2017年9月5日火曜日

民進党・山尾志桜里議員に私生活をめぐる問題発覚! 週刊文春が“K弁護士”との不倫疑惑を掲載する模様―【私の論評】根本的なコミュニケーション不足が民進党を駄目にした(゚д゚)!

民進党・山尾志桜里議員に私生活をめぐる問題発覚! 週刊文春が“K弁護士”との不倫疑惑を掲載する模様

山尾氏断念の背景を伝えるテレビ東京
民進党の新しい幹事長をめぐり前原新代表が山尾志桜里氏の起用を断念した背景に、山尾氏の私生活をめぐる問題が影響していたことがテレビ東京の取材で分かりました。

関係者によりますと、山尾氏はすでに一部週刊誌に私生活をめぐるスキャンダルについて取材を受けているということです。

前原代表は、山尾氏について幹事長に代えて、代表代行で処遇する方向で調整していますが、党内から更なる異論が出かねない情勢です。
ネット上には、未だ詳細は出ていませんが、以下にこれに関す山本一郎氏のツイートを掲載しておきます。
【私の論評】根本的なコミュニケーション不足が民進党を駄目にした(゚д゚)!

確かに、山尾志桜里氏の不倫等に関しては、ネット上では一部話題になっていましたが、確証がなかったため、このブログにも掲載はして来ませんでした。これで、週刊文春の新しい号が出てからは、この話題は解禁になるということです。

それにしても、これを察知できなかった、前原氏にも問題があるかもしれません。とにかく、企業でもなんでも組織というものは、常に組織の人員に関して熟知していなければ、なかなかつとまりません。

私は、会社で現場にいたときには、日々朝礼などで従業員の変化に気を使っていたものです。数年現場でマネジャーをやってからは、朝礼で従業員の様子を見ていると、今日は誰が調子が悪いとか、注意散漫状態にあるとか、女子の場合は誰が生理であるかもわかった程です。これを把握していないと、後で酷い目にあうこともありました。

その後も、組織に関わる情報、それも正規の会社の組織図上の組織だけではなく、人間の集合体としての、生身の人間の組織に関する情報も極力集めるようにしました。これなしに、組織を効率的にそうして、効果的に動かすことは不可能です。

朝礼をコミュニケーションの場として成り立たせることが管理者の重要な役割でもある
そのため、普段から従業員と食事に行ったり、時々外回りからお菓子を買ってきて、従業員と一緒に話をしながら食べるというようなこともやっていました。それ以外にも、公的なものでも私的なものでも、色々と面倒をみたり、引き受けたりということも意図して意識して行いました。

そのようにして、従業員と様々な関係を構築しておき、コミュニケーションを円滑にしておきました。そうして、このコミュニケーションというのが曲者で、いわゆる「ホウレンソウ」などと巷で言われてるものは、真のコミュニケーションではありません。いくら「報告・連絡・相談」をこまめに行ったとしても、成り立っていないことは、往々にしてみられることです。

そもそも、コミュニケーションとは、「私からあなたへ」「あなたから私へ」と単一方向に伝わるものではありません。コミュニケーションとは、「私達の中の一人から、私達の中のもう一人に伝わる」ものです。饒舌で、しょっちゅう人と話をする人が、コミュニケーションの達人であるとは限らないのです。

だからこそ、普段から組織の中の人々と「私達」といえる関係を意図して意識して構築しておかなければならないのです。これが、構築できなければ、まともな仕事などできません。

民進党ではこのようなコミュニケーションがかなりないがしろにされているのではないでしょうか。
そもそも「私達」という関係を構築していない
間柄ではコミュニケーションは成り立たない
最初に私は山尾志桜里氏が、幹事長と聴いたときには、民進党は彼女を幹事長にしなければならないほど、人材が逼迫しているのかと思いました。と思いながらも、他にもまだふさわしい人物はいるのではと訝しみました。

そうして、今回の山尾氏のスキャンダル発覚で、やはり民進党は党内でのコミュニケーションが十分ではないのだと確信しました。

民進党の旗揚げ
昨年の3月27日、民進党が衆参両院議員合わせて156人の参加によって旗揚げしました。

民進党は、1996年に誕生し、結党20周年目となる民主党が党名を変更することによって誕生した形でした。ただし、英語名はDemocratic Partyと以前のDemocratic Party of Japanとほぼ同じであり、なんとも中途半端です。かつて、財務省は大蔵省から名称変更しましたが、そのときの英語表記はMinistry of Financeとそのままにして、対外的には同じ、国内的には一応名称変更したというのを彷彿させました。

代表は岡田克也氏、幹事長に枝野幸男氏は、政調会長は細野豪志氏に代わり山尾志桜理氏を起用しました。

政治的にいえば、もったいないチャンスを逃したものです。せっかく伝統ある名前を変更したのですから、一気にイメージ・チェンジして政権時の失敗を払拭すべきでした。

そうして、政策に関しては、少なくともマクロ経済政策の基本を押さえるべきでした。そうして、このマクロ経済政策に関しては、保守派、革新派(今やこの分類方法もほとんど意味をなしませんが・・・・)に関係なく、正しい方向性を定めることができるはずです。そうして、これが党を一つまとめる縁になったかもしれません。

その上で、憲法、格差など価値観の違いによって差が出るものについては、おおいに政策論争して、その結果党の方針が定まれば、全党員がそれに従うという形にすれば良かったと思います。

しかし、ご存知のように民進党はこのせっかくの大チャンスを無為にしました。そうして、この大失敗の根底にはコミュニケーション不足があると思います。

前原氏
ここで、前原氏の主張する経済政策を振り返っておきます。前原誠司氏は代表戦では、All for Allを掲げて戦っていました。経済政策もそのAll for Allの精神に基づく、税負担を上げて再分配を重視するという政策です。

彼の政策は慶應義塾大学教授の井出栄策氏の影響を非常に強く受けたものです。そして、枝野幸男氏もこの井出教授と非常に深い関係にあり、前原氏と経済政策に関しては大きく違わないという意見を表明していました。

そのため、前原氏の目指す経済政策、すなわち民進党の目指す経済政策であるといえます。前原氏の経済政策で一番大きく、根幹にあるのが再分配の強化でしょう。

前原氏は、再分配政策をする前の貧困率と分配後の貧困率が、ドイツは8.1から3.3に、フランスでは18.0から6.7に大幅に改善しているのもかかわらず、日本では13.5から12.9とほとんど改善されていないことを指摘しています。

そしてこの原因は、若い世代に対する再分配の冷たさにあることも指摘しています。これを改善するために、老人の分配先を減らすとなると、高齢者が反発されるので、みんなが負担をして、みんなが受益する社会を目指そうといいます。

そして、社会に不安がなくなることで、過剰貯蓄に回るお金が消費に周り、経済が好循環するボトムアップの経済を目指せると語っています。

そうして、例えば現役世代に向けては、教育の無償化、安心して子供を生み育てられる社会の実現、介護士・保育士の処遇改善などを挙げています。

そして、年金に関しては、基礎年金をマクロ経済スライドから外すことで、減らない基礎年金を実現するとしています。

マクロ経済スライドは、簡単にいえば、経済情勢によって年金の額を左右させるという自民党が現在導入しているもので、これは、年金支給年齢を引き上げ、年金の額を減らすためのものだとして、前原氏は批判しているわけです。

そして、これを成し遂げるために当然指摘されるのが財源の問題です。前原氏は全世代の負担という意味で消費税を主眼で考えられている趣旨の発言をしています。

消費税増税を回避して他の財源に頼れば、サラリーマン、中小企業への負担増となり、前原氏の掲げるAll for Allの理念に反するとしています。

そして、低所得者層対策を考えながら、法人税、相続税などのベストミックスを目指すとのことです。

以上のように、前原氏の経済政策には、現在日本がデフレから抜けきっていないにもかかわらず、マクロ経済政策の根幹をなす、景気変動的に対応する金融政策も財政政策も含まれていません。

致命的なのは、経済成長が停滞しているというのに、増税して再分配政策の財源に使うという点です。これに関しては、マクロ経済学でも禁じ手とされているものであり、さらには平成14年度からの消費税の8%増税によって、最早誰もが失敗だったと認めざるをえない悪手であったことが明らかになっています。

今更ながら、なぜ前原氏がもう失敗だったということがはっきりわかっているし、これからも必ず失敗するであろう政策を採用しようとするのか、全く理解に苦しみます。

そんなことよりも、まともな財政政策、金融政策を採用することにより、経済成長をしたうえで、再分配政策を強化するという政策を打ち出したほうがはるかに効果的であり、多くの国民の支持を得られたと思います。

民進党の中には、マクロ経済対策に関してはまともな認識を持っている人も数少ないながら存在します。それは、馬淵澄夫衆議院議員と金子洋一前参議院議員(昨年落選)です。金子洋一氏のようなキーマンを落選させてしまう、民進党の選挙戦略もいかがなものかと思います。

特に、金子氏はカネコノミクスとでも呼びたくなるような経済対策の切れ者です。しかも、彼は元官僚で、霞が関や学者とも戦い合えるぐらいの知識量と実行力があります。

しかし、民進党の幹部はもとより、他の議員たちもカネコノミクスに関心を抱くものはありません。

慶應義塾大学教授の井出栄策氏
前原氏は、慶應義塾大学教授の井出栄策氏を経済ブレーンとしているようですが、私自身は井出氏の主張する経済対策が一体何を意味しているのかほとんど理解不能です。正しいとか間違いなどと言う前に、私には理解不能です。

井手氏の経済対策の理解不能ぶりは以下の記事をご覧下さい。
井手教授のいう「新しいリベラル」がちっとも新しくない件
それよりも、金子氏の主張する経済対策のほうがはるかに理解しやすいです。これについて、ご存知のない方は是非以下の記事をご覧になって下さい。
消費再増税をすればアベノミクスの息の根はとまる
 前原氏は、経済に関して、井出教授の話は聞くようですが、金子洋一氏の話は聞かないようです。金子洋一に関しては、ネットなどで調べればすぐにわかります。

党内にこれほどの、経済に関する切れ者が存在するわけですから、前原氏のような民進党の幹部は少なくとも一度は金子洋一氏と腹を割って話をすべきものと思います。

金子洋一氏
これは、業績の悪い企業にありがちなことですが、経営者が社内の意見を聴かず、社外のコンサルタントなどの意見ばかり重用することがあります。

経営者と社員とは立場が違うので、場合によっては立場の違いにより、社員のいうことなどあてにならないと思えることもあるかもしれません。しかし、社員が社員の立場から述べているということを前提に話を聴けば、それも同じ項目に関して複数の社員から話を聴けば役立つことは極めて多いです。

それは、当然といえば、当然です。何しろ、社員の話は一次情報であることも多いからです。

そうして、普段から社員と真の意味でのコミュニケーションを深めておくことにより、社員から正しい情報が迅速に入ってきやすくなるものです。コミュニケーションが成り立っていなければ、いくら「ホウレンソウ」を綿密にしたところで、まともな情報が迅速に入入ってくることはありません。

民進党の諸悪の根源は、コミュニケーション不足なのかもしれません。民主党は組織としてのコミュニケーションが成立していないのでしょう。だからこそ、まとまりに乏しく、組織としてまとまった行動ができないのだと思います。

もし、組織としてのコミュニケーションが十分に成り立っていれば、山尾氏を幹事長に指名したそのすぐ後で取り消さざるをえないような状況に追い込まれることはなかったと思います。

民進党の組織そのものは、民間企業と比較してさほど大きいものではありません。何しろ、衆参議員あわせて、200人もいないのですから、この中でコミュニケーションを成り立たせることは、本来さほど難しいことではないと思います。このあたりは、業績を上げている中小企業の社長などのほうがはるかに円滑に社内のコミュニケーションを円滑に成り立たせていると思います。

民進党がまともになりたかったら、まずは党内のコミュニケーションを密にするこだと思います。ただし、だからといって「ホウレンソウ」を多くするなどしても、何の役にもたちません。重要なことは民進党の議員らが相互に「私達」といえる関係を築くことです。

今回の山尾志桜里氏の問題は、スキャンダル自体がどうのこうのということ自体はさほど重要ではなく、民進党のコミュニケーション不足を露呈したことのほうがはるかに深刻であると思います。

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