の韓国の実質成長率の平均は4・2%程度なので、この数値と比較するとそれほど高くはありません。
また細かくみると、2014年に3・3%をピークにして低下しています。このときから失業率も悪化傾向にあり、特に若年失業率は2桁前後に留まったままです。このように雇用状況がかなり悪くなったにもかかわらず、朴槿恵前大統領は、金融緩和をすることもなく、結果としてこれを放置しました。
朴槿恵失脚した背景には、この雇用不安や不満があったと思われます。
さらに、韓国の輸出は、2014、15年と大きく減少しました。韓国は日本や米国などは異なり、GDPの4割以上が輸出が占めており、典型的な「輸出依存国家」です。しかし、肝心の輸出が15年に前年比7・9%減、16年も同5・9%減と落ち込んだのです。
2017年に入ると輸出は堅調で、また実質成長率も3・1%に回復しました。しかし、回復を主導したのは投資でした。これは、韓国銀行の金利引き下げなどの緩和政策が効果を発揮している可能性が大きいです。実際に輸出の堅調は、ここ数年では最もウォン安が進んだことに原因があります。ただし、雇用情勢の方は相変わらずで、17年も失業率・若年失業率ともに悪化したままでした。
さらに五輪開催の最大のメリットともいえる、海外からの観光客数も17年から減少傾向です。17年は約2割の大幅減でしたた。その主因は「THAADショック」による中国からの観光客の減少でした。
このように、平昌五輪における韓国経済への「事前効果」は目立つものではありませんでした。では、五輪後はどうなるのでしょうか。もともと五輪の経済効果に目ぼしいものがありませんでした。そうして、17年の実質経済成長率が3%台に上昇したのは、むしろ金融緩和政策が限定的に効果を発揮したからです。
そうして、韓国の金融緩和政策は経済全体を好転させるには、金融緩和政策が十分ではない状況にあります。特に雇用状況の改善には大規模な緩和措置が必要です。にもかかわらず、なぜか韓国銀行は昨年末に11年以来の金利引き上げを行いました。
事実上の緩和政策の転換です。現状の韓国のインフレ目標である2%を達成していて、その意味では金融政策は「合格点」とみなす向きもあります。しかし、このインフレ目標水準は、韓国の雇用改善には低すぎです。現に雇用がまだまだ改善されていません。
ところが、韓国では2桁前後の高い若年失業率を構造問題のせいにしてしまい金融政策の失敗については論議されていません。一般的には、大卒の若者たちが大企業に就職希望を集中させる「雇用のミスマッチ」や、定年の延長効果によって新規採用が手控えられたことが指摘されています。
しかし、ここ数年の若年失業者の9~10%台への上昇は、経済成長の減速、そしてそれに伴う物価水準のデフレ傾向と歩みを同じくしていました。例えば、インフレ目標の中央値が3%であり、なおかつそれを上回るインフレ率であった当時の若年失業率は、高いとはいっても平均して7~8%台でした。今でもインフレ目標を3%に高めれば、若年失業率を押し下げる余地があります。その意味は、さらなる緩和が韓国経済にとって効果的であるはずです。
文政権は公的雇用の増加や最低賃金引き上げに伴う企業への補助の大規模な財源が必要であるとされています。この財源調達においても、積極的な金融緩和政策が力になるはずです。
しかし、韓国内ではそれが困難であるとされています。韓国政府が金融緩和政策をより進めると、自国の抱える対外債務がウォン安で膨らむことを懸念しているからです。さらには、ウォン安でキャピタルフライトを懸念する向きもあります。
しかし、この種の懸念はさほど心配するにはあたりません。実際にインフレ目標が3%だったとき、韓国では対外経済危機が生じていませんでした。むしろ韓国経済は輸出に大きく牽引されて好調でした。それに実際にキャピタルフライトをおこしたアイスランドなどと比較すると、韓国の家計等の対外債務はさほどでありません。これなら、韓国が大規模な量的金融緩和を行っても、さほど大きな悪影響はないと考えられます。
一方、貿易構造が似ていた日本の輸出企業は、2013年に日銀が金融緩和を始める前までは、韓国のライバル企業に苦戦していました。なぜなら、当時の日本は事実上デフレ政策を採り、円高スタンスだったからです。だから、今の韓国銀行が低いインフレ目標を採用し、金利引き上げスタンスを維持するならば、日本の競争企業にとっては幸運です。言い換えれば、韓国の輸出企業にとっては苦難を意味します。
要するに、韓国にとって平昌五輪の経済効果は、ほとんどありません。むしろ金融政策のあり方が、今までも、そしてこれからも韓国経済の命運の多くを握っています。
文政権は五輪期間中、「ほほ笑み外交」をはじめ、北朝鮮寄りの人気取り政策へあからさまに傾斜しました。そうして、韓国内の世論調査では70%を超えていた大統領支持率が一時50%台に急落しました。
今後の文政権の行方は、金融政策を採用しないことと、北朝鮮への過度な「融和」的姿勢をとることにより絶望的なものになっています。
最近の韓国のギャラップの調査でも、韓国の文在寅政権に支持率急落の危機が迫っていることがうかがえます。米自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)が韓国市場から撤退する可能性が浮上、大量失業の発生で文大統領の金看板の雇用創出政策が泥にまみれる恐れが出てきたからです。アイスホッケー女子の韓国・北朝鮮合同チームの編成など、平昌冬季オリンピックの政治利用が不評を買ったのに続き、経済運営でも大きな失点となれば国民の失望は免れそうにはありません。
今は、朴槿恵というカウンターパートがいて、朴槿恵の悪政が、今日の韓国を最悪の状態にしたということで、文政権は体面を保つことができますが、朴槿恵への判決が決まり、それが実行されてしまえば、もうそれは過去の話になります。
そのときになっても、金融政策を間違えたままで、北への過度な「融和」的姿勢を取り続ければ、いずれ文在寅も韓国の過去の悲惨な運命を辿った大統領に名を連ねることになるでしょう。その後誰が大統領になっても、まともな金融政策を採用せず、北への「融和」的姿勢を崩さなければ、同じことになります。
そうして、これは何も韓国だけの話というわけではありません。日本で、ポスト安倍の総理大臣に誰がなったにしても、金融政策を間違え、さらに10%増税を実行してしまえば、日本は再びデフレ・スパイラルのどん底に沈み、韓国の大統領のように悲惨な末路をたどることにはならないしても、不名誉な短期政権で終わることは明らかです。
現状では、自民党の総裁候補の中で、まともな金融政策を実行しそうなのは、安倍総理だけです。さらに、安倍総理なら10%増税を再び回避する可能性もありますが、他の候補は増税派ばかりといっても良い状況です。
どの政権であろうと、金融政策を間違え、増税路線を崩さなければ、必ず短期政権で終わり、政局は再び不安定になります。それが自民党政権であろうと、他の政権であろうと、長くは政権を維持することができず、いずれ下野することになります。その後も金融政策を安倍政権のように変え、増税も延期するなどのことをしなければ、どの党の誰が総理大臣になろうと、同じことの繰り返しになるだけです。
まさに、韓国の悲惨な現状は対岸の火事ではないのです、他山の石とすべきなのです。
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さらに五輪開催の最大のメリットともいえる、海外からの観光客数も17年から減少傾向です。17年は約2割の大幅減でしたた。その主因は「THAADショック」による中国からの観光客の減少でした。
このように、平昌五輪における韓国経済への「事前効果」は目立つものではありませんでした。では、五輪後はどうなるのでしょうか。もともと五輪の経済効果に目ぼしいものがありませんでした。そうして、17年の実質経済成長率が3%台に上昇したのは、むしろ金融緩和政策が限定的に効果を発揮したからです。
そうして、韓国の金融緩和政策は経済全体を好転させるには、金融緩和政策が十分ではない状況にあります。特に雇用状況の改善には大規模な緩和措置が必要です。にもかかわらず、なぜか韓国銀行は昨年末に11年以来の金利引き上げを行いました。
事実上の緩和政策の転換です。現状の韓国のインフレ目標である2%を達成していて、その意味では金融政策は「合格点」とみなす向きもあります。しかし、このインフレ目標水準は、韓国の雇用改善には低すぎです。現に雇用がまだまだ改善されていません。
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ところが、韓国では2桁前後の高い若年失業率を構造問題のせいにしてしまい金融政策の失敗については論議されていません。一般的には、大卒の若者たちが大企業に就職希望を集中させる「雇用のミスマッチ」や、定年の延長効果によって新規採用が手控えられたことが指摘されています。
しかし、ここ数年の若年失業者の9~10%台への上昇は、経済成長の減速、そしてそれに伴う物価水準のデフレ傾向と歩みを同じくしていました。例えば、インフレ目標の中央値が3%であり、なおかつそれを上回るインフレ率であった当時の若年失業率は、高いとはいっても平均して7~8%台でした。今でもインフレ目標を3%に高めれば、若年失業率を押し下げる余地があります。その意味は、さらなる緩和が韓国経済にとって効果的であるはずです。
文政権は公的雇用の増加や最低賃金引き上げに伴う企業への補助の大規模な財源が必要であるとされています。この財源調達においても、積極的な金融緩和政策が力になるはずです。
しかし、韓国内ではそれが困難であるとされています。韓国政府が金融緩和政策をより進めると、自国の抱える対外債務がウォン安で膨らむことを懸念しているからです。さらには、ウォン安でキャピタルフライトを懸念する向きもあります。
しかし、この種の懸念はさほど心配するにはあたりません。実際にインフレ目標が3%だったとき、韓国では対外経済危機が生じていませんでした。むしろ韓国経済は輸出に大きく牽引されて好調でした。それに実際にキャピタルフライトをおこしたアイスランドなどと比較すると、韓国の家計等の対外債務はさほどでありません。これなら、韓国が大規模な量的金融緩和を行っても、さほど大きな悪影響はないと考えられます。
一方、貿易構造が似ていた日本の輸出企業は、2013年に日銀が金融緩和を始める前までは、韓国のライバル企業に苦戦していました。なぜなら、当時の日本は事実上デフレ政策を採り、円高スタンスだったからです。だから、今の韓国銀行が低いインフレ目標を採用し、金利引き上げスタンスを維持するならば、日本の競争企業にとっては幸運です。言い換えれば、韓国の輸出企業にとっては苦難を意味します。
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今は、朴槿恵というカウンターパートがいて、朴槿恵の悪政が、今日の韓国を最悪の状態にしたということで、文政権は体面を保つことができますが、朴槿恵への判決が決まり、それが実行されてしまえば、もうそれは過去の話になります。
そのときになっても、金融政策を間違えたままで、北への過度な「融和」的姿勢を取り続ければ、いずれ文在寅も韓国の過去の悲惨な運命を辿った大統領に名を連ねることになるでしょう。その後誰が大統領になっても、まともな金融政策を採用せず、北への「融和」的姿勢を崩さなければ、同じことになります。
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現状では、自民党の総裁候補の中で、まともな金融政策を実行しそうなのは、安倍総理だけです。さらに、安倍総理なら10%増税を再び回避する可能性もありますが、他の候補は増税派ばかりといっても良い状況です。
どの政権であろうと、金融政策を間違え、増税路線を崩さなければ、必ず短期政権で終わり、政局は再び不安定になります。それが自民党政権であろうと、他の政権であろうと、長くは政権を維持することができず、いずれ下野することになります。その後も金融政策を安倍政権のように変え、増税も延期するなどのことをしなければ、どの党の誰が総理大臣になろうと、同じことの繰り返しになるだけです。
まさに、韓国の悲惨な現状は対岸の火事ではないのです、他山の石とすべきなのです。
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