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2019年4月24日水曜日

孤立する金正恩氏 中国すら制裁履行で…“プーチン頼み”も失敗か 専門家「露、大して支援はしないだろう」 ―【私の論評】ロシアは、朝鮮半島の現状維持を崩すような北朝鮮支援はしないしできない(゚д゚)!


ロシア・ハサン駅に到着した正恩氏=24日(ロシア極東沿海地方政府のホームページから)

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は24日、特別列車で国境を越え、ロシア極東を訪問した。国境に接するハサン駅での歓迎式典出席後、ウラジオストクに向かった。25日にウラジーミル・プーチン大統領との初の首脳会談に臨む。2月の米朝首脳会談決裂後、最大の支援国だった中国すら国際制裁を順守する姿勢を見せるなか、正恩氏にはロシアから経済的支援を引き出す狙いがあるとみられる。ただ、専門家からは厳しい見方が出ている。

 「ロシアの地を訪れることができてうれしい。これは最初の一歩にすぎない」

 正恩氏は24日午前、ハサン駅に到着した際、こう語った。ロシアのコズロフ極東・北極圏発展相らが迎えた。

 北朝鮮の最高指導者の訪露は、金正日(キム・ジョンイル)総書記による2011年8月以来、約8年ぶりで、正恩体制では初めて。

 ロシアメディアなどによると、露朝首脳会談は25日、ウラジオストク南部のルースキー島の極東連邦大学で行われる。

 北朝鮮は、ベトナムの首都ハノイで2月末に行われた米朝首脳会談が物別れに終わった後、「対話路線」から「瀬戸際外交」に戻ったような動きを見せている。

 米国には、マイク・ポンペオ国務長官を対北交渉から外すよう要求し、ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を「愚か者」と罵った。韓国には、正恩氏自らが演説で「差し出がましい」と非難した。

 ただ、国際社会による対北朝鮮制裁は厳格に維持されている。

 国連安全保障理事会の制裁対象である北朝鮮の海外出稼ぎ労働者について、中国やロシアが自国で働く労働者の半数超を北朝鮮に送還したことが3月に判明した。

 韓国紙、東亜日報(日本語版)は3月28日、中国による北朝鮮労働者送還を報じた記事で、「ある消息筋によると、北朝鮮は中国の制裁履行に不満を示したという」と指摘した。

 孤立化の気配すら漂う北朝鮮だが、ロシアへの接近で経済的支援を引き出すことができるのか。

 福井県立大学の島田洋一教授は「ロシアは最近、ベネズエラに軍事顧問団を送るなど『米国が嫌がることを何でもする』という感じだ。今回の首脳会談も、米国への牽制(けんせい)になるとみているのではないか。ただ、ロシアの財政状況が厳しいことを考えても、身銭を切るような支援は大してしないだろう」と語った。

【私の論評】露は、朝鮮半島の現状維持を崩すような北朝鮮支援はしないしできない(゚д゚)!

以前このブログで朝鮮半島情勢の根幹にあるのは、現状維持(Status quo)であることを述べました。その記事のリンクを以下に掲載します。

北朝鮮『4・15ミサイル発射』に現実味!? 「絶対に許さない」米は警告も…強行なら“戦争”リスク―【私の論評】北がミサイル発射実験を開始すれば、米・中・露に圧力をかけられ制裁がますます厳しくなるだけ(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、現状の朝鮮半島の状況がまさしく現状維持(Status quo)であることを述べた部分を以下に引用します。
北朝鮮の望みは、体制維持です。金正恩とその取り巻きの独裁体制の維持、労働党幹部が贅沢できる程度の最小限度の経済力、対外的に主体性を主張できるだけの軍事力。米国に届く核ミサイルの開発により、大統領のトランプを交渉の席に引きずり出しました。間違っても、戦争など望んでいません。 
この立場は、北朝鮮の後ろ盾の中国やロシアも同じです。習近平やウラジーミル・プーチンは生意気なこと極まりない金一族など、どうでも良いのです。ただし、朝鮮半島を敵対勢力(つまり米国)に渡すことは容認できないのです。

だから、後ろ盾になっているのです。結束して米国の半島への介入を阻止し、軍事的、経済的、外交的、その他あらゆる手段を用いて北朝鮮の体制維持を支えるのです。 
ただし、絶頂期を過ぎたとはいえ、米国の国力は世界最大です。ちなみに、ロシアの軍事力は現在でも侮れないですが、その経済力は、GDPでみると東京都を若干下回る程度です。

ロシアも中国も現状打破の時期とは思っていません。たとえば、在韓米軍がいる間、南進など考えるはずはないです。長期的にはともかく、こと半島問題に関しては、現状維持を望んでいるのです。少なくとも、今この瞬間はそうなのです。 
では、米国のほうはどうでしょうか。韓国の文在寅政権は、すべてが信用できないです。ならば、どこを基地にして北朝鮮を攻撃するのでしょうか。さらに、北の背後には中露両国が控えています。そんな状況で朝鮮戦争の再開など考えられないです。
米国の立場を掲載した部分を以下に引用します。
米国・中・露とも現状維持を望んでいるのです。韓国は中国に従属しようとしてるのですが、韓国は中国と直接国境を接しておらず、北朝鮮をはさんで接しています。そうして、北朝鮮は中国の干渉を嫌っています。そのため、韓国は米国にとってあてにはならないのですが、かといって完璧に中国に従属しているわけでもなく、その意味では韓国自体が安全保障上の空き地のような状態になっています。 
この状況は米国にとって決して悪い状態ではないです。この状況が長く続いても、米国が失うものは何もありません。最悪の自体は、中国が朝鮮半島全体を自らの覇権の及ぶ地域にすることです。これは、米国にとっても我が国にとっても最悪です。
 このような最中に、韓国だけが南北統一など、現状を変更する動きをみせたため、米国はおろか、中国・露も韓国に対して良い顔はできないわけです。北朝鮮の金正恩も現状維持を旨としています。文在寅に良い顔をしていたのは、単に制裁のがれをするためです。そのために、文を利用しただけです。

南北首脳会談を前に文とてをつなぎ軍事境界線を越えた金

韓国の文在寅は朝鮮半島情勢をリードしているつもりだったのでしょうが、結局一人芝居を演じただけでした。

最近北が、ミサイル発射実験を匂わせつつ、結局「新型戦術誘導兵器」の実験をしたという発表があっただけでした。

「新型戦術誘導兵器」の詳細は不明ですが、金委員長は昨年11月中旬、国防科学院の実験場を訪れ、「新たに開発した尖端戦術兵器の試験を指導していた」(朝鮮中央通信)ことから国防科学院で研究、開発されていた兵器であることは間違いないようです。

この時の視察でも軍事関係者では李炳哲第一副部長と朴正天砲兵司令官だけが付き添っていたことから、今回テストされた兵器はロケット戦略軍(司令官:金洛謙・陸軍大将)が使用する弾道ミサイルではなく、砲兵部隊が局地的に使用する対空砲や誘導ミサイル、もしくは攻撃用兵器の可能性が高いです。弾道ミサイルでなければ、国連決議に反せず、安保理の制裁対象ともなりません。

金正恩も、米国・中・露とも現状維持を旨としていることは理解しているのでしょう。だからこそ、現状維持を破るような以前のような、核ミサイルの頻繁な発射には踏み切れなかったのでしょう。

ただし、制裁は徐々に効きつつあり、ロシアに訪問したのは、ほんの一部でも良いので、制裁を緩和して欲しいという意向があったからでしょう。

金正恩とプーチン

ロシアも現状維持を望んでいますから、現状維持を崩すような大規模な支援はしないでしょう。ブログ冒頭の記事では、福井県立大学の島田洋一教授が「ロシアの財政状況が厳しいことを考えても、身銭を切るような支援は大してしないだろう」としています。

私は仮に、ロシアの財政状況が良かったとしても、ロシアは現状維持を崩すような規模の援助はするつもりもないし、できないと思います。

現状のロシアのGDPは韓国を多少下回る程度で、韓国のGDPは東京都と同程度です。ロシアは、旧ソ連の核兵器や軍事技術を引き継いでいるということで、決して侮ることはできませんが、それにしても東京都程度のGDPではもともとできることは限られています。

ロシアは、現状維持を崩すような北朝鮮支援は絶対にしませんし、できないでしょう。

そんなことは、最初からわかっていることなのに、それでも金正恩はロシアに赴かなけば、ならなかったのです。これ事態が制裁がかなり効いていることの証です。金正恩は、自分自自身も、朝鮮半島の現状を維持することを望んでおり、米国はもとより、周辺諸国とも事を構えるつもりはないことをプーチン大統領に伝えることで、制裁がさらに強化されることを防ぐ狙いがあるものと思われます。

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2019年2月18日月曜日

「台湾は中国からの武力行使にどう対処するか」古くて常に新しい問題―【私の論評】日本には、中、露、韓は放置し、台湾を支援すべき時がやってきた(゚д゚)!

「台湾は中国からの武力行使にどう対処するか」古くて常に新しい問題

岡崎研究所

 1月2日に中国の習近平国家主席は、台湾政策に関する包括的な演説を行い、「一国二制度による台湾統一」を打ち出すとともに、いざとなれば「武力行使を排除せず」との姿勢を明確にした。今のところ、中国が台湾に対し、直接武力侵攻を行う可能性は決して高いわけではないが、ここ20年間で中国と台湾の軍事バランスは大きく中国の側に傾斜した。軍事費だけとってみても、1996年には辛うじて台湾の2倍だったのが、今や15倍になっている。


台湾海岸にて。台湾への日本人観光客が増えている。特に修学旅行で行くケースが急増。

 台湾においては、中国からの武力行使の可能性に備え、いかに対処するかは古くて常に新しい問題である。一つの有力な戦略として「ヤマアラシ戦略」がある。これは、大型の戦闘機や軍艦ではなく、安価で機動力の高い小型兵器(自動制御機雷、武装ドローン、ミサイル等)により、接近してくる中国軍を沿岸部で疲弊させることを目指すものである。米国による勧奨もあり、台湾は2017年に「ヤマアラシ戦略」を含む包括的な防衛構想を打ち出している。

 他方、最新の大型兵器の保有にも意味がある。戦車、大型艦船、戦闘機は、それ自体が抑止力として働き得る。台湾人の士気を高める効果も期待できる。しかし、こうした大掛かりな武器は費用がかかる。例えば、潜水艦は、国産であっても1隻10億ドル以上するが、台湾の国防費は年110億ドルである。徴兵制から志願兵制に移行中の台湾軍は、人件費の高騰にも悩まされている。その結果、兵士は削減され、1996年と比べると15万人以上も減り、現在は21万5千人である。

 結局、台湾の防衛のカギとなるのは、台湾関係法を持つ米国と台湾との安全保障上の特別な関係ということになる。米国の潜水艦8隻により中国の水陸両用艦隊の40%を戦争開始から1週間で撃沈できるというシミュレーション結果もある

 台湾関係法に基づき、米国は台湾に防禦用の武器を売却することにコミットしている。同法に加え、昨年、トランプ政権下において、米国議会は、ほぼ全会一致で「台湾旅行法」(米台高官の交流を勧奨)、「国防授権法」(台湾の防衛力強化にコミット)を可決した。

 今後の米国の台湾に対する武器輸出が、これまでより航続距離の長い攻撃用戦闘機などを含むようになるのか、米国の軍事演習やリムパック軍事演習に台湾が参加できるようになるのか、米国の軍艦が台湾の港を使用するようになるのか、米国の海兵隊員が台湾に駐留するようになるか、というような諸点が今後の注目点となろう。

 今や、毎年3500人から4000人の米国防省関係者が台湾を訪問し、2010年以降の米国の台湾への武器売却の総額は150憶ドルを超えたという。これらのことは、米国の台湾の安全保障へのコミットメントが、着実に深まりつつあることを示している。

 なお、1月2日の習近平の演説に対し、蔡英文は直ちに「一国二制度」の受け入れを断固拒否するとともに、台湾にとって「防衛力の構築が重要政策のなかでも最優先だ」と強調した。そして、同時に「台湾の防衛力強化に協力してくれるすべての国と協力したい」と述べ、米国だけではなく、日本を含むすべての国々との安全保障協力にも期待感を表明した。この蔡英文のスピーチが特に日本の名前を挙げている点は注目を要することである。台湾の現役の指導者が、安全保障関係で日本の協力に期待する、との趣旨の発言を行ったのは、恐らく今回が初めてであろう。日本にとっては、これまでの防衛関係者同士の交流、意見交換等に加え、台湾の安全保障のために何をすべきか、何ができるか等について、台湾、米国の関係者らとよく擦り合わせ検討すべき段階に来ていると思われる。
【私の論評】日本には、中、露、韓は放置し、台湾を支援すべき時がやってきた(゚д゚)!
馮世寛前国防部長(左)

台湾で昨年5月に発足した政府系シンクタンク「国防安全研究院」は12月13日までに、中国軍が進める組織改革について「国土防衛型から外向進攻型への転換を意図している」と指摘し、台湾海峡や東シナ海、南シナ海の周辺諸国にとって「深刻な脅威」になると警告しました。

同研究院は中国や地域情勢の専門研究を目的に発足、馮世寛前国防部長(国防相)がトップを務めています。今回は「中国共産党の政治と軍事」「インド太平洋地域の安全情勢」「国防科学技術産業」に関する三つの報告をまとめました。

陸海空軍の統合作戦指揮化を柱とする中国軍の改革について、海外での国家利益の確保、軍事技術の向上、習近平国家主席の絶対的指導力確立などの思惑があると指摘。軍改革は2020年までの完成をめどにしており、それまでは軍隊の調整期にあるため台湾海峡で大規模な危機が起きる可能性は低いと分析としています。

さて、今日本が真っ先にすることは「台湾と事実上の『同盟』をいかに結ぶか」です。

日本の保守派からは、20年以上も前から「台湾との連帯の重要性」が諭されてましたが、一向に「世論」は盛り上がりませんでした。その理由は、メディアが台湾に目を向けず、ひたすら「日中・日韓」との友好・連携ばかりを言い立ててきたからですが、今、日本政府が「台湾との連携」を言い出したとしても「反対」を叫ぶ国民はごく少数に違いないです。

すでに多くの日本国民が「台湾こそが日本にとって最も大事な『友人』だ」と認識しています。特に、東日本大震災後(3・11)の台湾国民からの熱い支援は、多くの日本人の胸に刻まれています。3・11のとき、世界最大の支援をしてくれたのは台湾でした。マスコミで報じられた以外にも民間レベルで、国家レベルに匹敵する支援が行われました。

3.11の時に最大の支援をしてくれたのは他ならぬ台湾だった

高名な画家は自分の個展を開き、その売上金をそっくり岩手県の病院再建に寄付しました。日本と台湾を結ぶ航空会社と言えば、中華航空が真っ先に浮かびますが、今は台湾民族資本の「長栄」(エヴァ・エア)の便数が一番多いです。3・11の折には、長栄の長栄発会長は個人で20億円をカンパしています。

その機体には「キティちゃん」が描かれ、機内食用のプラスチック製ナイフやフォークもキティちゃんでそろえるほど日本大好きなのです。

キティちゃんが描かれた長栄航空の機体

台湾の人たちが大切にする価値観は「親切」「誠実」「清潔」「勤労」「公に尽くす」などで、こうした価値観を台湾の人々は「日本精神」、台湾語で「リップンチェンシン」と常に口にします。神奈川・座間の海軍工廠に徴用で来日した台湾少年工は、補償を要求するどころか、感謝の意を表すため高齢となってまで家族ともに来日しています。

そこへ行くと韓国は、台湾とは反対に日本に対して徹頭徹尾「怨恨」しかありません。加えて「解決済みの賠償問題を蒸し返し=たかり」「経済失政を日本にツケ回し=失業大学生を日本企業に輸出」する有様です。「徴用工判決」で痛めつけている日本企業に、韓国の「就職難民」を雇ってくれと言っているのだから、呆れてもモノも言えない。さらには、最近では自衛隊の哨戒機にレーダー照射をするという、とんでもないことをしでかしました。

「怨恨」は単なる憎悪感情ではありません。心理学者によると、「強者に対する弱者の憎悪や復讐衝動などの感情が内向的に屈折している状態」といいます。こんな国と仲良くなどと、たわけたことを言っている場合ではないです。今、日本が極東アジアで組むべき相手は台湾しかないです。

ブログ冒頭の記事にもあった、米国が昨年3月に成立させた『台湾旅行法』と同じ法律を成立させるべきです。同法は、閣僚級の安全保障関連の高官や将官を含む米政府当局者全員が台湾に渡航し、台湾側の同等役職者と会談することや台湾高官が米国に入国し国防総省や国務省の当局者と会談することを定めた法律です。

米国は中国との国交樹立以降、台湾とのこうした交流を自粛してきましたが、これをトランプ大統領は反故にしました。ラブコールを送る友人に日本も応えるべきです。

台湾に対する支援は、覇権主義の中国、「怨恨」感情を露わにする韓国や、強欲ロシアとの北方領土返還交渉にカネを使うより費用対効果は高いはずです。

日本政府は、過去40年にもわたり合計3兆円も、中国への途上国援助(ODA)をしてきましたが、今年度を最後に終了します。

北方領土に関しては、昨日のこのブログにも掲載したように、米国の対中制裁が継続されれば、中国が弱体化し、そうなれば現在は影を潜めた中露対立が高まることになり、それでロシアは疲弊することになり、その時がまさに交渉のベストタイミングです。今はベストではありません。

本当は、ベストタイミングは以前もありました。それは、無論ソ連崩壊のときです。あのときに、日本が強力にロシアと交渉すれば、あの時点で北方領土が戻ってきた可能性は十分にありました。

中露対立が高まった場合には、その機を逃さず日本はロシアに対して強力な交渉をすべきです。

現在は、交渉の時ではないです。将来を見越して、ロシアに経済援助するなどのことは絶対にすべきではありません。

日本は、ここしばらく、中露対立が高まるまでは、中国、韓国、ロシアなどへの支援はせずに、台湾に対して支援すべきです。それが、日本の将来を左右することになります。

台湾への支援もいろいろあります。まずはTPPに加入してもらうべきです。さらに、軍事的にも、技術的にも様々な支援を行っていくべきです。ただし、台湾にも大陸中国に親和的な勢力もあるので、それらを利することによって大陸中国を間接的に利するようなことだけは、避けながら、細心の注意をしながら支援すべきです。

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2018年12月13日木曜日

露、極東に最新鋭潜水艦を配備へ ラーダ型―【私の論評】日本も当然「ラダー型」への対応を迫られることになる(゚д゚)!

露、極東に最新鋭潜水艦を配備へ ラーダ型

露太平洋艦隊旗艦「ワリャーグ」

ロシアは、極東に拠点を置く露太平洋艦隊に、最新鋭潜水艦「ラーダ型」で構成する新たな潜水艦隊を配備する方針を固めた。露メディアが13日までに報じた。極東のカムチャツカ半島の戦略原潜基地の防衛任務などに当たるという。

 ラーダ型は通常動力型で、原潜に比べて小型で静音性に優れるとされる。

 国営ロシア通信によると、ラーダ型はこれまでに3隻が起工。1番艦「サンクトペテルブルク」は2004年に進水して以降、試験航行を続けている。2番艦「クロンシュタット」は来年に海軍に引き渡される予定のほか、3番艦「ベリキエ・ルキ」は21年以降に配備される見通しという。

 露紙「イズベスチヤ」によると、ラーダ型は乗員35人で、時速は海上10ノット、海中21ノット。潜航深度は300メートル。魚雷や機雷、対艦ミサイルなどを装備する。

【私の論評】日本も当然「ラダー型」への対応を迫られることになる(゚д゚)!

ロシア「ラダー型」潜水艦

ロシア太平洋艦隊にはプロジェクト677「ラーダ」潜水艦の旅団が展開しています。これは、ロシアで最も静かな潜水艦です。

最新潜水艦は嫌気性動力装置を装備し、水中へ一週間以上の滞在が可能となっています。太平洋の「ラーダ」は、戦略ロケット艦及びその駐留場所をカバーします。

最新ディーゼルエレクトリック潜水艦「ラーダ」型は軍備採用されました。これは、ロシアで初めて嫌気性(非大気依存)発電装置を有する潜水艦です。これにより、バッテリーの急速充電の為に常時浮上する必要は無くなりました。

「ラダー」型と、他国の潜水艦などとの比較の詳細は、以下の記事をご覧になってください。
日本のそうりゅう型、ドイツの212型、ロシアのラーダ型を比較-世界の通常動力型潜水艦を徹底比較!(分析編)
詳細、この記事をご覧いただくものとして、この記事ては以下のように締めくくっています。
そうりゅう型、212型、ラーダ型、バージニア型は潜水艦の中でも最高峰の潜水艦です。これらの潜水艦が戦闘を行った場合、どれが勝ってもおかしくありません。ただ、追尾魚雷を使用するような潜水艦同士の戦闘は今まで起こっておらず、今後もまず起こらないだろうと見られています。 
そんな中で潜水艦に求められるのは、ある意味「見えないままでそこに居続けること」かも知れません。
敵から見えない隠密性、水中を縦横無尽に移動する潜水能力、広い海のどこにでも出没出来る行動範囲、いざという時に戦える戦闘能力。これらを有する潜水艦がどこかにいる。その恐怖を敵に与えることこそが、潜水艦の使命とも言えるでしょう。
「ラーダ」型開発の歴史は普通ではありません。過去10年間海軍総司令部は、長期に渡り動力装置を満足すべき状態で製造出来なかったために、この潜水艦の断念を計画していました。

これと同時に、従来のディーゼルエレクトリックシステムを装備したシリーズのトップ艦「サンクトペテルブルク」が受領されました。現在、「サンクトペテルブルク」は航行試験を行なっています。合計で12隻の「ラーダ」型潜水艦の建造が計画されています。

以前に『イズベスチヤ』が伝えたように、これらの一部は北方艦隊で勤務に就き、残りはカムチャツカ沿岸での恒久的駐留をする予定です。

大幅に自動化された「ラーダ」型潜水艦の最大の長所は、騒音が最小限に低減され、通常の電波位置測定探知手段には探知されないことです。

さらに、最新の超水中音響システムセンサーのお陰で、「ラーダ」型は遥かに手前からで、敵の艦よりも先に相手を探知できます。

加えて、この潜水艦は、非常に迅速に多数の目標の撃破が可能です。たとえば、数分で18本の魚雷を発射できます。ロシア海軍は、この潜水艦を水中戦闘機と呼んでいます。

プロジェクト677潜水艦の太平洋艦隊への存在は、特別な意味を持つと軍事歴史家ドミトリー・ボルテンコフは指摘しました。

「太平洋艦隊の戦力原潜は、世界の大洋の様々な部分で戦闘当直に就いており、アヴァチャ湾に駐留しています。

アヴァチャ湾に停泊するロシアの戦略原潜


我々の艦は、無分別な外国のパートナーに探知と補足を試され、湾からの出航にも同行されています」

彼は『イズベスチヤ』に語気を強めていいました。

「そして我々は、原子力潜水艦の展開の為に、様々な手段による重要なカバーを必要とします。

最も効果的なものの1つは、"ラーダ"型ディーゼルエレクトリック潜水艦でなければなりません」

ソヴィエト時代、「戦略型原潜」展開の任務は、ベチェヴィンスク湾に駐留する第182潜水艦旅団により遂行されていました。

しかし、それは(軍)改革中に解散しました。新たな連合部隊が、同じ部隊番号を受け取り、同じ場所に駐留する事は十分に有り得るとドミトリー・ボルテンコフは見ています。

太平洋での任務遂行の為に、プロジェクト「ラーダ」型艦は、通常のディーゼルエレクトリック潜水艦よりも遥かに大きな力を発揮できると、潜水艦船員クラブの代表イーゴリ・クドリン1等海佐は考えています。

大型自動化艦「ラーダ」型が、ここで演じる役割は、敵に察知されにくい事と、遠距離探知手段を有していることです。

黒海及びバルト海といった制限のある海域での行動には、古い世代の潜水艦が充分に対処しています。

基地及び艦船の保護に加え、プロジェクト677潜水艦は、必要に応じて他の任務を遂行できます。

その中には、機雷源の敷設、特殊部隊の移送、重要な水上及び水中目標の捕獲が有ります。

さて、このようなロシアの行動を米国は「ロシアの潜水艦建造能力の復活」の脅威を感じているようです。

米軍のジェームス・フォゴ欧州軍海軍司令官(海軍大将)は今月7日までに、ロシアの海軍戦力に触れ、一部の最新型潜水艦や巡航ミサイルの脅威への懸念を表明しました。

ジェームス・フォゴ欧州軍海軍司令官

米国防総省で記者団に述べた。司令官は老朽化した空母を含むロシア海軍の海上戦力については脅威はほとんどないとし、主力艦の性能についても強固なものはないとも明言しました。

フォゴ司令官はその上で、ロシアは新型のドルゴルーキイ級やセベロドビンスク級の潜水艦の他、キロ級の新たなハイブリッド型潜水艦(ラダー型のこと)も建造したと指摘。キロ級の潜水艦6隻は既に「黒海や地中海東部」に出動しているとし、非常に高性能とする独自開発の巡航ミサイル「カリブル」を発射していると説明しました。このミサイルは欧州諸国の全ての首都を射程内に収めているとの警戒感も示した。

カリブル

この巡航ミサイル「カリブル」は、他に類似するものが無いです。地上目標攻撃用の亜音速ヴァージョンでは、このミサイルの最大飛翔距離は約2500kmになります。

さらに、この「カリブル」には 多様なヴァリエーションを有する戦闘機器である事を確認されました。

ミサイルは、一体型の弾頭を搭載します。従来の弾頭を装備する場合、ミサイルの最大飛翔距離は、およそ2500kmになります。

「カリブル」は高精度兵器であり、数千キロメートル離れた目標へ発射されても、予想される誤差範囲は2-3メートルを超える事は有りません。

「カリブル」の対艦用の超音速ヴァージョンでは、最大飛翔距離は375kmです。

比較の為に、公開情報によると、アメリカが装備する有翼ミサイル「トマホーク」の飛翔距離は、潜水艦搭載用の非核ヴァージョンで約1150kmです。

日本も当然のことながら、「ラダー型」潜水艦への対応が迫られるものとみられます。東シナ海、南シナ海の中国の潜水艦に対応するだけではなく、オホーツク海でロシアに対峙しなければならないです。

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