AKB48の前田敦子(19)が映画初主演することが12日、発表された。累計発行部数181万部の「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(岩崎夏海)の映画化で、主人公の「みなみ」を演じる。総合プロデューサーは秋元康氏(54)。前田は「原作は今年の大ベストセラー作品だと聞き、さらに高まりました」とやる気満々だ。来年6月公開予定。
あっちゃんが映画に初主演する。日テレ系連続ドラマ「Q10」でヒロインのロボット役を熱演するなど、女優としても活動の幅を広げている前田。映画出演4作目で主演に起用された。
作品がまた豪華だ。昨年12月に発売され、累計発行部数181万部(書籍172万部、電子書籍9万部)の“もしドラ”が原作。トーハン調べで2010年の「年間ベストセラー総合第1位」に輝いた本だ。映画化を巡って争奪戦が繰り広げられていた。
総合プロデューサーを務める秋元氏は「原作が強いので、この世界観を壊さないようにしたい。AKB48の前田の映画ではなく、この本を面白く映像化したい」と意気込んだ。著者の岩崎夏海氏はもともと秋元氏の下で放送作家や運転手として働いていたが、作家に転身しヒット作を生み出した。「AKBが売れたことより、岩崎が売れたことの方が驚いた。マニアックすぎるところを逆手に取ったのがすごい。うまいなと思った。このタイトルを付けた時点で勝ちですよ」と評した。
前田が演じる「みなみ」は都立高校の弱小野球部のマネジャー。岩崎氏はAKB48の立ち上げの際に関わっており、「みなみ」は峯岸みなみ(18)がモデルだが、今回、峯岸はもう1人のマネジャー・文乃役で出演。秋元氏は前田の主演起用を「認知度と経験」と説明した。
原作を読み始めたという前田は「とても緊張しています。以前から(部活の)マネジャーをやってみたいと思っていたので、みなみ役を頂いた時はうれしかったです」とやる気満々。「マネジャーという役を通して周りの方たちをサポートする側にもなれるように頑張ります。チームプレーですてきな作品に仕上げたいと思います」と言葉に力を込めた。他に瀬戸康史、池松壮亮、川口春奈、大泉洋が出演する。
【私の論評】なぜ、もしドラがベストセラーになったのか?
前田敦子 |
昨年の、書籍の年間ベストセラーはご存し『1Q84』でした。これは、特に一巻目は、そこはかとない不安感を感じさせる内容で、昨年の閉塞感に満ちた世相を反映して売れたなどの背景などが年間売れ筋商品ランキングなどでも説明されていました。やはり、純文学でこれ以上売れた書籍はないということと、著名作家の村上春樹著ということで、かなり話題になったのだと思います。
『もしドラ』に関しては、書籍としては、NO1になったのですが、著者が新人ということもあり、これまではあまり有名ではなかったため、売れた背景など、番付では解説されていませんでした。この類の書籍は、ほんの少し前までは、誰が考えても売れないというのが定説だったと思います。それが、ここ数年で変わり始め、今年一年で完璧に世相が変わってしまったのだと思います。
しかし、いくつかサイトをみてみると解説などがあったので、少しその内容を以下に掲載します。
まず、『非モテタイムズ』には以下のようなことが掲載されていました。
◆「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」 都立高校の弱小野球部に病気の親友の代わりにマネジャーとして入部したみなみが、マネジャー業の参考にと本屋で勘違いで手にした経営学の父・ドラッカーの名著「マネジメント」に感動。その理論を野球部で実践し、甲子園を目指す。青春小説でありながら、ビジネス入門書にもなりえる内容で、幅広い層に支持されている。NHKで来年3月にアニメ化されることが決まっている。
◆「萌え系入門本」に見えて、実はそうじゃない!
非モテタイムズでもこれまで何度か扱ってきたが、萌え系美少女を表紙に描き、本文に解説漫画やイラストを挿入することで、あるジャンルについてのオタク向け「入門本」を制作する、という手法が出版界にはある。
これは受験英単語をテーマにした『もえたん』以降、途切れることのない流れになっている。元素記号、戦車、株取引、古典文学、ナチスドイツなど、ほぼ「何でもあり」な状況だ。
『もしドラ』も一見そのパターンかと思わせておいて、実は違う。確かに表紙の女の子は可愛いし、小説仕立ての文章も簡単だが、オタクにしか通じない専門用語やふざけた悪ノリはなく、そもそも本文中にはイラストは数ページしか描かれていない。その上でドラッカーの「マネジメント」という概念を伝えきっている。
◆『ダイヤモンド』の読者の心をつかんだ「ドラッカー」
ここで表紙を見直すと、ヒロインの「みなみ」は確かに美少女だが、ポニーテールにセーラー服で背景は青空と、「可愛さ」「さわやかさ」はあっても「オタクっぽさ」は排除されているのだ。
この表紙デザインのおかげで『週刊ダイヤモンド』などの、ビジネス誌を購読する30代以上のビジネスパーソンに対して、『もしドラ』は「書店でレジにもっていってもあんまり恥ずかしくない」本だということが伝わったのだろう。
そもそも作中で言及される経営学者・ドラッカーは、マーケティングについても多くの著作を残している。『もしドラ』制作サイドは、まさにその身をもってドラッカーの「マーケティング」を実践して見せた、ということだろうか。
これに限らず、『もしドラ』が売れた背景には、優れたマーケティングがあったということが、いろいろなサイトに書かれています。以下の記事はかなり参考になるので、是非こちらも御覧になってください。
しかしながら、どんなに優れたマーケティングを行っても、売れないときには売れません。やはり、売れる背景があって、それにぴったりとマーケティングが当てはまったというのが、実体だと思います。この『もしドラ』現象に関しては、単に、「マーケティング」が優れていたからでは、済まされないものがあると思います。先にも述べたように、この一年で何かが変わったとしかいいようがありません。
そのため、本日は、この書籍がなぜ、かくも売れたのかその背景を私なりの見方で、掲載します。
今の日本は、歴代の政府の対応のまずさもあって、失われた20年ともいわれた状況が変わることなく、今も続いています。現在の30歳未満の人たちは、物心ついてから一度も、それに現在の40歳未満の人々は、社会人になってから独り立ちした頃から、ただの一度も本格的に景気が良いといわれる状況になったことがないということです。これは、全くといっていいほど異常なことです。米国でも、他の先進国でも、過去20年の間に景気の循環が何度かあり、比較的良い時期もありました。日本だけが、この20年間多少良い時期もありましたが、それでも本格的な景気の上昇はなく、停滞し続けました。
私としては、日本人は20年ものこうした、閉塞感にどっぷりとつかって、日本人の意識もようやって変わってきたのが、この1年間てはなかったのではないかと思っています。それまでは、右肩上がりの経済が当たり前で、多くの人が何も考えなくても、個人でも、企業でも、明日は経済が成長しているものとの確信がありました。
こうした事態に始めて直面した日本人は、なすすべもなく、流れに身をまかせる受動的な行動をしてきたのだと思います。日本人の多くは、節約に走り、節約は多くの日本人の基本的な行動様式となりました。そうして、ここ2~3年その傾向はさらに強化され、いわゆる巣ごもりがライフスタイルの中心を占めるようにさえなりました。実際、2007年までは、年末年始を海外で過ごすという人の割合がかなり多かったのですが、2008年から激減しているというデータもあります。
まさに、失われた20年で、企業も、銀行も節約し、それに引続き多くの人々が節約に走ったのです。というより、多くの人々が節約するしか、この失われた20年に対処する術を知らなかったという事だと思います。
そのような中で、人々の将来への希望といえば、政権交代でした。今の世の中が悪いのは、政府が悪いのであって政府が変わりさえすれば、世の中が良くなるという人々が多かったのだと思います。だからこそ、民主党が昨年の衆院選で大勝利して、政権交代が実現しました。ところが、昨年実際に政権交代をしてみたところ、民主党も単なる自民党の焼き直しの政党どころか、経験不足のためもあり、さらに落ちるくらいのどうしようもない政党であることがだんだんと明らかになってきました。
昨年中は、それでも、まだ交代したばかりということで、まだ、期待半ばというところもあったのだと思います。しかし、今年に入ってからは、普天間の問題や、最近では大きなところで尖閣の問題などがあり、もう政府には期待できないということが、はっきりして来たのだと思います。
世界的な見地からみれば、他の多くの特に先進国では、戦後何度も何政権交代が行われてきたため、国民の間に、終戦直後にはどこの国にもあった、個人や企業にはできないことでも、「政府ならできる」という幻想、いわゆる「政府による社会救済の幻想」があったものが、とっくの昔にその期待は打ち破られて、いわゆる政治に対する成熟化が醸成されていたものが、日本では、昨年はじめてなされたわけです。
その前までは、政権交代という切り札というものがあると、多くの国民は思いこんでいましたが、その切り札も全く役にたたないことが理解されたのだと思います。
こうした、環境にさらされて、日本人はようやっと気づきつつあるのかもしれません。政府に期待しても、もともと無駄であることを・・・・。もともと、政府は「社会救済のための機関」ではないことを・・・。このことについては、私は、このブログで前々から掲載してきまし、今日のテーマに関係のあるドラッカー氏も、政府はもともと自ら「社会救済をする機関」ではなく、「基盤を整備する機関」でありその基盤の上で活動するのが「民間営利企業であり、民間非営利企業」であるとしています。多くの日本人が、昨年の政権交代の直前までこのことを理解できなかったのだと思います。
しかし、さすがに日本人です、他の発展途上国なら、政権交代をしても、わだかまりが残り、激しい対立や酷い場合には、内乱まで発展するとか、先進国でも何度か政権交代をしなければ、多くの国民が理解できなったのとは対照的に、多くの日本人が1年くらいで、「政府は社会的救済をする機関」ではないしそれは幻想にすぎないことを悟ったのだと思います。
それとともに、国民の中に特に年度末になって明らかにいわゆるマスコミがいうところの、「節約疲れ」の傾向が見られています。これは、一見上記のこととは関係ないように見えながら、私は多いに関係があると思います。
たとえば、JTBは、この年末年始に旅行をする人が前年比で0.7%増と、4年ぶりに前年を上回ると見込んでいます。プランタン銀座の調査では、女性がクリスマスに期待するプレゼントの価格は4万3620円と昨年より1万3000円以上も高いとしています。さらに、全国の百貨店売上高も10月、2年8か月ぶりに前年同月を上回り始めました。
これは、節約疲れなどと簡単に片付けられることではないのかもしれません。
人々の間には、「安物買いの銭失い」のような状況を打ち破りたいとか、「人生を充実するとか高めていくようなことにお金を使いたい」とか、せっかく節約して、「ムダ金を使わない!」という習慣がついたので、今度は自分の人生のために生きたお金を使いたくなりうずうずしているのかもしれません。
地デジ対策でTVを変えたら、部屋が広くなり、TVの画面も綺麗になり、快適になっただけではなく、節約にもなっているとか、二重窓にしたら、音が静かになり、暖かくなり、快適になり節約にもなったとか。
どうせお金を使うなら、せっかく節約の習慣が身について、無駄遣いをしなくなったのだから、生活の快適さのレベルを引き上げたいとか、一点豪華主義のようなたまの贅沢は頑張った自分へのご褒美としても良いのではないかとか、自らの人生を質的に豊にしたい、というふうに変わってきたのだと思います。とにかく、せっかく節約したお金を昔のように、ブランドモノなどの価格の高いモノに費やすだけでではなく、意義あるものに遣いたいというように変わってきており、それが、マスコミなどで報道するように表面的にはいわゆる「節約疲れ」という風潮につながっているのではないかと思います。
そうして、今までのように節約一辺倒に走るだけではなく、政府による社会的救済や、企業レベルの救済など当てにしていては、どうしようもないということに気づきはじめて、何とか自分でも何かやりたいとか、何かに取り組み少しでも、自分の身の回りから良くしていきたい、変えていきたいという気持ちに変わってきているのだと思います。ただし、多くの人が自分にはできるのかどうか疑心暗鬼なのだと思います。
そんなところに、「一見非力に見える女子高生でも、闇雲に頑張るだけではなく、ドラッカーのマネジメント理論に従い正しい努力をすることによって、とてつもなく大きな成果をあげることができる」ことをテーマとした「もしドラ」が出てきたわけです。
「もしドラ」はまさしく、そのような空気の世の中に、ぴたりと当てはまったのだと思います。ドラッカーのもともとの書籍だと、イメージ的に、経営者ということで、一般の人からすれば並外れた能力などをイメージさせて、とっつきにくく自分の身近な存在として考えられなかったものが、「もしドラ」の主人公は女子高生であり、しかもAKB48のメンバーということで、多くの人に親しみやすかったに違いありません。
また、ドラッカーは知っていても、読んだことがないとか、読んだとしても、事例などが自分からは程遠いので、ピンとこなかった人たちが、いわゆる、ドラッカーの入門書として読みだしたということが重なって、このようなベストセラーになったのだと思います。まさに、ドラッカーのいうところの、マネジメント普遍性(政府や大企業だけではなく、家庭、学校、自分の会社、NPO、すべての組織で役立つし、アメリカでも日本でもどこの国の組織でも役立つという意味)が多くの人々に理解され始めたのだと思います。
私は、この「もしドラ」現象が、一過性に終わらないで、さらに日本人の成熟化や、もっと言えば、多くの日本人が自分の二本の足で立って、独立した個人を主張し、それも、裏付けのある主張、正しい努力をするようになってほしいと思います。戦後の誤った民主主義教育や、個人主義教育の殻を打ち破り、自分のことだけを考えているのではなく、社会に貢献する、社会を良くする、社会を高めることに大きな意義を見出すべきと思います。ドラッカーが指摘しているように、営利企業も、非営利企業も社会の機関であることを強く認識すべきと思います。そのためには、ドラッカーのマネジメント理論はかなり役にたつと思います。個々人が、政府や、会社に頼るのではなく、まずは、独立独歩の自分が世の中を社会を変えていくのだという気構えを持って、新たな素晴らしい日本をつくっていくようになればと期待しています。
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2 件のコメント:
はじめまして、AKB応援ブログにもしドラの記事を書きました者です。コメントありがとうございます。記事を拝読させたいただきました。
ドラッカーについては何も知らないので完全には理解できないのですが、この本の「理論に基づいて行動する女子」と「今の日本人」の関係についてはなんとなく分かった気がします。今日のニュースで今年はクリスマスケーキの予算が増えているときき不思議だったところです。政府は何かをしてくれる機関ではないというのも少し分かった気がします。自分たちも運営にかかわっているようなものですから寄りかかるのもいけませんね。
ルナ助 様コメントありがとうございます。世の中少しは変化が見えてきたようです。これからもお気軽にお立ち寄りください。
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