ほうしゅん Mo☆Vie モビー@モバイル写楽 「旧拓銀ビル改築工事 ドキュメントNo.1」2008年4月3日
北海道拓殖銀行の本店のあった場所に全く異なるビルがたつことになった。このようなことから、拓銀破綻の影響などもうすでに昔のことで、その影響などもう過去のことだなどと思っている人も多い。だが事実は違う北海道拓殖銀行破たんの本格的影響は今年からでてくるのだ。
北野組:破産 連鎖倒産を懸念 道北最大手、地元に影響大きく /北海道(すでにこの内容をご存知の方は読み飛ばしてください)
7月23日14時1分配信 毎日新聞
総合建設業道内大手の北野組(本社・旭川市、菅原久広社長)と関連会社2社が22日、旭川地裁で破産手続きの開始決定を受けた。公共事業や民間工事が激減する中、道北最大手の北野組までもが経営破綻(はたん)に追い込まれたことで、業界には大きな衝撃が広がっている。【横田信行、仲田力行】
「関係者に多大な迷惑をかけ申し訳ない。社会に貢献するはずが、ざんきにたえない」
22日午前、旭川市役所で会見した菅原社長は無念さをにじませた。主力行などとの融資要請協議が不調に終わり、ギリギリまでスポンサー探しに奔走したが徒労に終わった。
申立代理人の橋本昭夫弁護士は「大手が手を出さないような、収益性は高いが危険性の高い首都圏の不動産事業の失敗が大きい。こうした事業を進めた前経営陣のずさん経営も原因と言わざるを得ない」と指摘した。さらに「(金融機関との交渉でも)『もっと透明性のある経営を』と注文を付けられていた。数々の企業の再建に携わってきたが、建設業の再生は極めて難しい」と述べ、民事再生法の適用申請ではなく、破産手続きを開始した理由を説明した。
北野組の歴代社長は旭川建設業協会の理事を務めており、地元への影響力は大きい。同協会幹部は「優れた技術力を持つ北野組の破産は衝撃的だ。連鎖的につぶれる会社が出る可能性は大きい」と危機感を強める。
道内の建設業は公共事業への依存度が強い。しかし、小泉政権下で進められた構造改革で全国の公共事業は02年度予算編成で前年比10%削減され、その後も前年度比で毎年約3%ずつ減った。北海道建設業信用保証によると、道内では98年度の約2兆1900億円(土木・建築以外の工事も含む)から減少。07年度は9300億円にとどまった。
また、北海道建設業協会によると、今年3月時点の道内業者は約2万2200社(00年は約2万6000社)。道東のある建設業者幹部は「仕事がないのに業者は多く、供給過剰。再編が必要だ」と話す。さらに、資材価格の高騰や昨年の改正建築基準法による建築確認の厳格化が追い打ちをかけている。
こうした状況が続く中、今年3月には住宅建設業「木の城たいせつ」が自己破産した。東京商工リサーチ北海道支社によると、今年上半期(1~6月)に破綻した道内建設業は153件に達し、前年同期比よりも31件多い。同支社は「構造改革の影響がいよいよ具現化されてきた。これから(破綻が)増えていくと言っても過言ではない」と、厳しい見方を示している。
◇従業員や取引先、道が相談窓口
道は22日、北野組と関連会社の従業員に向けた雇用相談室を上川支庁に、取引先の中小企業を対象にした経営・金融相談室を道庁商工金融課と同支庁にそれぞれ設置。債権者の道内中小企業に対しては、5000万円までの債権相当額を低利で融資する中小企業総合振興資金「セーフティーネット貸付」を適用する。【鈴木勝一】7月23日朝刊
本年は北海道経済の正念場か?
さて、私はこうした企業の倒産など、昨年より懸念していました。まさに、今回その懸念が実現してしまったと思います。
昨年は、拓銀が破綻してから、10年目にあたりました。北海道内の人々は、拓銀の破綻などもう過去のできごと思っているかもしれません。都市銀行の一行くらいなくなったからといってほとんど影響はなかったし、これからもないだろうと思っているかもしれません。
しかし、それは違います。実は拓銀破綻の影響は今年から顕著になりつつあるのです。そのからくりはこういうことです。11年前に北海道で唯一の都市銀行であった北海道拓殖銀行が破綻した際、多くの北海道の主だった企業は拓銀が主要取引銀行でした。その結果多くの企業が資金難に陥ることが予想されました。拓銀破綻により、主要取引先である北海道の大手企業が影響を受けた場合それに連なる中小企業の行方、ひいては北海道全体の経済の沈静化を恐れた道は、道債を発行(借金をして)資金を手に入れ、これらの企業に拓銀と同程度の金利もしくは、それを下回る金利で貸付をしました。
そのため、多くの道内の大手はすぐに資金難にいたるということはありませんでした。しかし、その応急手当をした後がよくありまんせんでした。当時は拓銀破綻するほどの日本経済の構造転換があった時代です。多くの企業では大規模なリストラや新規事業などの模索を迫られました。大手銀行でも、不良債権の処理が行われてました。しかし、そのさなかにあって、北海道だけは「公共工事の脱却」などが叫ばれても、あまり大きな改革がされてきませんでした。
その結果道内の大手といわれる企業でもこの10年間古い体質が温存されて、ほとんど改善されてきませんでした。私は、この10年間を「北海道の失われた10年」と呼んでいます。
昨年で道債の償還期限も切れ、今年からは道も借金を返済していかければなりません。そのため、新たに拓銀破綻の対策を打つことはできません。その結果が今日の北野組の破産にもつながったと思われます。さて、今年は原油高騰のおりから、建築資材なども価格が上昇しています。北海道による援助も期待できません。今年こそ、北海道内企業の正念場になることでしょう。本当にもう、待ったなしです。多くの企業がこの正念場に向かって逃げることなく、挑戦し、構造転換されることを願ってやみません。そうして、この危機を生き抜いた企業が北海道の未来を築いていくことでしょう。
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