2016年7月18日月曜日

「子供じみたやり方だ」 宮家邦彦氏が日中首脳会談での中国の“演出”を批判―【私の論評】このままだと、習近平は失脚し中国は過去の帝国と同じく崩壊する(゚д゚)!

「子供じみたやり方だ」 宮家邦彦氏が日中首脳会談での中国の“演出”を批判

宮家邦彦氏
「子供じみたやり方だ。中国は焦っている」。キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦氏は17日のフジテレビ系「新報道2001」で、15日にモンゴルで行われた日中首脳会談直前の中国側の対応を批判した。

会談は、南シナ海問題で仲裁裁判所が中国の主権を否定する裁定を出したことを受けて開催。番組によると、会場に着いた安倍晋三首相は中国の要求で部屋の外で待たされた。後から来た中国の李克強首相が先に入り、安倍首相を出迎える演出をした。

宮家氏は「(裁定で)中国は相当ダメージを受け、メンツも潰れた。取り繕っているが、このようなやり方をやる限り、孤立するだけだ」と指摘した。

【私の論評】このままだと、習近平は失脚し中国は過去の帝国と同じく崩壊する(゚д゚)!

上の記事に掲載されている「新報道2001」の動画(音声のみ)を以下に掲載します。


この動画、消去されることもありえるので、以下に番組内容を掲載しておきます。
モンゴル・ウランバートルで開かれたASEM(アジア欧州会議)首脳会議で、「安倍晋三」首相が中国の「李克強」首相と会談、フィリッピンが南シナ海における主権の主張は国連海洋法条約に違反するなどとして提訴した仲裁裁判で、九段線には歴史的権利も法的根拠もないと南シナ海における中国の主権を全面的に否定した裁決が出たことに、安倍総理が「法の下で紛争を平和的に解決することが述べたのに対し、李首相が「日本は騒ぎ立てたり干渉したりしてはいけない」と不満を表明したことに、 
「平井文夫」氏は、安倍総理が先に着いたのに外で待たされ、「李強克」氏が後から来て入った後に安倍総理を迎えた演出に、中国がこれでないと受け入れないと言ったのか日本が取り繕ったのか、怒って帰ってしまえは良いと語った。 
「宮家邦彦」氏は、子供じみたやり方で非常に焦っていると思うと、仲裁裁判所の判断は最終的なもので拘束力もあり、九段線は否定されたが中国にとっては否定できないもので相当ダメージを受け、面子も潰れ取りつくろってはいるものの相当焦っているが、今の中国のやり方を続ける限り利益を守れないということに気がつかないとどんどん孤立するだけだと、南シナ海も東シナ海も日本の周りを同じ一つの海で、海のルールを守らない人たちに我々が何をするべきかは明らかで、G7でやっていかなければならないと語った。 
アメリカ大統領選挙でドナルド・トランプ氏がもし大統領になれば、寧ろ中国は歓迎するのではないかと、最近は少しまともになっているが過去の発言のままであれば、アメリカの政策は内向きになり海外的に干渉しなくなりロシアにしても中国にしても歓迎するのではないかと語った。 
引用:新報道2001(2016年7月17日)
須田哲夫(フジテレビキャスター、大島由香里(フジテレビアナウンサー)、 平井文夫(フジテレビ上席解説委員)、片山善博(慶應義塾大学教授、元鳥取県知事)、猪瀬直樹(元東京都知事)、宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)、下重暁子(作家) 
確かに、これはあまりに子供じみたやり口です。 そうして、この子じみた対応等の原因としては、私は以前アメリカの戦略家であるルトワック氏が語っていたことを思い出してしまいました。

それに関して、掲載したこのブログの記事を以下に掲載します。
【湯浅博の世界読解】「自滅する中国」という予言と漢民族独特の思い込み―【私の論評】すでに自滅した中国、その運命は変えようがない(゚д゚)!
尊師の兵法書
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、漢民族の思い込みに関する部分を以下に掲載します。
漢民族は自らを「偉大なる戦略家である」と思い込んでいる。孫子の兵法を生んだ民族の末裔(まつえい)であるとの自負が誤解の原因かもしれない。米国の戦略国際問題研究所(CSIS)の上級顧問、E・ルトワク氏は、戦略家であるどころか「古いものをやたらとありがたがる懐古的な趣味にすぎない」と酷評する。実際には、中核部分の「兵は詭道(きどう)なり」というだましのテクニックだけが生きている。 
その詐術も足元が乱れることがある。米メディアが南シナ海のパラセル諸島への地対空ミサイル配備を報じた直後、王毅外相が「ニュースの捏造(ねつぞう)はやめてもらいたい」といった。すると、中国国防省がただちに「島嶼(とうしょ)の防衛体制は昔からだ」と反対の見解を表明して外相発言を打ち消していた。 
国家の外交が、ひそかに動く共産党の軍に振り回されている。軍優位の国にあっては、当然ながら国際協調などは二の次になる。 
中国がアジアインフラ投資銀行(AIIB)を含む札束外交で歓心を買おうとしても、従属を強要する意図が見えれば中国への警戒心はむしろ高まろう。ASEAN首脳が米西海岸サニーランズでオバマ大統領との会談に応じたのも、対中ヘッジ(備え)になってくれると考えるからだ。
今回の、 安倍総理が先に着いたのに外で待たされ、「李強克」氏が後から来て入った後に安倍総理を迎えた、宮家氏にいわせると「こどもじみた演出」も実は、孫氏の兵法書なども書かれてある戦略なのかもしれません。
E・ルトワック氏
しかし、これも結局のところ、E・ルトワク氏が言うように、戦略であるどころか、古いものをやたらとありがたがる懐古的な趣味にすぎず、実際には、中核部分の「兵は詭道(きどう)なり」というだましのテクニックの一つに過ぎないのです。

結局いくら、演出をしてみたところで、仲裁裁判所の裁定が変わるわけでも、安倍総理の考えを翻すことや、南シナ海の周辺のASEAN諸国などの考えを翻すこともできないのです。

結局、この子供じみた行為は、内向きの中国の本性を表したものといえます。現在の中国は、習近平が主導する「腐敗撲滅運動」という名の、激烈な権力闘争の最中にあります。この子供じみた行為は、権力闘争の道具の一つなのでしょう。権力闘争に勝つためには、習近平派であろうが、反習近平派であろうが、とにかく自らの統治の正当性を強力に訴える必要があります。

李克強が安倍総理を待たせるという行為は、中国内部で李克強が統治の正当性があることをアピールする狙いがあったのだと思います。安倍総理が待っているところに、李克強が入っていくということでは駄目だったのだと思います。李克強は、安倍総理の面子を立てた姿をアピールしたかったのでしょう。

これをアピールしているから、会談がうまくいけば、それは李克強の手柄になるし、会談がうまくいかなくても、面子を立ててもらっても李克強に楯突く日本国安倍首相ということを強調したかったのでしょう。こんなことにも気をもむ、李克強です。

確かに、宮家氏が語るように「仲裁裁判所の裁定により中国は相当ダメージを受け、メンツも潰れた」のでしょう。李克強はこれ以上、メンツが潰れないように、最大限の努力をしたつもりなのでしょう。

会談を前に、握手する安倍首相(左)と中国の李克強首相=15日、ウランバートル
しかし、このようなことをして、仮に国内にアピールできたとしても、国際関係には何の影響も及ぼすことはありません。

中国は、国内での統治の正当性の主張の仕方が、中国以外の他国に対しても、効くものと勘違いしているようです。

お世辞にも、優秀とはいえない、軍事力をちらつかせたにしても、それは国内の人民に対しては効き目があるかもしれませんが、他国に対してはかえって、敵愾心を強化させるだけになります。国際関係では、そんなことをするよりは、国際法を遵守し、その範囲の中で自己主張をしていくというやり方でなければ、通用しません。

そのことを忘れて、対外関係も中国国内と同じように進めようとする中国に明日はありません。外交でも、国際関係でも、失敗続きの習近平は、近いうち国内でも、統治の正当性を疑われ、権力闘争に負けて、退くことになるでしょう。

それでも、中国は南シナ海での暴虐を繰り返すことでしょう。そうなれば、国際社会から完璧に孤立することになります。

国際社会から孤立した中国は、この地域に過去に栄えて、衰亡した多くの大帝国の二の轍を踏むことになります。現在の中国は、過去の孫子の兵法などを学ぶのではなく、過去にいくどとなく、この地域に設立された大帝国がその後、消滅し、その後前の帝国などとは全く関係なく、分断された次の帝国をつくりだすということを繰り返してきた過去の中国の歴史を反省すべぎてす。

なぜ、大帝国は崩壊したのか、中国人は真摯に反省すべきです。その反省がない限り、いずれ現在の中国も、過去の大帝国と同じように滅ぶだけです。

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2016年7月17日日曜日

【世界ミニナビ】中国ご自慢の空母「遼寧」は日米潜水艦隊がすでに“撃沈”?―【私の論評】中国の全艦艇は既に海上自衛隊により海の藻屑に(゚д゚)!

【世界ミニナビ】中国ご自慢の空母「遼寧」は日米潜水艦隊がすでに“撃沈”?

実戦ではほとんど役立たずといわれる空母「遼寧」
 米国にとって代わろうと覇権獲得に躍起となっている中国。その中国が海洋強国の象徴として心血を注いで建造したのが空母「遼寧」だ。歴史をひもとくと巨艦を持った軍事国家は「砲艦外交」に乗り出すことが多く、中国も周辺諸国威圧のため、遼寧を何度か出航させている。しかし、対する日米の潜水艦艦隊はピッタリとその動向をマークしており、すでに遼寧を何度か“撃沈”しているとみられる。もちろん、秘密裏に行われている演習の上でのことだが…。

 追尾する日米潜水艦艦隊

日本の海上自衛隊と米国海軍の潜水艦艦隊が演習で遼寧を“撃沈”しているようだと明らかにしたのは、米誌「ナショナル・インタレスト」だ。同誌は6月18日のウェブサイトで、「撃沈している」との断定的な表現は微妙に避けながらも、日米の潜水艦艦隊は遼寧が出航するたびに追尾し、“撃沈”の演習を繰り返しているとしている。

遼寧は、ソ連崩壊のあおりを受けてスクラップ同然となった未完成の空母「ワリヤーグ」を、中国がウクライナから購入し、改修したものだ。米海軍が運用しているようなスチームカタパルトを装備した空母ではなく、艦載機はスキージャンプ台から発艦するなど、米海軍の空母と比べるとその能力は低い。

ただ、遼寧はすでに国産空母の建造に着手している中国が、いずれ本格的な空母機動部隊を保有するまで、艦や艦載機などの運用能力を獲得・維持するための「練習用空母」として位置づけられている。

搭載できる艦載機の数も限られているが、西太平洋方面では米国を除けば、ジェット戦闘機を発着できる艦を保有しているのは中国しかない。タイ海軍がスキージャンプを備えた小型空母「チャクリ・ナルエベト」を持っているが、予算と人員不足から機能しているとは言い難い。

 時代はなすすべなく

遼寧は、満載排水量が10万トンを超える米空母ほどではないが、6万7500トンとほかの水上艦と比べると巨艦だ。駆逐艦やフリゲート艦などを従えて西太平洋の海域を遊弋(ゆうよく)すれば、海空軍力が劣るアジア諸国にとっては脅威となる。親善訪問を名目に海外に寄港し、その威容を見せつければ「砲艦外交」となる。

余談だが、130年前の1886(明治19)年に当時の新鋭艦だった定遠や鎮遠を従えた清王朝の北洋艦隊が燃料補給などを名目に長崎に入港。上陸した清国水兵が商店に押し入るなど乱暴・狼藉を働いて外交問題となった。しかし、当時の日本には定遠や鎮遠に対抗できる水上艦がないため、なすすべがなかった。

定遠
 この事件は「長崎事件」といわれ、1894(明治27)年に始まった日清戦争の遠因になったともいわれる。定遠や鎮遠などの新鋭艦を目の当たりにした日本は海軍力の増強に乗り出し、日清戦争でようやく仇を討つことになる。

 把握される中国海軍の動向

一方、ナショナル・インタレストは海軍艦艇の中で最も強力なのは潜水艦戦力で、空母をはじめとする水上艦艇を沈めるのに最も有効な手段だとしている。遼寧についてもその配備先は当初、海南島や台湾やベトナム近くの海軍基地ではないかとの観測もあったが、山東半島の付け根にあり、黄海に面した北海艦隊の根拠地となっている青島に配備された。

ナショナル・インタレストは、中国が遼寧の母港を青島にした理由として、通常動力型の宋級潜水艦と漢級原子力潜水艦が配備されているためだとしており、宋級潜水艦と漢級原子力潜水艦が日米の潜水艦隊に対抗するうえで有効なためだと分析している。

ナショナル・インタレストは潜水艦戦力の例として、2006年10月に宋級潜水艦が沖縄近海で米空母キティホークに魚雷攻撃ができる距離まで近づき、浮上したことを紹介。また、2013年に中東のオマーン湾で行われた演習で、米海軍の攻撃型原潜が英海軍の空母イラストリアスに魚雷で攻撃できる距離まで近づいたことを明らかにしている。

水上艦や潜水艦をはじめとする中国海軍の動向は人工衛星や偵察機によって把握され、艦艇が出港すると、海上自衛隊や米海軍の本格的な監視・追跡が始まる。もちろん、まさにこの時間帯にも中国の軍港の近海や東シナ海や南シナ海から西太平洋に抜ける海峡などのチョークポイントに日米の潜水艦隊は潜んでおり、中国の海軍艦艇をにらんでいる。

【私の論評】中国の全艦艇は既に海の藻屑と消えている(゚д゚)!

過去の海戦では、対艦巨砲といわれ、大きな戦艦同士の砲撃戦によって雌雄が決定されるとされていました。そうして、それをものの見事に証明してみせたのが、日本海海戦で日本海軍はロシアのバルチック艦隊を完膚なきまでに打ち破り大勝利して、日露戦争の趨勢を変えてしまいました。

大東亜戦争のときには、日本は初戦で、連合艦隊の航空母艦により太平洋を席巻しましたが、最後には空母を含む米大機動部隊に敗北を喫しました。しかし、ハワイの博物館には、世界で最初に空母を本格的に運用した国として、日本は尊敬の念を持って語られています。

そうして、その次の海戦の主役は潜水艦です。日本は現在原子力潜水艦は配備してはいないものの、通常の攻撃型潜水艦では世界最高水準の潜水艦を配備しています。なぜか、現在でも、日本は海戦では最先端の道を歩んでいます。

それについては、このブログにも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
「日本以外なら中国の勝利意味する」豪潜水艦共同開発で米政府―【私の論評】世界の海から原潜が消える日も?中国が最も恐れる怪物 改「そうりゅう」(゚д゚)!
「そうりゅう」型潜水艦 「うんりゅう」
詳細はこの記事を御覧ください。特に、技術的に世界トップ水準であることなどについては、ここでは説明しませんので、この記事をご覧下さい。以下に、この記事から軍事的な側面で中国海軍の潜水艦との比較などの部分を以下に引用します。
日本はもともと、技術水準が高いため、潜水艦の推進装置もあまり音は出ませんでした、しかしスターリングエンジンを搭載してから、格段に音が静かになり、そのため、ソナーなどで敵から発見されにくいという利点がありました。

現行の「そうりゅう」型潜水艦ですら、さらにかなり音が小さいのと、潜行時間が長いので、かなり隠密行動がとりやすいという利点がありました。敵に気づかれず、索敵行動や、攻撃ができます。これに比較すると、アメリカの最新鋭の原潜ですら、推進音が大きく、「ゴー、ゴー」という推進音がします。これだと、現在の技術水準の高いソナーでは、発見されやすいです。

中国の最新鋭の原潜の場合は、もともと工作技術がお粗末なので、水中で進むときには、まるでドラム缶をガンガン叩いているような音を出しながら推進するということになり、すぐに敵に発見されてしまいます。

敵側からすると、「そうりゅう」型ですら脅威なのに、リチュウムイオン電池を用いた改「そうりゆう」型は、無音と言って良いくらい音が静かなので、何をもってしても発見することができず、攻撃を受けるときには、前もって準備などできません。

全く察知できないところから、いきなり魚雷などで攻撃されるという状況になります。これを防ぐ手段はありません。海で、これほど強力な武器はありません。さらに、このブログでも以前掲載したように、日本の対潜哨戒能力は、世界トップ水準ですから、現行の「そうりゅう」型潜水艦と束になって挑まれたら、中国海軍は全く歯が立たないことでしょう。

もし、戦争になれば、中国海軍は、空母も戦艦もあっという間に海の藻屑になって消えます。はっきりいえば、自殺行為です。だからこそ、中国は尖閣付近でも、本格的に駆逐艦や空母を派遣できず、せいぜい機関砲付きの艦船をおっかなびっくり派遣する程度のことしかできないのだと思います。

現在、中国を含めて、いくつかの国が原潜を運用していますが、ご存知のように原潜は、原子力を推進力に用いています。しかし、これは言うまでもなく、非常に危険です。放射能汚染の危険といつも隣り合わせです。

日本以外の国には改「そうりゅう」型のような潜水艦を建造する技術はありませんが、数十年後には、原潜は姿を消し改「そうりゅう」型のような潜水艦が主流になるかもしれません。
このようなことから、ブログ冒頭の記事に「日本の海上自衛隊と米国海軍の潜水艦艦隊が演習で遼寧を“撃沈”している」とありますが、これは事実であると考えられます。

おそらく、日本の海上自衛隊単独でも遼寧の撃沈は容易であると考えられます。これはたとえ、中国の攻撃型原潜が遼寧を警備している場合でも同じことだと考えられます。

いや、それどころか、日本の海上自衛隊単独で、中国の艦隊すべてを撃沈するシミレーションを行い、成功を収めているのではないかと考えられます。演習で「遼寧」だけが対象とか、日本の海上自衛隊の実力を試さないなどのことは考えられません。

ただし、実戦になれば今のところ日本の最新の「そうりゅう型」潜水艦の配備数は少ないですから、日本だけでは多少無理がありますが、今の中国海軍のレベルであれば、何とかできる状況であると考えられます。

ただし、戦争が長引いた場合など、やはり現状では、米国との連携が必要でしょうが、将来配備数が増えれば、それもできるようになることでしょう。ただし、これは無論のこと日本周辺と南シナ海に限ってのことです。

私は、このことは、以前から当然実施していることであると考えていましたが、上記の米誌「ナショナル・インタレスト」の記事によって、これは白日のもとに晒されたものと思います。

まさに、日米の潜水艦軍は、ブログ冒頭の記事にあるように、「水上艦や潜水艦をはじめとする中国海軍の動向は人工衛星や偵察機によって把握され、艦艇が出港すると、海上自衛隊や米海軍の本格的な監視・追跡が始まる。もちろん、まさにこの時間帯にも中国の軍港の近海や東シナ海や南シナ海から西太平洋に抜ける海峡などのチョークポイントに日米の潜水艦隊は潜んでおり、中国の海軍艦艇をにらんでいる」のです。

そうして、当然のことながら、中国はこのことを知っています。

チョークポイントとは、地政学上、シーパワーを制するに当たり、戦略的に重要となる海上水路のことです。見方を変えればいくつかの表現ができます。例えば、シーレーン防衛において、重要な航路が集束している部位です。すなわち、水上の要衝を意味します。ボトルネックという語で表されることもありますが、重要なのは、チョークポイントは水上航路のみを指す概念であり、陸上輸送は含みません。したがって、必然的に、「海峡」「運河」などを指し(港を指すことも)ます。

では、具体的にチョークポイントがどこにあたるのか、みてみましょう。日本周辺の日本にとってのチョークポイントは以下です。


以下は、日本近海だけでなく、世界的な視野で見た場合の、チョークポイントです。


その一つは、海賊が問題になっている、また日本のタンカーが爆発物による攻撃を受けたソマリア沖・ホルムズ海峡アジアではマラッカ海峡などシーレーンの隘路となっている海峡です。

さらに、狭い狭いマラッカ海峡を無事に通過すると、南シナ海です。ここを中国にストップされたら、どういうことになりますか?どんな人でも容易に想像がつくことと思います。インド洋沖・南シナ海は、ソマリア沖を含むシーレーンの最重要ポイントでもあります。

日本近海でもいつかのチョークポイントがあります。さらに、世界的規模でみると日本にとってのチョーク・ポイントはかなり膨大なものとなります。これでは、とても日本だけの力では守り切れるものではありません。このためにも、日米や他の国との集団的自衛権の行使は必要不可欠です。

ところが、政権の座につきながら、このシーレーンの重要さをまったくわかっていなかったのが先の民主党(現民進党)政権でした。彼らは、インド洋沖の給油作業を止めてしまいました。この結果、ソマリア沖での海賊情報などは、米軍からの情報提供は断られていました。現在は、インド洋沖の給油作業は、復旧し、米国の情報提供も再開されました。

しかし、南シナ海の危機はさらに大きな脅威となりつつあり、日本としては、何としてでも、南シナ海の中国の権益の拡大を阻止しなければなりません。

これを許しておけば、日本のシーレーンは脅かされ、中国がこのシーレンを自らのものにして、中国がアジア向けの石油を全部わが物にして、中国を最優先して、残った石油を他のアジアの国々に対して法外な価格で売りつけるなどという馬鹿真似をしだすかもしれません。いや、日本や、周辺諸国が中国の動きを封ずることができなければ、将来そうなる確率はかなり高いです。

さらに、先日も示したように、中国は南シナ海を中国の戦略型原潜の聖域にしようとさえしています。

このような危機に対処するためにこそ、日米は、共同で南シナ海のチョークポイントに潜水艦を潜ませ、中国海軍の動向を監視したり、撃沈のシミレーションをして鉄壁の構えを構築しているのです。そうして、そのシミレーションの中には、中国艦隊の殲滅も含まれているのは当然のことです。

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2016年7月16日土曜日

「都議会のドン」への“抗議の死” 自殺都議の妻が夕刊フジに激白―【私の論評】次の東京知事は伏魔殿東京都を打ち砕く人にすべき(゚д゚)!

「都議会のドン」への“抗議の死” 自殺都議の妻が夕刊フジに激白

猪瀬直樹元東京都知事
   猪瀬直樹元東京都知事がインターネット上で炸裂(さくれつ)させた「暴露」が、都知事選を激震させている。5年前に自民党都議が自ら命を絶った理由を、「都議会のドン」と呼ばれるA氏への“抗議の死”だったと明かしたのだ。このA氏、今回の都知事選で、「(親族を含めて)非推薦候補を応援すれば除名対象」という、まるで北朝鮮のような通達文書を出した1人だという。元都議の未亡人が夕刊フジに激白した。

「なりふり構わず締め付けて、思う通りに支配しようとするのが、いつものやり方です」

2011年7月1日に自殺した、自民党都議の樺山卓司(かばやま・たかし)氏(当時)の妻、京子さん(65)は14日夜、こう語った。

樺山氏の死の真相は、猪瀬氏が都知事選の告示前日(13日)、ニュース共有サービス「NEWS PICKS」(ニューズピックス)のインタビューで暴露した。さらに、自身のツイッターで「遺書」とされる殴り書きの画像を公開し、大反響を呼んでいる。

京子さんは「主人はいつも、『A氏に「靴の裏をなめろ」と言われたらなめそうな連中ばかりが役職に就いている』と話していました。党の総会でも、A氏に気を使ってか誰も発言しない、と。主人はそんな都連の風通しをよくしたい一心でした」と振り返る。

樺山氏は葛飾区議を経て、1993年に日本新党公認で都議選に出馬し初当選した。その後、自民党に合流するが、そこで待っていたのが実力者のA氏だった。

その大物ぶりは都議会だけでなく、都議夫人による懇談会でも、「A氏の奥さんが現れると、司会の方が『どうぞ、拍手でお迎えください』とアナウンスしていた」(京子さん)という。

樺山氏はたびたびA氏の強引なやり方に意見したという。当然、A氏周辺には目の敵にされた。

前出の猪瀬氏はインタビューで「都議の集まりで嫌がらせ的に罵倒された」「『反A氏』の声を上げると粛清されてしまう-そんな世界が都議会にはあるわけです」と語っている。

亡くなる前夜、樺山氏は「反A氏」を掲げる都議仲間数人と会食して帰宅した。翌日未明、書斎でポリ袋をかぶって倒れているところを、京子さんに発見された。

「思い詰めた様子もなく、突然だったので『主人はA氏に対して抱いていた怒りが爆発して死を選んだのだ』と直感しました。1年後、遺書が見つかり、そのこと(=憤死)がはっきりしました」(同)

遺書にはA氏を名指しし、《来世では必ず報服(原文ママ)します!御覚悟!!自民党の皆さん。旧い自民党を破壊して下さい》と記されていた。

京子さんは都知事選について、亡き夫の願いである「古い自民党の破壊」に期待している。



猪瀬氏の告発内容について、A氏とA氏の事務所は「コメントしたくない。バカみたいな話」「事実無根だ」と夕刊フジにコメントしている。

【私の論評】次の東京知事は伏魔殿東京都を打ち砕く人にすべき(゚д゚)!

まずは、樺山氏の略歴など掲載させていただきます。
生年月日:1947年8月21日 
学歴:日本大学法学部政治経済学科 
経歴
葛飾区議を3期務めた後に1993年に都議に初当。
亡くなった2011年の時は5期目でした。
現在は、すでに削除されていますが、ご自身のブログのプロフィールを以下に掲載させていただきます。



このニュースの発端ともなった、猪瀬氏のNewsPicsの記事のリンクを以下に掲載しておきます。
誰が東京を殺すのか 猪瀬直樹が語る「東京のガン」

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、上の記事では「A氏」とされている、人物の名称はこの猪瀬知事の記事では、名前や写真、経歴まで掲載されています。

その内容を以下に掲載します。
以下に、この記事のリンクを掲載した、猪瀬氏のツイートを掲載しておきます。




この遺書とみられる文書の清書したものを以下に掲載します。
これは全マスコミに発表して下さい。内田を許さない!!人間性のひとかけらもない内田茂。来世では必ず報復します。御覚悟!!自民党の皆さん。旧い自民党を破壊して下さい。
樺山氏が自殺された当時の記事など残っていませんが、当時の個人の書いたブログなどは残っています。そのブログをそのまま引用します。
ブログで放射線量測定結果を発表していた都議が不自然な自殺 
http://blog.livedoor.jp/ryota1970/archives/51859056.htm 
1日午前3時頃、都議の樺山卓司氏が、自宅兼事務所の2階で頭にポリ袋をかぶって倒れていたそうです。 
昨日まで元気にブログを更新していたんですけどね。ブログを読む限り自殺の兆候は全く見られません。むしろ高いモチベーションを持って仕事をしている印象。 
この「空間放射線量測定結果」シリーズがまずかったんですかね? 
葛飾区内の空間放射線量測定結果―6月30日―葛飾区内の空間放射線量測定結果
6月30日 天気 晴れ
測定場所
水元中央公園(水元1-23-1)  0.25マイクロシーベルト/時
金町二丁目ときわ公園(金町2-16-4)  0.26マイクロシーベルト/時
金町公園(柴又3-24-1)0.21マイクロシーベルト/時
高砂北公園(高砂4-3-1)0.22マイクロシーベルト/時

※測定方法:地上1メートルの地点で、30秒毎に5回測定した値の平均
測定機器:シンチレーション式サーベイメーター(ALOKA社 TCS-171) 
葛飾区内の空間放射線量測定結果―6月27日―
葛飾区内の空間放射線量測定結果
6月27日 天気 曇り
測定場所
中道公園(西亀有1-3-1)  0.12マイクロシーベルト/時
本田公園(立石3-4-13)  0.16マイクロシーベルト/時
新小岩公園(西新小岩1-1-3)0.21マイクロシーベルト/時
最初にリンクを貼った産経記事より。
■議会は与野党勢力拮抗 
樺山氏の死去により、都議会の与野党は採決で同数となる。この場合、議長裁決となるため、議長を出している民主党側が優位になり、自民・公明側が劣勢に立たされる。今後、築地市場の移転問題などに影響する可能性がある。都選挙管理委員会によると、定数4の葛飾区選挙区は1人欠員のままとなる。
ご注意ご注意。
さて、この記事では、樺山氏が放射能測定の内容をブログに掲載したことが、不自然な死につながっているかもしれないことを匂わせています。しかし、東日本大震災と福島原発事故があったときの、東京の放射能は実はさほどでもないことは、当時から公にされていました。

それについては、このブログにも過去に掲載しています。
東京の地表放射性物質 1960年代と同水準 米ソ中が核実験「健康被害なし」―【私の論評】中国の核汚染のほうが余程恐ろしいかも?

この記事は2011年4月29日のものです。一部を以下に引用します。
都内の放射性物質を測定している「東京都健康安全研究センター」(東京都新宿区)の4月1~28日の観測によると、同区の1平方メートル当たりの降下量は、最大値が11日の170ベクレル、最低値が12日の4ベクレル。降下量は降雨など天候で大きく増減するが、単純計算すると、月間数百ベクレルとなる。 
同センターは「健康に影響が出ることはないと考えている」としている。
これでは、樺山議員がブログに放射能の測定結果を掲載していたとしても、不当に低い結果を掲載したこともなく、これが不自然な自殺との間に何か関係があるなどとはいえないと思います。

しかし、確かに樺山氏の自殺は、あまりに不自然であったことは確かです。あまりに不自然であるからこそ、当時このような憶測がなされたのだと思います。この不自然な自殺が明るみに出たことで、都議会および都の職員などの疑惑などが明るみにでると良いと思います。

都議会の異常ぶりについては、このブログにも過去に掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
舛添都知事“説明なき辞職”を元愛人が批判―【私の論評】倫理的追求に終始していては何も変わらない!形を変えてまた起こり続ける舛添問題(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事に掲載した動画と、その説明を以下に掲載します。


詳細は、この動画をご覧いただくものとして、佐藤優氏は、自分の憶測だとしながらも、都庁にはいわゆる裏金(プール金)があるのではないかと主張しています。

確かに、これがあれば、様々な謎が解けます。そうして、佐藤氏は、かつて東京都は、尖閣買い取りのため、副知事だった猪瀬が15億円を簿外で集めたことがあることを指摘していました。 
さらに、佐藤氏は東京都には会計検査院の手が入らないことなどを語っており、裏金は大いにありそうそなことです。かつて全国各地の警察には、そのようなお金がプールされていました。当然のことながら、警察組織は監査が入ります。監査が入っても、あのようなことがあったのですから、会計検査院がノータッチということになると、東京都はかなり裏金をプールしやすい組織ということがいえます。
佐藤勝氏は、あくまで憶測としていますが、舛添氏の悪行をリークした側にも問題がある可能性を指摘しています。そうして、それは役人に問題があるかもしれないとしています。そうして、都議会にも腐敗があり、東京都は伏魔殿のような状況になっている可能性を指摘しています。裏金をプールするということになれば、議員だけでは無理です。都の職員も関わっている可能性が濃厚です。

さて、かなり問題になつた挙句リオの視察に最終的に行くことになった、自民・公明・民進・旧維新の議員たちには、ある共通点があります。

その共通点とはなんでしょうか。そう、舛添知事の高額海外出張経費などを徹底追求する、百条委員会の設置に最後まで反対した会派です。

なんのことはない、彼らも同じ穴のムジナだったというわけです。世論の流れに迎合して知事をぶっ叩いている裏側で、自分たちはちゃっかり海外視察の準備を進めていたということです。

舛添知事の行いは決して許されるものではありませんでしたが、都議会も本当に腐敗が極まっているような場所のようです。

普段国会議員などと比較すると、注目がほとんど集まらないことから、「国会以上に保守的な伏魔殿」と呼ばれる東京都議会です。

今回の、猪瀬元東京都知事の暴露によるこの流れで厳しい世論の目に晒されて、少しでも浄化されていくことを願うばかりです。

東京都民は以上のことを良く知った上で、都知事選挙に臨むべきです。そうして、次の東京都知事は、「伏魔殿東京都」を打ち砕く候補者にすべきです。今のところ、これをはっきり公約に掲げているのは小池百合子氏のみです。

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2016年7月15日金曜日

小池百合子氏「拾う神もある」支援拡大アピール―【私の論評】安倍総理を誕生させたファショニスタ石原、小池東京都知事誕生にまた一役買うか?

小池百合子氏「拾う神もある」支援拡大アピール

都内で第一声をあげる小池百合子氏
東京都知事選は14日、告示された。自民党の推薦を得られず無所属となった小池百合子元防衛相(63)はJR池袋駅前で第一声を行った。

「これまで9回、選挙を戦ったが、いちばん厳しい戦いです」としながらも「拾う神もある。東京のあちこちから、区議さんや都議さんが、小池を応援しようと、毎日あふれるように出てきてくださる」と、草の根で支援が拡大していることをアピールした。

小池氏が「たった1人の戦い」と話すと、「1人じゃない!」と声援が飛んだ。小池氏は気を取り直して「私は1人じゃない。小さい頃バイオリンを習っていたが、私が第1バイオリンとなり、皆さまの力でオーケストラにしたい」と宣言した。

その上で、「都政を、もっと『見える化』して、透明化する。たった一握りの人が、どこで何を決めているか分からないような都政をもうやめる」と指摘。これまで「ブラックボックス」と指摘してきた、都議
会自民党や都連への対決姿勢を、あらためて示した。

小池氏は都知事選出馬をもって、92年の参院初当選以来、24年間つとめた国会議員を自動失職した。

【私の論評】安倍総理を誕生させたファショニスタ石原、小池東京都知事誕生にまた一役買うか?

いよいよ、昨日から都知事選が始まっています。すべての候補者の名称を以下に掲載します。

小池百合子氏の該当第一声の動画を以下に掲載します。



小池氏の政策を手っ取り早く聴きたいかたは、44分40秒過ぎからまとめて語られていますので、そのあたりから御覧ください。

以下のような主張をされています。

・韓国人学校予定地は介護育児のための施設にしていく 

・外国人への地方参政権には反対している 

・秩序なき移民に反対 (治安の関係から有耶無耶に外国人労働者を増やすのは問題) 

この他、第一声に先立つ、記者会見などでは、「都政の透明化」、「五輪予算見直し」、「女性政策推進」も訴えておられます。

さらに、ネット上で「ださい」とかなり不評だった観光ボランティア「おもてなし東京」のユニホームについても「みんながかっこいいと思えるデザインに変えるべきだ」とも述べました。

さらに、東京都でもある小笠原諸島における中国漁船による珊瑚の乱獲についても、中国漁船によるサンゴ密漁問題には毅然として当たる考え強調していました。

2014年11月 小笠原諸島沖の海域で珊瑚を密漁する中国漁船群
他の候補者たちは、俄仕立てのようで、あまりはっきりとした政策がないとか、あっても少ないとかなどとは異なり、かなり明瞭で、多くの主張をされています。

さて、この小池百合子氏による、第一声には、自民党の議員も駆けつけていました。昨日、東京・池袋駅西口で行われた小池百合子元防衛相の第一声に、自民党の若狭勝衆院議員(比例東京ブロック)が駆けつけ「小池氏が都知事になれば、都政の利権追及を行う。東京地検特捜部の副部長をやっていた私も、チームができたら間違いなく関与する」と述べ、支持を訴えました。

自民党は増田寛也元総務相を推薦し、都連は党が推薦していない候補者を応援した場合、親族も含めて「除名などの処分対象となる」との文書を所属国会議員や地方議員に配布。この日の小池氏の演説にも、若狭氏や一部区議を除き、自民党都連所属の議員の姿はみられませんでした。

若狭氏は応援演説後、記者団に「党が除名するというならしようがない。親族を含むというが、例えば、小泉純一郎元首相が応援に来たら、小泉進次郎さんが対象になる。ブーメランにならないか」と指摘。小池氏は「私を応援すると、一族郎党を罰するということだが、それを乗り越えてきてくれた(若狭氏の)覚悟と信念に心から感謝する」と語っていました。

これについては、ちょっとしたハプニングが起こっています。"都連は党が推薦していない候補者を応援した場合、親族も含めて「除名などの処分対象となる」との文書を所属国会議員や地方議員に配布"となっていますが、その文書そのものを以下に掲載します。

この文書の発信者をご覧下さい。「自由民主党東京都支部連合会 会長 石原伸晃 幹事長 内田茂 党紀委員長 野沢太三」となっています。

そうして、あろうことか、最近石原伸晃氏の実弟でもある、石原良純氏が、13日放送のフジテレビ「バイキング」にて鳥越氏支持の発言をしてしまったのです。

フジテレビ「バイキング」にて鳥越氏支持の発言をした石原良純氏

上の記事て、若狭氏が語った「ブーメランにならないか」という発言が、実現して、まさにこの文書を発信した最高責任者である、石原伸晃氏に帰ってきたという図式になってしまいました。

さて、石原伸晃氏というと、はっきり言うと、自らの失言で、総理大臣になれたかもしれない機会を不意にしてしまった人です。

それについては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
民主が社会保障「3党協議」離脱へ―【私の論評】安倍総理には、自分では意図せずに、協力にサポートする二人のファンタジスタがついている!これで鬼に金棒だぁ-(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事は、2013年8月4日のものです。この時は、民主党(現在の民進党)の代表は、海江田さんでした。
それにしても、安倍総理、素晴らしいファンタジスタに恵まれています。それも、二人もいます。一人は、石原伸晃氏です。彼も、自民党総裁選の前に、華々しい失言の連続で、本来かなり有利であったにも関わらず、安倍総裁登場という素晴らしいファンタジーを演じました。
そうして、二人目はもちろん、アングラータ・カイエーダです。これには、反日マスコミもびっくり仰天でしょう。反日マスコミは、カイエーダの、牛事件があっても、あまり追求しませんでした。それは、無論、安倍たたき、安倍潰しのためには、カイエーダは重要人物だとみなしていたからだと思います。そうして、安倍潰しのために、何とか、増税でアベノミクス潰しを確かなものにしようと、大増税キャンペーンをやりはじめていた矢先に、このカイエーダの華麗なプレイです。 
もう、これ以降、反日マスコミは、「三党合意」を盾として、増税キャンペーンをやっても、その効果は半減することになるでしょう。 
それにしても、意図せず意識せず、安倍総理のために動くこの二人、他では関心しないこともありますが、これらの件についてだけは、称賛してあげようではありませんか(゚д゚)!ひよっとしたら、あなたがたが、日本の未来を変える原動力になるかもしれません。
石原伸晃氏は、期せずして、自らの失言で、本来ならば自ら総理大臣になる機会を不意にし、かなり望み薄であった、安倍総理の誕生に大きく貢献したということで、ファンタジスタなどと揶揄されていました。


この状況だと、誰か他の議員が小池百合子氏を応援したとしても、石原伸晃氏もあまり強くものが言えないことでしょう。

この様子だと、石原伸晃さんは今度は、期せずして、小池百合子東京都知事誕生の強力なファショニスタになるかもしれません。

候補者らの主張を聴いたり過去の行動をみて、ざっくり言うと、鳥越俊太郎氏は昨日このブログにも掲載したように現状の知的水準にはかなり問題ありです。そうして、自民党推薦ではあるものの、反日、外国人地方参政権推進(自民党改憲草案は地方参政権禁止)、親韓、親朝鮮総連、小沢一郎の子分、土建屋の親玉、東京の予算を地方に分配して東京弱体化を公言している増田寛也氏だけは当選させてはいけないと思います。

候補者としては、小池氏が一番まともですし、腹も座っています。

私は、東京都民ではないので、残念ながら知事選に票を投じることはできませんが、小池氏を応援したいです。そうして、石原伸晃氏が、ファッショニスタの面目を躍如させて、過去に安倍総理を誕生させたように、また小池東京都知事の誕生に大きな役割を果たしていただきいたいものと思います。

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2016年7月14日木曜日

鳥越氏はいまも「中国と北朝鮮の脅威はない」と言い切れるのか―【私の論評】なぜかメディアで指摘されない、鳥越氏の知的水準(゚д゚)!

鳥越氏はいまも「中国と北朝鮮の脅威はない」と言い切れるのか

政治的な信念は語るが、都政に関する公約は出てこなかった鳥越氏=12日午後
東京都知事選(31日投開票)が14日、告示される。政党の支援なしで出馬する小池百合子元防衛相(63)に対し、自民、公明与党は増田寛也元総務相(64)を推薦し、民進党と共産党など野党4党は「憲法改正反対」を掲げるジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)を支援する。後出しジャンケンで目立った鳥越氏だが、中国の軍事的脅威などがあらわになるなか、特異な発言を連発していた。

「参院選の結果を受けて、昨日(11日)夕方ごろに決めた。改憲の流れを変えたい」

鳥越氏は出馬の動機について、12日の記者会見でこう語った。都政がテーマになるべき都知事選だが、具体的な政策や公約は語られなかった。ただ、「国政の代理戦争」といえる動きを、メディアは大きく取り上げた。

ジャーナリストとして著名な鳥越氏だが、最近は、安倍晋三政権が進めた安全保障法制などを厳しく批判してきた。

2014年8月に放送されたNHKスペシャル「シリーズ日本新生 『戦後69年 日本の平和を考える』」では、日本を取り巻く東アジアの安全保障情勢について、次のように語った。

「(日本は)安全でなくなったとか、日本の国が攻められるような感じになってきたという声がある(中略)。みなさん、日本の平和が侵されるような状況になっているという大前提でお話になっているが、そんなことは虚構です。そんなの、ありませんよ。どこの国が攻めるんですか」

「確かに空気として、尖閣諸島(沖縄県)が何となく危ないなとか、中国が近くまで来ているとか、北朝鮮がミサイル打っているというのはあります。しかし、それはすぐ、日本がそれで攻められるのか。日本の国民の命が危ないのか。そんなことはないですよ」


動画はブログ管理人挿入

中国は南シナ海の岩礁を埋め立てて軍事基地化し、周辺諸国と衝突している。東シナ海の日中中間線付近にも、軍事転用可能な海洋プラットホームを多数建設している。中国メディアは尖閣だけでなく、沖縄全体を「中国のもの」と公言している。中国漁船は、東京・小笠原諸島周辺でサンゴを強奪している。北朝鮮は弾道ミサイルの開発を続けている…。

テレビ発言は2年前だが、鳥越氏は今でも「中国や北朝鮮の脅威はない」と言い切るのか。

世界で評価されている自衛隊のPKO(国連平和維持活動)にも、特異な持論を持っている。

鳥越氏は同じ番組で、「カンボジアに自衛隊がPKOで行ったとき、道路をつくったが、1年後に取材に行ったら完全に道路は消えてしまっていた。雨が降って。(PKO活動は)無駄です」と言い放ったのだ。

昨年6月には、鳥越氏は安保法制の反対集会に駆け付け、「国民が反対をしていることを無視して進むのは独裁以外の何者でもない。あのアドルフ・ヒトラーがやろうとしていることと同じだ。安倍政権ではなく『アベドルフ政権』だ」などと、安倍首相を激しく罵っている。

なるほど、鳥越氏は「民共勢力」との強い親和性を持った候補といえそうだ。ただ、都知事には1300万都民の生命と財産を預かる責任がある。鳥越氏の現状認識で大丈夫なのか。

【私の論評】なぜかメディアで指摘されない、鳥越氏の知的水準(゚д゚)!

上の記事には、"NHKスペシャル「シリーズ日本新生 『戦後69年 日本の平和を考える』」"の動画を掲載しました。しかし、この動画はいずれ削除されてしまう可能性も大きいので、以下にこの動画の一部、特に鳥越氏の発言の部分を切り取った動画を以下に掲載しておきます。



とにかく、上の記事でも指摘する通り、日本には攻め込む国などないの一点張りであり、攻めこむ国があるなどと思い込むのは妄想だといわんばかりです。これは、最近問題になっている、高所平気症と似たような症状です。

さらに、鳥越市氏は他の番組で、日本の都道府県数が55であると発言したことがあります。

これについて、ツイートをしたところ、都道府県に関しては興味深い反応がありました。

そのツイートの内容を以下に掲載しておきます。
もしかして鳥越さんは1都9道2府43県として、朝鮮八道を加えているのでは?だと55で合ってるwいつの時代の話だか。時を越える老人の発言だから気にしない方がいいと思います。
確かに、朝鮮八道を加えると、55にはなります。

ちなみに、朝鮮八道(ちょうせんはちどう)は、李氏朝鮮(朝鮮王朝)が朝鮮半島に置いた8つの道(行政区画)のことです。


400年以上にわたって同一の区分が用いられたため、「八道」は転じて「朝鮮全土」のことも指しました。鶏林八道(けいりんはちどう)と呼ぶ事もあります。8つに区分された道は、現在も地域的なまとまりとして捉えられています(朝鮮の地方)。また、現在の韓国と北朝鮮の行政区画の基礎にもなっています。

朝鮮八道とは、具体的には、以下の8つの道です。「首都近郊」を意味する京畿道を除く7つの道の名は、主要な2つの都市の名を並べたものです。
八道語源
京畿道(キョンギド)首都近郊を意味する
忠清道(チュンチョンド)忠州+清州
慶尚道(キョンサンド)慶州+尚州
全羅道(チョルラド)全州+羅州
江原道(カンウォンド)江陵+原州
平安道(ピョンアンド)平壌+安州
黄海道(ファンヘド)黄州+海州
咸鏡道(ハムギョンド)咸興+鏡城

少し話がずれてしまいました。さて、もう一度12日の出馬の記者会見に話を戻します。以下に、その動画を掲載します。



この動画をご覧いただければ、例えば先にも指摘したように、「私はみなさんご承知の通り、現在76歳です、昭和15年生まれです、終戦時(昭和20年)に二十歳でした」という発言は、2つの意味でジャーナリスト鳥越俊太郎を象徴していると思います。

まず第一点、この人は、昔から数字にはかなり弱いです。上での述べたように、昭和15年生まれなら終戦時昭和20年は五歳です。二十歳では、全く計算が合いません。

そして第二点、この人昔から物言いが不遜であり、思いあがっているか、言葉遣いを知らないということです。これは、多くの人が指摘しています。

自分の年齢76歳を表明するのに前置きして、「みなさんご承知の通り」などよく言えまるものだと思います。彼は、年齢も広く世間に知れ渡っているほどに有名なジャーナリストではありません。「みなさんご承知の通り」という言葉の使い方を、間違えています。

そうして、東京都の出生率を「他府県に比べて高いが」と言った後で、裏方からメモで「東京都の出生率は47都道府県で最低」と訂正を余儀なくされています。

ここでも、どのような文脈で東京都の出生率を用いたのか、具体的に発言を遡(さかのぼ)り、訂正しながらも、主張したいことの骨組みはぶれてはいないことを説明すればよいのに、メモを見て恥ずかしげもなく訂正するだけでした。

他にもご本人も「準備不足」を認めてはいるのですが、それにしても以下のような発言は気になります。

「都政の問題点は時間がなかったので良く分からない」

「政策はまだ考えてない、後で選挙公約にしてお渡しします」 

「五輪にどれくらいの金が掛かるか具体的な数字は今押さえていない」

「他の候補者の公約は関心がなかったから知らない、これから勉強する」

ほとんど、すべてがこれからなのです。準備不足もたいがいにしろと言いたくなります。自分で調べられなかったら、誰かに調べさせ、俄勉強するか、覚えられないならメモを持ってくるくらいのことはすべきでした。

準備不足を認めた上でも、記者会見をつぶさに拝聴して、私が感じた素直な感想は、準備不足で片づけられないであろう発言の不確かさです。この方は、知的に大丈夫なのかということです。

たしかに、普通に生活するならあれでも良いと思います。しかし、都知事になるには知的水準に問題があるのではないかと思います。

知事候補者としての主義主張以前に、公の場所である記者会見で話す内容としては、あまりに話がまとまりがないですし、あまりにも発言内容にミスが目立つ上、肝心なところはすべて堂々と「準備不足なのでこれから勉強します」です。

しかし、東京都の出生率が最低なのことも、オリンピックの概算予算も押さえていないというのはいかがなものかと思います。それくらい、俄勉強もしないで、東京都の知事に立候補して記者会見を開催しても良いものなのでしょうか。

民主党の岡田代表が、「大変な実績」があるジャーナリストと評する、鳥越氏がこのような初歩的なことを間違えたり、答えられないというのは、はたして「準備不足」の問題として片付けられるのでしょうか。

会見全体のまとまりのないダラダラ感ともあわせて、知的な意味で候補者としては、とても相応しいとは思えません。

しかし、このことについて、どのメディアも伝えていません。鳥越氏には、誰の目にも明々白々な重要なファクトとして、知事候補者としては知的に問題があるというこの事実について、どのメディアも報道していません。

以上は、主に、先日の記者会見を見た上で私が、抱いた感想です。

他にも最近は、鳥越氏の日々の発言にかなり問題があるようです。それに関しては、産経新聞で阿比留瑠比氏が指摘していました。その記事のリンクを以下に掲載します。
阿比留瑠比の極言御免】都知事選、野党候補は大丈夫か?
野党4党幹部らと団結する鳥越俊太郎氏(中央)。左から社民党・又市征治幹事長、民進党・
枝野幸男幹事長、鳥越氏、共産党・小池晃書記局長、生活の党・川島智太郎事務総長=12日、
東京都千代田区・衆議院第二議員会館
この記事では、上で述べたきたことの他に、高市早苗総務相の米議会勤務歴、日本会議、安倍晋三政権はテレビ報道の監視チームなどについて、すべて憶測で間違って語っていたことが掲載されています。

上記のような、数々の言い間違い、準備不足、憶測でものを語る性癖など、これはジャーナリストの流儀にも背くものですし、無論とても東京都知事としても相応しいとは思えません。現状では、都知事候補者として、知的水準に問題があります。

私は、東京都民ではないので、知事選挙に投票することはありませんが、都民は最低限上のような事実を知った上で投票すべきです。

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