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2015年11月25日水曜日

中国、今後5年間に1兆ドル超の対外投資へ=李首相―【私の論評】国際監視団を送り込め!経済制裁を発動せよ!中国は、人民を犠牲にさえすれば何でもできることを忘れるな(゚д゚)!

中国、今後5年間に1兆ドル超の対外投資へ=李首相

李克強
中国の李克強首相は、今後5年間に1兆ドルを超す対外投資を行い、コモディティ(商品)を10兆ドル以上輸入するとの見込みを示した。政府系メディアのチャイナ・デーリーが伝えた。

それによると、李首相は24日、蘇州で開催されている中国・中東欧諸国首脳会議で、中国製の機器・製品を使用することを条件に、中東欧諸国のインフラ(社会資本)整備向けの資金調達条件をより柔軟にする方向で協力する可能性も示した。

この会議で首相は、中国経済が、今年の成長目標7%前後を達成する軌道上にあるとし、経済は妥当な中・長期成長を維持するため調整過程にあるとの認識を示した。

【私の論評】国際監視団を送り込め!経済制裁を発動せよ!中国は、人民を犠牲にさえすれば何でもできることを忘れるな(゚д゚)!

上の記事、中国の経済は完璧にバブルが崩壊して、このブログでも掲載したように、金融は空洞化し、さらにマネーが逃避を続ける中国が何を言っているのかという感じがしました。

ましてや、このデタラメ発言がかつて、「中国の統計はデタラメ」と語った李克強のものというのが何とも皮肉なものです。

ただし、デタラメについては少し解説しなければならないと思います。李克強はブログ冒頭の記事で、デタラメを言っていることと思います。ひよっとしたら、10兆ドル以上の輸入は本当にするかもしれません。

しかし、本当はそんなことはできない状況にあるのが、金融が空洞化した中国です。しかし最近では、中国の経済についての神話もメッキがはげて、多くの人が中国経済実体本来の姿を知るようになりました。

これはすでに2013年くらいからそうだったのですが、ごく最近でも中国の経済がまともにない状況にあることが、伝わってきています。その典型的なものを以下に掲載します。
「中国売り」「韓国売り」が止まらない 欧米大手金融が撤退の動きを急加速
人民元の国際化を目論む中国だが、欧米金融機関は
撤退の動きをみせる。韓国への視線も厳しい
 詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、欧米の大手金融機関が、中国と韓国から撤退や規模縮小の動きを加速させていることを掲載しています。その内容を以下に掲載します。
かつての勢いの良い中国の経済成長が止まり、期待外れとなった金融機関が投資を引き揚げているのです。さらに米国の年内利上げ観測が広がったことで、新興国から投資マネーの流出も止まらず、海外の機関投資家も一斉に「中国売り」「韓国売り」に走っています。 
中韓ともに経済の低迷から抜け出す気配はまだ見えないなか、米国の利上げが、欧米の金融機関や投資家にとっての中韓との「縁の切れ目」となるかもしれません。
さらにもう一つ、今度は中国国内のニュースがあります。
【真・人民日報】すさまじく上下動する中国株 背景に「妖怪株」の存在 富坂聰氏
一時の大暴落から落ち着きを取り戻した中国・
上海株式市場。不安定な値動きの背景に何があるのか 
これも詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では一時の大暴落から落ち着きを取り戻したように見える中国・上海株式市場ですが、その不安定な値動きの背景に何があるのかを解説しています。その部分のみ以下に掲載させていただきます。
 中国市場における株価の動きはめまぐるしい。 
 例えば暴落前の急騰局面では、少子化の影響で子供の教育に金を惜しまない社会を反映して学習塾の「全通教育」の株が大化けするなどの動きが見られた。回復基調になってからも、中国が一人っ子政策を撤廃したというニュースを受けて乳製品の大手国有企業「中国蒙牛乳業」の株価が急上昇するなどといった連動をするのだが、一方では理由もなくすさまじい株価上昇によって市場全体を引き上げる役割を果たす「妖股(妖怪株)」と呼ばれる銘柄もある。 
 特殊鋼メーカー大手の「撫順特鋼」などがその典型とされるのだが、こうした「妖股」の裏側では、常にインサイダーの疑いが絶えないのだ。事実、今回の株価乱高下の騒動後には、多くの関係者が処分をされている。 
 日本のバブル前とは違い、中国株式市場は中国経済の好調とは裏腹に、ずっと株価の低迷が続いていた。 
 それが、外国からの投資に門戸を開いたり信用取引の枠を拡大するなどの改革のなかで、突如として急騰し、急落したということなのだ。 
 不動産市場の低迷と炭鉱業の落ち込みを受けて地下マネーが流入したという要素もあるだろう。 
 背景にあるのは、中国がいよいよ金融の世界にも“外の風”を入れなければならなくなっているということだ。 
 過保護にしてきた中国の金融を外にさらすとなれば混乱は不可避だ。それは今後もしばらく変わらない傾向だろう。
先の記事では、国外では中国売が止まらないというのに、この記事では中国国内では株価が落ち着きを取り戻し、さらにすさまじく上昇する「妖怪株」の存在が指摘されています。

このような馬鹿なこと、私達のようにある程度まともな資本主義経済の中で生活しているものにはなかなか理解できません。

しかし、こんなことは簡単に理解できます。なぜなら、このブログに過去に何度も掲載したように、中国は、民主化、政治と経済の分離、法治国家化が先進国などと比較すればほとんどなされていないからです。

特に、経済面では、政治と経済の分離がなされていないということが大きいです。中国の今の体制は、無論共産主義ではありませんが、国家資本主義とも呼ぶべきとんでもない体制にあります。

政治と経済が不可分に結びついているとんでもない状況です。だから、政府が経済のあらゆる場面にしゃしゃり出て、先進国では考えられないとんでもない酷いことを平気で行います。

たとえば、上の記事で指摘されている妖股ですが、妖股でも政府以外の、個人や企業がこれを実施すれば、上の記事にもあるように、多数の関係者が処分されますが、政府主導で行う妖股は犯罪ともみなされず、政府の好き勝手に実行できます。

妖股を揶揄する中国の漫画
政府が株価を制御するのは、当然のこととして行われています。政府が株価を下げてはならないと考える銘柄については、政府が介入して、酷い場合には、勝手にいくつかの銘柄の取引を禁止にしたりします。実際上海株式市場が低迷したときに、そのような措置を政府がとりました。

取引を停止してしまえば、それ以上株価が下がることもないわけで、取引停止の間に、いろいろ政府が手を打てば、それらの株がまた値上がりするということになります。とは、いいながら、株価というものは、いくら中国の株式市場がデタラメだとはいいながら中国にも多くの投資家が存在しますし、海外の投資家も存在しますから、実体経済を反映する部分もあり、これに関してはさすがに政府も、どこまでもコントロールするというわけにはいきません。

だから、株価が他国の株式市場と比較すると、比較の対象とならないくらいの、乱高下するというわけです。

多くの人は、さすがにこんなことは、長く続かないと思うことでしょう。しかし、それは中国以外の他国を標準に考えるからであって、中国ではしばらくの間は無理やり続けることができます。

なぜなら、中国は国家資本主義の国であり、さらに共産党一党独裁の国でもあるからです。極端なことをいえば、滅茶苦茶な経済政策を実行して、人民が多数死亡したとしても、そんなことはおかまいなしに中国政府は存続できるからです。

ですから、無茶苦茶なことをやって、最初は自治区の人口が半分になっても、お構いなしに無茶苦茶な経済政策を存続するものと思います。自治区の人口が半分になっても、まだ経済の低迷が収まらない場合は、こんどは中国の多くの省の人口が多少減ってもやりぬくことでしょう。

そうして、中国の国家統計はもともとデタラメですから、滅茶苦茶な経済運営をしても、あたかもまともに運営しているように、表には公表することでしょう。しかし、これをたとえると、真夜中にサイドミラーもついていないような車で、メーター類はほとんどあてにならず、あちこち故障だらけでも、それを確認するすべを持たないドライバーが数百キロで走っているようなものです。これはいずれ大惨事につながります。これに似たようなことは以前にもありました。

それは、大躍進です。大躍進政策(だいやくしんせいさく、繁体字:大躍進、簡体字:大跃进、拼音: dàyuèjìn、英: Great Leap Forward)は、1958年から1961年までの間、中華人民共和国が施行した農業・工業の大増産政策のことです。

毛沢東は数年間で経済的にアメリカ合衆国・イギリスを追い越すことを夢見て実施しました。しかし結果は、中国経済の大混乱と、推計2,000万人から5,000万人の餓死者を出す大失敗に終わり、毛沢東は生涯でただ一度の自己批判を行って、国家主席を辞任しました。なお、大躍進でこれほどの被害者が出たことが公にされ海外にも知れ渡るようになったのは随分あとからのことです。

大躍進政策で苦しんだ中国人民

その後は中国共産党中央委員会主席毛沢東に代わって劉少奇・鄧小平などが修正主義的路線による経済再建を目指しますが、権力奪還を企図する毛沢東の動きがこの後の文化大革命を引き起こすことになりました。ご存知のように、文化大革命でも多数の死者を出しました。

ブログ冒頭の記事など見ていると、中国は金融が空洞化しているにもかかわらず、1兆ドルを超す対外投資を行うことを企図しているようですが、この無謀ぶりは、本当に毛沢東の大躍進を想起させます。今度は、農業政策ではなく無茶苦茶な経済対策を行い、人民を途端の苦しみに苛ませることになります。

それでも、大躍進のように、中国政府はさもうまくいっているように装うことでしょう。その兆候はすでにみられます。他国の中国の経済の専門家が口を揃えて、中国の6.5%成長は全くデタラメで、現実にはマイナス成長ということも考えられるとしているにもかかわらず、中国は億面もなく、6.5%成長を掲げています。

こんな馬鹿なことは絶対に繰り返させるべきではありません。中国が本格的に無茶苦茶なことをやりはじめる前に、国際社会はこれを防ぐべきです。まずは、これを防ぐために、国際監視団を送り込むべきでしょう。

これを受け入れないというのなら、経済制裁を課するべきです。

ソ連は崩壊する最後の最後まで、まともに情報を公開しませんでした。ソ連崩壊後にロシアが公開したソ連の文書などによって、末期の経済状況はとんでもないことになっていたことがわかります。中国の場合も同じで、もうすでに経済・社会はとんでもない状況になっていますが、中国政府はそれを隠蔽し続けています。

こうした中国が崩壊するときには、おそらくソ連以上にあっという間に坂道を転げ落ちるように、崩壊することでしょう。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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