軍事演習「キンソード クリックすると拡大します |
【大紀元日本12月5日】日本の自衛隊と米軍は12月3日から、共同軍事演習「キーンソード(鋭い剣)」を実施した。日本の防衛省によると、自衛隊員3万4千人と米軍兵士1万人余りが参加。米韓共同軍事演習を先日終えたばかりの米原子力空母「ジョージ・ワシントン」を含め、艦艇60隻、航空機400機が投入される。演習は日本各地の自衛隊基地や周辺海域で行われ、その規模は先日の米韓共同軍事演習の6倍で、戦後最大となる。
これまで日米共同軍事演習への参加を避けてきた韓国も、オブサーバーとして参加している。朝鮮半島の情勢を意識して、日米韓の連携を強化する狙いがあるとみられる。
8日間の日程で沖縄東方や四国南方、九州西方の海域などで展開する同演習は、北朝鮮の脅威の抑止に加えて、海洋権益を強硬に主張し、東シナ海や南シナ海で軍事活動を活発化させる中国をけん制する狙いがあると日本国内のメディアが報道している。
一方、今回の日米共同演習に対し、中国外務省は従来のような強硬な態度を見せていない。中国国営の新華社の報道によると、中国外務省による2日の定例記者会見で、記者から日米演習に尖閣諸島周辺の海域も含まれていることについての感想を聞かれた姜瑜・報道官は、「朝鮮半島問題の唯一の解決方法は対話であり、武力の誇示は問題解決にならない」と述べて、今回の日米演習の標的は朝鮮半島問題であるような発言をした。また姜報道官は「釣魚島(尖閣諸島)の問題において、我々の立場は明確で一貫している。関連国間の軍事同盟は、中国を含む第三国の利益を損なってはならない」と述べるに止め、中国国内では数カ月前からすでに同軍事演習は尖閣諸島を標的としたもので中国を仮想敵国としていると報道されていたものの、同会見では中国けん制狙いに対する言及を避けた形となった。
更に、中国外務省のホームページに掲載されている同記者会見についての発表では、質問や答えに入っていた「釣魚島」の文字は削除されている。
新華社も、今回の演習に関する報道では、「特定の国を対象としていない」という日本の北沢俊美防衛相のコメントを強調し、日本メディアに報道された「中国けん制狙い」などについては全く報道していない。演習がおこなわれる海域について、尖閣諸島に関する言及も避けている。
一方、中国共産党機関紙「人民日報」系列の「環球網」は、今回の演習は「中国を仮想敵」とし、「釣魚島を標的」にしていると明確に報道。3日には「独善的な米国、手当たり次第に中国を懲らしめる」と題する記事を掲載して、「(米国は)いらいらしている母親のように、毎日どうやって中国を懲らしめるかをばかり考えている」と米の対中政策を批判した。
中国の政府系メディアの論調に温度差が見られるほか、ネットユーザーの反応にも9月の中国漁船衝突事件の際に見られたような激しい反日感情は表れておらず、むしろ、政府の弱腰外交に対する批判の言葉が多くなっている。
今回の日米共同軍事演習に対する中国政府の姿勢に、中国の ネットユーザーは弱腰外交と批判。人気掲示板MOPには、「米 国が侵略してきたら門を開け、米兵を案内してあげよう」などと皮 肉った発言が多く見られるとともに、「CCP(中国共産党の略称) を打倒して人民が国の主人公となる」といった共産党批判の発言 も見られる(ネットスクリーンショット)。クリックすると拡大します。 |
一方、中国国内の国際情勢専門家は、今回の日米共同軍事演習に韓国のオブザーバーが参加している点に注目。領土問題による摩擦で今まで軍事面において手を結ぶことのなかった日韓両国だが、今回の両国関係の接近により、東アジアの情勢は自由主義と共産主義が対峙した冷戦時代に戻ったようだ、と見ている。中国国際関係学院の楊伯江教授は、「日米韓の関係が強化されつつあるこの情勢を憂慮すべきだ」と国内メディアのインタビューで述べた。
【私の論評】未だにビデオを公開しないし、弱腰中国に強い姿勢を見せられない菅内閣にアメリカも業を煮やした?!
大紀元では、上記の記事掲載前に、以下のような記事も掲載しています。非常に興味深い記事なので、これもそのままコピペします。
【大紀元日本11月25日】北朝鮮による韓国の延坪島(ヨンピョンド)への砲撃事件で、民間人が死傷するなど両国間の緊張が一気に高まった。朝鮮戦争休戦後初めての砲撃事件で、無謀ともいえる今回の挑発行為がなぜこの時期に起きたのか。北朝鮮の次期後継者である金正恩(キム・ジョンウン)が軍での権力を強化させるために出た行動との分析が大半を占める中、最大支援国である中国が外交上や国内危機の苦境から逃れるための一手であるとの見解も示されている。
事件後、米ホワイトハウスは北朝鮮を「強く非難」し、「好戦的な行動」の停止と朝鮮戦争休戦協定の順守を要求した。イギリス、EU、ドイツも相次いで北朝鮮の挑発行為を非難するコメントを発表し、国連安保理も近々、北朝鮮への制裁案を検討すると伝えられた。一方、北朝鮮に大きな影響力を持つ中国は、砲撃事件が伝えられた直後、韓国と北朝鮮双方に冷静な対応を呼び掛け、北朝鮮の核問題を話し合う6カ国協議の再開が不可欠との認識を示した。
朝鮮半島の緊張により、東京の訪問を終えて中国に向かったボスワース米政府特別代表(北朝鮮担当)の中国訪問への関心が高まった。北朝鮮が遠心分離機の存在を明らかにした後、急きょアジアに派遣された同代表は22日、ソウルでの記者会見で、米朝直接対話の可能性について、「北朝鮮が誠意を持って対話や討論の方向に転換しているという態度を示さなければならない」とした上で、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議再開問題について、「それを再びよみがえらせることを希望する」と語った。
今回の砲撃事件で、関連各国は6カ国協議再開における中国の仲介役への期待が一層高まる。それをカードとして中国側が米国に対して人民元切り上げへの圧力を緩和させ、国際問題での中国の影響力を高めようとする中国の意図がうかがえるとの専門家の見解が伝えられている。
中国問題専門家で、元・北京師範大学の孫延軍教授は、インタビューで今回の砲撃事件について、「北朝鮮が単独で軍事行動に出た可能性は低い」とし、「中国と北朝鮮は現在、いずれも国内外の厳しい危機に直面している。何らかの問題を引き起こすことによって、国際社会から最大限の譲歩を引き出すための行動ではないか」との見方を示している。
同氏の分析では、中国国内では、社会格差やインフレ問題など当局はさまざまな難題を抱えており、まさに一触即発の状態。国外では、米国による人民元切り上げへの圧力が高まる一方である。尖閣諸島問題後、中国の強硬な外交姿勢に周辺国は警戒感を示し、日本との関係が急速に悪化し、日米同盟が強化されるなど国内外においての八方ふさがり状態に中国当局は焦燥感を募らせている。
局面打開のため、毎年多額の援助を行ってきた北朝鮮は中国にとって格好の道具となった。「北朝鮮が事件を起こせば、米国は国際社会の秩序を守るため、中国に北朝鮮を説得するよう要請するだろうと中国は見込んでいる。その見返りとして、人民元切り上げを要求しないよう米政府に注文をつけ、それによって国内の経済危機を乗り切ろうと計算している」と同氏は見ている。
一方、北朝鮮が最近遠心分離機を擁する大型ウラン濃縮施設を公開した件についても、中国の支援なしに最新設備を持つ核施設の建設は不可能との見解で、各国の専門家は一致している。
上記では、「北朝鮮の次期後継者である金正恩(キム・ジョンウン)が軍での権力を強化させるために出た行動との分析が大半を占める中」としていますが、まさしく、私も砲撃の直後ではそのような見解をブログに掲載しました。
北朝鮮と関係が深い中国は、以前米韓が黄海で合同軍事演習をした際には、米空母の参加に「断固反対」を表明した。眼前の海域では、米軍に自由な行動は取らせない、という意思表示をしました。
今回の黄海での米韓軍事演習も26日夜、外務省副報道局長が「中国の排他的経済水域(EEZ)では、どの国であれ、許可なく軍事行動をとることに反対する」と、反発しました。
中国は、圧力をかけて北朝鮮に核廃棄を迫ろうとする日米韓には同調せず、むしろ経済支援の強化によって3代世襲体制を支える立場です。隣国の北朝鮮で体制が崩壊すれば、中国の安定も損なわれるという計算があるのでしょう。
しかし、地域の平和と安定を脅かしているのは、北朝鮮です。中国が甘やかしてきたことが、ここまで増長させたのではありませんか。
北朝鮮の現状を黙認するなら、地域情勢は不安定さを増すばかりです。時限爆弾を抱える現実を、中国は認識しなければならないはずです。
もし、今回の砲撃事件が、大紀元日本11月25日の記事にあるように、中国が背後にいるとすれば、これは大問題です。その可能性は十分にあります。中国の北朝鮮に対する煮え切らない態度をみていれば、この記事のように直接中国が関与しなかったとしても、この事件を何らかの取引の材料に使うことなどは考えたかもしれません。
しかし、その目論見は完全に読み間違えにしかすぎなかったことが明らかになったと思います。その結果、ここしばらくなかった、日米韓の合同による今回の大規模な軍事演習である「キン・ソード」です。
今回の、「キン・ソード」に対する中国の各メディアの報道は、本日の大紀元の報道にもみられるように、いろいろあるようですが、及び腰の論調が多いようで、それに対してネットユーザーが怒りをぶちまけているというところです。
それから、上の記事で、『中国国内の国際情勢専門家は、今回の演習によって、「東アジアの情勢は自由主義と共産主義が対峙した冷戦時代に戻ったようだ」と見ている。中国国際関係学院の楊伯江教授は、「日米韓の関係が強化されつつあるこの情勢を憂慮すべきだ」と国内メディアのインタビューで述べた』としていますが、この見方は完全に偏っていて、一方的です。
現実は、ソ連崩壊によって、冷戦構造はなくなり、ロシアや東欧諸国は、まがりなりにも、形だけでも民主的になりましたが、残念ながら、アジア、特に中国と北朝鮮は、冷戦前の構造がそのまま残ってしまい、いまでも世界の安定に脅威をもたらしています。さらには、そもそも最初から不可能であるにもかかわらず、アメリカが一極支配を目論んでいるため、さらに世界は不安定な構造となっています。
これに対して、結局日本も何もしてこなかったというのが実体であり、本来これに対しても何かすべきものだったものをまだ、多数の積み残しがあるというのが実体です。上記のような見方しかできない中国国内の国際情勢専門家は、能力が著しく低いし、だからこそ、今回の中国の読み間違いも発生したものと推測します。
この、大規模な軍事共同訓練に関しては、おそらく菅内閣、民主党など完全に蚊帳の外だったのだと思います。第一、尖閣での中国漁船体当たり事件の処理の仕方をみていても、どうしようもないくらいに、及び腰ですし、事前に軍事演習に関して、アメリカ側から申し入れがあっても、特に断る理由もないし、それに判断すらできないですから、黙っていた、その結果、申し入れに従って、制服組などが、演習の準備をして実現したというところが、関の山でしょう。
民主党の中の左翼連中も、この軍事演習を断るだけの判断材料をあげることも、その勇気もなかったのだと思います。菅さんも、北沢も、岡崎トミ子も、中国さまのご機嫌を損ねることには反対すべきその他の閣僚も出来なかったのだと思います。
中国が今回の演習に対して特に目立った抗議もしない、というよりできないのは、もともと、中国は、ベトナムやフィリピンのような、大国の後ろ盾もないとか、後ろ盾の弱い国に対しては強い態度にでるのですが、アメリカや、ロシアなどの軍事大国に対しては、昔から一環して弱腰だったからです。
特に、中国がロシアに対して昔から一環して弱腰外交であったことは、以前のブログにも述べたことです。
日本は大国であるのは間違いないのですが、なにしろ、政権が左翼の甘露煮頭です。今回の、尖閣の問題は、こうした甘露煮頭の弱体政権に対して、どこまでやれるか試しにやってみたところ、あのアメリカを怒らせて、今回のような軍事演習をさせてしまったということで、全くの失敗に終わったわけです。愚かなリ中国というところです!!完全に、各国の意図を読み誤っています。
アメリカは、本来は弱腰外交の中国に、オバマ大統領が一時、融和的態度でのぞんだことから、中国を増長させてしまったのだと思います。その意味では、まだ、アンチ知性派のブッシュ政権のほうが、中国に対する正しい対応をしていたといえるかもしれません。オバマ氏としては、今回の中間選挙でも負けていますから、この機会に国民に対して、中国に対しても強い意思表示をする必要があったものと思います。生来の外交べたの中国は、今回はすっかりいろいろなシナリオを読み違えたのだと思います。
アメリカと中国の間には、共通点もありますが、はっきりと利害が相反するところもあります。共通点に関しては、両方とも日本の弱体化を狙っているということです。アメリカは、日本を韓国のようにアメリカの経済植民地にすることを望んでいます。これは、半分成功しかけていますが、日本は意外としぶとくて、まだまだ程遠い状況にあります。利害が相反するところとは、日本が中国の覇権の中に取り込まれることを中国は無論、大賛成ですが、アメリカは絶対に許容しないということです。
さて、民主党政権は今回の一連の出来事から何を学んだことでしょうか?おそらく、ほとんど学んでいないと思います。ただ、流されるまま漂流していたというのが実体でしょう。もう、漂流政権、漂流政党に国政を任せておくことはできないということを、大多数の国民が学んだことでしょう。
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