2011年4月19日火曜日

裁判長、押尾被告をバッサリ「自己保身」「卑劣」…2審も実刑2年6月―【私の論評】芸能界はどうでも良い存在であることが明らかに?震災で白日のもとにさらされたテレビ報道の異常ぶり?

裁判長、押尾被告をバッサリ「自己保身」「卑劣」…2審も実刑2年6月


合成麻薬MDMAを一緒に飲み、容体が急変した女性の救命を怠ったとして、保護責任者遺棄罪などで懲役2年6月の実刑判決を受けた元俳優・押尾学被告(32)の控訴審判決が18日、東京高裁で開かれた。出田孝一裁判長は「芸能人としての地位を失いたくないという自己保身の理由で被害者を放置した」と1審判決を支持、弁護側の控訴を棄却した。押尾被告は出廷しなかったが、周囲には「納得がいかない」と漏らし、即日上告した。

高裁の判断も実刑だった。押尾被告が公判に出廷しない中、出田裁判長は5人の弁護団に控訴棄却の判決を下し、理由を約50分にわたって読み上げた。

被告側はMDMAの譲り受けと、合成麻薬TFMPPの所持については認めたものの、保護責任者遺棄罪とMDMAの譲り渡しについて無罪を主張。執行猶予付きの判決を求めていた。だが、出田裁判長は、亡くなった飲食店従業員・田中香織さん(当時30歳)について「(被告は)生存に必要な保護をすべき責任があり、速やかに119番通報していれば、救命できる可能性が相当程度あった」と遺棄罪の成立を認定した。

その上で「119番通報することにより自らの麻薬使用が発覚するのを恐れ、芸能人としての地位などを失いたくないという自己保身の理由で、被害者をそのまま放置した」と批判。さらに「様々な証拠隠滅工作をし心情は卑劣」「動機に酌量の余地はない」と厳しい言葉を続けた。

1審判決では遺棄罪だけを認め、検察側が控訴しなかったため致死罪の成立は争われなかったものの、1審同様、懲役2年6月の実刑判決。これにより09年11月に判決が出た麻薬取締法違反(使用)の執行猶予が取り消され、懲役1年6月が付加される。合わせて懲役4年となり、1審で認められた未決勾留日数(180日)を差し引き、実質3年半、刑務所に入ることになる。

この日の法廷では、押尾被告が田中さんの遺族に謝罪文と100万円の損害賠償金を送付したが、受け取りを拒否され、現金を供託したことも明らかになった。関係者によると、判決に対して押尾被告は「納得がいかない」と不満を漏らしており、弁護人は即日上告した。しかし、法曹関係者によると、上告が棄却される可能性はほぼ間違いないという。2009年8月の発生から1年8か月。芸能界のみならず、社会全体を大きく揺るがした事件に決着がつく日は近そうだ。

【私の論文】芸能界はどうでも、良い存在であることが明らかに?


亡くなった田中香織さん
判決の要旨を以下に掲載しておきます。
◆判決要旨
 【主文】 
 本件控訴を棄却する
【理由】
◆事実誤認の主張について
(1)MDMAの譲り受け MDMAの錠剤10錠を譲り渡したという(押尾被告の)知人の供述は信用でき、譲り受けたのはMDMAの粉末約10グラムという被告人の供述は信用できない。
(2)MDMAの譲り渡し 被告人は知人から入手していたMDMAを被害者に譲り渡し、被害者はそれを服用したことが強く推認される。 
(3)保護責任者遺棄について 1審判決の認定は正当。被告人において、119番通報をして救急車の派遣を求めることは極めて容易であった。被害者に錯乱状態が始まった時点で速やかに救急車の派遣を求めるべきだった。 

◆量刑不当の主張について
被告人は明らかに証拠に反することを述べるなどしており、そこに真摯(しんし)な反省の態度をみることはできない。被害者の処罰感情は今なお厳しい。刑の執行を猶予するのが相当な事案ではなく、量刑が重すぎて不当であるとは認められない。
押尾の以前の裁判のときは、テレビでもこれでもかという具合に報道されていましたし、ネットでも様々な記事が、これでもかこれでもかと掲載されていました。私は、本日この記事通常とは、異なる視点で掲載したいと思います。たしか、押尾についてこのブログに掲載するのは始めてだと思います。

しかし、こうして、震災後に同じように押尾の裁判があっても、ほとんど報道されません。結局は、こんな馬鹿のこんな愚行など、どうでもいいということなんだと思います。そんなことよりも、何よりも、今は、震災関係や、原発のことや復興のこと、経済のことが重要であり、それどころではないという感じです。では、震災の前は、他にも報道しなければならない重要なことがありながら、あれほど押尾のことばかり報道していたのでしょうか?全く、矛盾しています。

先日も、酒井法子が中国に行って、薬物キャンペーンに出たというニュースがネットで小さく報道されていました。これも、テレビなどでは、全く報道されていませんでした。

確か、酒井法子の記者会見があった日に、鳩山総理大臣の所信表明演説がありましたが、あのときは、酒井法子の記者会見のほうばかり、クローズアップされ、鳩山首相の演説は、かき消されたような形になってしまいました。確かに、鳩山さんは人気はなかったですが、それでも、総理大臣になったばかりだったはずですから、あの時の報道振りは異常といっても良いくらいです。

それから、報道のおかしさといえば、震災直後には、朝から晩まで、震災関係ばかりで、菅首相の献金スキャンダルは全く報道されなくなりました。地震のわずか、2、3時間前、菅直人首相は過去2年間に辞任する5人目の首相になるとみられていました。原因は、またしても政治献金をめぐるスキャンダルでした。しかし、これもかき消されたようになってしまいしまた。その直前には、前原前外務大臣のやはり外国人献金に絡む辞任劇もありましたが、それもかき消されたような形になってしまいました。まるで、この震災のおかげて、菅さんの辞任劇は雲散霧消してしまったかのごとくでした。

それから、震災が発生してから、2~3週間ばかりの頃は、救援活動に従事している自衛隊などの報道が全くなされていませんでした。これに関しても、このブログに掲載しましたが、自衛隊は全く黒子扱いでした。本来ならば、あの時点で、自衛隊に密着取材していれば、救援活動の最前線のことがわかったはずなのに、これを報道するテレビは皆無でした。これは、諸外国のメディアと比較すると全く異常でした。

今ではほとんど忘れ去られた、パンダ報道がありました。これについては、もう、忘れ去られているというか、鈍感な人なら、その当時にも気づかなかったかもしれないので、動画を以下に掲載しておきます。


さて、ここまで掲載すると、皆さんも私が何を言いたいかおわかりでしょう。マスコミ、それも、テレビ報道のあまりの偏向ぶりです。新聞も酷いですが、特にテレビは酷いと思います。

ニュースの源として、テレビばかり見ている人もいるようですが、それだけでは明らかに受け取るニュースが偏向してしまいます。しかし、震災をきっかけに多くの人がこの事実に気づいているのではないかと思うのは、私だけでしょうか?

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