2020年5月5日火曜日

トランプ大統領、中国を罰する選択肢を検討中-ムニューシン財務長官―【私の論評】追加関税は当然どころか、さらに厳しい措置も予想される(゚д゚)!

トランプ大統領、中国を罰する選択肢を検討中-ムニューシン財務長官

トランプ大統領

トランプ米大統領は情報機関とともに中国と新型コロナウイルスに関するデータを精査していると、ムニューシン財務長官が語った。トランプ氏は中国を罰するための選択肢を検討しているとも、同長官は述べた。

ムニューシン氏は、中国が第1段階の貿易合意に基づく義務を果たすだろうとの見解を示し、「十分な根拠に基づき、この合意を中国が守ると想定している。守らない場合は中国企業との経済活動について、米中関係や世界経済に極めて重大な影響が及ぶことになる」と警告した。
原題:
Mnuchin: Trump Is Reviewing Options To Penalize China(抜粋)

【私の論評】追加関税は当然どころか、さらに厳しい措置も予想される(゚д゚)!

日本では、ほとんど報道されおらず、そのためか日本国内では、ほとんど知られていませんか、トランプ大統領は、昨年12月に米中貿易「第1段階合意」を中国の完敗に終わられせたことを、今でも明確に意識しているようです。

昨年12月13日に発表された米中貿易協議「第1段階」合意は、中国側による全面的な敗北の結果でした。そのことは、合意に関する中国側の声明文からは簡単に読み取ることができるものでした。

13日深夜に発表された中国側の公式声明によると、米中間の合意項目は(1)知的財産権(2)技術移転(3)食品と農産物(4)金融サービス(5)為替とその透明度(6)貿易拡大(7)双方による査定・評価と紛争処理の7項目に及びました。

7項目合意の具体的内容について中国側の声明は直接に触れていませんでした。しかし、今までの米中貿易協議の経過と内容からすれば、この7項目合意の内容は概ね推察することができます。要するに、7項目合意の内容は全て、中国側がアメリカ側からの要求を飲んでアメリカ側に譲歩した結果なのです。

これについては、以前このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
米中貿易「第1段階合意」が中国の完敗である理由―【私の論評】米国の一方的な完勝、中共は米国の要求に応ずることができず、やがて破滅する(゚д゚)!
       13日に北京で会見する財政相副大臣の廖岷。重要な会見の
       はずなのに出席者はいずれも副大臣級ばかりだった
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
(1)から(6)までの米中間合意の概要であるが、そこには1つの共通点があることにすぐ気がつく。この共通点とは要するに、(1)から(6)までの合意項目の全ては、中国側がアメリカ側の要求に応じて何かを約束したのであってその逆ではない、ということである。 
そうすると、合意項目(7)の「双方による査定・評価と紛争処理」の意味は自ずと分かってくる。要するに今後において、中国側が自らの約束したことをきちんと実行しているかどうかを「査定・評価」し、それに関して双方で「紛争」が起きた場合はいかにそれを「処理」するかのことであろう。中国側の発表では一応「双方による査定・評価」となっているが、実際はむしろ、アメリカ側が一方的に中国側の約束履行を「査定・評価」することとなろう。
この(7)は、要するに(1)〜(6)までについて、米国が監査をするという意味です。そうして、合意が守られていなければ、米国はさらに制裁を課すと、米国側が表明したということです。

中国側が、従来のようなつもりで、これを上辺だけ実行したようにみせかけても、米国は納得しないでしょう。そんなことは、中国のWTO加盟後の中国の不誠実な対応で懲りています。

であれば、もうすでに3ヶ月後(今年3月以降)には、米国から報復されることはほぼ確定だったのです。これは、バブル崩壊中の中国を追い詰めることになったはずです。これによって、中共崩壊へまっしぐらということにもなりかねませんでした。

ところが、そこに降って湧いたのが、中国ウイルス問題です。当初はあまり酷くなかった感染が3月には米国でもかなり悪化しました。

そのため、この米中貿易「第1段階合意」に関しては、一時棚上げ状態のようになってしまいました。そのため、中国は命拾いをしていたようなところがありました。

ムニューシン財務長官

しかし、米国側からすれば、この合意は生きているものとみています。本日上の記事にもあるとおり、トランプ米大統領は情報機関とともに中国と新型コロナウイルスに関するデータを精査していると、ムニューシン財務長官が語りました。トランプ氏は中国を罰するための選択肢を検討しているとも、同長官は述べたのです。

米中貿易「第1段階合意」は簡単に言うと中国が米国から農産品やエネルギー商品、工業品の輸入を増やす見返りに、米国が対中関税の一部を引き下げるという内容でした。

関係筋2人によると、中国への制裁発動や、新たな関税またはその他の貿易制限のほか、国家は外国の裁判権に服さないとされる国際法上の「主権免除」を中国に対し認めない措置などが検討されているといいます。

ポッティンジャー大統領副補佐官(国家安全保障担当)らNSC関係者から報復措置を求める声が強い一方、財務省当局者は慎重な対応を促しているもようです。

ポッティンジャー大統領副補佐官(国家安全保障担当)

関係筋らは、議論はきわめて予備的な段階にあり、近く大きな措置が講じられるとはみられていないと話しました。

米紙ワシントン・ポストは30日、関係筋の情報として、米政府高官が中国保有の米国債の一部を帳消しにすることを協議していると報じました。米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は「全くの誤り」として報道内容を否定しました。

トランプ氏は、中国に制裁を加える措置として債務支払い停止を検討するかどうか問われ「異なるやり方がある。関税発動によって同じ制裁でも金額が増やせる。そうすれば(債務支払い停止の)必要はなくなる」と応じたとされています。

いずれにせよ、新たな関税発動は十分にありそうです。それに、今回が追加関税に終わったにしても、中国が合意を守らなかったことが明らかになったり、これからも守らないようであれば、より厳しい措置が課せられる可能性は十分にあります。

米国にある中国関連や、中国の幹部の資産の凍結や、中国保有の米国債の一部を帳消しにするなどのこともあり得ます。これを実行されると、中国はたまったものではありません。それこそ、以前このブログに掲載したように、中国が石器時代に戻るということも考えられます。

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