2010年10月23日土曜日

ユニクロ商品、脱中国生産へ ヒートテック8割→5割に―【私の論評】カントリーリスクを織り込んで事業を展開すべきではないのか?

ユニクロ商品、脱中国生産へ ヒートテック8割→5割に


東レは22日、カジュアル衣料品店ユニクロの主力商品「ヒートテック」の中国生産比率(現在8割)を2015年までに5割に引き下げる方針を明らかにした。中国での生産量が生産能力の限界に近づきつつあり、人件費も高騰していることから、アジア各国に拠点を広げる。

ヒートテックは、アクリルやポリエステルなど化学繊維で作られた保温機能の高い肌着。東レが繊維から縫製まで手がけ、ユニクロが販売する。今年は約7千万枚のうち8割を中国で、2割をベトナムやバングラデシュ、フィリピンでつくる計画だ。

東レの杉本征宏副社長は22日の記者会見で、中国沿岸部で生産コストが上昇しているとして「中国以外の生産拠点を拡大していくことが喫緊の課題」と語り、タイやインドネシアなどにも拠点を広げる方針を明らかにした。

ユニクロもヒートテックを含めた商品全体の85%程度を中国で委託生産しているが、今後2年程度で7割弱まで下げる方針。

ユニクロを傘下に持つファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は同日の会見で、中国・成都で16日に反日デモが起きた際、1店を一時閉店したことを明らかにした。日本政府の対応については「中国に進出した企業は自己責任でやって下さいというのはどうかと思う。ビジネスがやりやすいようにするのが国としての義務」と述べた。

【私の論評】カントリーリスクを織り込んで事業を展開すべきではないか?
ファーストリテイリングに関しては、最近札幌で開店したばかりのGUをみてきて、少し調べたことがありますので、以下にその内容を記載します。



ユニクロを手がけるファーストリテイリングの100%子会社(株)ジーユーによるカジュアル服飾ブランド及び店舗名。
値段はユニクロよりもさらに安価。どちらかというと若者をターゲットにしていてユニクロよりも流行を意識したデザインが多く見られます。店舗はユニクロに比べるとかなり少ないため、知名度は低いです。
GU札幌屯田店
[郵便番号] 002-0865
[住所] 北海道札幌市北区屯田8条2-8-3
[TEL] 011-770-2765
[平日営業時間] 11:00-20:00
[土日祝日営業時間] 10:00-20:00





これも典型的なロードサイドショップの路面店。ユニクロよりも低価格であるため、ユニクロにみられるいくつかの商品をコーディネートしたようなディスプレイはありません。ましてや、最近オープンし大阪心斎橋の旗艦店のような派手なディスプレイはありません。


例外的に、女性用のジーンズが単品で三本店の入り口付近にディスプレイしてありました。990円ジーンズが売りの業態で入り口付近にわざわざ、2000円台、1000円台の女性用ジーンズが特価として定番の990円ジーンズとともにディスプレイしてあったので目をひきました。これは、価格弾力性を調査する目的もあるものとも考えらよれました。後に述べますが、ユニクロは、UJ(ユニクロジーンズ)で失敗しており、このディスプレーは、GUのためというより、ユニクロ全体の価格弾力性を調査する目的もあるものと推察しました。特に、2000円台のジーンズは、GUのサイトでも見当たりませんでした。
他の新規オープンの店でも、このようなディスプレーをしているのか否か興味のあるところです。あとは、比較的背の高い棚に陳列している状況。当日オープンのため、セール用のディスカウントが目を引きました。


全体的にかなり低価格で、靴下290円、長袖Tシャツ490円という具合でした。低下価格見えるものとそうでないもののもあります。この業態の売りである990円ジーンズに関しては、品質は普通であり、また上も浅くも深くもなく、より広い層に標準をあわせたものです。

また、通常のジーンズはたけがかなり長めにつくってあるのが普通だが、このジーンズは比較的短めにつくってあります。通常のジーンズの場合、かなり脚の長い人でも、短くして着用するのが普通ですが、このジーンズは丈を短くすることによっても、低価格化を実現しています。他の商品は、見ただけではわからないが、似たような工夫をしているものと考えれます。

今でこそ好調のジーユーですが、実は展開を開始した2006年10月から苦戦が続いていました。ユニクロよりさらに安い価格に商品を設定しているのにもかかわらず、知名度がないうえに目玉商品も存在しなかったことから、08年8月期末で売上高が約40億円止まりと営業赤字に陥っていました。

しかし今年3月に入り990円のジーンズを発売するとこれがヒットしました。発売当初から好評を博し予想比2倍のペースで売れ、年間販売計画もすでに軌道修正。当初比2倍の100万本に上方修正しています。3~4月とも既存店売上高70%増を記録させる起爆剤となりました。

低価格が売りのユニクロでも従来ジーンズの通常価格は3990円と4990円の2タイプですが、ジーユーはその4分の1とまさに破格です。ユニクロが国産の高品質の生地を使用しているのに比べ、ジーユーは中国産の生地を採用したことでこの低価格が実現しました。ジーンズの他にも490円のTシャツや990円のポロシャツなど低価格商品を揃えています。

現在は同社の売上の9割以上をユニクロが占めますが、超低価格市場でジーユーの存在感が増すごとにその割合でもユニクロに迫ってくる可能性があります。そこで心配されるのがユニクロの事業を圧迫しかねないことです。同社の柳井会長は高品質のユニクロに比べ、ジーユーはそこそこの品質であると説明し、「ユニクロとのすみ分けは十分可能」と話していますが、衣料品業界の他社が軒並み不景気の波を受け低調のなか、ジーユー事業が拡大を続ければ、ユニクロのライバルとして身内のジーユーが浮上するリスクも出てきそうです。

実際、これまで一人勝ちを続けていたユニクロが不振に陥っています。8月の売上高で前年比9・3%減、第3四半期3カ月間の営業利益は前年比15・6%減。株価は年初来高値から3割近く下落し、9月13日にはJPモルガン証券が、ユニクロを展開するファーストリテイリングの株価の先行きに悲観的であることを示す指標を出しました。

つまずきのきっかけは、今春発表した新ブランド「UJ(ユニクロ・ジーンズ)」。ジーンズだけで54商品を揃えましたが、思ったような売り上げにはならなりませんでした。それでも9月13日にはユニクロ史上最高額となるなんと、9990円のジーンズ「メイドインジャパンデニム」を発表しましたが、売れ行きが不安視されています。

この「UJ」の失敗に今夏の異常気象も重なったと考えられます。まだ暑さの残る8月下旬、函館のユニクロに足を運んでみたところ、店頭には冬物の「ヒートテック」が所狭しと陳列され、閑古鳥が鳴いていました。

ユニクロは、それまで高価だった素材を低価格で提供することで、価値を産み出してきました。しかし、『無印良品』のようにブランド価値を確立していないので、買い得感がなければユニクロを選ぶ理由がないです。誰だってユニクロのジーンズに9990円も出すくらいならリーバイスを買うことでしょう。

絶好調だったユニクロでさえ、一瞬でも気を抜けば業績が落ち込んでしまう。日本の消費者の目は厳しい。

■経営理念などについて
ユニクロ、そうして、GUの持株会社である、FAST RETAILINGのサイトを開くと最初にでてくる言葉は、「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」です。
サイトには経営方針として、社長の指針が掲載されていた。その中から、柱のみを取り出してものが以下です。
世界中のお客様からの強い支持を実感
機を逃さずに、グローバル展開を推進
社員一人ひとりが、グローバル化に対応

ユニクロに関しては、特にブランドメッセージは掲載していなかったが、GUに関しては以下のようなブランドメッセージが掲載されています。




さて、上記のようにファストリテイリングの業績は現在かなり陰りがでてきています。日本国内での陰りとともに、現在尖閣問題によって、中国での売上不振などが予想されます。

そのため、上記の柳井正会長兼社長の発言になったのだと思います。しかし、私からいわせていただけば、中国などの国は最初からいわゆる、カントリーリスクがあることは判っていたはずです。

カントリーリスクとは、相手国の政策変更、政治社会経済環境の変化により債務の返済、投融資の回収が不能となるようなリスクのことを言います。

海外投資や貿易を行う際のリスクの一つで、投資先の国の政治的・経済的リスクのことです。国のデフォルト(債務不履行)、インフレ、内乱、革命、外資規制など、様々な「国の政治や経済」に対するリスクがカントリーリスクと呼ばれまれています。

中国に関しては、このブログでも、このカントリーリスクに関して、手を変え品を変え再三にわたって掲載してきました。それに、わたしなどが掲載するまでもなく、昔からチャイナリスクについてはいわれてきました。

こんなことは、当然のことなので、先の柳井さんの発言は、首をかしげてしまいます。日本国政府による安全保障などは当然日本国内に限られます。当然、在外邦人が生命の危機などにあえば、政府として何とか努力するのは当たり前ですが、それでも間接的にしか行動することはできません。かといって、最初からリスクがあることがはっきりしているところに、自分で店を出しておきながら、「自己責任でやって下さいというのはどうかと思う」という発言はいただけません。これは、あくまで、自己責任で対処すべき筋合いのものです。それがいやだったら最初から店などだすべきではありません。それに、もともと商売にはリスクがつきものです。柳井さんどうしてしまったのでしょうか?

それに、これらか、世界のユニクロになることを宣言しているわけですから、たかだか中国で、多少のデモがあったくらいで、このような発言になるとは、先が思いやられます。資生堂など随分前から、中国に進出していますが、今までなんども危機にあっても、びくともしません。



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2010年10月22日金曜日

無能な人とはつきあわない - コンサルが教える時間を無駄にしない10のコツ―【私の論評】いろいろ示唆に富む指摘である

無能な人とはつきあわない - コンサルが教える時間を無駄にしない10のコツ

さて、上の動画の内容、以下のURLに簡潔にまとめられています。是非ご覧になってください。
http://goo.gl/VJYq


【私の論評】いろいろ示唆に富む指摘である
ロン・フィンクルシュタイン氏の指摘は素晴らしいですが、上の11の項目に対して私なりに、ケーススタディーをしておきます。


1. コア事業に集中せよ
今の時代、昔と違って、どの事業も奥が深いです。かなりの、知識がないとどんな事業にも参入できません。いわゆる多角化などは、問題外だと思います。やるとしたら、必ず、隣接した部分にすべきです。多角化で成功している企業は、これを長年実践しています。隣接した部分をやっているうちに、何十年もたったら、一番最初の事業とはかけ離れていたというだけです。最初から全くの異分野に入った企業はすべからく失敗しているか、新規事業を手放しています。
2. マルチタスキングをやめよ
人間は残念ながら、一度に二つのことを集中して考えることはできないので、これは当然の指摘です。
3. 商品を安売りしない
これは、商売の基本です。安くするなら、きちんと安くできるシステムを完成させてから安くすべきです。それを実施せずに、ただ安くすというのであれば、商売として最低です。
4. 専門家である必要はない
たとえば、パソコンを製造して販売するのに、自分が専門家である必要はないです。専門知識をベラベラしゃべるより、個々の顧客にとって、何に役立つかを具体的に語る事が出来ればよいのです。
5. 家族の同意を待つ必要はない
もし自分が、稼ぎ頭であれば、お金はきちんと入れることとして、あとは自分の思い通りやるべきです。
6. ネットワーキングのイベントへは行かない
確かに、無駄です。システムや、製品の展示会なら行く価値もあります。ネットワークは、仕事に活用されるべきものであって、ネットワークそのものが仕事になるわけではありません。
7. 無能な人とはつきあわない
特に、リスクを絶対負わない人とは絶対につきあうべきではありません。それから、何でも人のせいにする、世の中のせいにする、自分以外のもののせいにする人ともつきあうべきではありません。また、無能な人と仕事上でどうしても必要のある人とはつきあわざるをえませんが、こういう人とでも私生活においては、礼を失しない程度のおつきあいにとどめるべきです。
8. 顧客の真の悩みを理解する
顧客を知る努力は、何にもまして重要です。ただし、顧客を知るだけ、知ることにつとめるだけなら、いずれ、ブローカーのような存在になってしまいます。顧客の悩みを知って、イノベーションをするべきです。いくら顧客のことを知ってもイノベーションをしなければ、存在意義がなくなります。
9. 個人としても成長する
人間的成長なしに、事業の成長もあり得ないと思います。もちろん、事業の成長と言った場合、ただ、売上や利益や業容だけが大きくなることを意味しているわけではありません。
10. 間違ったことを信じない
マスコミの報道していることを鵜呑みにしないことです。間違った報道を鵜呑みにすれば、これほど無駄なことはありません。マスコミの報道していることでも、人から聴いた話でも必ず裏づけをとることです。
11. 自分の限界を信じない
この重要性に関しては、先日ドラッカーとミケランジェロの例をあげました。もう一度、ミケランジェロを詩をあげておきます。
私たちのほとんどが
真に恐れるべきことは
人生の目的が高すぎて
手が届かないことではなく
目標が低すぎて
簡単に手が届いてしまうことである
私の考えを記させていただきましたが、これらの項目は、本当に示唆に富む内容だと思います。実際に実務をやっている中から生み出された実践的な内容なのだと思います。もし、いつも時間に追われるている人がいたら、上の項目を思い出してみるべきと思います。

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2010年10月21日木曜日

日本対応に苦慮 南沙で使った中国主権確立の常套手段 乗ってはならない悪魔の誘い―【私の論評】悪魔の誘いにのる菅内閣は日本にとって僥倖かも?

日本対応に苦慮 南沙で使った中国主権確立の常套手段 乗ってはならない悪魔の誘い 


沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で、中国側が打診してきた「領有権」問題の棚上げ論は中国の常(じょう)套(とう)手段である。中国はこれまでも複数の国と領有権を争う南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島で同様の手法を用い、実効支配を強めた“実績”がある。主権に対する菅政権の覚悟が問われる事態となっている。

棚上げ論は中国のかつての最高実力者、●(=登におおざと)小平氏が提唱していた。1978年に来日した際、尖閣諸島の「領有権」について「この問題は後の世代の知恵に任せて解決しよう」と表明。「存在しない」はずの領土問題を強引に国際問題化させ、経済的な利益の分配をちらつかせながら、やがて軍事支配を強める手法だ。

これを実践したのが南沙諸島だ。中国は1988年のベトナムとの交戦を経て諸島の一部の実効支配を強めると、1995年には当時の銭其●外相が、●(=登におおざと)氏の路線を踏まえて問題の「棚上げ」化を推進。2005年にベトナム、フィリピンとの海底資源の共同探査で合意し巧妙に主権奪取へと動いた。今や中国は南シナ海を自国の領海と位置付けている。

軍事力を背景にした中国の海洋権益への意欲は強まるばかりで、18日に閉幕した中国共産党第17期中央委員会第5回総会で採択されたコミュニケでも、「国防・軍の近代化を強化し、情報化時代の局地戦に打ち勝つ能力を核心とし、多様化した軍事的任務を完遂する能力向上」を目指す方針を盛り込んだ。

菅直人首相は、「日中関係は戦略的互恵関係の原点に戻りつつある」と述べ、関係回復に自信を示す。だが、交渉が中断している東シナ海のガス田共同開発でも、「東シナ海の実効支配を強めるのが中国の本当の狙い」(外務省幹部)とされている。

「当面の問題を棚上げしておけば、いずれ日本は妥協する」と見越したような中国の思惑に乗せられて関係改善を急ぐのか、それとも断固として主権にこだわるのか。日本外交の岐路が訪れようとしている。(酒井充)(産経ニュースより)

【私の論評】悪魔の誘いにのる菅内閣は日本にとって僥倖かも?


尖閣問題については、自民党の安倍元首相と、同党「影の内閣」外務担当を務める小野寺五典・元外務副大臣が18日朝(日本時間18日夜)、フロノイ米国防次官と国防総省で会談したときにも話題となっています。

次官は小野寺氏の質問に答え、尖閣諸島が中国に軍事的に占領された場合でも、「(対日防衛義務を定めた)日米安全保障条約5条の規定により、日本をサポートする」と述べたといわれています。

同党関係者はこの質問の意図について「中国が尖閣諸島を占領した段階で米側が日米安保条約5条にある『日本国の施政の下にある領域』と見なさなくなる」との見解があることから、米側の立場を確認する狙いだったと解説しています。

一方、会談に同席したグレグソン国防次官補は中国の空母建造の動きについて「脅威の始まりとなる」と懸念を表明したといわれています。

このような事実や、上の動画などより、日本の背後にはアメリカがいるということで、中国もあまり強くは出られなくなると思います。アメリカとしても以前フィリピンから軍隊を撤退させて間もなく南沙諸島を中国が領土にしてしまったという失敗があるので、今度はそう簡単には中国の意のままにさせることはないでしょう。

地図を見てもおわかりのように、中国艦隊が外洋に出ようとしたとき、日本の尖閣諸島や沖縄諸島の島々と、領海は丁度障壁のように横たわっています。これらの障壁が崩れて、中国艦隊が自由に外洋に出られるようになれば、アメリカにとっも大きな脅威となります。アメリカがこの壁をやすやすと崩すということはないでしょう。

もし、この壁が敗れれば、アメリカにとって、北朝鮮、アフガン、イラクにならぶやっかいな問題がまた一つ増えることは確実だからです。壁が破れていなければ、中国の問題は中国固有の領土内での問題であり、アメリカにとっては、直接対応するような問題ではありませんでした。しかし、この壁が破られれば、この方面にも膨大な軍事力をさかなければならなくなるからです。

中国側がこの問題を棚上げにするという悪魔の誘いに、いずれ菅内閣は必ずのると思います。野党が反対しようが、国民が反対しようが、積極的にはのらないでしょうが、結局、消極的に実質的に認めるということになるでしょう。私は、無論これには大反対ですが、今の菅内閣をみていれば、そうなる確率のほうがかなり高いと思います。

しかし、そうなれば、アメリカからも弱腰を非難されるでしょうし。日本国内の世論も呆れ果てて、どうしようもなくなるわけです。これに関しては、普天間どころではなくなると思います。

そうなれば、菅内閣はもうもたなくなります。普天間で失敗した鳩山さんと同じく、おそらく、首相は交代という事になります。尖閣は、菅さんにとっての普天間ということになることでしょう。そうして、これを境に民主党の基盤は、ますます揺らぎます。そうして、次の選挙では政権交代ということになるでしょう。そうして、新しい政府が、「尖閣列島に関する領土問題は存在せず」と首相談話を発表すれば、良いのです。というより、それを政権公約にかがげて実行するような政党や、政党連合が政権交代をすれば良いのです。

こうしたことが、行われるようになれば、日本にとっては僥倖となるかもしれません。まずは、国民の中に理想主義による政治、ポピュリズムによる政治などは無意味であるとの政治に対する成熟した考え方が醸成されるという面があると思います。これに関しては、他の先進国ではもう終わったことなのですが、残念ながら、日本だけが取り残されていたと思います。

私としては、この成熟化が進み、さらに一歩進めて、安全保障や、政治システム改革にむすびつけることができれば、日本にとって僥倖になると思います。私としては、無論、悪魔の誘いにはのるべきではないと考えているのですが、菅さんが誘いに乗る確率が高いので、もしのったとしたら、このような考え方もできるということで、シミレーショしてみました。

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2010年10月20日水曜日

【10.16尖閣デモ】反日左翼の自作自演工作と国内外の報道姿勢[桜H22/10/18]―【私の論評】デモンストレーションの本当の意味を左翼は知らない!!

【10.16尖閣デモ】反日左翼の自作自演工作と国内外の報道姿勢[桜H22/10/18]



『10.16中国大使館包囲!尖閣侵略糾弾!国民大行動』のデモ行進の最中、突如デモ 隊の前に飛び出してきた2人組と、それに即応して暴行を加えた不審人物・カメラマンの 4人について、その一部始終を映像で検証しながら、反対派が画策したであろう自作自演 劇の模様をお伝えします。また、今回の抗議行動に対する国内外の報道の姿勢や、同日、 中国・成都で発生した『反日暴動』の様子などについてもお伝えします。

【私の論評】デモンストレーションの本当の意味を左翼は知らない!!
上の動画、拡散のため私のブログでも掲載させていただきました。上の動画の2人組、不審人物、カメラマン、デモの意味を良くわかっていないようですね。デモの意味は、wikipediaでは「明示すること、論証すること、実物に即して示すことを意味する」。英辞郎では「デモ、デモンストレーション、実演、実物説明[宣伝]、実証、証明」となっています。

今回のこのデモは、おそらく、文字通りのデモンストレーションをしようとの試みです。写真などでみていると、小さなお子さんを腕に抱いていのお母さんや、お父さんななども参加されています。いくかの動画を見てみましたが、その範囲では、整然として立派なものだったと思います。

本来のデモとは、こういうものだと思います。これに対して、中国の例の長野県でのデモ、現在中国で行われているものは、本来の意味のデモではなく、野卑で下品な暴動、やらせ、示威行為です。

左翼の人間は、デモの本当の意味を知らないのでしょうね。だからこそ、上の動画のようなことを平気でできるのだと思います。

このデモほとんど国内のメディアで報道されないし、されたとしてもまともに報道しているとは思えません。このブログにも、最近では日々1000くらいのアクセスがありますから、中には知らない方もいると思いそういう皆さんにも知って頂きたく掲載しました。皆さんも、拡散お願いいたします!!




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