2017年9月6日水曜日

みのもんた「北朝鮮のミサイル発射基地を先に破壊するのはどう?」青山繁晴「うおおおおお!」―【私の論評】中途半端は戦争を誘発するだけ(゚д゚)!

みのもんた「北朝鮮のミサイル発射基地を先に破壊するのはどう?」青山繁晴「うおおおおお!」

北朝鮮のミサイル発射問題について、みのもんたが「よるバズ」にてやけに過激な提案を行った。

みのもんた「先に攻撃してしまおう」

みのもんた「待ってるだけじゃなくてさ、撃ちそうなところを先に見つけてその基地をドッカンということはできないの?」

青山繁晴「みのさんの口からそれが出るようになったってことは日本は前進してますよ。そういうの敵基地攻撃能力っていうんですよ」

みのもんた「だって必要じゃない?」

辺真一「みのさんが言っているのは先制攻撃」

青山繁晴「いや先制攻撃ではない」

辺真一「みのさんが言っているのは先制攻撃ですか?」

みのもんた「北朝鮮がミサイルを撃つってアメリカから連絡が来たときに、攻撃する」


辺真一「それって先制攻撃じゃないですか」

みのもんた「まぁ…(笑)でも発射した途端に(基地を攻撃して防衛するというのは)は無理でしょう。」

辺真一「先制攻撃って言葉はやめましょう。予防攻撃ですね」

みのもんた「そうそうそうそう」

青山繁晴「国際法の解釈では先制攻撃ではないと認められるっていう考え方もあります」

吉木誉絵「だからオフェンスとディフェンスの間に位置するもの」

青山繁晴「集団的自衛権の正しい行使だという考え方もあり得ます」

みのもんた「今度安倍さんに会ったら教えてあげよう(笑)」

青山繁晴「今ので北朝鮮は神経びんびんですよ(笑)」


どうやら青山繁晴氏は賛成派で辺真一氏は反対派らしい。話し合いが通じない傍若無人な相手に対してどう対処するのが正しいのか。今回のみのもんたの提案は波紋を呼ぶだろうが、一つの有効な防御策となり得るだろう。

【私の論評】中途半端は戦争を誘発するだけ(゚д゚)!

みのもんた氏の発言は意外でした。しかし、単純に国民の命と生命を守るという立場に立てば、みのもんた氏のように考えるのが、ごく自然なことなのかもしれません。

みのもんた氏の発言はある意味、このブログでもしばしばとりあげている戦略家のルトワック氏による日本の北朝鮮への対応にも匹敵するほどインパクトがあるかもしれません。

これについては、以前このブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
ルトワック博士の緊急警告! 先制攻撃か降伏か 日本が北朝鮮にとるべき選択肢―【私の論評】日本が戦争できる国に変貌することが、アジアに平和をもたらす(゚д゚)!
ルトワック氏
詳細はこの記事を読むか、ルトワック氏の『戦争にチャンスを与えよ』という著書を読んでいただくものとして、ルトワック氏北朝鮮に対する日本の対応としては、降伏と先制攻撃しかないと主張しています。この敵基地攻撃に関しては、国際法の解釈では先制攻撃ではないと認められるっていう考え方もあると青山繁晴氏は語っています。

しかし、国際法の解釈は別にして、敵基地攻撃は先制攻撃になります。なぜなら、相手に悟られたあとで、攻撃をしても何にもならないからです。

以下にこの二点を簡単にまとめます。

北朝鮮への降伏
 第一の方策は、「北朝鮮に降伏(サレンダー)する」というものだ。 
 これは、北朝鮮に対する制裁をすべて解除し、彼らに名誉を与え、国家としての彼らの存在を認めることで、五〇〇キロ以上の射程のミサイルの脅威を取り除く、という道だ。
北朝鮮への先制攻撃
 次の方策は、「北朝鮮を攻撃する」というものだ。しかもこれは、先制攻撃(プリエンプティブ・ストライク)でなければならない。核関連施設を特定しつつ、それらすべてを破壊するのである。 
 ここで覚えておかなければならないのは、北朝鮮のミサイルは、侵入の警告があれば即座に発射されるシステム(LOW)になっているかもしれない、という点だ。このシステムでは、アメリカの航空機やミサイルが侵入してくれば、北朝鮮側の兵士が自動的に発射ボタンを押すことになる。 
 LOWとは、レーダーからの警告に即座に反応することを意味する。彼らは、その警告を聞いた途端にボタンを押すのだ。そうなると、北朝鮮を攻撃すること自体に大きなリスクが伴う。 
 もし北朝鮮を本気で攻撃するのであれば、空からだけでなく地上からの支援も必要だ。地上に要員を配置して、ミサイルをレーザーなどで誘導しなければならないからだ。つまり「現場の兵士」が必要となるのであり、ミサイルの着弾後も、攻撃目標が間違いなく破壊されたかを確認する必要がある。ミサイルが着弾しても、爆発による煙やホコリが落ち着くまで写真撮影は不可能であり、破壊評価が遅れるので、現場の人員が必要になるのだ。そのためには、北朝鮮内に何らかの方法で人員を予め侵入させておき、目標を把握しておかなければならない。
みのもんた氏のブログ冒頭の記事の主張はまさに、北朝鮮への先制攻撃を意味しており、彼の頭の中には、北朝鮮に対して降伏するという選択肢はないようです。そうして、青山繁晴氏は、

そうしてルトワック氏は、「まあ大丈夫だろう」という考えが戦争を招くとしています。これも以下にまとめておきます。

「まあ大丈夫だろう」が戦争を招く
 人間というのは、平時にあると、その状態がいつまでも続くと勘違いをする。これは無理もないことだが、だからこそ、戦争が発生する。なぜなら、彼らは、降伏もせず、敵を買収もせず、友好国への援助もせず、先制攻撃で敵の攻撃力を奪うこともしなかったからである。つまり、何もしなかったから戦争が起きたのだ。 
 いま北朝鮮に関して生じているのは、まさにこのような状況だ。 
 アメリカは、北朝鮮の核開発の阻止に関して何もしていない。アメリカだけではない。他の西側諸国も、中国も、ロシアも、何もしていない。

 要するに、多くの国が、北朝鮮の脅威が現に存在するのに、何も行っていない。「降伏」も、「先制攻撃」も、「抑止」も、「防衛」もせず、「まあ大丈夫だろう」という態度なのだ。 
 これは、雨が降ることが分かっているのに、「今は晴れているから」という理由だけで、傘を持たずに外出するようなものだ。ところが、このような態度が、結果的に戦争を引き起こしてきたのである。
日本も、北朝鮮に対しては、「降伏」も、「先制攻撃」も、「抑止」も、「防衛」もせず、「まあ大丈夫だろう」という態度でした。

この態度が今日の北朝鮮の暴走を招いてしまったのです。今となっては、「降伏」するか「先制攻撃」の2つしかないといえると思います。

日本のマスコミや識者の中には、結局北朝鮮の核ミサイルを認めるべきという人々も大勢いますが、彼らの主張を聴いていると、彼らの頭のなかでは「降伏」をするとまでは考えていないようです。だから、彼らの考えも非常に中途半端なのです。

彼らは、「北朝鮮政府が真に何を望んでいるのかを聞き出し、経済制裁をすべて解除する。祖国への朝鮮総連の送金に対する制限も解除し、金一族を讃える博物館を表参道に建て、北朝鮮に最も美しい大使館を建てさせる」べきであるなどとは言いません。

ただ、「北朝鮮の核ミサイル」を認めるべきだとするだけです。そんなことで本当にすむのでしょうか。仮に日本が認めたとしても、経済制裁も中途半端、朝鮮総連の送金に関しても中途半端、安全保障も中途半端、さらに多くの日本人が金一族を認めないようでは、何にもなりません。

このようなことでは、彼らは一切脅しをやめないでしょう。本当に日本が「降伏」するまで、脅しをやめないでしょう。そういう意味では「北朝鮮の核ミサイル」を認めるという意見は、かなり無責任であり、かえって戦争を誘発するものといえます。

「降伏」するのが嫌なら、選択肢は「先制攻撃」しかないのです。そのためには、日本は敵基地攻撃能力を持たなければならないのです。


 核研究所を視察した金正恩。背後の壁の説明図には火星14号の核弾頭(水素爆弾)と書かれている。
日本としては、攻撃のための航空機や精密誘導爆弾・ミサイル、長距離を飛ぶ巡航ミサイル「トマホーク」に加え、敵の発射拠点の把握や空中給油などの装備を順次整えていけば良いでしょう。最終的には核武装も視野に入れるべきです。

こうして、日本が順次準備を整えていくということになれば、これ自体が北朝鮮に対する牽制となります。北朝鮮の暴挙がエスカレートすれば、日本もこの準備をエスカレートさせれば良いのです。たとえば、核開発する時間を節約し、米国から核を買い取るなどのようなことを宣言してみたり、実際そうしてみせたりするのです。最初は、一発から、それでもエスカレートするなら、日本側もエスカレートさせるとう具合です。

朝鮮半島有事の際は、米軍も対日攻撃用のミサイルばかりたたいていることはできないでしょう。自衛隊が一定の攻撃能力を持つことは、国民の命を守る上で死活的に重要です。

政府は敵基地攻撃能力の保有は合憲との見解を長くとってきました。憲法の平和主義の精神に反するといった反対論は、国民を危険にさらすことになるだけです。

敵基地攻撃能力は、あくまでも自衛のための能力であり、侵略とは結びつくものではありません。与野党ともに現実的な判断をすべきです。

とにかく、「降伏」するか「先制攻撃」をするか2つしか選択肢はないこと、中途半端をすば戦争を誘発するだけになることはしっかりと認識しておくべきです。

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