衝突映像を流出させた一色正春海上保安官は22日午前9時20分ごろ、兵庫・神戸市内の公務員宿舎を出ました。
日本中を揺るがせた尖閣諸島沖の衝突映像流出から、22日で48日。
22日朝、一色保安官は「現在のところはちょっとお答えできないので、申し訳ないんだけれども。(どういう時期に話をしようと?)まあ、弁護士に聞いてください」と話し、神戸地検に入りました。
捜査を担当してきた警視庁は、映像流出は「業務上知ることができた秘密の漏えい」にあたると判断し、22日午後、一色保安官を国家公務員法の守秘義務違反の疑いで書類送検しました。
これを受けて、今後、東京地検が起訴するかどうか処分を決めるが、その判断は年明け以降になるとみられます。
22日、保安官の処分問題について聞かれた仙谷官房長官は22日午前、「司法警察員としての地位を持つべきものが、刑事事件の証拠であるべきものを、一般的にブログに公表するという行為は、許されてはならないこと」と述べ、あらためて一色保安官の行動を批判しました。
そして、一色保安官が映像を投稿する際、「sengoku38」という名前を使ったことに対して仙谷官房長官は、「非常に不快ですね」と述べました。
一方、一色保安官自身は「sengoku38」の名前を使ったことについて、「事件が忘れられてしまうので、謎が残った方がいい」と話しているとされます。
尖閣諸島沖での漁船衝突映像の流出事件で、警視庁は、海上保安官を書類送検しました。また、海上保安庁は、この保安官を停職処分にしました。
機密性が高いとされた映像は、結局、職員なら誰でも見られる映像で、内部調査が進めば進むほど、ずさんな情報管理体制が浮き彫りとなりました。機密性に焦点を当てると、過去の事例と比較しても免職に該当するのかどうかは判断が極めて微妙な案件でした。
仮に規定にのっとって処分すれば、身内に甘いとの批判を受けかねない一方で、免職にまで大なたを振るうと、海上保安庁長官の更迭だけではなく、馬淵国土交通大臣への責任論が再燃する可能性もあり、ある幹部の一人は「もはや政治判断を仰ぐしかない」と話していました。最終的には、馬淵大臣が官邸と協議を重ねるなど、政治判断が重きをなす結論になったといえます。停職処分を受けた一色保安官は、22日午後に辞職したということです。
【私の論評】ビデオ非公開は完全な間違いであり、その背景は情報不足?
この措置、情報漏洩ということから、当然といえば、当然かもしれないし、一色氏もそれを覚悟し、流出させたのだと思います。
しかし、良く考えてみると、こうした結果になってしまったのは、やはり、仙谷氏をはじめとする民主党幹部の判断ミスがあったのは明らかです。あのビデオを公開しないというのは、完全な情報隠蔽であり、国民の知る権利に対する完全な裏切りです。
そうして、こうした判断ミスはなぜ起こったかといえば、私は、民主党の幹部連中による情報不足、勉強不足、そうして彼らのいうとろこの全く誤った政治主導が大きな原因ではないかと思っています。
中国漁船による違法操業、越境など随分まえから、はっきりしていることです。最近でも、中国漁船が黄海で韓国海洋警察庁の警備艇に体当たりして転覆した事件で、中国は韓国の対応を批判しましたが、22日付韓国各紙は「無礼な中国」「中国逆ギレ」などの見出しを付けて一斉に報じ、反発しました。韓国外交通商省は「両国は円満な処理のため緊密に協議するという認識を共有している」と強調し、冷静に対処していく方針だが、外交問題に発展する可能性も出ています。
今回は、中国船が転覆などということで、このような大きな事件になってしまいましたが、韓国では、中国漁船の違法操業など日常茶飯事で検挙数も毎年かなりのものでした。
それに、ロシア領内での違法操業なども日常茶飯事であり、これに関しては、過去にこのブログでも掲載しましたが、密輸を疑われて出航許可を得られなかったにも係わらず、ロシア側の制止をふりきって逃げようとした中国貨物船を銃撃し、船員8人が死亡しました。
このことに関して、中国政府は一切、公式に抗議などしていませんし、国際的にも問題にも話題にもなりませんでした。
現在の民主党には、あの尖閣での事件が発生したときに、このような情報など持っていなかっのではないかと思います。政治主導などといわれてますから、官僚も特には聴かれなかったので、このような情報を提供しなかったのではないかと思います。まったくの情報不足の中で右往左往して、出した結論が中国人船長の釈放と、ビデオの非公開だったのだと思います。
さすがに、今は、このような情報も持っているかもしれませんが、それも、最近、マスコミなどの報道から入手したのではないかとさえ、私は疑っています。そんなことは、ないとおっしゃる方は、菅総理が、最近の北朝鮮による砲撃をマスコミで知ったというあの寝ぼけた国会での答弁を思いだすべきです。
最初からしならなくても、体当たりの一報が入ったときに、情報収集すれば、何らかの手段を講じてこのような情報はいくらでも集められたと思います。そうした情報があれば、あのビデオの公開もすぐに意思決定できたと思います。それにしても、一色氏が公開したビデオは一部にすぎません、国民の知る権利に応えるためにも、今からでも全編公開すべきと思います。
民主党は、私は、最近もう次はないので、政権の座についているうちに、日本国解体法案など通ししまうなどの倫理崩壊が始まるかもしれないということをこのブログに書きましたが、実は、情報収集能力が極端に低いことなど、とてもじゃありませんが、政治家などできるような器ではなく、最初から倫理崩壊をしていたのかもしれません。倫理崩壊した政党は、政治を担うべきではありません。
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