安倍首相は伊勢志摩サミットに向け、世界経済の現状とリスクを分析する有識者会議の設置を表明した。これで、ますます消費増税延期の可能性が高まった。安倍政権は消費増税延期と大型財政出動の「ダブルバズーカ」で圧勝をおさめるつもりだろう。
■ピンチをさらなるピンチに変える民主党
まもなく合併する民主党、維新の党のホームページ上に「党名案を募集します」と書かれている。3月2日、新党協議会「党名検討チーム」が初会合を開き、民主党の赤松広隆最高顧問、福山哲郎幹事長代理、維新の党の江田憲司前代表、柿沢未途前幹事長が話し合ったが、折り合いはつかず、党名を公募することになった。募集期間4日(金)~6日(日)とされた。
この党名公募は、ネット上ではバカにされまくっている。「党名すら決められないのか」と、ネット上では両党を揶揄するための面白い党名をアップする、いわゆる「大喜利」状態である。「党名検討チーム」がまとめられないので、公募という時間稼ぎをしたのだが、決められないと印象づけてしまった。8日に予定されていた新しい党名と綱領の中間とりまとめは遅れるかもしれない。
民主党と合流する維新の党の大半、例えば松野頼久代表らは民主党離党組の「出戻り」である。彼らが民主党を離党することになったのは、基本的には民主党内での消費増税議論がきっかけだった。
民主党と維新の党の新党は、他の野党にも参加を打診しているが、小沢一郎氏は排除される見通しだ。というのは、3日の連合の春闘集会で、民主党の野田佳彦前首相が「一番足を引っ張った元代表さえ来なければ、あとは全部のみ込もうと思っている」といい、小沢氏の参加に反対したからだ。
これは、正確にいえば、野田政権がマニフェストに書かれていなかった消費増税を強行しようとした時、小沢氏が反対して党を割って出て行ったことを指して、野田氏は「一番足を引っ張った」といっているわけだ。
この野田氏のロジックが民主党内で主流となっているのであれば、民主党はどのように党名を変更しても、消費増税に対してまともなロジックを構築できない。実際、民主党幹部からは、野田氏が同時に主張していた「議員定数大幅削減」がなければ、消費増税を認められないという話が聞こえてくる。
一方、安倍政権のほうが、明快なロジックである。安倍首相は、表向き消費増税は予定通り進めるというが、菅官房長官は「税収が下がるくらいなら消費増税しない」といっている(もっとも、この発言は、従来から安倍首相が言っている「増税しても、景気が悪くなったら元も子もない」と同じ意味である)。
このため、消費増税延期が徐々に既定路線化している。最近、テレビのコメンテーターで消費増税延期を言い出す人が出てきたが、本コラムの読者からみれば、「遅行指標」の典型例のはずだ。いずれにしても、菅官房長官のほうが民主党と比べればはるかに明快である。
■着々と打たれる解散への布石
民主党は、新党名を決められないうえ、経済ロジックもグダグダであることが国民の目にはっきりわかってしまった。雇用政策としても、本コラム読者であれば、安倍政権のほうが遙かにまともであることがわかるだろう。松尾匡・立命館大教授のような左派経済学者でさえも、この点を認めている。
民主党の最も弱いところは、経済政策である。たとえ民維が合併して大きくなったとしても、安倍政権はこの点をついてくるだろう。
そのための布石は着々と打たれつつある。先週の本コラム(「日本のGDPを引き上げ、アベノミクスを「合格点」へと導く効果的な一手をここに示そう」 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48049)では、2月27日に閉幕したG20(20ヵ国財務大臣・中央銀行総裁会議)で「財政政策、金融政策の一体発動」が打ち出され、その延長線上に、G7伊勢志摩サミットがあることを紹介した。
先週、その路線をさらにはっきりさせることが国会で明らかにされた。安倍首相は伊勢志摩サミットに向け、世界経済の現状とリスクを分析する有識者会議の設置を表明したのだ。
アメリカの経済学者・スティグリッツ氏の参加も検討されていると報じられており、前回の増税延期前にクルーグマン氏が官邸を訪れたことと重なる。安倍首相の消費増税についての言い回しが微妙に変化していることや、菅官房長の「税収が下がるくらいなら消費増税しない」発言から、この有識者会議について、増税延期とダブル選挙へのお膳立てとの観測も出ている。
この有識者会議は、中国経済の減速や原油価格の低下、金融市場の混乱などをテーマに、今月中頃からサミットまでに5回程度開催される予定だ。これが注目されるのは、これまで消費増税の決定の前は、内閣府・財務省主導による経済財政諮問会議の「点検会合」が開かれており、今回の有識者会合がその点検会合と重なるからだ。
2014年4月からの5%から8%への消費増税では、2013年8月26日から30日まで点検会合が開かれている。そこでは、有識者・専門家60名が参加し、消費増税すべきが7割超、予定変更すべきが1割超との意見が出され、結果として消費増税が実行された。
しかし、消費増税後に景気が腰折れし、点検会合で出された意見の多くは間違いだったことがはっきりした。2014年1月に公表された内閣府の中期財政試算では、消費増税しても景気は落ち込まないと試算していたが、実際には、大きく落ち込んだ。それを示すのが次の図だ。
民主党は、新党名を決められないうえ、経済ロジックもグダグダであることが国民の目にはっきりわかってしまった。雇用政策としても、本コラム読者であれば、安倍政権のほうが遙かにまともであることがわかるだろう。松尾匡・立命館大教授のような左派経済学者でさえも、この点を認めている。
民主党の最も弱いところは、経済政策である。たとえ民維が合併して大きくなったとしても、安倍政権はこの点をついてくるだろう。
そのための布石は着々と打たれつつある。先週の本コラム(「日本のGDPを引き上げ、アベノミクスを「合格点」へと導く効果的な一手をここに示そう」 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48049)では、2月27日に閉幕したG20(20ヵ国財務大臣・中央銀行総裁会議)で「財政政策、金融政策の一体発動」が打ち出され、その延長線上に、G7伊勢志摩サミットがあることを紹介した。
先週、その路線をさらにはっきりさせることが国会で明らかにされた。安倍首相は伊勢志摩サミットに向け、世界経済の現状とリスクを分析する有識者会議の設置を表明したのだ。
アメリカの経済学者・スティグリッツ氏の参加も検討されていると報じられており、前回の増税延期前にクルーグマン氏が官邸を訪れたことと重なる。安倍首相の消費増税についての言い回しが微妙に変化していることや、菅官房長の「税収が下がるくらいなら消費増税しない」発言から、この有識者会議について、増税延期とダブル選挙へのお膳立てとの観測も出ている。
この有識者会議は、中国経済の減速や原油価格の低下、金融市場の混乱などをテーマに、今月中頃からサミットまでに5回程度開催される予定だ。これが注目されるのは、これまで消費増税の決定の前は、内閣府・財務省主導による経済財政諮問会議の「点検会合」が開かれており、今回の有識者会合がその点検会合と重なるからだ。
2014年4月からの5%から8%への消費増税では、2013年8月26日から30日まで点検会合が開かれている。そこでは、有識者・専門家60名が参加し、消費増税すべきが7割超、予定変更すべきが1割超との意見が出され、結果として消費増税が実行された。
しかし、消費増税後に景気が腰折れし、点検会合で出された意見の多くは間違いだったことがはっきりした。2014年1月に公表された内閣府の中期財政試算では、消費増税しても景気は落ち込まないと試算していたが、実際には、大きく落ち込んだ。それを示すのが次の図だ。
安倍首相はこの事実を重く受け止め、点検会合に不信感をもったのではないか。
■消費増税すれば、政府目標は崩れさる
2015年10月からの8から10%への消費再増税については、やはり経済財政諮問会議の点検会合が2014年11月4日から18日まで開かれている。
ここで、注目すべきは、安倍首相はAPEC首脳会議、ASEAN関連首脳会議及びG20首脳会合出席のために、11月9から17日まで外遊していることだ。この外遊期間をつかって、海外から与党要人に個別に電話をかけて衆院解散を伝えたようだ。要するに、経済財政諮問会議の点検会合による10%への消費再増税ありきの議論を、まったく受け入れるつもりがなかったのだ。
そして、今回も内閣府・財務省主導による各種会議のことはそれほど信用しないだろう。今年1月に公表された内閣府の中期財政試算では、2017年4月からの8%から10%への消費再増税について、前と同じように「消費増税でも、景気は悪くならない」と試算している。
ところが、前回2014年と同じように見通しを誤ると仮定してみると、消費増税した場合には名目GDPは大きく低下するだろう。その場合、2020年度の名目GDPは570兆円弱にしかならず、政府目標600兆円にはとどかない。
一方、消費増税をスキップした場合にはどうなるのか。内閣府が試算する経済成長率が維持できれば、名目GDPは順調に増加して、2020年度には政府目標の600兆円に達する。それを示すのが下図である。
2015年10月からの8から10%への消費再増税については、やはり経済財政諮問会議の点検会合が2014年11月4日から18日まで開かれている。
ここで、注目すべきは、安倍首相はAPEC首脳会議、ASEAN関連首脳会議及びG20首脳会合出席のために、11月9から17日まで外遊していることだ。この外遊期間をつかって、海外から与党要人に個別に電話をかけて衆院解散を伝えたようだ。要するに、経済財政諮問会議の点検会合による10%への消費再増税ありきの議論を、まったく受け入れるつもりがなかったのだ。
そして、今回も内閣府・財務省主導による各種会議のことはそれほど信用しないだろう。今年1月に公表された内閣府の中期財政試算では、2017年4月からの8%から10%への消費再増税について、前と同じように「消費増税でも、景気は悪くならない」と試算している。
ところが、前回2014年と同じように見通しを誤ると仮定してみると、消費増税した場合には名目GDPは大きく低下するだろう。その場合、2020年度の名目GDPは570兆円弱にしかならず、政府目標600兆円にはとどかない。
一方、消費増税をスキップした場合にはどうなるのか。内閣府が試算する経済成長率が維持できれば、名目GDPは順調に増加して、2020年度には政府目標の600兆円に達する。それを示すのが下図である。
■消費増税スキップは当然
消費増税を行った場合のプライマリーバランスは、内閣府の中期試算より酷くなり、2020年度でもGDP比で11%程度である。一方、消費増税をスキップすれば、2020年度のプライマリーバランスはほぼゼロになる(下図)。
いずれにしても、この試算によって、安倍首相のいう「増税しても、景気が悪くなったら元も子もない」や菅官房長官の「税収が下がるくらいなら消費増税しない」は、かなりまっとうな話であることが確認できる。
伊勢志摩サミットにおいて、世界経済の安定・上昇ためには財政政策と金融政策の同時発動が必要、ということが議論されるはずだが、そうであれば、消費増税スキップは当然であろう。
財政政策としては、消費増税スキップだけではなく、財政出動もあると筆者は思っている。先週の本コラムでも言及した「財投債」は、プライマリーバランスを悪化させずに、今のマイナス金利環境を生かす政策でもある。さらに、本コラムでかねてより指摘してきた外為特会や労働保険特会の埋蔵金である。
埋蔵金や財投債を財源とすれば、30兆円程度の財政出動が可能である。埋蔵金は減税・給付金系の政策、財投債は公共事業系の政策とすれば、バランスのとれた財政出動が可能になる。マクロ経済の観点から、財政政策は有効需要を作るが、減税・給付金は短期的な有効需要を作りやすい。一方公共事業は、供給制約から短期的な有効需要を作りにくいが、長期的な計画で安定的に有効需要が作れる。
いずれにしても、30兆円程度の財源を、プライマリーバランスの悪化なしで用意できるのだから、これらを利用しない手はない。
消費増税スキップによって有効需要を減少させずに、埋蔵金・財投債による財政出動によって有効需要をかさ上げする財政政策をとれば、景気がよくなるのは明らかだろう。
しかも、これらの政策手段を可能にしているのが、アベノミクスの成果である。外為特会や労働保険特会の埋蔵金、財投債を可能にするマイナス金利環境はすべてアベノミクスの果実である。その果実をさらに政策に投入することによって、さらなる成長が可能となる。
5月26、27日伊勢志摩サミット、6月1日国会会期末という政治日程を考えると、次の戦略が浮き彫りになる。
まず、有識者会議で「世界経済の安定のためには緊縮財政からの脱却が必要」との方針を打ち出し、サミットで世界の首脳がその方針を確認し、そうした外交成果も踏まえて国会で報告し、国会会期末までに衆院解散だ。解散から40日以内に総選挙を行うという憲法54条があるので、7月10日が衆参ダブル選挙になる。
もちろん、解散総選挙は総理の専権事項なので、安倍首相以外は誰にもわからないが、多くの政治家は、ますますこのスケジュールを意識せざるを得ないだろう。ダブル選挙の争点は経済になるだろう。ダブル選挙には、消費増税スキップと埋蔵金・財投債による大型財政出動というダブルバズーカが発射されるのではないか。
〔付記〕本コラムをまとめた新著『数字・データ・統計的に正しい日本の針路』が発売された。過去の予測はそれほど外れていないと思う。これからの未来を見るために、参考にしていただければ幸いである。
高橋洋一
【私の論評】野党は腰砕けで全崩壊(゚д゚)!
上の記事の最後で高橋洋一氏が、推奨している書籍、私も購入して読み始めています。ちなみに、私自身はこのウェブサイト「現代ビジネス」のコラム「ニュースの深層」は毎回楽しみに読ませていただいていますので、特段目新しいことはないのですが、それでも一冊の書籍にまとまっているというが非常に良いです。
とにかく、図表が多く、高橋氏がこの書籍でご自身が語っておられるように、とにかく数値に基づいて物事を見るという姿勢が貫かれています。そうして、経済、そうして数値というと、マクロ経済学の小難しい数式などを思い浮かべがちですが、この書籍には、そのようなものはなく、中学校程度の学力があれば、誰にでも理解できるようなグラフや図表が満載です。
この、書籍を一度読まれれば、日本の経済の現状についてあまり知らない方でも、マクロ経済学など一度も学ばれたことのない方でも、今の日本の経済・金融のことが手に取るように理解できます。
ブログ冒頭の記事、そうしてこの書籍を読まれれば、高橋洋一氏の語っている「消費増税スキップと埋蔵金・財投債による大型財政出動というダブルバズーカの発射」は、おそらく実行に移されるであろうことを確信を持って理解できます。
実際、これを実行しなかった場合、安倍政権は長期政権にはなり得ないと思います。まずは、最近の中国経済の減速、アメリカの利上げ、過去に見ないほどの原油価格の下落、南シナ海、北朝鮮だけではなく、今や世界中に存在する地政学的リスクの顕在化しています。
そのため、株価が下がったり、円高傾向になっていて、そこに8%増税の悪影響がさらにじんわりと浸透すると、夏頃には顕在化します。平成13年4月より実施してきた、金融緩和による効果の成果であり、増税後もなお継続していた、雇用状況の改善が後退し始める可能性が大です。
参院選の頃には、株価が下がり、GDPの成長率も鈍化、さらなる円高に見まわれ、野党は実体経済を正しく分析することもなく、「それみたことかアベノミクスは頓挫した」と一斉に安倍内閣を糾弾することになります。
国民も経済が落ち込むと、安倍自民党への支持を撤回する人も多くなると考えられます。安倍自民党としては、全く何も良い材料がない中で、苦しい選挙戦を強いられることになります。
そうして、消費税増税10%をそのまま継続すれば、それこそ、日銀が白川体制だった頃に逆戻りになり、またデフレが再発して、その時の政権が誰のものであれ、以降短期政権が続くことになります。そうして、そのようなことを繰り返していれば、2009年に政権交代があって、自民党が下野したようなことの再現になるかもしれません。
私は、よもや安倍総理がそのような愚かなことはしないと思います。高橋洋一氏が指摘しているように、10%増税だけは踏みとどまるべきです。
10%増税スキップ、埋蔵金・財投債による大型財政出動というダブルバズーカの発射ということになれば、上の記事で高橋氏も指摘しているように、野党は腰砕け状態ですから、かなり楽にそうして、有利に選挙戦を戦えることになります。そうなると、安倍政権はおそらく長期政権となり、東京オリンピックの頃にも安倍政権が継続している可能性が高くなると思います。
上の記事の最後で高橋洋一氏が、推奨している書籍、私も購入して読み始めています。ちなみに、私自身はこのウェブサイト「現代ビジネス」のコラム「ニュースの深層」は毎回楽しみに読ませていただいていますので、特段目新しいことはないのですが、それでも一冊の書籍にまとまっているというが非常に良いです。
とにかく、図表が多く、高橋氏がこの書籍でご自身が語っておられるように、とにかく数値に基づいて物事を見るという姿勢が貫かれています。そうして、経済、そうして数値というと、マクロ経済学の小難しい数式などを思い浮かべがちですが、この書籍には、そのようなものはなく、中学校程度の学力があれば、誰にでも理解できるようなグラフや図表が満載です。
この、書籍を一度読まれれば、日本の経済の現状についてあまり知らない方でも、マクロ経済学など一度も学ばれたことのない方でも、今の日本の経済・金融のことが手に取るように理解できます。
ブログ冒頭の記事、そうしてこの書籍を読まれれば、高橋洋一氏の語っている「消費増税スキップと埋蔵金・財投債による大型財政出動というダブルバズーカの発射」は、おそらく実行に移されるであろうことを確信を持って理解できます。
消費増税スキップと埋蔵金・財投債による大型財政出動というダブルバズーカの発射 |
実際、これを実行しなかった場合、安倍政権は長期政権にはなり得ないと思います。まずは、最近の中国経済の減速、アメリカの利上げ、過去に見ないほどの原油価格の下落、南シナ海、北朝鮮だけではなく、今や世界中に存在する地政学的リスクの顕在化しています。
そのため、株価が下がったり、円高傾向になっていて、そこに8%増税の悪影響がさらにじんわりと浸透すると、夏頃には顕在化します。平成13年4月より実施してきた、金融緩和による効果の成果であり、増税後もなお継続していた、雇用状況の改善が後退し始める可能性が大です。
参院選の頃には、株価が下がり、GDPの成長率も鈍化、さらなる円高に見まわれ、野党は実体経済を正しく分析することもなく、「それみたことかアベノミクスは頓挫した」と一斉に安倍内閣を糾弾することになります。
国民も経済が落ち込むと、安倍自民党への支持を撤回する人も多くなると考えられます。安倍自民党としては、全く何も良い材料がない中で、苦しい選挙戦を強いられることになります。
そうして、消費税増税10%をそのまま継続すれば、それこそ、日銀が白川体制だった頃に逆戻りになり、またデフレが再発して、その時の政権が誰のものであれ、以降短期政権が続くことになります。そうして、そのようなことを繰り返していれば、2009年に政権交代があって、自民党が下野したようなことの再現になるかもしれません。
消費税増税10%を実施すれば、日本はまた 白川日銀体制のときのようにデフレに! |
私は、よもや安倍総理がそのような愚かなことはしないと思います。高橋洋一氏が指摘しているように、10%増税だけは踏みとどまるべきです。
10%増税スキップ、埋蔵金・財投債による大型財政出動というダブルバズーカの発射ということになれば、上の記事で高橋氏も指摘しているように、野党は腰砕け状態ですから、かなり楽にそうして、有利に選挙戦を戦えることになります。そうなると、安倍政権はおそらく長期政権となり、東京オリンピックの頃にも安倍政権が継続している可能性が高くなると思います。
野党の腰砕け状態は、まさに安倍政権にとって追い風です。上の記事では、民主党などの腰砕けを掲載していましたが、他党の腰砕けぶりも酷いものです。
昨年11月7日のテレビ番組で、「北朝鮮、中国にリアルの危険があるのではなく、実際の危険は中東・アフリカにまで自衛隊が出て行き一緒に戦争をやることだ」と堂々と言っていた共産党委員長の志位和夫は、今年の年頭の北朝鮮“自称”水爆実験を受け、「地域と世界の平和と安定に対する極めて重大な逆行だ。暴挙であり、厳しく糾弾する」との談話を出していました。
志位は、過去に支那や北朝鮮が脅威ではないと言っていながら、北朝鮮の“自称”水爆実験を批判して見せまたが北朝鮮はこれまでにも複数回核実験を行っていました。にもかかわらず、危機はないと言い放った昨年11月7日の発言に関して、志位は未だに説明責任を果たしていませんし、果たすつもりもないようです。
それに、共産党は、国会開会式への出席等安易な路線変更などもしました。良い、悪いは別にして、一貫性を売りにしてきた、共産党なのに、なぜこのようなことをしたのか理解に苦しみます。
社民党の福島みずほは、『福島みずほのどきどき日記』というブログで「日本国憲法殺人事件を許すな」(http://mizuhofukushima.blog83.fc2.com/blog-entry-2909.html)と題し、「安倍総理が日本国憲法を殺そうとしている」と主張していましたが、憲法は人ではないですから、殺人ということばが成立するはずもなく、言うならば「憲法の破壊」とでも言えばいいものを、わざわざ「殺人」という言葉遣いをして、政権批判をしたつもりなのでしょう。しかし、日本語くらい正しく遣ってていただきたいものです。
1月4日から衆議院予算委員会が始まり、民主党の幹事長枝野氏を筆頭に四人が質問にたっちました。しかしながら、内容は散々でした。
枝野氏は質疑中、「民主党政権下での実質GDPの伸び率が5.7%で、安倍政権の2.4%の2倍だ」と自賛していました。しかし、これはリーマンショック以前の時点での成果が影響しているだけで、リーマンショック以降は大幅マイナスになっています。それを、安倍政権になって+5.6%、+3.2%分とV字回復させたことには触れていませんでした。
山井和則氏の質問は、安倍総理にワタミの前経営者を参議院議員に立候補させたことへの謝罪を遺族に求めました。企業と個人間の問題と、自民党総裁の候補者の任命権の問題を同一に論じ、「安倍総理は悪人だ」と感情論で印象付けたかったのあろうが、こじつけにあきれるばかりです。
また、当時の数日間の株価下落を取り上げ、「過去最大の下げ幅で年金運用損は4兆円に上る」と指摘して総理にその答弁を求めたり、「年金運用にギリシャ国債を買っている」などと糾弾していましたが、ギリシャ国債を買っている事実はなく、理論的な整合性の全く無い、思い込みや改竄されたデーターでの質問姿勢は民主党の浅薄な見識を疑わざるを得ない。
年初からして、この調子で、馬鹿げたこれからも、国会質疑が繰り返されるのかと思うとげんなりしたものです。そうして、これは、その後も変わらず、現在も似たような状況というか、ますます酷くなっています。
そのせいでしょうか、甘利大臣の辞任後であるにもかかわらず、世論調査では、安倍自民党の支持率が上がるという、野党にとっては不甲斐ない結果となっています。
このような野党の動向を見る限り、高橋洋一氏が主張するような、経済の問題を抜きにしたとしても、参議院選挙の結果は与党の圧勝になるのではないかと思われます。
民主党参議院議員は現有五十九議席、今回の改選議員数はそのうち四十二名となっていますが、ほとんどが落選するとの予想もあり、民主党は歴史的大敗を期し、旧社会党と同じ道を歩むのは確実な情勢です。
それに、旧社会党と同じように、民主党の名称はこの世から消えることは、民主・維新の合同ですでに決まっています。この新党も、維新はもともと民主から分離した議員も多いことから、新党となっても、惨敗するのは目に見えています。
社民党は、間違いなく絶滅危惧種です。現有国会議員はわずか五名。衆議院に二席を得ていますが、残り三名の参議院議員のうち、福島瑞穂と吉田忠智現代表は今回の改選組です。前回の参院選での比例得票率は2.36%、衆院選の比例得票率は2.46%と、安定した低空飛行を続けています。55年体制以降、最大野党を誇った旧社会党の面影は最早微塵もありません。
選挙結果は蓋を開けてみるまでわからないですが、野党惨敗が予想されるなか安倍総理が参議院選挙に合わせて衆議院を解散しダブル選挙に打って出る可能性はかなり高まっていると思います。
争点は「消費増税の是非」「憲法改正の是非」などが考えられますが、何れにせよ自民党の圧勝でしょう。
そうして、このような事態を招いてしまったのは、高橋洋一氏が語るように、経済、特に金融政策に対する無理解であることもいうまでもありませんが、もっと根源的な理由は、野党には我が国をどのような国にしたいのか、というビジョンもないまま、ただただ与党自民党に対峙し、自民党を自分たちのところまで、引きずり下ろしてやろうというだけで、汲々とし、政策論争も何もしないという実体が多くの国民に見透かされたのだと思います。
志位は、過去に支那や北朝鮮が脅威ではないと言っていながら、北朝鮮の“自称”水爆実験を批判して見せまたが北朝鮮はこれまでにも複数回核実験を行っていました。にもかかわらず、危機はないと言い放った昨年11月7日の発言に関して、志位は未だに説明責任を果たしていませんし、果たすつもりもないようです。
それに、共産党は、国会開会式への出席等安易な路線変更などもしました。良い、悪いは別にして、一貫性を売りにしてきた、共産党なのに、なぜこのようなことをしたのか理解に苦しみます。
社民党の福島みずほは、『福島みずほのどきどき日記』というブログで「日本国憲法殺人事件を許すな」(http://mizuhofukushima.blog83.fc2.com/blog-entry-2909.html)と題し、「安倍総理が日本国憲法を殺そうとしている」と主張していましたが、憲法は人ではないですから、殺人ということばが成立するはずもなく、言うならば「憲法の破壊」とでも言えばいいものを、わざわざ「殺人」という言葉遣いをして、政権批判をしたつもりなのでしょう。しかし、日本語くらい正しく遣ってていただきたいものです。
1月4日から衆議院予算委員会が始まり、民主党の幹事長枝野氏を筆頭に四人が質問にたっちました。しかしながら、内容は散々でした。
枝野氏は質疑中、「民主党政権下での実質GDPの伸び率が5.7%で、安倍政権の2.4%の2倍だ」と自賛していました。しかし、これはリーマンショック以前の時点での成果が影響しているだけで、リーマンショック以降は大幅マイナスになっています。それを、安倍政権になって+5.6%、+3.2%分とV字回復させたことには触れていませんでした。
山井和則氏の質問は、安倍総理にワタミの前経営者を参議院議員に立候補させたことへの謝罪を遺族に求めました。企業と個人間の問題と、自民党総裁の候補者の任命権の問題を同一に論じ、「安倍総理は悪人だ」と感情論で印象付けたかったのあろうが、こじつけにあきれるばかりです。
また、当時の数日間の株価下落を取り上げ、「過去最大の下げ幅で年金運用損は4兆円に上る」と指摘して総理にその答弁を求めたり、「年金運用にギリシャ国債を買っている」などと糾弾していましたが、ギリシャ国債を買っている事実はなく、理論的な整合性の全く無い、思い込みや改竄されたデーターでの質問姿勢は民主党の浅薄な見識を疑わざるを得ない。
年初からして、この調子で、馬鹿げたこれからも、国会質疑が繰り返されるのかと思うとげんなりしたものです。そうして、これは、その後も変わらず、現在も似たような状況というか、ますます酷くなっています。
そのせいでしょうか、甘利大臣の辞任後であるにもかかわらず、世論調査では、安倍自民党の支持率が上がるという、野党にとっては不甲斐ない結果となっています。
このような野党の動向を見る限り、高橋洋一氏が主張するような、経済の問題を抜きにしたとしても、参議院選挙の結果は与党の圧勝になるのではないかと思われます。
民主党参議院議員は現有五十九議席、今回の改選議員数はそのうち四十二名となっていますが、ほとんどが落選するとの予想もあり、民主党は歴史的大敗を期し、旧社会党と同じ道を歩むのは確実な情勢です。
それに、旧社会党と同じように、民主党の名称はこの世から消えることは、民主・維新の合同ですでに決まっています。この新党も、維新はもともと民主から分離した議員も多いことから、新党となっても、惨敗するのは目に見えています。
民主・維新は、両党の合流に向けて新しい党名を国民から募集することを決めた。 |
選挙結果は蓋を開けてみるまでわからないですが、野党惨敗が予想されるなか安倍総理が参議院選挙に合わせて衆議院を解散しダブル選挙に打って出る可能性はかなり高まっていると思います。
争点は「消費増税の是非」「憲法改正の是非」などが考えられますが、何れにせよ自民党の圧勝でしょう。
そうして、このような事態を招いてしまったのは、高橋洋一氏が語るように、経済、特に金融政策に対する無理解であることもいうまでもありませんが、もっと根源的な理由は、野党には我が国をどのような国にしたいのか、というビジョンもないまま、ただただ与党自民党に対峙し、自民党を自分たちのところまで、引きずり下ろしてやろうというだけで、汲々とし、政策論争も何もしないという実体が多くの国民に見透かされたのだと思います。
夏には、安倍総理は衆参両院同時選挙に踏切、それに先立って、ダブルバズーカを発射し、日本経済の将来を確かなものにし、腰砕け野党を粉々に粉砕してほしいものです。そうして、その後は、既存の野党が十分に反省するか、それができないというのなら、新たに政策論議の出来る健全な野党の台頭に期待をしたものです。
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