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2012年4月27日金曜日

メッツコーラが発売2日で年間目標の5割突破―【私の論評】これは、前から予想されていたことだが、立派な社会変革だ!!日本の技術力の素晴らしさだ!!

メッツコーラが発売2日で年間目標の5割突破


 キリンビバレッジは、特定保健用食品史上初のコーラ「キリン メッツ コーラ」が発売後わずか2日で年間販売目標の5割を突破した、と発表した。



 同社によると、メッツコーラは24日から全国発売。2日で年間販売目標である100万ケースの5割を突破したという。



 メッツコーラは、難消化性デキストリンを配合し、食事の際に脂肪の吸収を抑える、特定保健用食品史上初のコーラ系飲料。糖類はゼロ。健康意識の高い大人層、コーラユーザーのニーズに応える商品と見込んでいる。

【私の論評】これは、前から予想されていたことだが、立派な社会変革だ!!日本の技術力の素晴らしさだ!!

さて、上の記事、脂肪の吸収を抑えるという特保のコーラの史上初ということで、かなりの売れ行きを見せています。しかし、特保というだけで、これだけ売れるとは思われません。そこで、本日は、その背景など探っていきたいと思います。そうして、本日は、コーラのCMの画像を掲載しつつ、掲載させていただきます。ただし、ほとんどがコカ・コーラです。


まずは、なぜこのようなコーラがでてきたのかを知るためには、2004年に放映された「Super Size Me」という映画を忘れるわけにはいきません。これは、当時、あのマクドナルドの食事を日々三食とも、30日間食べ続けるとどうなるのかということに、興味を持った、監督兼被験者:モーガン・スパーロックが、その疑問を疑問ではなく、実際に実行し、実行しただけではなく、その一部始終を記録映画にしてしまったという驚天動地のものです。


記録映画スーパーサイズミーのポスター
■スーパーサイズミーは、驚天動地の映画だった!
さて、私は、このDVDを持っているので、何回か見たことがありますが、まあ、2~3回もみれば、もううんざりというすごい内容でした。YouTubeをみたら、この動画が投稿されていたので、まだご覧になっていないかたは、是非ご覧になってください。上にその動画part1だけ掲載しておきました。続きは、自分で探してご覧になってください。


さて、この映画は、マックを食べ続けて健康を害したという人が、マックを訴訟して勝訴したという事実から、モーガン・スパーロックが興味を持ったことが発端です。それ以前からいわれていたのですが、この映画ができるにおよび、マックが体に悪いという認識がかなり多くの人に広まりました。


そのため、マックもいろいろい対策を打ちました。たとえば、マックを食べたからといって、すぐに体を悪くするということはないが、毎日食べるのではなく、きちんと、日々野菜などを取りなさいというキャンペーンを張っていました。また、マックには、今も、そうして、当時も、コカコーラがありました。ハンバーガーに、コークはつきものということです。そうして、この映画が放映されてから、数ヶ月して、マックは、それまで、日本のコーラのLLサイズよりもはるかに大きな、「スーパーサイズ」というサイズを中止しました。このサイズ、とても大きく、それこそ、バケツのようでした。


このバケツサイズのコーラについて、一ヶ月日々三回飲み続けると、とんでもない砂糖分になることが、この映画の中でも、紹介されていました。そりや、そうです。なにせ、バケツサイズですもの!!


そうして、これらが、きっかけとして、ハンバーガーや、コーラなどかなり体に悪いという認識をかなり多くの人が持つようになりました。当然、売れ行きも落ちました。


■日本でも、コーラーに対する体に悪いという認識は高まった
日本でも、この認識はありましたが、そもそも、スーパーサイズのコーラなど、日本ではもともと、販売されてることはなく、さほどでもなかっのですが、やはり、その後しばらくして、真夏の暑い時期に、甘味清涼飲料水を多量に飲むと、体に良くないことが認識されるようになりました。


清涼飲料水によく使われている果糖ブドウ糖液糖は、とうもろこしなどのでんぷんから作られた液状の糖分です。これは砂糖に比べると、ひじょうに純度の高い糖分で、体内での吸収がとても早いため、摂り過ぎると体にとってさまざまな影響を及ぼします。


吸収の早い糖分をたくさん摂ると急に血糖値が上がります。体は血糖値を下げようと、膵臓から大量のインスリンを分泌します。すると急激に糖分が吸収されたことでインスリンが出過ぎてしまい、今度は血糖値が下がって低血糖症になってしまうのです。


こうなると脳のエネルギーが不足し、イライラしたり、食欲がなくなったり、体がだるくなったりします。さらに低血糖症になると体は糖分を求め、もっと甘いものをほしくなるという悪循環に陥ります。甘い飲み物を飲むとさらにのどが乾くようになるのはそのためです。


一方、体は低血糖では困るので、血糖値を上げるために、アドレナリンというホルモンを分泌します。アドレナリンは攻撃ホルモンといわれ、たくさん分泌されると落ち着きがなくなったり、カッとなりやすくなります。そのため、寝る前に飲むと寝付きにくくなりやすく、不眠の原因にもなります。


こんな認識が日本でも、多くの人々にかなり広まったため、当然日本でも、甘味清涼飲料水全般、その中でも特にコーラ類の売れ行きは、落ちました。


このままにしておけば、コーラ類が売れません。それまでも、ダイエット・コークなどがありましたが、これは、女性に主に飲まれていたもので、男性向けの製品を開発する必要性がでてきたわけです。


そうして、その開発が行われ、アメリカでは、ペプシのネックス、コカコーラのゼロが開発され、2005年に発売されました。


■味が決め手
日本では、2007年に発売され大人気となりました。ネックスにいたっては、日本市場での売上げはペプシコーラそのものを上回るほどの人気でした。さて、その背景にはどのうようなものがあったかといえば、やはり、味でした。





コーラは、この以前からダイエットコーク、ダイエットペプシと、ダイエット系飲料は存在しました。しかし、これら商品はある一定の人気はあるものの、当時大人気となった、ネックスやゼロのような大人気にはなっていませんでした。では、何がこのブレークにつながったかといえば、味です。甘味料の味が当時かなり向上していたことが、まずは、決め手のようです。アメリカで、いわゆる、昔からあるコカコーラ、いまでいうところの、コカコーラ・クラシックを廃止すると発表したところ、全米で大反対運動をがおこったそうです。やはり、長年飲みなれた、味を失うことによる反発でした。しかし、ネックスやゼロでは、新しい甘味料により、味が元のものに近いにもかかわらず、糖質ゼロにすることに成功したのです。


■メタボはブームから定着へ
コーラのみならず、ダイエット系飲料、食品は以前より数多く存在していましたが、先の記録映画などの、影響があり、メタボへの関心が定着し、健康を気にする人が増えたことにより、再度ダイエット系飲料、食品への注目が高まったという構図がありました。ダイエットブームは定期的に繰り返されるものですが、当時は女性のみならず、特に男性の注意も喚起された点がそれまでのダイエットブームと異なりました。こうしたことから、ダイエット飲料、食品のターゲット顧客は拡大していたのです。


■マーケティングの上手さ
その点、当時のネックス、ゼロともに、商品のイメージカラーは黒。男性っぽいイメージを打ち出していました。実際、商品のターゲット顧客としては男性を想定しているということで、この点が既存のダイエット系飲料、食品と大きく異なりました。


また、既存のダイエットコーラをリニューアルする形にしなかったのは、既存のダイエットコーラには一定のファンがついていたのであり、それを離反させないためでした。確かにそれまでのダイエットコーラが女性の間で人気であったのであれば、当時は商品を男性向けにすることにより、商品間での顧客の食い合いも起こさず、市場の拡大につながりました。しかも、今回のカロリーゼロコーラは、男性だけでなく、結果としては女性をも取り込めていたこともあり、メーカーにとってはうれしい誤算だったようです。



■メタボ疲れの反動も
ペプシのネックスの日本での売上げは、本家のペプシコーラをも上回る勢いということで、健康志向が高まるコーラ市場にとっては大きな朗報でした。ただ、そもそも健康志向であれば、カロリーゼロでもコーラは避けて水やお茶にすべきではないか?とも思かたところですが、たまにはスカッと爽やかな飲料も飲みたいというのが人間の欲望ということでしょう。また、メタボ疲れを起こしていることも背景にありました。




それは、アメリカでも同様な傾向がありましたが、日本でも、マクドナルドが当時発売したどでかいバーガー「メガマック」が大ヒットとなったことや、アメリカからやってきたドーナツが大人気という現象からも見て取れましたが、やはりファストフードや間食系の飲食物は潜在的な人気があったということです。いくらメタボに注意と分かっていてもやめられなかったわけです。そんな中登場したネックスとゼロ。見事にそれらのニーズを汲み取っていました。実際、ネックスは日本で開発、発売された商品ということですので、より当時の日本に合った商品を投入できたことが成功の理由だったのだのです。。

■高機能化ペットフードが増加
さて、当時ダイエット飲料、食品はその後も広がることが予想されていましたが、一方で、ペットフードではもう一歩先を行った食品の高機能化がすでに進んでいました。それは、ペットフードの中で、オリゴ糖やビタミンを含むものや関節痛にきく成分の入ったものなど、高齢化したペットに対応したものが多数登場してきていたのです。


その当時から、ペットブームという言葉を聞くようになってから久しかったのですが、犬の平均寿命を考えると確かに高齢化した犬が増えていたという頃でした。


■人間の食事の将来も…
しかし、高齢化社会の本格的到来が目前となってきた当時の日本においては、このペットフードで起きている高機能化の流れが人間の食事にも登場するのではないかと予想されていました。当時はダイエットで盛り上がっていましたが、コーラの中にさまざまな栄養素が投入されて…なんて日が来るとも予想されていました。実際コーラ以外の飲料では、こうしたことが早くから実現されていました。それは、たとえば、サントリーの特保の黒烏龍茶です。これに関しては、あの中国人と思しき人たちが、脂っこい食べ物を食べるーシーンで、「黒、黒!!」と叫びながら、黒烏龍茶を飲むCMで記憶されている方も多いのではないかと思います。


そうして、その当時でも、味の素のアミノ酸、ヤクルトやカルピスの乳酸菌など、食品業界では成分の機能に対する着目が再度高まっていました。デフレ環境下では、価格のみに注目された飲料、食品業界でしたが、次はダイエット、その次は機能性が各社の業績を引っ張っていくと予想されていましたし、実際そのとおりに推移してきました。



このように、コーラそのものに、機能性を持たせるという考えは、結構前からあったのです。それは、時間の問題ともいわれていました。これを世界最初に実現したのが、なんと、キリンベバレッジのキリンメッツコーラだったということです。


■社会を変革する大イノベーションか
新たなコーラのパッケージも、黒色で、やはり、男性をターゲットとしたものなのでしょう。しかし、この開発、2007年頃からこうしたニーズがあってから、今年初めて世にでたということです。しかも、日本から出たということです。やはり、日本の技術力は、すごいですね。おそらく、これには、世界中の飲料大手メーカーがしのぎを削っていたと思います。


これも、確かに社会を変えています。いままでのコーラだと、糖分が多いか、糖分をカットしただけでした。今度の新しいコーラは、それは当たり前のことで、脂肪吸収を遅らせるという確かな効能があるというわけです。とにかく、こうした成分を入れても、味を変えないということが難しかったのではないかと思います。


しかし、世間では、iPhoneや、iPadなどばかりが、イノベーションと考える人も多いですが、これも、人の健康に直接かかわる大イノベーションだと思います。だからこそ、多くの人々が、その価値を認め、上の記事で紹介したような、信じられないような、販売数量を記録することができたのだと思います。さて、世界に先んじて、このようなコーラを販売したキリン・ベバリッジですが、うちの会社の取引先でもあります。今後、どのような製品を開発するのか、目が離せないところです。


それから、先は越されましたが、コカコーラや、ペプシ、サントリーだって、開発すると思います。今後、機能性をめぐって、さまざまな会社、さまざまな開発を行い、さまざまな製品を提供していくと思います。これも、見逃せません。今後、この方面で、また、新たな動きがあれば、このブログでも、とりあげるものとします。よろしくお願いします。



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