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2012年5月19日土曜日

女性による女性のための“チーズとよく合う日本酒”―【私の論評】本命は、女子会ではなくて、若い男性か?

女性による女性のための“チーズとよく合う日本酒”


そんなに詳しいわけではないのだけど、ワインにはチョコや生ハムが合う気がするし、焼酎には肉料理や炒め物が合う気がする。あくまで、個人的な意見ですよ?

そして日本酒には……。やっぱり梅干しとか和食なんじゃないかと思っていたが、どうやらこんな日本酒もあるようだ。兵庫県の「小西酒造」が開発したのは、その名も『チーズとよく合うお酒』。
狙いとコンセプトがそのまま商品名に反映されたこのお酒は、同社の女性スタッフのみで製作されたそうだ。

「当社内には、女性スタッフのみで構成された『酒ガール☆PJ(シュガールプロジェクト)』なるプロジェクトがあります。彼女らがマーケティング部の女性をはじめ、社内の女性の意見を聞きながら開発を担当いたしました」(同社・担当者)

酒ガール☆PJのfacebookカバー写真
「社内での聞き込みの結果、女性向けのお酒はどうも甘過ぎたり、本当に女性が手に取りたいものと違うのではないかという疑問が露わとなりました。このような状況から『自分達が手に取りたいものを開発したい!』と考えるようになったんです」(担当者)




では、何がどうなって「チーズとよく合う」なのか?
「日本酒とチーズは共に発酵食品であり、元から味の相乗効果を生み出す組み合わせではありました。当社独自の工夫としましては、2種類のこうじを組み合わせて酸味に特徴を出し、日本酒に含まれるアミノ酸の生成を抑えたことで、“チーズに合う飲み口の良さ”や“喉越しのさわやかさ”、“キレのある甘い味わい”を生み出すことに成功しております」(担当者)

なるほど。そしてもう一つ、肝心なことを聞きたい。結局、この『チーズとよく合うお酒』はどんな味がするのだろう?

「キレのある甘口です。白ワインは酸味が始めに広がりますが、このお酒は甘味が口に広がり、最後に酸味がきりりと引き締めます。その酸味もクエン酸が多く、爽やかな酸味です(グレープフルーツなど柑橘系の酸味)」(担当者)



こうして、「チーズとよく合う」は形となった。また、チーズ以外にもサーモンマリネなどのフレンチイタリアンや生姜醤油、わさびを効かせた和食とも相性が良いそうだ。

そんな、この『チーズとよく合うお酒』が発売されたのは2月24日。発売から約3カ月となっているが、その人気ぶりは予想をはるかに上回っている。



「最初は『1ヶ月で1000本ぐらい売れれば……』と3500本を製造したのですが、反響は予想以上でした。現在は仕込みを3倍に増やし対応しておりますが、まだ品薄の状態です』(担当者)
そしてやはり、女性を中心に人気を博しているとのこと。具体的には「飲みやすい」、「チーズと合わせると味が変わる」、「これ日本酒? ワインみたい!」といった声が寄せられている模様。

現在は同社が運営する「長寿蔵オンラインショップ」等で、この『チーズとよく合うお酒』は販売されている。価格は、税込み498円(ワンコイン!)。



確かに「チーズを摘まみながらお酒をグイッとやって、DVDを観ながら眠りにつく」というシチュエーションは至福である。それも、日本酒で。

女性じゃないけど、私も個人的に入手していいですか?

この記事の詳細はこちから!!

【私の論評】本命は、女子会ではなくて、若い男性か?

清酒そのものの売り上げは、どう推移してきたかというと、売上数量では、以下の画像の通りです。昭和中期(30年代)が一番売れていて、そのご若干の上下はあるもののどんどん下がっています。昭和20年代に戻っています。


では、他の種類の売上数量は、どうかといえば、まずはワインは以下のようになります。2010年には、日本初のソムリエも登場したためか、ワインブームがおこっています。ワインブームが去ってから、数量は、減っていますが、それでもある程度は、従来よりは、維持しています。


では、ビールの売上数量はどうかといえば、以下のようになっています。ビールは、平成6年を頂点にどんどん減っています。


他のウィスキーなどの酒類もありますが、それも加えた、酒類全部の売上数量はどのような推移をたどっているかといえば、以下のようになっています。


酒類全体でも、平成11年あたりをピークとして下がっていることがわかります。

このような、酒類の売れ行きをみると、何か変化を起こさなければ、酒造メーカとして、先行き不安ということで、最近いろいろな製品が開発されているのだと思います。特に、清酒は落ち込みが激しく、売れる清酒をつくりだすことは、酒造メーカーの至上命題なのだと思います。

その、一環として、上の記事の商品も開発されたのだと思います。ただし、上の記事をみていて、非常に気になったことがあります。それは、開発担当者による「最初は『1ヶ月で1000本ぐらい売れれば……』と3500本を製造したのですが、反響は予想以上でした。現在は仕込みを3倍に増やし対応しておりますが、まだ品薄の状態です」という言葉です。


3倍に増やしたとはいっても、約1万本程度に過ぎません。ということは、年間でも、12万本強くらいということです。これって、何か、普通の新製品の売れるものという感じてはないでしょうか。私自身は、酒類に関しては詳しくはないですが、たとえば、このブログにも掲載した、キリンメッツなどと比較はできないのかもしれませんが、それにしても、多少売れ行きが良いという程度で、ヒットとまではいえないのではないかと思います。このあたりの事情に詳しいかたがいらっしゃれば、是非コメントをお寄せください。

そういわれてみれば、清酒に関しては、ここ最近、いわゆる女性向けが開発されているという話は、良く聴きます。というより、開発といえば、女性向けばかりが目立ちます。そうして、そうした製品は、売れるには売れていますが、いわゆるヒット商品とまで言われるようなものは聴いたことがありません。

女性向けということでは、最近では、菊水酒造のスパークリング清酒「きららきくすい」が記憶に新しいです。


この開発に関しては、菊水酒造のブログに以下のような内容が記載されていました。
日本酒の海外輸出が年々増加傾向にある中で、「スパークリング清酒 きららきくすい」は、当社が今後海外に向けて販路を拡大するための戦略商品として開発したものです。 
当社では昨年来、外国人によるモニター座談会などを実施し、日本酒についての感想や意見を求めてきました。 
その中で「味が強すぎる」「単調な味」「刺激が少ない」などの否定的な意見が集まり、既存の当社の日本酒をそのまま輸出しても受け入れられにくいと判断。
風味やまろやかさなど日本酒の良さは残しつつ、欧米人の嗜好に合う味を求めて、アメリカ人女性社員を中心として、新しい発想の日本酒の開発に取り組むことになりました。

企画・開発チームが今年2月から5ヶ月以上にわたって試作・試飲を繰り返し、ベースとなる日本酒に欧米人が好む炭酸を注入することで、さっぱりとした口当たりと爽やかな甘さをほのかに感じるお酒が完成しました。 
はじける泡の中にもしっかりと日本酒の味と香りを残した、シャンパンのような発泡清酒です。キラキラ輝く金箔を入れることで、豪華さを演出しています。

清酒、梅酒共に金箔入りです。 梅酒はコラーゲンも入ってます! 上記商品は、菊水ショップ(http://kikusuishop.jp/)でも発売中。ぜひ、お試しください☆

上の記事で、アメリカ人女性とはデーナ・ベルテさん(アメリカ・マサチューセッツ州出身)のことです。彼女は大学時代に日本に留学し、卒業後は青森県つがる市役所に国際交流員として勤務。青森で日本酒の魅力を知り、日本で酒造りの仕事がしたいと2010年8月同社に入社しました。

さて、他にも女性向けの製品の開発は良く聴きます。しかし、これは、私の勉強不足のせいでしょうか、特に男性向けそれも、若い男性向けのものの開発という話は聴いたことがありません。


これは、清酒は、もともとは、男が飲むもの、その中でも、若い男性がたくさん飲むものという固定観念があるのかもしれません。その当の若い男性が飲まなくなっているのだから、もともと、あまり清酒を飲まない女性向けを開発するというのは、成り行き上そうするのは、良く理解できます。

しかし、これだけ、女性向け開発が話題になるなか、若い男性向けの、製品開発など聴いたことがありません。

そうして、これは、お酒ではないのですが、飲料で、気になる製品があります。若い男性向けに開発された、エナジー系飲料の、バーンやレッドブルです。


これらは、発売直後どちらも、予定の倍以上の売上でその後順調に推移しています。これらについては、他のサイトでも詳しく解説されていますので、詳細をお知りになりたいかたは、そちらをあたってください。それから、きわめつけは、あのメッツコーラです。これも、もともと、は男性向けです。これらについては、このブログにも掲載したことがあります。これは、発売後わずか2日で年間販売目標の5割を突破したこれら、若い男性向けの飲料が売れていることを考えると、アルコール飲料だって、開発してみれば、かなり売れることも考えられると思います。



このコーラが売れた背景は、やはり、コーラでハンバーガーなどの高カロリーな食べ物を食べたいという欲求があったのでしょうが、カロリーゼロの製品は、あったものの、それ以外は存在しなかったところに、男性向けに、脂肪吸収を抑える特保製品として、開発して販売したら、とてつもないヒットになったというものです。

こんなことを考えると、清酒を飲まなくなった人で、最も多いタイプは人数でいえば、若い男性も女性と変わらないくらいどころか、潜在的には、飲んでもおかしくない人が女性よりもかなり多くいるということだと思います。であれば、男性向けに何か新しい製品を開発すれば、かなりヒットになる可能性もあるのではないかと思います。


メッツコーラは、男性向けに開発しましたが、実際には、女性もかなりの割合で購入しており、こうしたことからも、ヒット商品となりました。日本酒だって、そのような製品を開発すれば、女性も取り込み、ヒット商品になる可能性もあると思います。

上の記事の、以下のような執筆者の感想は、その可能性を示唆しているように思えてなりません。
確かに「チーズを摘まみながらお酒をグイッとやって、DVDを観ながら眠りにつく」というシチュエーションは至福である。それも、日本酒で。
女性じゃないけど、私も個人的に入手していいですか?

皆さんは、どう思われますか?
パッケージをみると、黒が基調で、これなら、そのまま男性向けとしても売れるような気がします。コンセプト的には、このままとして、ただし、男性向けとして、味など一工夫すれば、もっとヒットしたかもしれません。とにかく、チーズと合うという機能性を持たせたのですから、メッツコーラが、機能性を持たせたということにも相通じるところがあります。チーズにもいろいろありますが、無論、ナチュラルチーズで、男性好みのものとあわせると良いかもしれません。

チーズとワインのマリアージュに関しては、このブログにも掲載したことがあります。マリアージュとはフランス語で、結婚の意味です。ワインとチーズは、両方とも、発酵食品なので、昔から相性が良いという意味でつかわれている言葉です。これらを一緒にいただくと、本当にワインの味がまろやかで、フルーティーになります。これを音楽でも聴きながらいただくのは、本当に私にとって至福のひと時です。私ももし、このマリアージュを日本酒でも味わえるなら、是非いただいてみたいものです。

本格的ヒットを狙うなら、本命は、女子会で飲まれるようなお酒でははなくて、外でも、内でも、普段飲まれる、若い男性向けなのかもしれません。皆さんは、どう思われますか?



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2012年4月27日金曜日

メッツコーラが発売2日で年間目標の5割突破―【私の論評】これは、前から予想されていたことだが、立派な社会変革だ!!日本の技術力の素晴らしさだ!!

メッツコーラが発売2日で年間目標の5割突破


 キリンビバレッジは、特定保健用食品史上初のコーラ「キリン メッツ コーラ」が発売後わずか2日で年間販売目標の5割を突破した、と発表した。



 同社によると、メッツコーラは24日から全国発売。2日で年間販売目標である100万ケースの5割を突破したという。



 メッツコーラは、難消化性デキストリンを配合し、食事の際に脂肪の吸収を抑える、特定保健用食品史上初のコーラ系飲料。糖類はゼロ。健康意識の高い大人層、コーラユーザーのニーズに応える商品と見込んでいる。

【私の論評】これは、前から予想されていたことだが、立派な社会変革だ!!日本の技術力の素晴らしさだ!!

さて、上の記事、脂肪の吸収を抑えるという特保のコーラの史上初ということで、かなりの売れ行きを見せています。しかし、特保というだけで、これだけ売れるとは思われません。そこで、本日は、その背景など探っていきたいと思います。そうして、本日は、コーラのCMの画像を掲載しつつ、掲載させていただきます。ただし、ほとんどがコカ・コーラです。


まずは、なぜこのようなコーラがでてきたのかを知るためには、2004年に放映された「Super Size Me」という映画を忘れるわけにはいきません。これは、当時、あのマクドナルドの食事を日々三食とも、30日間食べ続けるとどうなるのかということに、興味を持った、監督兼被験者:モーガン・スパーロックが、その疑問を疑問ではなく、実際に実行し、実行しただけではなく、その一部始終を記録映画にしてしまったという驚天動地のものです。


記録映画スーパーサイズミーのポスター
■スーパーサイズミーは、驚天動地の映画だった!
さて、私は、このDVDを持っているので、何回か見たことがありますが、まあ、2~3回もみれば、もううんざりというすごい内容でした。YouTubeをみたら、この動画が投稿されていたので、まだご覧になっていないかたは、是非ご覧になってください。上にその動画part1だけ掲載しておきました。続きは、自分で探してご覧になってください。


さて、この映画は、マックを食べ続けて健康を害したという人が、マックを訴訟して勝訴したという事実から、モーガン・スパーロックが興味を持ったことが発端です。それ以前からいわれていたのですが、この映画ができるにおよび、マックが体に悪いという認識がかなり多くの人に広まりました。


そのため、マックもいろいろい対策を打ちました。たとえば、マックを食べたからといって、すぐに体を悪くするということはないが、毎日食べるのではなく、きちんと、日々野菜などを取りなさいというキャンペーンを張っていました。また、マックには、今も、そうして、当時も、コカコーラがありました。ハンバーガーに、コークはつきものということです。そうして、この映画が放映されてから、数ヶ月して、マックは、それまで、日本のコーラのLLサイズよりもはるかに大きな、「スーパーサイズ」というサイズを中止しました。このサイズ、とても大きく、それこそ、バケツのようでした。


このバケツサイズのコーラについて、一ヶ月日々三回飲み続けると、とんでもない砂糖分になることが、この映画の中でも、紹介されていました。そりや、そうです。なにせ、バケツサイズですもの!!


そうして、これらが、きっかけとして、ハンバーガーや、コーラなどかなり体に悪いという認識をかなり多くの人が持つようになりました。当然、売れ行きも落ちました。


■日本でも、コーラーに対する体に悪いという認識は高まった
日本でも、この認識はありましたが、そもそも、スーパーサイズのコーラなど、日本ではもともと、販売されてることはなく、さほどでもなかっのですが、やはり、その後しばらくして、真夏の暑い時期に、甘味清涼飲料水を多量に飲むと、体に良くないことが認識されるようになりました。


清涼飲料水によく使われている果糖ブドウ糖液糖は、とうもろこしなどのでんぷんから作られた液状の糖分です。これは砂糖に比べると、ひじょうに純度の高い糖分で、体内での吸収がとても早いため、摂り過ぎると体にとってさまざまな影響を及ぼします。


吸収の早い糖分をたくさん摂ると急に血糖値が上がります。体は血糖値を下げようと、膵臓から大量のインスリンを分泌します。すると急激に糖分が吸収されたことでインスリンが出過ぎてしまい、今度は血糖値が下がって低血糖症になってしまうのです。


こうなると脳のエネルギーが不足し、イライラしたり、食欲がなくなったり、体がだるくなったりします。さらに低血糖症になると体は糖分を求め、もっと甘いものをほしくなるという悪循環に陥ります。甘い飲み物を飲むとさらにのどが乾くようになるのはそのためです。


一方、体は低血糖では困るので、血糖値を上げるために、アドレナリンというホルモンを分泌します。アドレナリンは攻撃ホルモンといわれ、たくさん分泌されると落ち着きがなくなったり、カッとなりやすくなります。そのため、寝る前に飲むと寝付きにくくなりやすく、不眠の原因にもなります。


こんな認識が日本でも、多くの人々にかなり広まったため、当然日本でも、甘味清涼飲料水全般、その中でも特にコーラ類の売れ行きは、落ちました。


このままにしておけば、コーラ類が売れません。それまでも、ダイエット・コークなどがありましたが、これは、女性に主に飲まれていたもので、男性向けの製品を開発する必要性がでてきたわけです。


そうして、その開発が行われ、アメリカでは、ペプシのネックス、コカコーラのゼロが開発され、2005年に発売されました。


■味が決め手
日本では、2007年に発売され大人気となりました。ネックスにいたっては、日本市場での売上げはペプシコーラそのものを上回るほどの人気でした。さて、その背景にはどのうようなものがあったかといえば、やはり、味でした。





コーラは、この以前からダイエットコーク、ダイエットペプシと、ダイエット系飲料は存在しました。しかし、これら商品はある一定の人気はあるものの、当時大人気となった、ネックスやゼロのような大人気にはなっていませんでした。では、何がこのブレークにつながったかといえば、味です。甘味料の味が当時かなり向上していたことが、まずは、決め手のようです。アメリカで、いわゆる、昔からあるコカコーラ、いまでいうところの、コカコーラ・クラシックを廃止すると発表したところ、全米で大反対運動をがおこったそうです。やはり、長年飲みなれた、味を失うことによる反発でした。しかし、ネックスやゼロでは、新しい甘味料により、味が元のものに近いにもかかわらず、糖質ゼロにすることに成功したのです。


■メタボはブームから定着へ
コーラのみならず、ダイエット系飲料、食品は以前より数多く存在していましたが、先の記録映画などの、影響があり、メタボへの関心が定着し、健康を気にする人が増えたことにより、再度ダイエット系飲料、食品への注目が高まったという構図がありました。ダイエットブームは定期的に繰り返されるものですが、当時は女性のみならず、特に男性の注意も喚起された点がそれまでのダイエットブームと異なりました。こうしたことから、ダイエット飲料、食品のターゲット顧客は拡大していたのです。


■マーケティングの上手さ
その点、当時のネックス、ゼロともに、商品のイメージカラーは黒。男性っぽいイメージを打ち出していました。実際、商品のターゲット顧客としては男性を想定しているということで、この点が既存のダイエット系飲料、食品と大きく異なりました。


また、既存のダイエットコーラをリニューアルする形にしなかったのは、既存のダイエットコーラには一定のファンがついていたのであり、それを離反させないためでした。確かにそれまでのダイエットコーラが女性の間で人気であったのであれば、当時は商品を男性向けにすることにより、商品間での顧客の食い合いも起こさず、市場の拡大につながりました。しかも、今回のカロリーゼロコーラは、男性だけでなく、結果としては女性をも取り込めていたこともあり、メーカーにとってはうれしい誤算だったようです。



■メタボ疲れの反動も
ペプシのネックスの日本での売上げは、本家のペプシコーラをも上回る勢いということで、健康志向が高まるコーラ市場にとっては大きな朗報でした。ただ、そもそも健康志向であれば、カロリーゼロでもコーラは避けて水やお茶にすべきではないか?とも思かたところですが、たまにはスカッと爽やかな飲料も飲みたいというのが人間の欲望ということでしょう。また、メタボ疲れを起こしていることも背景にありました。




それは、アメリカでも同様な傾向がありましたが、日本でも、マクドナルドが当時発売したどでかいバーガー「メガマック」が大ヒットとなったことや、アメリカからやってきたドーナツが大人気という現象からも見て取れましたが、やはりファストフードや間食系の飲食物は潜在的な人気があったということです。いくらメタボに注意と分かっていてもやめられなかったわけです。そんな中登場したネックスとゼロ。見事にそれらのニーズを汲み取っていました。実際、ネックスは日本で開発、発売された商品ということですので、より当時の日本に合った商品を投入できたことが成功の理由だったのだのです。。

■高機能化ペットフードが増加
さて、当時ダイエット飲料、食品はその後も広がることが予想されていましたが、一方で、ペットフードではもう一歩先を行った食品の高機能化がすでに進んでいました。それは、ペットフードの中で、オリゴ糖やビタミンを含むものや関節痛にきく成分の入ったものなど、高齢化したペットに対応したものが多数登場してきていたのです。


その当時から、ペットブームという言葉を聞くようになってから久しかったのですが、犬の平均寿命を考えると確かに高齢化した犬が増えていたという頃でした。


■人間の食事の将来も…
しかし、高齢化社会の本格的到来が目前となってきた当時の日本においては、このペットフードで起きている高機能化の流れが人間の食事にも登場するのではないかと予想されていました。当時はダイエットで盛り上がっていましたが、コーラの中にさまざまな栄養素が投入されて…なんて日が来るとも予想されていました。実際コーラ以外の飲料では、こうしたことが早くから実現されていました。それは、たとえば、サントリーの特保の黒烏龍茶です。これに関しては、あの中国人と思しき人たちが、脂っこい食べ物を食べるーシーンで、「黒、黒!!」と叫びながら、黒烏龍茶を飲むCMで記憶されている方も多いのではないかと思います。


そうして、その当時でも、味の素のアミノ酸、ヤクルトやカルピスの乳酸菌など、食品業界では成分の機能に対する着目が再度高まっていました。デフレ環境下では、価格のみに注目された飲料、食品業界でしたが、次はダイエット、その次は機能性が各社の業績を引っ張っていくと予想されていましたし、実際そのとおりに推移してきました。



このように、コーラそのものに、機能性を持たせるという考えは、結構前からあったのです。それは、時間の問題ともいわれていました。これを世界最初に実現したのが、なんと、キリンベバレッジのキリンメッツコーラだったということです。


■社会を変革する大イノベーションか
新たなコーラのパッケージも、黒色で、やはり、男性をターゲットとしたものなのでしょう。しかし、この開発、2007年頃からこうしたニーズがあってから、今年初めて世にでたということです。しかも、日本から出たということです。やはり、日本の技術力は、すごいですね。おそらく、これには、世界中の飲料大手メーカーがしのぎを削っていたと思います。


これも、確かに社会を変えています。いままでのコーラだと、糖分が多いか、糖分をカットしただけでした。今度の新しいコーラは、それは当たり前のことで、脂肪吸収を遅らせるという確かな効能があるというわけです。とにかく、こうした成分を入れても、味を変えないということが難しかったのではないかと思います。


しかし、世間では、iPhoneや、iPadなどばかりが、イノベーションと考える人も多いですが、これも、人の健康に直接かかわる大イノベーションだと思います。だからこそ、多くの人々が、その価値を認め、上の記事で紹介したような、信じられないような、販売数量を記録することができたのだと思います。さて、世界に先んじて、このようなコーラを販売したキリン・ベバリッジですが、うちの会社の取引先でもあります。今後、どのような製品を開発するのか、目が離せないところです。


それから、先は越されましたが、コカコーラや、ペプシ、サントリーだって、開発すると思います。今後、機能性をめぐって、さまざまな会社、さまざまな開発を行い、さまざまな製品を提供していくと思います。これも、見逃せません。今後、この方面で、また、新たな動きがあれば、このブログでも、とりあげるものとします。よろしくお願いします。



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