上は、ご存知「日本の形」という不思議な番組の動画です。箸の使い方、めちゃくちゃですね。一昔の日本人なら不快感を覚えるでしょう。
箸の種類-和食-食事そのもの 箸は、和食マナーの原点です。箸については、あまり気に留めず、割り箸と、朱塗りの箸があるだけと思われている方も増えてきたようです。しかし、箸の種類についてひとおおり知っておいた方が良いでしょう。 一般の宴席で使われる箸には、利休箸、天削箸、柳箸、割り箸などがあります。高級な料理店で広く使用されているのが利休箸です。中央部をやや太くし、両端を細く削って面を取った、バランスの良い箸です。天削箸は、割箸の頭部(天)を鋭角に削ったもので、先端部は面取りされています。 婚礼などの祝宴でよく使用されるのが柳箸です。「両口箸」とか「両細」とも呼ばれ、その名のとおり、両端が削ってあります。柳は、白く清浄で強い木であり、魔障を防ぎ邪気と不祥を払う霊木とされています。 茶懐石料理使用される箸として、青竹の両細、中節、止箸、お菓子などに使う黒文字があります。
箸の使い方-和食-食事そのもの 箸については、日本人はすべての人が正しく使えるということはなくなってきているようです。学校でも、箸ではなく、スプーンとフォークを一緒にしたような道具で給食を食べさせていることがあったりして、そうするとどうしても前かがみになっていわゆる「犬食いスタイル」になるそうです。やはり、日本人として、料亭などで外食するなら、最低限正しく箸を用いて、背筋を伸ばして料理をいただくことが肝要です。 箸を持ち上げるときは、右手の親指と人差指、中指の3本で箸の中央よりやや右側を取り上げます。下から中央部より左側に左手を添えて、右手を右端に滑らせます。右手を返して、箸先から3分の2の位置を下から持ちます。上の箸は人差指と中指で支え、下の箸は薬指で支えます。食べるときは、人差指と中指で上の箸だけ動かします。箸先1.5~3cmのところを使い、あまり汚さずに食べることが基本です。正しい箸の持ち方は、長い歴史の中で磨かれてきたものです。一度マスターしてしまえば効率的で使いやすく、万人に適した自然な方法です。
割り箸 割り箸に関しては、大衆食堂にも置いてあったりするので、ついつい気安くぞんざいな扱いをしてしまいがちですが、天皇陛下も日々和食は、割り箸でいただくそうです。無論割り箸にも使い方のルールがあります。割り箸は、箸袋から横向きに引き出して、左手で下側の箸を固定し、上側の箸を右手で持ち上げるように静かに割ります。左右にではなく、上下に割ります。ささくれは手で取ります。割った箸の先をこすり合わせるのはマナー違反です。使い終わって箸袋に戻すときは、箸袋の先を折っておくと使用済みのサインとなります。割り箸に関しては資源の無駄遣いという説がありますが、間伐材からつくられる世界に冠たるエコ製品です。 割り箸の種類としては、もっとも大衆的な丁六、角の部分を削り使いやすくした小判、4つの角を削って滑らかにし割れ目にみぞをつけて割りやすくした元禄、箸の持ち手の方を斜めにカットした天削等があります。