2009年12月2日水曜日

ヒット商品番付に見る消費者の変化-ユーザーや消費者は物語を求めている(1)?!

ヒット商品番付に見る消費者の変化(この内容すでにご存知の方は、この内容は読み飛ばしてください)

 2009年ヒット商品番付の横綱は「エコカー」と「激安ジーンズ」。大関はキリンビールの「フリー」、「LED」、「餃子の王将」などでした。上位には環境、そして安さをキーワードとする商品が並びました。低価格商品の多さが目立っています。過去を振り返ると93年の横綱はダイエーのPB「セービング」、そして大関には「アウトレット」、94年には横綱にベルギー産のビール「バーゲンブロー」や「低価格PBコーラ」。次に低価格商品が登場したのが2000年。横綱には「ユニクロ」と「平日半額バーガー」。その翌年、2001年は中国製の衣類や家電が大量流入した年だったので「メード・インチャイナ」が横綱となったほか、「200円台牛丼」が東の張出(はりだし)大関となっています。

 格安商品の登場は、日経平均の動きと連動しています。株価が大きく下落したときに、低価格商品が番付の上位に登場。今年もリーマンショック後の株価下落を受け、全く同じ現象が起こっています。ちなみに去年の横綱は東が「ユニクロ」、「H&M」、西が「セブンプレミアム」「トップバリュ」でした。さらに今回の番付では、将来の大ヒットにつながるトレンドもありました。

「過去にもそうだったが不況期に次の時代を見据えた将来の大ヒット商品を予感させるような技術革新から生まれた商品がけっこうある。例えばキリンのフリー。完全にアルコール0ということで自動車を運転する人や妊婦などが安心して飲めるということである意味画期的な商品。未来のロングセラー商品の芽が見えた年と思う。」(日経MJ編集長)

ユーザーや消費者は物語を求めている?!

さて、上の動画は、日経MJによるものですが、以下は、SMBCによるものです。私は、どちらかというと、こちらのほうが、世相をより捕らえているとおもいますので、これをもとにして私の考えを掲載します。

■2009年ヒット商品番付

西
ハイブリッド・カー
キリンフリー
官製特需
張出
横綱
なし
新型インフルエンザ
対策グッズ
なし
「Fit’s」
(ガム)
ドラゴンクエストIX
1Q84
(村上春樹の小説)
国宝阿修羅展
原監督&
WBC・
日本シリーズ優勝
東大生ノート
ブローネ泡カラー
白髪染め
ガンダム30周年
GREE
(無料携帯電話
ゲームサイト
iPhone3GS
韓国旅行
弁当&水筒男子
ジーンズ激安競争
ブランド付録付き雑誌
マイケル・ジャクソン
「THIS IS IT」
ドキュメンタリー映画
ゆるキャラ

※SMBCコンサルティング調べ、カッコ内加筆


さて、この番付をどうみるかです。この番付を見る限り、日本は、まだ本格的デフレ、ましてや、デフレスパイラルになど入っていないと判断します。本来的には、デフレ傾向くらいが正しいのではないかと思います。

エコポイントのせいだとしても、ハイブリッドカーが売れるというのですから、いくら安くなったとは、いえ、まだまだです。それに、キリンのフリーにしても、本格的なデフレに見舞われているなら、そんなに売れるはずはありません。支出を切り詰めるというのなら、これらわ買わないでコンパクトカーにのったり、水や安い飲料ですませるはずです。

小説「1Q84」のあらすじは、「スポーツインストラクターであり、同時に暗殺者としての裏の顔を持つ青豆を主人公とした「青豆の物語」と、予備校教師で小説家を志す天吾を主人公とした「天吾の物語」が交互に描かれる。

10歳の時に出会って、離ればなれになった青豆と天吾は、この世界で自分一人で生きていく孤独に耐えながら、リアリティの感じられない日々を暮らしていた。しかし、1984年に2人とも同じ組織に対する活動にそれぞれが巻き込まれていく。そして、青豆は現実とは微妙に異なっていく不可思議な1984年を「1Q84年」と名付ける」。というものでした。

作者の村上春樹氏は、この小説を書いた動機を「僕が今、一番恐ろしいと思うのは特定の主義主張による『精神的な囲い込み』のようなものです。多くの人は枠組みが必要で、それがなくなってしまうと耐えられない。オウム真理教は極端な例だけど、いろんな檻というか囲い込みがあって、そこに入ってしまうと下手すると抜けられなくなる」「物語というのは、そういう『精神的な囲い込み』に対抗するものでなくてはいけない。目に見えることじゃないから難しいけど、いい物語は人の心を深く広くする。深く広い心というのは狭いところには入りたがらないものなんです」と語っていました。

この、作品がヒット商品番付に載っていること自体が非常に面白いことだと思います。何かを、象徴しているように思えてなりません。良い、製品や商品には、物語があると言われています。村上春樹は、物語について、いい物語は人の心を深く広くする。深く広い心というものは狭いところには入りたがらないと語っています。そうなると、良い製品や商品には、物語があり、その物語は、人の心を深く広くするものであるということが言えるのではないでしょうかそうして、この物語は、非日常性を演出するものではなくてはならないように思います。

現在、確かにデフレ傾向にありますが、その中でも、広い心をもたらす、非日常的な物語を求めているのだと思います。安いだけということでは、ヒット商品番付には載るような製品や、商品にはならないのだと思います。

この点に関して、具体的に製品や商品に関して一部を述べてみます。

■まず、東の横綱ハイブリッド・カーに関しては、省エネの雄であり、これからの新しい字時代を象徴しているのではないかと思います。これが、いままでの技術から離れた広い心、非日常性を生み出しているのだと思います。

■西の横綱、キリンフリーは、いつでも、ビールを飲みたいという欲求を満たして、閉塞感を打破し、通常ならありえない非日常性を生み出し広い心につながっているのではないかと思います。車を運転していても、どこでも飲めるということは、開放感につながります。

■さて、東の関脇「Fit's」ですが、これに関してもガムという商品は、すでに開発されつくしていて、もう新たなものは出ないという常識を突き破り、非日常性を生み出し開放感につながっている面があると思います。

■西の関脇、ドラゴンクエストⅨに関して、私自身は、ゲームをほとんどしないのであまり良くはわかりませんが、やはり、ゲームそののが、非日常的であることと、DXでできるこになってことや、すれ違い機能で、日常どんな場所でもできることと、新たな機能で、開放感を増しています。

■西の小結、国宝阿修羅展は、ふだんは興福寺の国宝館などに展示されている阿修羅像をはじめとする八部衆・十大弟子像の現存14体すべてが仮金堂に安置されています。単体なら、さほどでもありませんが、やはり、現存14体の展示には、かなりインパクトがあり、非日常的な開放感生み出していたと思います。

■東の前頭1の「東大生ノート」に関しては、私が学生だったころ、大学生協で販売していた、「実験ノート」を思い出しました。多分今でも販売しているのでしょうが、表紙も厚くて緑色だったと思います。中は、すべて、縦横に罫線が入っています。表紙が普通のノートの「東大生ノート」と違うだけで考え方は、同じだと思います。この、ノート私は、実験用にも用いましだか、その他、講義のメモ用にも用いていました。結構高いノートだったので、綺麗に書いていたと思います。それに、そのノートを用いたのは、やはり、思い入れのある授業でした。普通のキャンパスノートにも、今でも、こうしたイノベーションができるということで、これも、非日常性や開放感にもつながるものと思います。

■東の前頭3のGREEは、無料であることと、数がおびただしくあるということで、多くの人に、非日常性とそれに伴う、開放感を提供したと思います。 数が多いので、たいていの人は、少なくとも、一つや二つやってみたくなるゲームがあります。

■西の前頭4の弁当&水筒男子も、節約志向だけではなく、美味しさ、健康志向、それに意外性があり、これも、従来の範囲を逸脱するという非日常性と開放感があるのではないかと思います。最近で、お料理教室などでも、お弁当の講習が開かれ、男性が多く習いにきているということです。習いに行くくらいですから、お金も、時間もかけているということで、従来の単なる節約志向とは異なるものと思もいます。

■西の前頭5のブランド付録付雑誌に関して、ほとんどすべて女性向けですが、これも、なかなかのもので、雑誌の付録という従来の既成概念からはかけ離れたものがあり、これも、非日常性や、広い心につながるものと思います。いくつか、見たことがありますが、とても、羨ましく思いました。なぜ、男性雑誌にはないのかと、一瞬おもいましたが、デイアゴスティーニなどで提供している、定期刊行の雑誌ではなく、特定の期間だけ発売される、飛行機のフィギュア、船の模型や、お城の模型などついたものがそれに、あたるものだと納得しました。しかし、これらは、すでに随分前からやっているので、どちらかというと女性雑誌の付録の方が新鮮な感じがします。

さて、いろいろ、番付について述べてきましたが、こうしてみると、やはり、消費者は、安さだけを求めているのではなく、あいかわらず、非日常性や、開放感、心の広がりを求めているのだと思います。特に、今年の番付は、あの1Q84が含まれていて、何か、今の時世をあらわしているように思えてなりません。

これからの、商品や製品の中にもやはり、「非日常性、開放感、広い心」などキーワードであり続けると思います。今まで、ありふれたものであっても、そこに一工夫、これからも失ってはいけない姿勢だと思います。

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