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2009年11月20日金曜日

「Google Chrome OS」プロジェクトが公開、製品登場は2010年後半-このOSで動くマシンがメインのマシンとなったときはじめて真のネット社会が訪れる!?

「Google Chrome OS」プロジェクトが公開、製品登場は2010年後半(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)

Google Chrome OS メニュー画面

 米Googleは19日、独自開発のオペレーティングシステム「Google Chrome OS」を、オープンソースプロジェクト「Chromium OS」として公開した。

 製品としてのChrome OSの正式発表は2010年初頭に行われ、消費者が製品として入手できるようになるのは1年後、2010年のホリデーシーズン直前になるとしている。

 Chrome OSは、基本的にはLinuxを基盤として起動できるWebブラウザにほかならず、実行できるアプリケーションは、ほぼWebアプリケーションに限定される。OSの名称も、Googleのブラウザである「Chrome」の名前から取られている。

● 電源オンから7秒で起動

 19日に公開されたデモでは、Chrome OS搭載のマシンは電源ボタンを押してからログイン画面まで7秒で起動した。さらにログインが完了するのに3秒かかるが、この起動時間はさらに短くできるとしている。

 Chrome OSがこれほど速く起動する理由は、多くのOSに含まれている不必要なプロセスを取り除いたからだという。たとえば多くのOSでは、起動時にもはや利用されていないようなフロッピーディスクドライブを認識しようとする。こうしたいわば無駄なプロセスを省くことによって、大幅な速度向上が可能になった。

 さらに、Chrome OSは特定のハードウェアとともに出荷されることから、使用されるハードウェアの種類が既に判明しており、その部分の認識プロセスも省くことができる。また、高速起動とセキュリティ確保のため、独自のファームウェアも開発し、実装している。

● 起動時に自動アップデート、ユーザーデータは常に暗号化

 Chrome OSは、セキュリティにも重きを置いている。特にファームウェアの中には、公開鍵暗号の鍵が含まれており、起動するたびに、実行されるファイルが正当なものであるかを確認する。

 また起動ごとに自動アップデートが行われる。ファイルシステムは、Chrome OSのシステム部分と、ユーザーデータ部分にあらかじめ分かれており、Chrome OSのアップデートはシステムに対してのみ行われる。カーネル、メモリ、パーティションのそれぞれが正当なものであるかを毎回確認し、一致しない場合には再起動し、正当なファイルを自動的に置き換える仕組みを提供する。ただしこの方法では、ファームウェアを書き換えるなどの攻撃に対する保護は提供できないとしている。

 ユーザーデータ部分は常に暗号化されており、もし盗難にあった場合でもデータが盗まれない構造となっている。Chrome OSの性質上、クラウドにほとんどのユーザーデータが保管されているため、たとえ盗難にあっても、新しいネットブックを購入してログインすれば、データはもちろんのこと、壁紙や設定に至るまで同一の環境を即座に利用できるようになると説明する。またこの仕組みのため、ネットブックを複数のユーザーで共有できるというアイディアも考慮されている。

 Chrome OSは、実行する個々のWebアプリケーションを別のサンドボックスで動作させ、1つのWebアプリケーションがクラッシュしても、他に影響を与えることがないようにしている。

● Webアプリケーション専用OS

 Chrome OSは、基本的にWebアプリケーション専用OSだ。記者会見ではプロダクトマネジメント担当バイスプレジデントのSundar Pichai氏が「(Webアプリには)Microsoft Officeというキラーアプリも用意されたことだし」と冗談を述べる場面もあった。

 Googleでは、Chrome OSはWebアプリケーションを使用するためのセカンドマシンとしての用途のみを想定している。そのため、動画や画像編集、高度な文書作成といった用途には、別にマシンを利用することが前提となっている。

 現時点では、アプリケーションマーケットプレイスのような仕組みは用意されていない。しかし将来的には、Webアプリケーションを発見しやすくするための仕組みについて検討を進めている。

 また、様々なアプリケーションを動作させるため、GoogleがChromeブラウザで行ってきた取り組みが、Chrome OSにも組み込まれることになる。たとえば、現時点で複数のプラグインのサポートを進めており、より高度なWebアプリケーションを実行させるため、HTML5のサポートを進める。さらに、Googleが開発を進めている、Webブラウザ上でx86ネイティブコードを動作させる仕組みの「Native Client」プロジェクト(NaCl)もサポートする予定だ。

 デモ時点でのユーザーインターフェイスは、見たところChromeブラウザーと大きな違いはない。1つの相違点は、同社がパネルと呼んでいる小さなオーバーレイウィンドウが、画面下部から迫り出してくることだ。この画面には、チャットや動画など、ブラウザー画面を見ながら行う必要のある機能が組み込まれる。このパネルは見たところ、GmailのToDoリストに似たユーザーインターフェイスを持っている。

 しかし、ユーザーインターフェイスについて、現時点で固まっているものはなく、今後1年間の開発によって大きく変わる可能性があるとしている。

● Chrome OSはハードウェアとセットでの提供になる見通し

 Chrome OSは無料で提供されるが、Chrome OSをユーザーが自由に入手して好きなハードウェアにインストールすることはできず、ハードウェアと一緒に出荷されることが前提となっている。現時点では、ネットブックにインストール済みの状態で出荷される計画だ。

 価格帯に関して、Googleは特に検討しておらず、出荷するパートナー企業が検討することになっている。しかしいずれにせよ、Chrome OSをインストールしたネットブックが出荷されるのは1年後になるため、現時点で価格の予測をするのは難しい。

 Googleでは、ユーザーのニーズにあったOSを提供し、多くの人がWebアプリケーションを使える環境を提供することが、結果としてGoogleの利益に繋がると考えている。

 また、ここまでの開発を行うために、GoogleではLinuxカーネルプロジェクト、Moblin、Ubuntu、WebKit、GNUなど、様々なオープンソースコミュニティの協力を得てきたとの謝辞を述べている。

 今後Chrome OSが成功するためには、まだ開発が進んでいない多くの空白部分を埋める必要があるとして、Googleではオープンソースコミュニティに協力を求めている。




詳細が発表されたばかりの Google Chrome OS は認証済みハードウェア構成とカスタムファームウェアを備えたデバイスにのみプリインストールで製品化される計画ですが、開発版はもちろん普通のPCで試せます。というわけで公開されたのは、仮想環境で動くイメージ版。動かすためにはVMwareが必要です。イメージとVMware Player (無償)のダウンロードはリンク先から。BitTorrentやなにかでも落とせます。

ダウンロード - Chrome OS 0.4.22.8 VMware (300MBくらい)
ダウンロード - VMware Player

このOSで動くマシンがメインのマシンとなったときはじめて真のネット社会が訪れる!?

あまり目新しい情報はないですが、来年の年末がリーリースの時期だということなので、これは、相当本腰を入れた開発なのだと思います。満を持しての、画期的なOSの発表をするのだと思います。やはりAndrodidなどとは一線を画したものになるに違いありません。アメリカでは、Androidを搭載した、80ドルのネットブックもすでに発売されました。



ソフトバンクの孫社長はiPhoneでのインターネットの操作の優位性を強調するため、「インターネット=PC」と考える人は、もはや化石のような人と言われる時代がすぐにやってくるのではないかと語っていました。実際、孫社長がiPhoneを手にしてから、PCでのインターネットの使用は1/10に減ったようです。

おそらく、Google Chrome OSでも、そのようなことを狙っているのだと思います。このOSと従来のPCでインターネットにアクセスするには何か根本的な違いを出そうとしているのだと思います。

今のところ、Google側は、Chrome OSはWebアプリケーションを使用するためのセカンドマシンとしての用途のみを想定している。そのため、動画や画像編集、高度な文書作成といった用途には、別にマシンを利用することが前提となっているとしていますが、サイトで提供するサービスも従来のままであれば、セカンドマシンとしての用途に限られるということを言いたいのだと思います。

しかし、将来的には、このOSを搭載したマシンをインフラとして、高度な「動画や画像編集」、「高度な文書作成」といった用途にも踏み込む予定なのだと思います。将来的には、Webアプリケーションを発見しやすくするための仕組みについて検討を進めているという表記からも、その考えがうかがえます。特に、高度な「動画や画像編集」など、iPhoneや、Androidなどの携帯電話では、画面が小さすぎてほとんど無理だと思います。しかし、ネットブックくらいの画面であれば、なんらかのやり方で可能になると思います。

おそらく、これらの高度なことを従来は、PCにソフトを入れて行っていたものを、ネットブックでサイトにアクセスし、そのサイトでできるようにしてしまうのだと思います。それに、おそらく、Linuxベースであることから、Linuxベースでも使える、OpenOfficeなら使えるようになるのではないかと思います。

Googleは、これからのネットの発展のために、こうした機器をインフラとしたいのだと思います。そうして、このOSを搭載したネットブックが、多くの人に普通にメイン・マシンとして使われる日が来たときこそが、真のネット社会と呼べるのかもしれません。大きなPCなどなくても、ネットと繋がれば、仕事から、遊びから何から何まで、いろんなことができてしまう、そんなような、何か、現在とは根本的に異なるとてつもないことが起こりそうで、今から楽しみです。

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