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2019年2月18日月曜日

「台湾は中国からの武力行使にどう対処するか」古くて常に新しい問題―【私の論評】日本には、中、露、韓は放置し、台湾を支援すべき時がやってきた(゚д゚)!

「台湾は中国からの武力行使にどう対処するか」古くて常に新しい問題

岡崎研究所

 1月2日に中国の習近平国家主席は、台湾政策に関する包括的な演説を行い、「一国二制度による台湾統一」を打ち出すとともに、いざとなれば「武力行使を排除せず」との姿勢を明確にした。今のところ、中国が台湾に対し、直接武力侵攻を行う可能性は決して高いわけではないが、ここ20年間で中国と台湾の軍事バランスは大きく中国の側に傾斜した。軍事費だけとってみても、1996年には辛うじて台湾の2倍だったのが、今や15倍になっている。


台湾海岸にて。台湾への日本人観光客が増えている。特に修学旅行で行くケースが急増。

 台湾においては、中国からの武力行使の可能性に備え、いかに対処するかは古くて常に新しい問題である。一つの有力な戦略として「ヤマアラシ戦略」がある。これは、大型の戦闘機や軍艦ではなく、安価で機動力の高い小型兵器(自動制御機雷、武装ドローン、ミサイル等)により、接近してくる中国軍を沿岸部で疲弊させることを目指すものである。米国による勧奨もあり、台湾は2017年に「ヤマアラシ戦略」を含む包括的な防衛構想を打ち出している。

 他方、最新の大型兵器の保有にも意味がある。戦車、大型艦船、戦闘機は、それ自体が抑止力として働き得る。台湾人の士気を高める効果も期待できる。しかし、こうした大掛かりな武器は費用がかかる。例えば、潜水艦は、国産であっても1隻10億ドル以上するが、台湾の国防費は年110億ドルである。徴兵制から志願兵制に移行中の台湾軍は、人件費の高騰にも悩まされている。その結果、兵士は削減され、1996年と比べると15万人以上も減り、現在は21万5千人である。

 結局、台湾の防衛のカギとなるのは、台湾関係法を持つ米国と台湾との安全保障上の特別な関係ということになる。米国の潜水艦8隻により中国の水陸両用艦隊の40%を戦争開始から1週間で撃沈できるというシミュレーション結果もある

 台湾関係法に基づき、米国は台湾に防禦用の武器を売却することにコミットしている。同法に加え、昨年、トランプ政権下において、米国議会は、ほぼ全会一致で「台湾旅行法」(米台高官の交流を勧奨)、「国防授権法」(台湾の防衛力強化にコミット)を可決した。

 今後の米国の台湾に対する武器輸出が、これまでより航続距離の長い攻撃用戦闘機などを含むようになるのか、米国の軍事演習やリムパック軍事演習に台湾が参加できるようになるのか、米国の軍艦が台湾の港を使用するようになるのか、米国の海兵隊員が台湾に駐留するようになるか、というような諸点が今後の注目点となろう。

 今や、毎年3500人から4000人の米国防省関係者が台湾を訪問し、2010年以降の米国の台湾への武器売却の総額は150憶ドルを超えたという。これらのことは、米国の台湾の安全保障へのコミットメントが、着実に深まりつつあることを示している。

 なお、1月2日の習近平の演説に対し、蔡英文は直ちに「一国二制度」の受け入れを断固拒否するとともに、台湾にとって「防衛力の構築が重要政策のなかでも最優先だ」と強調した。そして、同時に「台湾の防衛力強化に協力してくれるすべての国と協力したい」と述べ、米国だけではなく、日本を含むすべての国々との安全保障協力にも期待感を表明した。この蔡英文のスピーチが特に日本の名前を挙げている点は注目を要することである。台湾の現役の指導者が、安全保障関係で日本の協力に期待する、との趣旨の発言を行ったのは、恐らく今回が初めてであろう。日本にとっては、これまでの防衛関係者同士の交流、意見交換等に加え、台湾の安全保障のために何をすべきか、何ができるか等について、台湾、米国の関係者らとよく擦り合わせ検討すべき段階に来ていると思われる。
【私の論評】日本には、中、露、韓は放置し、台湾を支援すべき時がやってきた(゚д゚)!
馮世寛前国防部長(左)

台湾で昨年5月に発足した政府系シンクタンク「国防安全研究院」は12月13日までに、中国軍が進める組織改革について「国土防衛型から外向進攻型への転換を意図している」と指摘し、台湾海峡や東シナ海、南シナ海の周辺諸国にとって「深刻な脅威」になると警告しました。

同研究院は中国や地域情勢の専門研究を目的に発足、馮世寛前国防部長(国防相)がトップを務めています。今回は「中国共産党の政治と軍事」「インド太平洋地域の安全情勢」「国防科学技術産業」に関する三つの報告をまとめました。

陸海空軍の統合作戦指揮化を柱とする中国軍の改革について、海外での国家利益の確保、軍事技術の向上、習近平国家主席の絶対的指導力確立などの思惑があると指摘。軍改革は2020年までの完成をめどにしており、それまでは軍隊の調整期にあるため台湾海峡で大規模な危機が起きる可能性は低いと分析としています。

さて、今日本が真っ先にすることは「台湾と事実上の『同盟』をいかに結ぶか」です。

日本の保守派からは、20年以上も前から「台湾との連帯の重要性」が諭されてましたが、一向に「世論」は盛り上がりませんでした。その理由は、メディアが台湾に目を向けず、ひたすら「日中・日韓」との友好・連携ばかりを言い立ててきたからですが、今、日本政府が「台湾との連携」を言い出したとしても「反対」を叫ぶ国民はごく少数に違いないです。

すでに多くの日本国民が「台湾こそが日本にとって最も大事な『友人』だ」と認識しています。特に、東日本大震災後(3・11)の台湾国民からの熱い支援は、多くの日本人の胸に刻まれています。3・11のとき、世界最大の支援をしてくれたのは台湾でした。マスコミで報じられた以外にも民間レベルで、国家レベルに匹敵する支援が行われました。

3.11の時に最大の支援をしてくれたのは他ならぬ台湾だった

高名な画家は自分の個展を開き、その売上金をそっくり岩手県の病院再建に寄付しました。日本と台湾を結ぶ航空会社と言えば、中華航空が真っ先に浮かびますが、今は台湾民族資本の「長栄」(エヴァ・エア)の便数が一番多いです。3・11の折には、長栄の長栄発会長は個人で20億円をカンパしています。

その機体には「キティちゃん」が描かれ、機内食用のプラスチック製ナイフやフォークもキティちゃんでそろえるほど日本大好きなのです。

キティちゃんが描かれた長栄航空の機体

台湾の人たちが大切にする価値観は「親切」「誠実」「清潔」「勤労」「公に尽くす」などで、こうした価値観を台湾の人々は「日本精神」、台湾語で「リップンチェンシン」と常に口にします。神奈川・座間の海軍工廠に徴用で来日した台湾少年工は、補償を要求するどころか、感謝の意を表すため高齢となってまで家族ともに来日しています。

そこへ行くと韓国は、台湾とは反対に日本に対して徹頭徹尾「怨恨」しかありません。加えて「解決済みの賠償問題を蒸し返し=たかり」「経済失政を日本にツケ回し=失業大学生を日本企業に輸出」する有様です。「徴用工判決」で痛めつけている日本企業に、韓国の「就職難民」を雇ってくれと言っているのだから、呆れてもモノも言えない。さらには、最近では自衛隊の哨戒機にレーダー照射をするという、とんでもないことをしでかしました。

「怨恨」は単なる憎悪感情ではありません。心理学者によると、「強者に対する弱者の憎悪や復讐衝動などの感情が内向的に屈折している状態」といいます。こんな国と仲良くなどと、たわけたことを言っている場合ではないです。今、日本が極東アジアで組むべき相手は台湾しかないです。

ブログ冒頭の記事にもあった、米国が昨年3月に成立させた『台湾旅行法』と同じ法律を成立させるべきです。同法は、閣僚級の安全保障関連の高官や将官を含む米政府当局者全員が台湾に渡航し、台湾側の同等役職者と会談することや台湾高官が米国に入国し国防総省や国務省の当局者と会談することを定めた法律です。

米国は中国との国交樹立以降、台湾とのこうした交流を自粛してきましたが、これをトランプ大統領は反故にしました。ラブコールを送る友人に日本も応えるべきです。

台湾に対する支援は、覇権主義の中国、「怨恨」感情を露わにする韓国や、強欲ロシアとの北方領土返還交渉にカネを使うより費用対効果は高いはずです。

日本政府は、過去40年にもわたり合計3兆円も、中国への途上国援助(ODA)をしてきましたが、今年度を最後に終了します。

北方領土に関しては、昨日のこのブログにも掲載したように、米国の対中制裁が継続されれば、中国が弱体化し、そうなれば現在は影を潜めた中露対立が高まることになり、それでロシアは疲弊することになり、その時がまさに交渉のベストタイミングです。今はベストではありません。

本当は、ベストタイミングは以前もありました。それは、無論ソ連崩壊のときです。あのときに、日本が強力にロシアと交渉すれば、あの時点で北方領土が戻ってきた可能性は十分にありました。

中露対立が高まった場合には、その機を逃さず日本はロシアに対して強力な交渉をすべきです。

現在は、交渉の時ではないです。将来を見越して、ロシアに経済援助するなどのことは絶対にすべきではありません。

日本は、ここしばらく、中露対立が高まるまでは、中国、韓国、ロシアなどへの支援はせずに、台湾に対して支援すべきです。それが、日本の将来を左右することになります。

台湾への支援もいろいろあります。まずはTPPに加入してもらうべきです。さらに、軍事的にも、技術的にも様々な支援を行っていくべきです。ただし、台湾にも大陸中国に親和的な勢力もあるので、それらを利することによって大陸中国を間接的に利するようなことだけは、避けながら、細心の注意をしながら支援すべきです。

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2017年10月6日金曜日

衆院選前に把握しておきたい、北朝鮮への武力行使の現実度 米中軸に北の軍事拠点攻撃も―【私の論評】戦後処理に北に自衛隊が進駐することもあり得る(゚д゚)!


金正恩 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
10月10日に衆院選が公示される。選挙戦を前に、北朝鮮をめぐる各国の動向や武力行使の可能性、日本が被害を受けるリスクなど、有権者として把握しておきたい北朝鮮の状況をまとめておこう。

 北朝鮮には、米国、中国、ロシアの超大国がメーンとして絡んでいる。日本と韓国も関係国として加わっているが、軍事オプションの主導は超大国しかできない。それが現実だ。

 北朝鮮は貿易の大半が対中国であり、軍事同盟も中国と結んでいるので、中国が一番影響力があるとみられている。このため、両国は一枚岩のようだが、内情は違ってきている。実際に両国の関係はかなりギクシャクしてきた。

 2012年に習近平氏が中国共産党総書記に就任した際、北朝鮮に特使を派遣したが、金正恩(キム・ジョンウン)氏はそれを追い返した。13年には中国との太いパイプを持っていた張成沢(チャン・ソンテク)氏を中国への事前連絡なしに処刑し、習氏の面子(メンツ)を潰した。

 15年に中国で開かれた抗日戦争70周年軍事パレードに正恩氏は出席せず、今年2月には中国の緩い保護下にあったとされる正恩氏の異母兄、正男(ジョンナム)氏が、マレーシアの国際空港で殺害された。

 こうした事件はいずれも習氏が正恩氏をコントロールできていないことを示している。なにしろ、祖父の金日成(キム・イルソン)氏や父の金正日(キム・ジョンイル)氏という過去の指導者とは異なり、正恩氏は一回も中国を訪問していない。

 父の正日氏は、中国だけには礼を失するなと遺言しなかったのか。北朝鮮と中国は軍事同盟国だが、正恩氏はそれを無視するかのような行動ばかりとってきた。

 そうした経緯もあり、今の中国が北朝鮮を抑えることはできないだろう。両国首脳が一回も面会したことがなければ、やりたくてもできない相談だ。

 中国は、最後の最後に北朝鮮を見捨てて、中国の国益になる南シナ海問題で、米国とバーター取引する可能性すらある。

 ロシアは米中の交渉を見守っている。そしてロシアの存在感を高めるように、北朝鮮と交渉しているのだろう。正恩氏の亡命先をロシアが保証するという噂も出ているほどだ。

 米国は国連などでの対話を続けつつ、既にカウントダウンに入っているだろう。これは本コラムでも書いているとおりだ。

 以上の状況を総合すると、対話の余地がありうるのは、11月の米中首脳会談までだ。それまでに北朝鮮が折れないと、軍事オプションが浮上する。国連軍または多国籍軍となるが、事実上、米中が中心だろう。

 軍事オプションは短期間で終わる可能性が高いが、想定外の事態はいつもつきものだ。米軍は北朝鮮の軍事拠点のほとんどを一撃で壊滅できるが、それでも韓国や日本に一定のリスクはある。日本は憲法の制約があるので、軍事では部外者に近い。米国との良い関係から情報が早く入ることだけが救いだ。事実として現状はここまできていることを認識したほうがいい。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】戦後処理に北に自衛隊が進駐することもあり得る(゚д゚)!

以下に、最近の北朝鮮情勢について簡単にまとめておきます。

(1)9月末、平壌(ピョンヤン)近郊の兵器工場から、複数のミサイルが次々と運び出された。韓国メディアは同月30日、「中距離弾道ミサイル『火星12』か、ICBM(大陸間弾道ミサイル)『火星14』の可能性が高く、10月10日の朝鮮労働党創建記念日などに合わせて発射する危険がある」と報じました。

(2)9月28日、米軍の最新鋭ミサイル追跡艦「ハワード・O・ローレンツェン」が、米軍佐世保基地(長崎県)を出港しました。北朝鮮のミサイル発射情報をつかんでいます。

ミサイル追跡感「ハワード・O・ローレンツェン」
(3)北朝鮮の朝鮮アジア太平洋平和委員会は9月30日付の報道官談話で、米国の独自制裁や、戦略爆撃機B1-Bの北朝鮮東方への飛行を激しく罵倒。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が同月22日に出した警告「史上最高の超強硬措置」は、「最後通告であり、米国の狂った老いぼれ(=トランプ大統領)を必ず火で鎮(しず)める」と宣言しました。

(4)さらに、米原子力空母「ロナルド・レーガン」率いる空母打撃群が今月中旬、朝鮮半島近海に展開するといいます。聯合ニュースが1日報じました。

ロナルド・レーガン
上記では、米中が北朝鮮を攻撃することを想定していて、ロシアを除外しています。これは、今月4日のプーチン氏の発言からもその妥当性がうかがわれます。

ロシアのプーチン大統領は4日、北朝鮮には秘密の軍事施設が存在する可能性があり、核やミサイル計画への軍事攻撃は成功しないかもしれないと述べました。モスクワで開催されたエネルギーフォーラムで発言しました。

ロシアは、トランプ米大統領が以前示唆したような軍事攻撃に強く反対しており、外交および経済的交渉を組み合わせて使うことを希望しています。

ただプーチン大統領は4日、この議題について、他の政治的・道徳的懸念と同様に、軍事攻撃の有効性について深刻な懸念を持っていると表明。「北朝鮮に対し、武装を解除させるため、世界から攻撃が可能だろうか。可能だろう。では、目的を果たせるだろうか。それは分からない。彼らが何を持っていて、それがどこにあるのかは誰にも分からない。(北朝鮮は)閉鎖された国であり、誰にも完全には分からない」と述べました。

プーチン大統領は、ロシアには北朝鮮のミサイル計画を他国の大半より強く懸念する理由があると話し、北朝鮮の核実験場はロシアとの国境から200キロメートルしか離れていないと指摘しました。

大統領は外交による解決を改めて主張し、各方面に対し、好戦的な発言を控えるよう求めました。さらに、制裁強化は無意味だと述べ、現在4万人程度の北朝鮮国民がロシアで働いていると話しました。

プーチン大統領
ただし、プーチン大統領は、金正恩の亡命先を確保しているともいわれています。このようなことをして、ロシアは北朝鮮崩壊の後も、半島に関与するつもりだと考えられます。そもそも、ロシアにはもともと北朝鮮は自分たちが作った国であるという考えがあります。

一方中国は、北朝鮮を攻撃する可能性が十分ありますし、ブログ冒頭の記事を書いた高橋洋一氏はそのような考え方をしています。他にも、そのような見方をする人も多いです。そのような人たちは以下のような見方をしているようです。

先月訪中したティラーソン米国務長官は習近平と「極めて友好的な」会談を行ないました。ティラーソン米国務長官が訪中したのは、トランプ大統領訪中の下準備のためです。今年4月に習近平国家主席が訪米した際にも、ティラーソンは事前(3月18日)に訪中して習近平と会っています。

この2回の訪中に共通しているのは、「この上ない友好的ムードの中で互いを礼賛し合うこと」ですが、今回の「友好さ」には何かが隠れているとみるべきです。2回とも北朝鮮問題に対する話し合いが含まれているとされながら、その具体的内容に関しては公表されていません。

それでも3月のときは中国外交部が「双暫停」(米朝双方とも暫時、軍事行動を停止すべき)と発表するなどの意思表示がありましたが、今回は何もありませんでした。

北朝鮮は習近平にとって国際的な晴れ舞台となる大行事があるたびに、その開幕式の日にミサイル発射などの挑発的行動に出て、習近平の顔に思い切り泥を塗り続けてきましたた。

今回も10月18日に開幕する第19回党大会のその開幕式の日に合わせて、ミサイルを発射するだろうと推測されています。

習近平は、国際的大行事の開幕式があるたびに顔に泥を塗られることに激怒しているでしょうが、それ以上に中華人民共和国の根幹を成す中国共産党の全国代表大会の日に合わせて北朝鮮がミサイルを発射すれば、その忍耐はレッドラインを越えることになるでしょう。

そうなると、米国の攻撃開始の直後に中国も攻撃をする可能性があります。かつて中国は、米軍が38度線を超えた場合、アメリカに攻撃するといってきましたが、今回はそうではなくて、あくまで米国と共同の上で、最初からどこを攻撃し、どこを占領するかを互いに了承しつつ北朝鮮を攻撃することになるでしょう。

ティラーソン国務長官は、こうしたことを話し合うために習近平を訪問したとみて良いでしょう。

会談するティラーソン国務長官と習近平
ただし、党大会が終わるまでは中国は絶対に動かないでしょう。場合によっては来年3月の全人代閉幕直後辺りまで延ばす可能性もあります。

ただし、米国としては戦争が終わった後のことも十分に考えておかなければなりません。戦後処理を疎かにし、国連などか中途半端な介入を行えば、それこそ朝鮮半島が、現状の中東のように騒乱の耐えない地域になってしまいます。

新たな自由主義的な民主主義体制を根付けるには、50年くらいは、軍隊を進駐させる覚悟が必要です。中途半端をすれば、新たな危険地帯を生み出すことになるだけです。これは、シリアなどで実証ずみです。

ただし、そこに中国が関与するということになれば、元々民主化も、政治と経済の分離も、法治国家化もされていない中国が、北朝鮮の一部を占領することになれば、今日のようチベット自治区、ウイグル自治区などのようにまた緊張が耐えない地域になる事が考えられます。

中国によるウイグル自治区での住民弾圧
中国の植民地政策は、どうみても、下手であり混乱を招くことは必定です。さらに、中国は半島を占領することで、大国意識をつのらせ、増長し南シナ海への進出をさらに拡大させる危険性もあります。

このようなことから、米国は朝鮮半島における中国の影響を極力排除したいと考えていることでしょう。米国北朝鮮を攻撃するときには、中国はあくまで、北朝鮮に対する軍事上の脅威になれば良いと考えるでしょう。

北朝鮮側の兵力が南の米韓軍だけでなく、北の中国にも備えなければならなくなり、兵力が分散されるようにもっていければ、十分であると考えるでしょう。そうして、できれば、中国は直接半島に関与しないほうが望ましいと考えることでしょう。

そこに日本が果たす役割が見えてきます。日本は、米国が北朝鮮を攻撃するときには、安保条約にもとづき兵站の役割を担うことになります。兵站の役割を果たすということは、実際に戦闘に参加しなかったとしても、世界中から戦争に参加したものとみなされます。

そうして、以前このブログにも示したように、日本は米国と異なり、中国やロシアのように国境は接してはいないものの、半島のすぐそばに位置し、半島情勢に関与しやすいです。

朝鮮半島から、核と核ミサイルが排除されれば、国境を接した中国や、ロシアはそれを理由に、半島情勢にかかわるのは、容易です。しかし、半島から遠く離れた米国は根拠を失うことになります。

日本は地政学的な位置を利用して、韓国がいやがるにしても、半島情勢には関わりを持つのは、自然なことです。日本が、半島情勢に強く関与すれば、同盟国の米国も半島問題に関わりを持つことができます。

また、日本はインド、ASEAN諸国、オーストラリアなどの周辺国などとも友好的です。

これら友好国の力も加勢して、日本は北朝鮮崩壊後の半島情勢に深く関わっていくことができるようになるかもしれません。そうなれば、場合によっては、北朝鮮崩壊後の北朝鮮に自衛隊を送り込み、治安の維持をしつつ、復興事業も行い拉致被害者を捜索することも可能になるかもしれません。

南スーダンでの自衛隊PKO部隊
このようなことを安倍総理は視野に入れていることでしょう。それしても、日本が半島有事に対して煮え切らない態度をとれば、それこそ米国は中国の北朝鮮攻撃を許してしまうかもしれません。

そうなれば、日本にとっては最悪の事態を招くことになるでしょう。

来る衆院選では、有権者は、このようなことも頭の隅においておくべきでしょう。野党再編など、このようなことから比較すれば、ほんのささいなどうでも良いゴミのようなことにすぎません。

やはり、本命は、北朝鮮情勢なのです。

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