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2010年10月17日日曜日

NHK総合5年ぶり「もしドラ」アニメ化―【私の論評】もっと多くの分野の人々にドラッカーの考えを知ってもらうのに良い機会か?!

NHK総合5年ぶり「もしドラ」アニメ化



NHKが累計発行部数130万部超と大ヒット中のビジネス小説「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(岩崎夏海著、ダイヤモンド社)をアニメ化し、11年3月中旬から総合で放送することが16日、分かった。

30~40代の男女を対象に、放送開始を午後10時55分と遅い時間に設定して全10話放送する。総合でのアニメは、06年4~12月まで放送された「少女チャングムの夢」(韓国MBC制作)以来、約5年ぶりとなる。

【私の論評】もっと多くの分野の人々にドラッカーの考えを知ってもらうのに良い機会か?!
このブログでは、良くお読みになられている方々はおわかりのように、ドラッカーについての話題は良く掲載させていただいています。だから、私がドラッカーに傾倒している理由は多くの方がご存知だと思います。

まずは、学生時代にその当時は存続していた、いまはなき北海道拓殖銀行の部長クラスの人と知り合いになることができて、その方からすすめられて読見始めたというが最初のきっかけです。その方は、拓殖銀行の幹部研修に出席したときにはじめて、ドラッカーの書籍にであったと語っていました。

当時の拓殖銀行には、人里はなれた山の上に研修所がありました。私は、何かの用事で一度だけ、そこに行ったことがあります。そこで、その方がドラッカーにかかわる研修を受けたそうです。研修とはいっても、何も座学でドラッカーを学んだわけではなかったそうです。

その研修とは幹部候補生向けの研修であり、十数人の幹部候補生が集められ、その場でいきなり、ドラッカーのマネジメントを一人ひとりにわたされ、数人のグループに分け、三日間でドラッカーのマネジメントを読み、将来の拓殖銀行に役立つと思うことがらを提言しなさいというものだったそうです。

ドラッカーに関しては、はじめてだったのと、何とわたされた書籍は、エッセンシャル版でないほうの版だったそうです。それは、当時はどうだっかはわかりませんが、現在販売されているものは、上中下巻にわかれていて、1巻ゆうに、400ページを超えるものです。

グループ数人で手分けして、要約して発表し、議論を重ねながら、三日目には、発表を行ったそうです。そのかた、この研修で良い成績をおさめたどうかは、わかりませんが、本部のどの部署だったかは、失念しましたが、最終的な職位は部長であったことは記憶しています。現在は、拓殖銀行破綻にともない他の銀行に移り、そこでも結局は部長クラスにまで上りつめたあと、今では定年退職なされています。ですから、かなり優秀な方であったのだと思います。

そんなかたと偶然に知り合いになる機会にめぐまれ、その方から熱心におすすめがあったものですから、理系の学生だった私も、読んでみました。当時の印象としては、マネジメントの経験もほとんどなかったため、まあ、すぐれた著作の一冊というぐあいでした。しかし、その後もせっかくすすめられたものですから、時間に余裕のあるときは、マネジメントに限らず、暇があると他の書籍もいくつかは読んでいました。そうして、読んでいて学生時代に良かったと思えたことがありました。

それは、、このブログにも以前掲載したように、例のトムラウシ山で遭難しかけたときに、救ってくれたのがドラッカーの書籍に書いてあった内容だったということです。これについては、再度下の【関連記事】のところに、URLを掲載しておきますので、まだ読まれていない方こちらも是非御覧ください。

遭難しかけたとはいいつつも、それほど深刻なものではなかっので、特にドラッカーの書籍を読んでいなければ、確実に遭難したということもなかったと思います。しかしながら、実際にそのときに役にたったことを実感したものですから、それ以来、傾倒するようになり、学生のときに日本語で現在出版されているものはほとんど読んだといって良いと思います。その後も、折に触れて読んでいました。

だからといって、現在どのような成果があったのかといわれると、はっきりといえるようなことはないですが、普段仕事をしているときでも、何か問題や課題が生じた場合、松葉枝葉をみるのではなく、その上、またそのもっと上の根本原因にまで考えが及ぶとか、短い時間軸の範囲ではなく、長い時間軸でもものが考えるられるようにはなったと思います。

特に、私は理系で、優秀というわけでもありませんでしたから、もし、あの時にドラッカーを読む習慣を身につけてなかったら、、おそらく、どのような職についたとしても、いわゆる目先のことしか理解しない陳腐で、頭の固いつまらない技術屋で人生を終わることになっていたに違いなく、もっと若い頃に、それが確定していたと思います。だから、読む習慣をつけたことは、自分にとっては本当に良かったと思います。

それから、このブログでのドラッカー関係の記事でいうと、最近の事例ではあのチリの鉱山の救出劇の事例があります。これに関して、地下のリーダーについてのみ語ったことについては、少し理由があります。実は、事故のあったサンホセ鉱山は、従来から安全面での問題がしばしば指摘され、2007年に爆発事故で死者を出し、閉鎖されていました。ところが、銅価格の急騰で、08年夏に操業を再開しました。

だから、安全面で問題を抱えたまま操業を急いだ面は否めないのです。今回の事故では約70万トンもの岩石が崩れ落ちたそうです。大規模な鉱山では安全対策が進み、近年ではこうした大規模な落盤事故はまず考えられないと驚く関係者も多いそうです。

だから、地下現場の実際の職位はどうだったのかはわかりませんが、救出劇の最中での事実上のロワーマネジメントであったルイス・ウルスアさん(54)のことについては書きましたし。せっかくの、あの救出劇成功の興奮の祝賀ムードの最中にそうした話題を出すまでもないと思い、この方のリーダーぶりの良さのみを掲載しました。

この事故の全体像をみれば、この鉱山を運営してる会社のミドル・マネジメントや、トップ・マネジメントにはかなり問題があると思います。特に、最終意思決定を行う、トップ・マネジメントには問題があると思います。しかし、だからといって、今回のルイス・ウルスアさんの偉業は少しも薄れることはないと思います。まさに、今回は、トップ・マネジメントの意思決定のまずさをロワー・マネジメントがカバーしたという典型事例と思います。本来あってはいけないことなのですが、起こってしまったことに、現場のマネジャーが果敢に挑戦して、成功したとみるべきでしょう。

それから、このブログには、いろいろ民主党の批判をかなり書いてきました。確かに、民主党は、総体としてみれば、親中的であることと、日本国解体を推進していることに関しては、ドラッカー氏の考えにもとづいても、私は絶対反対です。特に、国民国家の解体や消滅に関しては、過去のブログで私は以下のように論評しています。
国民国家の消滅に関しては、産業革命の時代の初期から、国家間の経済的な相互依存性は国家主義的な情熱よりも強く作用するするはずであると説かれてきました。最初にこれを言ったのはカントでした。「国家の死滅」を現したカール・マルクスも、1950年代、60年代のバードランド・ラッセルなどの最高頭脳も、国民国家の死を予告してきましたが、その通りにはなりませんでした。
旧ソ連邦のミハエル・ゴルバチョフ氏も、国民国家よりも、経済的な結びつきの方が強いだろうと考えていたのが、旧ソビエトの解体でそうではなかったことがはっきりしました。それにひき続いた旧ユーゴスラビアなどの解体でますますはっきりしてきました。現在では国民国家が主流です。これらの国々は解体によって国民国家を実現しましたが、日本の場合は違います。日本国家解体は、国民国家の破壊です。旧ユーゴスラビアなどとは、まったく反対です。
少なくとも、現在までは、政治的な情熱と国民国家の政治が、経済的な合理性と衝突したときには、必ず国民国家のほうが勝利してきています。これからも、余程のことがない限り、これは続くことでしょう。
これは、ドラッカーがいくつかの著書で語っていたことをもとに私が考えて掲載したものです。まさに、私たちは、ソ連の崩壊から今日まで、国民国家の解体とは反対のことが起こっていることをみてきましたし、誰もそれを否定することはできません。だから、国民国家の解体は、現代でも、全く不合理であり、現実世界を反映した考え方ではなく、現段階ては、虚構とみなしてもさしつかえないものです。

しかし、この点を除けば、実は自民党とて民主党とそう変わりがないのだと思います。

ドラッカーの著書では、今や世界中の先進国や新興国で、国民は、自分の国の政府を信頼もしていないし、尊敬もしていないと語っていました。ドラッカーは昨年生誕100年を迎え、なくなってからも10年近くになりますが、その間政治システムなどどこの国でも根本的には変わっていませんから、今日ドラッカーが生きていれば、同じようなことを言っていたに違いありません。日本だけではなく、世界中の国の人々が自国の政府に満足などしていないのです。特に、日本だけが問題というわけではないのです。

過去のブログにも掲載したように、そうして、ドラッカー氏も主張していたように、実は、今はどこの国でも、政治システム改革が必要なのです。日本でも、それがない限り、今の政府が転覆して、他の政党や、連合政権になったとしても、根本問題は何も解決されないのです。

私は、最近日本語で入手できる書籍はほとんど読んでしまったので、英語のKindle本でマネジメントの改定版を読みはじめています。これからも、他の書籍もどんどん購入して読み進めていこうと思っています。そうして、3年くらいしたら、欧米の人とドラッカーの考え方について、現実世界に立脚しつつ、意見交換できるまでになりたいと思っています。それが、当面の私の私生活での目標です。

そう思って現在マネジメントを読みすすめているわけですが、今は政府の問題についての項のあたりを読んでいます。ドラッカー氏は、クリントン政権などの例をあげて、いろいろ解説しています。政治家の方にも本当に役立つ記述だと思います。今の政治家、どの党の人にしても、ほとんど的外れの議論をしているのだと思います。役人の問題も同じです。ネクストソサエティーにもこれについて非常に参考になることがかかれてあります。これなど、読むと、現政権の政治主導など完全に誤りだと確信できます。特に、すべからく政治家の方や、官僚の方は、いまこそ、ドラッカーを真剣に読むべきではないかと思います。

そのほかの分野の方々にも、いわゆる、組織ということになれば、ほとんどどんな組織も例外なく、ドラッカーのマネジメント理論は役立ちます。

最近、「もしドラ」が出版されて、多くの方々がドラッカーの書籍を読むようになり、良かったと思っていたやさき、今回まこのニュースです。素晴らしいことだと思います。これをきっかけにさらに多くの人々がドラッカーの考え方に触れて、触発されて、現在の多く分野での、閉塞感を打ち破るきっかけいになればと大いに期待しています。


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