パンツやローヒール靴人気急上昇 震災で変わる女性ファッション
白や淡いブルーの服が目立つ婦人服売り場=東京都中央区銀座の松屋銀座で |
女性が好む服装が東日本大震災後、変わってきている。東京都内の大手百貨店では、パンツや、かかとが低い靴の売り上げが震災前に比べ、急速に伸びているといい、商品戦略を見直す店舗も出ている。色もカラフルより抑え目のものに人気がシフトしており、震災後の意識の変化を指摘する声が出ている。
小田急百貨店三陽商会売場 |
「夏に向け、パンツをミセス部門の『強化アイテム』にすることにしました」と、東京都中央区にある日本橋三越の担当者は話す。通常ならミセスからの引き合いはそれほど強くないとされるパンツ。しかし、同店の4月の売り上げは前年同期比6%増で、婦人服部門に占める売り上げシェアは2%上昇した。
「バレエシューズ」の売り上げ5割増えた
バレーシューズを履く女性 |
パンツやかかとの低い靴に人気が集まっているの は、「震災を機に活動的なアイテム を重視しようという意識の表れ」(大手百貨店)といえそうだ。
白を中心とした落ち着いた色調の服が人気
そうした実用性だけでなく、色にも震災後、変化が見られるという。「震災後に売れている服は、麻やニット、コットン100%などのナチュラル 素材で、ゆったり着られるもの。それと同時に、好まれる色も白やベージュ、サックスブルー(淡い青)が中心になった」と話すのは銀座の老舗百 貨店担当者。
同店は、世界的なファッショントレンドを研究し「今年の春・夏ものの注目カラーは赤やオレンジだと想定」。震災前には、景気回復 傾向もあって、カラフルな色の服がかなり売れていた。しかし震災を機に、明るい色は急に売れなくなり、代わって売れ出したのが、白を中心とした落ち着いた色調の服だという。
こうした変化の背景として、「消費者の精神的な変化がある」との見方が少なくない。震災後、心の支えを求め、結婚や出産に踏み切る女性たちが 増え、結婚相談所やジュエリー店が繁盛しているという。「震災でこれまでの生活の危うさを痛感し、『自然』や『身近なもの』を大切にする傾向 がファッションの世界に広がっているのではないか」(流通関係者)というわけで、こうした傾向はしばらく続くと見る向きが多い。
【私の論評】時流をつかめ!!本当の意味で意味がわかっていなければ、未来はつくれない!!
フアッション雑誌も予想できなかった今のフアッションの時流
今年の、春夏フアッションがどうなるはずてあったといえは、下の写真のようなカラーになるはずでした。
しかし、現実の世界では、上の記事の通りです。
ところが、5月時点での、フアッション雑誌の表紙をみてみると、以下の通り、「ピンク、ピンク」でいっぱいでした。
これは、どういうことかといえば、おおかたのフアッション雑誌の編集者は、今年の春夏物フアッションの色使いは、ピンクが主流になると捉えていたとうことです。だからこそ、表紙をピンクの文字で色どつたのです。これは、どう見ても、例年よりもピンクの色使いが多いと思います。
雑誌の編集者は、アパレルメーカーが発表したピンク・赤が今年の春・夏の主流になると考えたので。これは、最もなことです。なぜなら、大体毎年そのとおりになりますから・・・・。
しかしながら、今年は違ったということです。今年に限っては、消費者はアパレルメーカー通りでもなく、フアッション雑誌の通りでもなく、独自の判断で動いたということです。
女性のファッションを変えてしまうほど、今回の震災の影響は大きかったといえます。それを、見抜けなかったということです。
この流れ、直接フアッション業界に関係のない私たちも十分に認識しなければなりません。女性のフアッションをこのように変えてしまう変化が起こっているけですから、他の事にも波及しないはずはありません。
そうして、この流れは、果たして震災によるものだけか、それとも、震災前からの流れで、それを震災などの大きな出来事が加速したのかなど、十分に分析していく必要があります。
将来を予測するのは、不可能、できるとすれば、すでに起こった未来を見つけるか創るしかない
これは、商売の世界だけではなく、政治の世界でも同じ事だと思います。有権者がどのように変わりつつあるのか、政治家も政争にあけくれるだけではなく、こうした変化の底流はなんなのかを見定めていく必要があると思います。
そうでなければ、上の雑誌の編集者のように、時流を見誤まるおそれがあります。さて、皆さんは、この現象をどのようにご覧になりますか?
ドラッカーは、「未来を予測することなど誰にもできない。できるとすれば、すでに起こった未来(まだ、少数であるが、将来主流派になるような事象)をつかむか、未来を自分でつくる(長期計画で変化をおこす計画をたてて、そのとおり実施すること)である」としています。
さて、ドラッカーのこの至言を実行するためには、時流をつかめなければ不可能だと思います。時流とは、直近の世相や、人々の変化と捉えるべきです。時流は過去と分断して、突然起こるものではありません。過去を知らなければ、時流を知ることはできません。時流を知ることができなれば、すでに起こった未来をみいだすことも、未来をつくりだすこともできません。
最近NHKテレビのテレビ番組で、「仕事ハッケン伝」で芸人の又吉さんがでているのを見ました。これは、6月9日(木)に放映された、「 ピース 又吉 × コンビニ業界」というタイトルでした。
番組中コンビニでインタビューする又吉さん |
これは、お笑い芸い人のピース又吉氏がローソンの商品企画部に入社し新商品のキャッチコピーや販売促進方法を考えるという企画ものの番組でした。又吉氏の考えたコピーは、本職の期待をいい意味で裏切り、300点の出来と評されました。(ちなみに、コピーは最近ローソンで販売されたばかりのミニパスタのもの)
女性に大人気のショートパスタ |
あちこち取材をし、深く考えるという姿勢が高く評価されていました。
その次の仕事は、高齢者にコンビニに来ていただくというものでした。TVでは、又吉氏が「ムードローソン」というコンセプトの店づくりを提案していた。年輩の方の持つ「お店で話を聞いてほしい」というニーズに応えるものです。しかし、又吉は、この「ムードローソン」の要員に、「薬剤師」をと言ってしまったため、薬剤師を置くという案は否定されてしまいましたが、「ムードローソン」というキャラクターを店舗に設置する事は受け入れられています。
さて、この中で、特に、ローソンのショート生パスタのキャッチコピー、又吉さんが考えたキャッチコピーは、
「末っ娘が生まれました。かわいがってください。」
「命名:ショート生パスタ、双子姉妹です。」
担当女性社員に、バカ受けし、「絶対、売れる!!」と、大好評でした。さて、皆さんはこの事実をどう捉えますか。
なぜ、又吉さんが、300点もの点数を上司からいただいたのでしょうか?普通の人なら、このようなことはあり得ないと思います。無論、又吉さんに優れているところがあるからです。
一体どこが優れているのでしょうか?そうです。又吉さんが、芸人であることに多いに関係しています。良く考えてみてください、芸人というものは、お客が笑ってくれなければ、商売になりません。お客がどういう話をきけば、笑うのか、いつも考えているはすです。
そうです、又吉さんは、芸人という立場で、又吉さんなりのやり方で、時流をつかんでいるのです。だからこそ、高得点をあげることがてきたのです。これが、時流をとらえていない人が適当にやれば、このようなことには絶対になりません。
わたしは、以前時流に関係するものとして、以下のような記事を掲載しました。
スタジオジブリ:新作アニメは高度成長期が舞台 時代への応援歌描く―【私の論評】「もしドラ」VS「コクリコ」、どっちが勝つかで、今後の世相の変わり目が見通せるかもしれない?!
現在のところ、映画「もしドラ」は、あまり人気がないようです。ただし、映画自体にも問題があるようです。
映画評論家・翻訳家の柳下毅一郎さんも自身のブログに6月5日付けで、「もしドラ」を初日に見に行ったが、「ガラガラ」だったといい、「国民的アイドルだというAKB48のファンはどこにいるのだ!? 」という文章を書いています。
映画の入場券の半券でAKB総選挙に投票できるようにすればよかったのではないかと問題提起し、「その意味で、まだまだこの映画作者たちは顧客のことを考え抜いていないと思わずにはいられない。ちゃんとドラッカーに学んでいるのか?」。映画自体については、野球チームが強くなっていく過程に「まったくドラッカーが関与してない」という点が気になったとしています。
映画「もしドラ」公式サイト
映画「コクリコ坂から」公式サイト
肝心の「もしドラ」は、上記のような有様ですし、「コクリコ」はまだ、放映されていませんから、まだ、なんともいえません。しかし、どうやら、時流を知るためには、興行成績だけではなく、総合的に判断しなければならないと思います。
いずれにせよ、このフアッションに関することでも、映画のことでも、他のことでも、そこから、時流を読み取るということは、非常に大事でることは、理解していただけたのではないかと思います。れからも、時流をみるために注目すべきことがあれば、その都度、このブログでとりあげ解説していきます。
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