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2008年3月9日日曜日

温暖化問題懇談会 サミットまでに結論-温暖化って何?オリジナリティーはどうしたの?

温暖化問題懇談会 サミットまでに結論
「地球温暖化問題に関する懇談会」のため、首相官邸に入る奥田碩内閣特別顧問=5日


「地球温暖化問題に関する懇談会」のため、首相官邸に入る奥田内閣特別顧問。

 (記事引用-本編は記事引用の後にあります)
 ■産業界は正念場 排出量取引市場創設の流れ

「地 球温暖化問題に関する懇談会」の初会合では、温室効果ガスの排出権を取引する排出量取引市場の創設などが早くも焦点となった。7月の北海道 洞爺湖サミットを控え、同懇談会が一定の見解を示す方向も定まり、取引市場の創設に消極的な経済産業省や電力会社などの頭越しに市場創設の流れが固まりつ つある。
「日本だけが孤立するのはまずい。あくまで欧米とは歩調を合わせる形で進んでいかなければ、京都議定書の二の舞になる」、「(排出量取引市場が)世界の潮流のなかで(市場の是非を)検討もしないというのはまずい」
会 合後の会見で、奥田碩座長はこう述べ、排出量取引市場の必要性を説いた。奥田氏が引き合いに出した京都議定書で、日本は達成困難な厳しい温室 効果ガス削減目標を課せられた。「厳しい目標となったのは、EU中心に議論が進められた」(経産省幹部)ためで、同じく厳しい目標となった米国は議定書か ら離脱。目標達成に向け、排出権購入に多大な支出を強いられているのは日本ぐらいだ。
排出量取引市場に関しても、EUは世界に先駆けて2005年から導入し、米国でも市場創設の動きが強まっている。奥田座長が「二の舞になる」としたのも、世界の潮流に逆らうと、日本に不利な仕組みができあがる懸念があるからだ。
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(本編)
以上を見ていて、どうも日本はオリジナリティーがなさ過ぎると思います。どうして、西欧各国のスタンダードばかり後追いするのかと思ってしまいます?

地球温暖化問題はさておき、日本は、日本独自の環境問題解決法を提案し世界をリードしていくべきだと思います。でも、産業界や政治家の中でも、過去の継承・継続ばかりで新機軸を打ち出せないのだと思います。もしそうであったとしても、まわりのいろいろな人から聴いたり、国内外の人々の著書や意見を聞けば自ずと次世代の日本の役割はわかってくるはずです。以下には、私が思う環境問題に関する日本の取組むべき方向を掲載します。

1.海洋国家日本
日本は、昔から海に囲まれていて今でも捕鯨を続け、海産物も諸外国に比べれば、摂取量も種類もはるかに多いです。これは、他の先進諸国との大きな違いです。かつては世界最大・最高の海軍を持っていた時代もあります。イギリスも似たようなところがありますが、日本とは違い大陸との交流が大昔からあります。この独自の立場をどうして生かそうとしないのでしょうか?

2.陸地に縛られるアメリカ、EU、ロシア、中国
これに比較すると、アメリカ、EU、ロシア、中国などのいわゆる大国といわているところは、明らかに陸上国家であり陸地により地理的に隔てられています。アメリカも例外ではありません。これらの国では何かを考える場合陸という制約からは離れられません。アメリカは、やはり陸という制約があり、東部の開発から西部へ、西部開発もままならなくなったので、ハワイ、フィリピンまで来たというのが実体だと思います。考え方の根底には陸地があるものと思います。

3.ドラッカーも推奨する海洋資源開発
私も敬愛する敬愛する経営学の大家(グル)である故ピーター・F・ドラッカー氏は、海洋牧場(Sea Pastral)の内容をわずか数行ですが、著書の中で掲載しています。その内容は、農耕が人類を飛躍的に発展させたのと同じように、海洋牧場こそ人類最後のフロンティアであること、人類の運命を決定的に変えてしまうかもしれない潜在能力があることなどです。なや、Sea Pastralは便宜上海洋牧場とは訳しておきましたが、日本語の「海洋牧場」などよりもっと広い概念で、狭義の海洋牧場は無論のこと、生簀や、その他も含むもっと広い概念のようです。

このSea Pastralに近い概念は、アーサー・C・クラークのSF小説「海底牧場」に見られます。このような現実世界の経営学の大家が提唱し、これまた当代随一のSF作家が描いて見せた夢絵巻まであるにも関わらず、現代人は未だ陸地の呪縛から逃れないようです。私は、宇宙の前に海洋だと重いっています。海洋開発への予算は宇宙開発の少なくとも10倍ほどて゛ないと用をなさないと思います。それこそ、未だ夢物語のような宇宙開発に投資するくらいなら、海洋への投資の方がより現実的です。

4.地政学の終わり
大昔から地政学などの学問があり、人間は陸を中心として政治、外交、戦略などを行なってきました。これは、大勢の人間は大陸にしか住めないという制約があったので無理からぬことだったと思います。このきわめつけは、サミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」かもしれません。この著書は日本で発売されたときには、「アメリカの国家戦略そのもの」と、帯に明記されていて、鳴り物入りで発売されました。多くの人に読まれた書物であることは間違いありません。しかし、現在このような地政学的見方が必ずしも的を射ているということはないことが明らかになってきています。イラクの問題をアメリカではいわゆる「地政学的危機」として、イラク侵攻のための理論武装にしたのは記憶に新しいことです。現在イラク問題は泥沼化しています。どこかで、ネジの掛け違いがあったのは明らかになりつつあります。

もう、陸を中心とする考え方は通用しないのかもしれません。確かに、陸上に無限に資源開発の余地があった時代は良かったのかもしれませんが、今のように開発されつくし、持続可能な経済が指摘されているような時代には通用しないのかもしれません。いつまでも、陸に拘っている国に将来はないのかもしれません。

5.閉塞感の払拭
従来のように、陸地がまだ無限の彼方まで続いていると思える時代は平和でそれなりに秩序が保たれてきたと思います。人々も安心して、ビジョンを描くことが出来たのだと思います。しかし、現在のように陸地は有限、陸地は狭いという感覚になってしまっては、地政学的なものの見方は、閉塞感を増すばかりです。実際マスコミなど日々閉塞状況のみ大きく報道しています。株価下落、サブプライムローン問題、地球温暖化、資源の枯渇、原油高、穀物相場の上昇、BSE問題、毒餃子問題、食糧需給の問題、格差社会の問題、政治家の無能、役人天国、高齢化社会の問題、少子化の問題、年金問題等など、あげればきりがないくらいです。諸外国でも同じようなものだと思います。現代ほど、いわゆる貧困にあえぐ人ではなくて、ある程度生活水準が上がった人達(たとえば、日本国内の一般庶民)でも、明るい未来や将来を信じることができない、閉塞感に溢れる時代はなかったかもしれません。

環境問題や、持続可能な経済なども決して私達を明るくしてくれません。現状では、世界各地に食事さへままららないで飢餓状態にある人も大勢います。
そこまでひどくなくても、満足に教育を受けることもできず、労働に駆り立てられたり、ひどい場合には強制的に売春や民兵までさせられる子供達が後を絶ちません。このように飢えている人や、貧しい子供達に対して、これから環境問題が深刻になってくるから、持続可能な経済のため将来を諦めてくれなどと正面きっていえる人はいるでしょうか。この閉塞状況はなんとしても打破しなければなりません。それが、世界のリーダーの責務です。でも、日本のリーダー格にあたる人達はそのような糸口さえ見つけられないでいるようです。

6.糸口はあるはずだし、確かに存在する
先の
3.ドラッカーも推奨する海洋資源開発」で述べたように海洋資源開発には素晴らしい可能性があります。少し考えただけでも、海は陸地より広いですし、海溝だってエベレスト山など数十個も納まってしまうくらい深いところがあります。地下資源も眠っていますし、最近の研究でわかってきた、地球創世以来の動植物プランクトンの死骸が海底に沈んでいてその有様はまるで真っ白な雪のようで「マリン・スノー」と言われています。これらが、主原料になり陸地に取り込まれたりしたときに、原油の元となっているそうです。海にはまだまだ、私たちが知らないことが沢山あります。また、植物プランクトンをバイオエタノール化する研究も進んでいます。

これらを有効に使えば、食資料問題や燃料の問題なども解決できるどころか、考え方が根底から変ってしまいます。そうです、もう閉塞感に悩まされる必要はなくなります。無論、これらの資源をかつて私達が陸地でやつてきたように、収奪するだけではいずれ限界が来ることでしょう。しかし、資源に余裕ができることで、不幸な人々を救うことができます。不幸な人々を救った上で、余裕を持って持続可能な経済を考えることができます。

< 結 論 >
このようなビションは、なぜ提唱されないのでしょうか?無論、私はこの方面には、素人です。大学時代に生物学を学びましたが、専攻は生理学でした。水産学などは全く学んだことが無く、海洋生物学などほんの少しかじっただけです。でもこの考え方の方向性だけは間違っていないと思います。さらに、日本などは海洋資源開発に関する技術など諸外国に比べて相当進んでいるか、遅れていたとしても潜在的能力は相当なものがあると思います。だからこそ、日本はこのビジョンを提唱し、世界のリーダーになれると信じています。

私の場合さらに発想が別次元にまで飛んでしまっています。それは、パクスマリーナ(海の平和)という考え方です。地政学的な陸地という呪縛から逃れて、私達人類はパクスマリーナ(海の平和)の次元を目指すべきだと思います。専門家の方はどう思われますか?是非このブログにコメントを残していただきたいと思います。また、この方面を深く掘り下げていくとしたら、どのようなサイトをみたり本を読むべきか、教えていただければ幸いです。なにせ素人なもので(笑)!!

■3月15日追加■
以上のような内容を書いた後、いろいろな人のブログを見ていたら、上記のような動き一部ですが、あるようです。まだ、技術的な側面に限ったもののようです。
3月12日に以下のような内容で、シンポジュウムがあったそうで、海藻を用いたバイオエタノールの研究で、洞爺湖サミットに向けても情報を発信するそうです。
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主催 :三菱総合研究所

テーマ :洞爺湖サミットに向けて、海洋バイオマスの利活用を情報発信する

わが国では、2030年に600万キロリットルのバイオ燃料の導入を公約に掲げるとともに、2050年までに温暖化ガスを世界で半減することを長期目標に 掲げています。ところで、地球の70%は海域であるばかりでなく、わが国は世界第6位の排他的経済水域(EEZ)を有しているにも拘らず、2007年2月 にバイオマス・ニッポン総合戦略推進会議が発表した2030年までのロードマップには、生物資源として海藻の利活用は一切触れられていません。これは、 『海藻の細胞内には90%の水分が含まれているので、メタン発酵以外はエネルギー収支が合わない』とされていることが一因と考えられます。

そこで、我々は、既存の要素技術を選択するのではなく、海藻の特徴(細胞壁にリグニンが含まれない、細胞の占める体積が多い)に着目した 革新的技術(電磁水熱反応法)を導入すれば、「2050低炭素社会」を具現するための一助となすことが可能であることを具体的に示そうとするものです。
わが国が、ポスト京都議定書の2050年までを視野に入れた地球温暖化対策の枠組み作りにおいても主導的な役割を果たしていくためには、世界に向けて海洋 バイオマス利活用の有効性を情報発信することが必要不可欠です。特に、先進諸国が新興国に対して『共通ではあるが差異ある責任』を果たすには、単にカーボ ンニュートラルなバイオ燃料の生産による排出抑制対策だけではなく、産業革命以降大気中に蓄積してきた温室効果ガスを積極的に吸い取って石化代替原料とし て固定化する吸収源対策の技術開発にも着手することが重要に
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海藻を海洋牧場で育成するそうです。しかし、まだ技術的な側面だけが語られているようです。ビジョンという次元までには高まってはいないようです。技術的な側面からもっと大きな発想へと転換していて欲しいものだと思います。海洋を巡って、様々な環境問題に対する対策がたてられるとともに、海を中心として物事を考えるパラダイムの転換を進めていくべきと考えます。パラダイムの行き着く先は「パクスマリーナ」であって欲しいと思います。おそらく、技術的な側面だけでは、小さな取り組みで終わってしまい大きな転換にはならないものと思います。いまこそ、多くの人から共感が得られる哲学が必要だと思います。


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