2月21日付オリコン“本”ランキングBOOK(総合)部門で『ハリー・ポッターと死の秘宝』(静山社)の売り上げを抜き、同部門歴代首位作品となった『もしドラ』が、今週4/18付BOOK(総合)部門において、週間売上を2.8万部、累積売り上げを202.0万部とし、BOOK(総合)部門初の200万部突破作品となった。
野球部の女子マネージャー「みなみちゃん」が、勘違いから買ってしまったドラッカーの経営書『マネジメント』理論を応用し、野球部を甲子園に出場させるべく奮闘する、というストーリーが受けて現在も大ヒット中の同書。震災の影響でオンエアが延期になっていたTVアニメ『もしドラ』も今月25日からスタートする。さらにAKB48前田敦子さんの主演で話題の映画版も6月に公開が決定と、まだまだ『もしドラ』の勢いは続きそうだ。
今回の、地震の直前にNHKで放映が決まっていた、アニメ『もしドラ』の放映は、地震などの番組放映などのため、ずっと放映が延期ざれていましたが、今月25日から放映されることが決まりました。その後も、うわさなどがとびかっていましたが、はっきりせず、いつ放映されるのかと、やきもきしていましたが、いよいよ本決まりです。
このブログでは、「もしドラ」が流行る前から、ドラッカー自身についてや、ドラッカー氏の著書に書かれてあることの紹介や、いろいろな社会現象に関して、ドラッカー氏ならどのようなことをいうかとか、果ては、ドラッカー氏の限界についてまで幅広く取り上げてきました。
なぜなら、私自身が、ドラッカー氏のことを尊敬しているからであり、従来から彼のマネジメント理論は、有用であると考えてきたからです。
この『もしドラ』が、でてきたばかりのころは、AKB48のキャラクターを利用したことなどから、一時的ブームに終わるのかなどと思っていましだか、すでに累計で200万部以上も売れているということから、そうではなく、ブームを超えたものになりつつあると思います。書籍の世界で、これを快挙と呼ばずして、何を快挙と呼べるでしょうか?
このようなことを書くと、「もともとのドラッカーの書籍」はそんなに売れていないではないかという、皮肉な見方をする人もいますが、ドラッカーの書籍そのものも、ビジネス書としては、かなり売れている部類ですし、『もしドラ』は、確かにストーリー仕立てではありますが、ドラッカーのマネジメントの基本的な部分を解説していることには変わりありません。
他のマネジメントや、その他の大家の人たちの著書そのもの、あるいは、その考えなどを解説した書籍もこれほどの売り行きを示したものは過去には一つもありません。
これは、いくらAKB48のキャラクターを使用したなどとか、著者のストーリーが優れているとしても、やはり、もともとドラッカー氏の考え方が、多くの人々の共感を呼んだという以外には、考えられないと思います。
なぜそのような共感を呼んでいるかといえば、以前このブログの記事にも掲載したように。詳しくは、その内容をみていただくこととして、以下には、その一部をコピペしておきます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そうして、今までのように節約一辺倒に走るだけではなく、政府による社会的救済や、企業レベルの救済など当てにしていては、どうしようもないということに気づきはじめて、何とか自分でも何かやりたいとか、何かに取り組み少しでも、自分の身の回りから良くしていきたい、変えていきたいという気持ちに変わってきているのだと思います。ただし、多くの人が自分にはできるのかどうか疑心暗鬼なのだと思います。
そんなところに、「一見非力に見える女子高生でも、闇雲に頑張るだけではなく、ドラッカーのマネジメント理論に従い正しい努力をすることによって、とてつもなく大きな成果をあげることができる」ことをテーマとした「もしドラ」が出てきたわけです。
「もしドラ」はまさしく、そのような空気の世の中に、ぴたりと当てはまったのだと思います。ドラッカーのもともとの書籍だと、イメージ的に、経営者ということで、一般の人からすれば並外れた能力などをイメージさせて、とっつきにくく自分の身近な存在として考えられなかったものが、「もしドラ」の主人公は女子高生であり、しかもAKB48のメンバーということで、多くの人に親しみやすかったに違いありません。また、「コクリコ坂」と、「もしドラ」を対比した記事もこのブログに掲載したことがあります。そうして、もしも、「コクリコ坂」と比較して、「もしドラ」の興行成績がかなり高ければ、上の推論はかなりの確立でかなりあたっていると思われるということを掲載しました。これに関しては、詳細に関しては、ブログの当該記事を是非読んでみてください。
そうして、この推論は、無論地震の前の推論です。今回の震災がこの推論などの見方を結構変えてしまうことはかなりの確率で高い事と思います。それには、地震の復興の先行きを占うことも含まれるのではないかと思います。もし、圧倒的に「もしドラ」の興行成績が良かった場合、今回の未曾有の大震災にあっても、国民の中に沸き起こった「政府による社会的救済や、企業レベルの救済など当てにしていては、どうしようもないということに気づきはじめて、何とか自分でも何かやりたいとか、何かに取り組み少しでも、自分の身の回りから良くしていきたい、変えていきたいという気持ちに変わってきている」という変化は、今回の地震によっても変わらず、かえって強化されたとみなすべきだと思います。
そうして、震災の復興に関しても、政府主導で実施するものをはるかに凌駕したものになる可能性が高くなると思います。
震災の復興など、いくら政府が主導したとしても、被災地の人々や、被災地外の人々も真摯に前向きに取り組まなければ、復興も進まず、単なる復旧で終わってしまうことが考えられます。一方、政府があまり復興などに手をかせなかったとしても、国民が前向きで、かなりやる気を出して、本気で取り組めば、第一級の復興になる可能性もあります。それは、第二次大戦直後に私たち日本人自身が終戦直後の焼け野が原から復興し、ほんのわずか25年後に世界第二の経済大国になったことで実証されています。
このような背景から、ますます今後の『もしドラ』の動向が楽しみになってきました。これからも、何か話題があれば、また、掲載します。
それから、このブログの一番に最後に、ドラッカーの書籍ウイジェットを掲載しています。無論、『もしドラ』も掲載しています。こちらも是非ご覧になってください!!
【関連記事】