2014年10月24日金曜日

女性閣僚ダブル辞任と政権の行方 打撃大きいが遠い「危険ライン」 ―【私の論評】女性閣僚辞任で、増税10%はさすがにやばいと感じ始めた、自民党増税推進派? 怖いのは下野することだけ?自己判断できないあまりの情けのなさに泣けてくる(゚д゚)!


辞任を表明した小渕優子経産相


小渕優子経済産業相と松島みどり法相が20日、ダブル辞任した。後任はそれぞれ宮沢洋一氏と上川陽子氏となった。これまで閣僚辞任はなかった第2次安倍晋三政権にとって、大きな打撃であることは間違いない。

思い起こすと、8年前にスタートした第1次安倍政権では、閣僚の辞任が相次いだ。

松岡農水相の時は、辞任が遅れた結果として自殺に追い込まれたからか、その後は問題が少しでも出ると辞任というパターンだったようだ。

今回は、看板女性閣僚のダブル辞任なので、政党支持率は10ポイント程度落ちるかもしれない。現在50%台の内閣支持率なので、40%台になる可能性は大きい。だが、直ちに政権の危険水域というわけでもない。特に、野党支持率が低いので、自民党支持率はあまり低下しない可能性もある。

そうなってくると、「青木(幹雄元参院議員)の法則」として有名な「内閣支持率+与党第1党の政党支持率」は今の90%台から70%台になるかもしれないが、まだ危険ラインの50%まで、のりしろがある状態だ。

一方、後任人事では、宮沢氏に注目だ。筆者は旧大蔵省時代に同じ局で仕事をしたこともあり、個人的によく知っている。華麗な閨閥(けいばつ)の人だ。岸田文雄外相はいとこ。

当然のことながら、宮沢洋一氏は「ミスター財務省」とも言うべき存在で、増税派の急先鋒(せんぽう)だ。「この宮沢氏を閣僚にしたのだから、安倍首相は消費再増税に進む」という見方があるが、どうだろうか。

筆者は、谷垣禎一氏の幹事長就任について、消費税は「予定通り増税」と「増税延期」の二股の両面作戦だとみた。今回の宮沢氏起用も、谷垣幹事長と全く同じ構図だと思う。予定通り増税であれば、谷垣氏と宮沢氏にそのまま仕事をさせて、みていればいいし、もし増税延期に舵を切ったとき、反対勢力が身近にいれば抑えが利くので対応が簡単になる。

さらに、法人税減税についても、党税調や財務省の抵抗があるが、宮沢氏であれば、党税調のインナーであったし財務省の説得も容易になるという短期的なメリットもある。

政治とカネの問題になると、政策が止まるために国民としてロスにもなるが、安倍政権は転んでもただで起きずに、次の手を打っているようだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

この記事は要約記事です。詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】女性2閣僚辞任で、増税10%はさすがにやばいと感じ始めた、自民党増税推進派? 怖いのは下野することだけ?自己判断できないあまりの情けのなさに泣けてくる(゚д゚)!

再増税に関しては、再増税推進だったのが、最近は風向きが変わってきました。上の記事で高橋氏が主張しているように、安倍政権は、転んでもただで起きずに、次の手を打っているのかもしれません。

増税の風向き変化については、やはりアメリカのルー財務長官の発言が影響しているのは間違いないと思います。それについては、このブログでも、以前掲載したことなので、その記事のURLを以下に掲載します。
消費増税 米もダメ出し 財務長官が「失望」表明―【私の論評】日本のマスコミが伝えない真実!ルー米財務長官吠える!日本の増税DQNどもをそのまま放置するな(゚д゚)!
日本の経済政策に失望を表明したルー米財務長官

詳細は、この記事を読んでいただくものとして、日本の世界における最大のパートナーであるアメリカの財務長官がこのような発言をしているわけですから、さすがに増税派も「国際公約がー」などとは言えなくなったのだと思います。

これは、間違いなく麻生財務相にも影響を及ぼしています。

麻生氏、国際舞台でも、「再増税は国際公約」とは、言わなくなりました。それに関しては、このブログにも掲載したことがあるので、その記事のURLを以下に掲載します。
日銀総裁「経済状況反映した円安はプラス」、財務相は為替に沈黙―【私の論評】今の水準で"円安ガー"、"円安でも輸出ガー"と叫ぶ人は現実を見ていないただの馬鹿か、あるいはスパイかのいずれかである(゚д゚)!
日銀黒田総裁
これも詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事の一部分のみ以下にコピペさせていたたぎます。

麻生太郎財務相と黒田東彦日銀総裁は10日、ワシントンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の閉幕後に記者会見した。麻生財務相は為替についてはコメントを避け、沈黙した。
一方、黒田日銀総裁はファンダメンタルズを反映した円安はプラスとの見解を示した上で、日銀と政府の間に円安の影響について温度差はないことを強調した。
黒田総裁は、世界景気の停滞感やさまざまな要因で原油価格など国際商品が下落傾向にあるなか、「日本は巨額の石油輸入国であり、原油価格の下落は日本経済にとってプラス」との認識を示した。
ただ、今回のG20では米国のルー財務長官が日本について「日銀がデフレサイクルを解消しつつあり、日本は慎重に財政健全化のペースを調整する必要がある」との見解を表明。これに対し麻生財務相は「金融政策だけではデフレを脱却できない。財政刺激も必要というのは日本は経験済み」と述べた。
ルー財務長官の、日本の再増税に関する失望表明があったばかりなので、さすがに麻生氏も、日本の再増税は「国際公約」などと大見栄は切れなかったのだと思います。

そうして、これに引き続く麻生総理の最近の発言を以下に掲載します。麻生財務相は、2人の女性閣僚が辞任したことが、消費税増税にも影響を与えるかもしれないという懸念を表明しています。

以前の麻生財務相なら、「女性閣僚のあいつぐ辞任があっても、増税はすでに決まったことなので、必ず実行する」という旨をはっきりと発言したでしょうが。そうではありませんでした。

財政運営に万全期していきたい=麻生財務相
麻生太郎財務相は21日、閣議後の会見で、第2次安倍改造内閣が発足してから2カ月足らずの間に2人の閣僚が辞任したことについて、本当に残念だと述べ、経済財政運営に万全を期していきたいと語った。 
「政治とカネ」の問題で相次ぐ閣僚の辞任は安倍政権にとって大き打撃とみられる。政治への信頼がなければ、消費税率引き上げなど、国民が痛みを伴う負担増への理解も得にくい。 
年末に迫る消費税率再引き上げ判断への影響について、麻生財務相は「基本的には12月に経済指標を勘案して考える」と繰り返し、「今回のことがどういう形で消費に影響するか、いろいろな形で影響する面は出てくる可能性はある。そうしたものを勘案しながら、判断していく」と述べた。 
中国・北京で21日から開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)財務相会合では、アベノミクスの進ちょく状況などについて説明すると語った。中国要人との会談については「今、決まったものはない」とした。
さらに、以下のツイートにもみられるように、あの東京新聞ですら、再増税に対する懸念を表明しています。

この東京新聞の記事は、ウェブ版でも掲載されましたので、その記事のURLを以下に掲載します。
消費税再増税反対72% 「12月の判断先送りを」

本社加盟の日本世論調査会が九月二十七、二十八日に実施した全国面接世論調査で、来年十月に予定されている消費税率10%への再増税に反対する人が72%に上り、賛成の25%を大きく上回ったことが分かった。安倍晋三首相は予定通り再増税するかどうかをことし十二月に決めるが、景気に配慮して判断時期を先送りするよう求める声も出ている。

四月に税率が8%に上がった後、家計のやりくりが厳しくなったと感じている人は「ある程度感じている」を含めて82%に達した。財政再建の必要性に一定の理解を示す意見もあるが、再増税でさらに負担が増すことへの懸念が強い。

税率8%への増税が決まる直前の昨年九月に実施した共同通信社の電話世論調査では、賛否がほぼ並んでいた。これと比べて再増税への反対論は広がっており、消費低迷も続く中、首相は難しい判断を迫られている。

再増税に反対するのは、男性が68%だったのに対し女性は77%で、主婦などが家計の厳しさをより強く感じているようだ。大都市よりも小都市や郡部で反対が多いとの傾向も出ている。

反対する理由は「低所得者の負担が重くなり過ぎる」が49%で最も多く、「景気に悪影響を与える」が19%で続いた。賛成する理由は「年金・医療などの社会保障制度を維持するため」が52%と最も多かった。

反対した人に政府がどうするべきか聞くと「十二月には判断せず、景気動向を見極める」が46%で最多だった。一方「再増税は実施しない」は26%にとどまり、将来的な再増税の必要性を感じている人も多いようだ。

四月の増税前と比べて「消費を控えている」と答えた人は41%だった。再増税時の負担軽減策では、生活必需品の消費税率を低くする「軽減税率」の導入が60%でトップだった。

日本経済の先行きに対する不安を「大いに感じている」「ある程度感じている」とした人は計89%に上る。その理由は「少子化と人口減少が進む」が53%を占めた。

原発の再稼働に関しては賛成が34%、反対は61%だった。環太平洋連携協定(TPP)交渉で政府が年内の大筋合意を目指していることに対しては、「妥当」との見方と「急ぎ過ぎ」との意見が拮抗(きっこう)している。
さて、上の東京新聞の記事において、再増税に関するアンケートの中でも賛成の理由として、最も多かったのは、 「年金・医療などの社会保障制度を維持するため」というもので、52%を占めたとしています。

しかし、これは、財務省キャンペーンにより、世論が操作されたことの結果であると思います。これに関しは、高橋洋一氏が以下のようなツイートをしています。
さらに、高橋氏は以下のような記事も掲載しています。
上の高橋洋一氏のツイートの記事など、読まれていない方は、リンクが掲載されているので、是非ご覧になって下さい。

それにしても、麻生財務相などの発言など上の記事などを参照した上で、良く考えてみると以下のようなことが考えられます。

いわゆる自民党内の増税推進派など、結局、国民のためを考えてというより、まずは、アメリカ側からの再増税に対する失望の表明があったこと、さらには、女性閣僚の相次ぐ辞任で、自民党政権への支持率が減ることなどのことから、もし今回増税すれば、支持率が格段に減って、場合によっては、自民党が下野することにもなり得るという恐怖感から増税は不味いかもしれないと考え始めているのではないかと推測できます。


しかし、こんなことはでは、本当に情けないです。上の記事をみると、財務省は、消費税の再増税をしないとまずい事がおこるぞと恫喝しています。

このブログでは、最近、財務省は、殺人・詐欺マシーンに成り果てたと酷評しました。この高橋氏による恫喝という表現も加えると、最早財務省はまともな官庁ではなく、殺人・詐欺・恫喝マシーンと成り果てたということです。

2008年11月05日 トリンプ・インターナショナル・ジャパンが発表した
「裁判員制度ブラ」(非売品)。ブラはてんびんとしても使用することができる
今、自民党の再増税推進は、殺人・詐欺・恫喝マシーンの再増税すべきという言い分と、再増税すれば下野することになるかもしれないという恐怖とを両天秤にかけています。

どちらの、ほうに天秤が傾くかは、今では判然とはしませんでしたが、少し前までなら、ためらわず、再増税のほうに傾いたことでしょう。

殺人・詐欺・恫喝マシーンも不味いですが、それに影響され、国民生活など二の次になってしまう、自民党の増税推進派も、困りものです。この程度の判断もつかないようなら、政治家をやめて永久に下野しろといいたいです。

これでは、あまりにも反応遅すぎるし、自己判断できない情けのなさに泣けてきます。まずは、国民のこと日本社会のことを考えるのが国会議員というものてはなかったのですか?

それにしても、安倍総理はこういうこともしたたかに利用しようとしているのかもしれません。女性閣僚の相次ぐ辞任と、再増税で経済がガタガタになれば、下野もありうるという恐怖を徹底的に煽って、財務省の再増税キャンペーンを打ち砕く腹ではないかと思います。

本当、下野してしまえば、利権もなにもほとんどなくなりますから、これは政治屋にとっては本当に怖いことです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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