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2012年10月29日月曜日

キンドルが開けた「パンドラ」 競争が崩す商慣習  :日本経済新聞−【私の論評】商習慣を崩せなかった日本勢にもチャンスはあるかも・・・・??

キンドルが開けた「パンドラ」 競争が崩す商慣習  :日本経済新聞:

笑みを浮かべるベゾズCEO
米国に遅れること丸5年。ようやく米アマゾン・ドット・コムの電子書籍端末「Kindle(キンドル)」が日本に上陸する。25日には日本向けの電子書店「キンドルストア」もオープンした。品ぞろえや書籍価格は既存の電子書店と横並びで、国内出版業界の「商慣習」に配慮した格好。しかし競争環境は激変した。キンドルがもたらした衝撃とは何か。今後、何が起きるのか。

http://www.nikkei.com/article/DGXBZO47756170X21C12A0000000/

・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・

 すでにキンドルは、日本の出版業界の意識改革を促したと指摘する関係者もいる。PHP研究所で電子書籍関連の事業を担う中村由紀人・事業開発本部長は、こう語る。

「キンドル・ペーパーホワイト」を手にするベゾスCEO(24日、東京都目黒区)

 「アマゾンは再販と委託で守られてきた『村社会』に、いきなり外国のルールを持ち込んできた。もう少し配慮が欲しかったという思いがある半面、おかげで出版業界全体の目が覚めたという思いもある。いつまでも同じことを繰り返すのではなく、我々自身も変わらないといけない。紙の出版市場はますます厳しい状況。リスクをもって進んだ出版社のみが、生き残るのではないでしょうか」

 現在、横並びの電子書籍の価格については、公取委から何らかの指摘が入る可能性もある。ベゾスCEOはこういった。

 「物理的なコストがかかっていない電子書籍は当然紙の本より安くなると消費者は期待する。それを前提にどういう流通戦略をとるかは、出版社の経営手腕の見せどころだ」。キンドル上陸で、もう「パンドラの箱」は開いたのだ。そういわんばかりの笑みを浮かべている。


【私の論評】商習慣を崩せなかった日本勢にもチャンスはあるかも・・・・??

Kindle本の英語版『スペンド・シフト』の表紙
私は、日本でKindle本が販売される随分前から、米Amazon.comからKindle本をいくつも購入していました。なぜそのようなことをしたかといえば、日本語の書籍はないものの、英語の書籍であれば、日本国内の書籍を購入するより、はるかに安く、しかもすぐにダウンロードできるからです。ダウンロードした書籍は、iPhoneや、iPadで読んでいました。(本日は、ほぼすべて私のIPadの画面をキャプチャで撮影した写真を経済させていただきます)

このブログにも書いたように、本当に低価格を実感できました。たとえは、ドラッカーの『マネジメント』に関しては、いわゆる広く流布している、エッセンシャル版のほうではなく、原本のほうでは、日本語版だと、上下巻あわせて、5000円を超えています。ところが、Amazon.comのKindle本では、何と、日本円に換算すると千数百円で販売しています。

これは、買いだと思い、『マネジメント』、『スペンドシフト』、『さっさと不況をおわらせろ!!』などなど、すべて日本で売られているよりは、安く購入して、すべて英語で読みました。これは、一種何言うか、非常に爽快でした。これらの書籍ハードーカバーで、丸善などで買ったらさぞ高いのだろうなと思い、読むたびに痛快な気分でした。

ポール・クルーグマン著『不況をさっさと終わらせろ!!』の英語版のKindle本
そうして、Kindle本をこれから読もうかどうかと考えている人に、お知らせしておきますが、iPadは無論のこと、kindleはもとより、どのデバイスでもクラウドが使えます。だから、容量など気にせずにドンドン購入できます。要するに、当面読む本数冊だけをiPadのメモリに蓄え、後はクラウドに蓄えておけば良いのです。

そうして、古い書籍など、インターネットに接続して、クラウドから直接読むか、あるいは差異ダウンロードして読めば良いのです。それから、もっと驚くのは、指定されたメールアドレスで、PDFファイルなど発信すれば、それが、クラウドに蓄えられて、それiPadなどの端末で読むことができます。これは、最初あまり意義を見出せなかったのですが、企画などを立案するときには、とてつもなく役にたちました。

要するに、企画をするのに場所を選ばなくなったのです。企画に必要な書籍は、すぐに読めるし、サイトなどの情報も、いわゆるリーダビリティーに入れておいて、それを同じiPadで読むことができます。リーダビリティーとは、いわゆる、サイトの記事を広告などは、カットして読みやすい形式にして、クラウドに蓄えるシステムです。これは、記事に関係のある動画や、画像はカットされません。これも、クラウドですから、極端にいうと、無限に蓄えられます。

最近Amazon.co.jpからダウンロードしたキンドル本の中身
さらに、キンドルでは、たとえば、作成した文書なども、所定のメールアドレス宛てに自分の作成した文書など、PDFファイル化して送れば、キンドルやiPadなどの自分の読みたいデバイスで読むことができます。

こうして、何でも情報を集約できます。私は、エバーノートなども、併用していますが、これは本題とはあまり関係ないので、省きます。

これらを使いこなすと、書籍や書類など何ももって歩かなくても、iPad一台あれば、どこにいても、その場で読むことはできます。読んで、いろいろ考えて、さらに、何かにまとめたければ、その場でiPadのマインドマップでマップを描きます。マップには、メモなど豊富にいれておけます。

少し前に、電子書籍で人気になった『ジーン・マッパー』の表紙
企画書をつくるのに、写真が必要であれば、これも、Google+のインスタントアップロードで撮影する片端から、クラウドに送ります。

マップや、メモ、写真などを利用すれば、簡単な企画などあっという間にできあがります。これは、従来から考えると、とてつもないことです。従来だと、現場は、写真撮影とメモ程度で、本格的企画は、会社にかえってから資料が手元にあるところでという考えは成り立ちません。場所を選ばす、どこでも、企画が立てられます。このようなことから、読むだけではなく、いろいろなことができるということでも、爽快な気分になりました。

このように、ユーザーのほうは変化していたのに、日本の出版社は旧態依然としていたということです。私は、2年ほどまえから、アマゾンが日本でも、Kindle本を発売する、Kindleもいずれ販売するというアナウンスがあったので、心待ちにしていました。しかし、なかなかそうならないので、半分忘れかけていました。しかし、やっと、日本でも、Kindle本と、Kindleの販売となるわけです。そうして、Kindle本はすでに発売されています。

iGoogleにインスタントアップロードした写真のiPadでの画面
ようやっとという感じというより、私の中では、はっきり言わせていただくと、何をいまさらという感じてす。無論、これは、Amazonに対し言っているのではなく、日本の旧態依然とした出版界に対して言っているのです。

古い商習慣に拘泥しているうちに、予定帳場で、アマゾンにやられてしまいました。当然といえば、当然の報いです。

しかし、私は今回のアマゾン進出で、日本の出版会も相当変わると思います。そうして、やることは、いくらでもあると思います。特に、以下の二つの点では、日本の出版会は、他の業界も手を携えてやることはいくらでもあるし、イノベーションができると思います。

Amazonに指定されたメールアドレスで送った自作の文書、クラウドからみたり、ダウンロードできる
先ず第一に、アマゾンが先行しているのは、いまのところ、既存の書籍を電子書籍化しているだけであり、Kindle Fireや、iPadなどのインタラクティブ性、すなわち、画像はもとより、動画、ミュージック、その他インタラクティブな素材を用いた、新たな電子書籍の世界は、まだまだです。日本は、特にアニメの世界が進んでいます。半分動画のようで、半分書籍のようなインタラクティブなアニメなど、全く新しい世界が開けると思います。

それに、SNS、、ゲーミフィケーション、ゲームと、電子書籍のコラボレーション、iPadとKindleが当たり前にもっているGPSの位置情報システムを利用した、書籍と、実世界とのコラボレーションなど創造性をたくましくすれば、日本の出版界の個性を出せるものはいくらでもあると思います。これをもって、世界に打ってでることも可能だと思います。このあたりは、うまくやれば、日本人炸裂!!という状況もつくれるのではないかと思います。

電書籍は、既存の書籍の電子化でけではない!!無限の夢がある!!
それから、第二に、新人発掘です。日本で、日本語で長い間出版してきたという歴史は、かなり役にたつものと思います。それから、これから、インタラクティブな電子書籍をつくるには、作家もそうですが、他のコラボレートする人たちの養成も欠かせません。このあたりに、日本の出版会が生き残るどころか、世界標準となれるだけの、潜在的能力が、日本にはあると思います。

変に昔のことに拘るのでなく、そうした新しい方向に、日本の出版会が進んでいって欲しいと思います。それとも、日本の出版界は、旧態依然としたままで、このような変革は、他の業界の人たちが行うのでしょうか?いずれにしても、昔のやり方を改めなければ、今の時代には生き残れません。そう、思うのは、私だけでしょうか?



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2012年6月7日木曜日

Facebook新機能『宣伝広告』の可能性!―【私の論評】宣伝広告機能は、社会的イノベーションを加速するか?

Facebook新機能『宣伝広告』の可能性!:

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先月末、Facebookは、企業やブランドのFacebookページからの投稿を、もっと効果的に拡散する新しい機能を発表しました。この機能は宣伝広告(promoted post)と呼ばれ、一定の料金を支払うことによって、投稿をより多くのユーザーに届けるというものです。日本語版Facebookは今のところまだこの宣伝広告に対応していませんが、英語版に続いてすぐにサービスが始まるのではと予想されます。

最近のFacebookの発表によると、ブランドによる投稿はファンの僅か12%にしか届かないとのことです。この数字はあくまで平均的なもので、もちろん投稿の内容によってユーザーへのリーチの幅は大きく変わります。投稿内容が平凡で退屈なものであれば、ファンは拡散する価値がないと判断し「いいね!」もコメントもくれませんが、一方で内容が面白く魅力的であれば喜んで「いいね!」やコメントをくれます。するとその投稿はソーシャル・メディア空間でどんどん拡散されて、より多くのユーザーの目に触れることになります。

Facebookは、しばらく前からブランドからの投稿がもっと簡単にもっと効果的にユーザーへ届くようにするにはどうすればいいかと考えてきました。それに加えて先月には株式公開があり、これからはしっかり利益を上げて、株主にそれを還元していかなければならなくなったのです。今回の新機能は、そんなFacebookの企業としての、満を持しての発表というところでしょう。

それでは宣伝広告という機能を少し詳しく見ていきましょう。

例えばあるお店が全品20%引きのセールを行うとします。このお店はFacebookで繋がっている全てのユーザーにセールのことを知ってほしいと思うのが自然です。そこでFacebookにいくらかの料金を払い、ファンの近況フィードにその情報が優先的に流れるようにしてもらうのです。

その際、投稿内容の言語を限定したり、特定の場所のユーザーだけをターゲットにしたりと、従来のターゲッティング広告と同様にキメ細かいマーケティングも可能になっています。また、その広告を何人のユーザーが目にしたのかという数字も正確にトラッキングできます。しかし注意点として、アップロードから既に3日以上経っている投稿は新たに宣伝広告として登録することはできません。

日本語版のFacebookに新機能が対応するようになったら、メイン・ページの投稿、公開ボタンに続いてFacebook広告を出すというボタンが付きます。そのボタンを押すと下にウィンドウが表示され、料金を選ぶことができるようになります。この料金によって投稿がリーチするユーザー数が変わるのです。多くのユーザーに届けたい場合はたくさんの料金を払い、少数のユーザーでよければ少しの料金を払います。宣伝広告は、ユーザーの近況フィードに「広告」というタグを付けて流れます。

0606_societa02

宣伝広告はFacebookでのマーケティングに新しい風を巻き起こすと言われています。中小企業や有名ブランドは、本格的なキャンペーンに今までのような労力と時間を使わなくても、素早く簡単に多くのユーザーにメッセージを届けることができるようになるからです。

新機能の発表が米国で話題を呼んでいるもう一つの理由は、今はページ・オーナーにしか許されていないこの機能が、将来的に個人アカウントでも利用可能なるかもしれないからです。その場合、どういう使い方ができるのかという質問に対してFacebook側は、「例えば新しい仕事を探していて皆に紹介口があるか教えてもらいたい場合、車を売りたいという個人がそれを多くの人に知ってもらうためになど様々な利用法があります。」と答えました。

個人ユーザーからの広告投稿が可能になったら、Facebookはただの広告掲示板になってしまうのではないかと心配する人々がいます。一方でそうなることでFacebook側が提唱する活用法のように、個人の可能性をもっと広げてくれるという前向きな意見もあります。

株式公開を果たしたFacebookが今後どのようにビジネスの幅を広げていくのか、目が離せませんね。

【私の論評】宣伝広告機能は、社会的イノベーションを加速するか?


Facebookは、最近上場しましたが、株価は下落しています。まあ、蓋を開けてみれば、やっぱりなあ、と思います。非論理的な空騒ぎのバブルを市場が嫌ったということです。これに関しては、以前も、ITを背景とした「ニューエコノミー」なるものの幻想を実体験した投資家がほとんどですから、もはや、ニューエコノミー幻想は、すっかり払拭されたということです。SNSバブルなど起こらないとみているというわけです。

当初の時価総額1040億ドルという見方が、ニューエコノミー幻想が消えた現在では、異常だったと思います。facebookは、現在これに見合う利益は今のところ全く出していません。現状のフェイスブックのままでであれば、市場の評価と実利のギャップを今の年収のペースで埋めようとしたら1世紀以上かかってしまいます。


そもそも、フェイスブックを一番良く知る大口初期投資家からしてほぼ全員(マーク・ザッカーバーグ本人も)、金曜の上場前に何千万株という株を売っています。当分は上がる見込みもないから売っているのであって、もっと上がると見込んでいたならなら誰も売らなかったはずです。

ともあれ今回の上場でフェイスブックの懐には160億ドル転がり込みました。評価を気にする投資銀行からの買い支えがとれた月曜についた株価、これが今のフェイスブックの実像です。広告主導のソーシャルメディア会社、モバイル分野などではまだ実績がないのですが、とりあえず黒字は手堅く見える。まだまだ、これからということです。

普通の株と同じように、上がったり、下がったりしながら、じょじょに独り立ちしていくということになると思います。歩き始めの一歩を飾り過ぎた、というだけのことです。

こういう背景もあることから、宣伝広告(promoted post)という機能を付け加えるということだと思います。しかし、私自身としては、この機能は、上の記事にもあるように諸刃の剣だと思います。


私自身は、「ファンの近況フィード」に優先的に流れるという仕組みに関して、多少抵抗感もあります。確かに、企業や個人が、この宣伝広告を大量に使うことになれば、facebook自体が広告宣伝版になってしまうかもしれないからです。しかし、これは、あくまで、ファンになっていなければ、関係ないことなので、あまり神経を尖らす人もいないかもしれません。そもそも、自分にとって関係のないところからは、何も流れてこないのですから、実際に、優先的に流れてきたとしても、さほど気にはならないと思います。

そうして、これは、確かに、個々のユーザーにとっては、かなり便利かもしれません。特に自分が住んでいる地域のお店や企業などによるものであり、しかも、それが自分の気に入ったものであれば、かなり有用です。特に、この"自分の気に入った"というところが、うまくかみ合えば、場合によっては、革新を巻き起こすことができるかもしれません。

この機能に関しては、たとえば、以前述べた、スペンドシフトという消費の潮流にあわせて使うことができれば、確かに革新的になりうると思います。


ちなみに、スペンドシフトに関しては、このブログにも何回か掲載したことがあります。アメリカでは、911あたりから、あらわれ、リーマンショック以降顕著になった消費動向であり、日本でも、最近顕著になりつつあり、震災以降は、かなり顕著になった傾向です。以下にその核心な部分のみコピペしておきます。
自分を飾るより ⇒ 自分を賢くするためにお金を使う。
ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。
モノを手に入れるより ⇒ 絆を強めるためにお金を使う。
有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。
消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる。
Facebookに関しては、もともと、私がこのブログで主張してきたように、「身の丈にあった情報」が得られやすいということで、「自分を賢くするためにお金を使う」というこには寄与してきたと思います。:現在ある、ブランドのページなども、大企業から個人企業のものまで数多くあり、好きなページを選んで、たとえば、環境問題に力を入れている企業に対して応援するなどのこともできます。


そうして、この宣伝広告機能は、「地域で潤うようにお金を使う」「絆を強めるためにお金を使う」「信頼できる企業から買う」というというところに大きく寄与することになるかもしれません。同じお金を使うにしても、このような要求を満たすためには、既存のマス広告などは、ほとんど役にたちません。しかし、この新機能は、自分のお金をどのように使うべきかを考える人たちにとっては、多いに役に立つ可能性が大です。

それと、宣伝広告機能が、上記のように機能するようになった場合、それを頻繁に見るようになった、facebookのユーザーの中で、社会問題などに興味があり、それを何とか解消しようと真剣に考えていた場合、facebookのタイムラインなど、本当に生きた事例集になる可能性が大です。そうして、いままでは、なかなか実行に移せなかったユーザーが、自ら、何かを販売して、地域が潤うようにするとか、絆を高めるためのイベントを実施するだとか、あるいは、自分のできて他の人にはできないことにより、何らかの価値を創造して、それらを宣伝広告機能により、多くの人に知ってもらい販売し、継続できる機会を増やすなどのことによって、消費するだけではなく、自ら創造する人になるということも考えれます。


従来のような、マス宣伝広告の変形に過ぎないものに終始すれば、現状のGoogleの広告宣伝とあまり変わりないと思います。しかし、上記で私が掲載したような運用のされ方をすれば、これは、社会を変革するきっかけとなるかもしれません。皆さんは、どう思われますか?


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2012年5月28日月曜日

チャンスを引き寄せる「味方づくり」の9箇条―【私の論評】自分のためではなく、人のために生きよ!!人のために生きることとは、大儀である!!

チャンスを引き寄せる「味方づくり」の9箇条:


画像をクリックすると拡大します。 常に自分が望むものが手に入るとは限りません。また、自分ひとりでは成し遂げられない望みを叶えるには味方の存在が必要です。信頼できる味方が増えれば、結果的に手に入れられるチャンスも増えるのです。しかし、自分の振る舞いや話し方で、他人は味方にも敵にもなります。そこでイラストレーターYumi Sakugawa氏のインフォコミックに描かれた9つの心構えが役に立ちそうです。


さて、9つの心構えとは、詳細は、Lifehackの元記事をご覧いただくものとして、柱は、以下の9つです。
1. 魅力的な人間になること 
2. 鏡のように相手と同じような行動をする 
3. 会話の最初に相手が賛同するようなことを言う 
4. 相手を尊重し大切に扱う 
5. 具体的なことより感覚的なことを言う 
6. 想像力に訴えかける 
7. 相手に親切にする 
8. あえて反対のことを言って挑発する 
9. 思いやりのある人間だと思わせる


【私の論評】自分のためではなく、人のために生きよ!!人のために生きることとは、大儀である!! 

さて、皆さん、上記の柱を見てどうお感じになったでしょうか?私は、非常に安っぽく感じました。かなり、浅薄な印象を受けました。アメリカ人は、上記のようなことで、本当に自分の味方ができると思っているのでしょうか?私には、にわかには信じがたいです。同じアメリカ人でも、Leader to Leader 財団(旧ドラッカー財団)の人なら、もっとまともなことを言うのではないかと思います。本日は、絆をイメージさせる画像とともに掲載させていただきます。


そうして、上記のような安っぽい考えは、確かに少し前のアメリカ人の価値観を体現していたのかもしれません。しかし、それが、911の頃から、そうして、リーマンショック以降から、随分変わってきたように思います。そのことに関しては、以前にもこのブログに掲載した。アメリカで普通に見られるようになってきた"スペンド・シフト"という動きです。
自分を飾るより ⇒ 自分を賢くするためにお金を使う。
ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。
モノを手に入れるより ⇒ 絆を強めるためにお金を使う。
有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。
消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる。
これは、アメリカの消費傾向についての書籍『スペンドシフト』に掲載されていたことです。この書籍は、主に消費について語っているので、まとめると上の4本の柱のようになります。しかし、その根底には、「社会」「地域」というキーワードが浮かびあがってくることがわかります。 これはもとりもなおさず、「人のために生きる」ことを意味しています。


こんな、浅薄なことをいくつもするより、本当の意味での、自分にとっての味方を得たいと思えば、まずは、上の9本の柱などどうでも良く、その根本には、「人のために生きる」という精神が重要なはずです。


根底に、まずその考えがあって、上記の柱というのなら、まだわかりますが、最初から、上の柱では、味方というより、単なるその時々の利益を共にする集団しかつくれないと思います。今の政局と同じです。


「人のために生きる」とは、自分のために生きるのではなく、まずは、親や子供のために生きること。家族のために生きること、地域のために生きること、社会のために生きること、広くは、日本のため、世界のため生きるということです。人


社会に大きな影響を及ぼした、元アップルCEOの故スティーブ・ジョブズ氏は、生前「社会に、one more thing を付け加えよ」と力説していました。この"社会"という言葉に注目していただきたいです。この言葉の意味するところは、無論、「人のために生きる」ということです。ただし、人ためというとその範囲がはっきりしないので、敢えて人々の集まりである「社会」という言葉を使ったのだと思います。


そうして、日本では、古から、「人のために生きる」ことを「大儀」と呼んでいます。さて、大儀という言葉、以前にもこのブログに掲載したことがあります。それを下に画像、動画も含めてコピペしておきます。
そうして、この「大儀」という言葉は、41年前の、11月25日に自決された故三島由紀夫先生のことを思い起こさせます。無論、先生は、ご存知のように大儀に殉じたわけですが、先生は、生前からこの「大儀」という言葉をしばしば口にしておられました。 
しかし、三島先生が語っていた「大儀」は、無論ビジョナリーなども含むし、日本国とか、地域のためとか、会社のため、自分の属する組織のためということもありますが、私が最も印象に残っているの以下のような言葉です。 
「人間は、自分のことだけ考えて、生きて死んでいけるほど強くない。自分のこと以外を考えなければ、生きていけない。この自分のこと以外というものが、大儀であります」 
三島先生の語り口は、いつもこのような感じでした。一つも押し付けがましいことはいわず、真理をついている言葉だったと思います。 
この言葉の持つ意味、誤った個人主義が跋扈する今はほとんど忘れさられているようにも思われましたが、私は、あの東日本大震災で、そうではなかったことを思い知らされました。そうです。あの震災直後の被災地の人々の沈着冷静さです。それに、自分の命もかえりみず、地域の人々を助けようと奔走した人々です。食料や水の配給のときも、列を乱さずに、騒ぐこともなく、じっと耐えながら待っていた多くの人々です。 
 
そうして、あの状況の中本当に粉骨砕身して、生存者を救うばかりか、ご遺体の収集に奔走した自衛隊員たちです。これらは、まさに、自分自身のことだけを考えている人の所業ではありません。普段は、そうでもないように見えていても、いざというときに、出てきた、多くの人々の本当の姿だと思います。 
ちなみに、この言葉を語っている先生の生前のインタビューの動画がありますので、それを下に掲載します。 
結局、自分のために生きることばかり考える人は、どんなに意思が強かったとしても、すぐに、倒される弱い人間になるざるを得ないということです。人のために生きて初めて強くなれるし、本当の意味での味方もできるということてす。個人でも、組織でも、自らのために生きるだけでは、強くはなれません。なぜなら、人は、社会の中で生きる生物であり、組織は、社会の機関に他ならないからです。


皆さんは、どう思われますか?

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不況とSNSがラジオを変える!?―【私の論評】インターネットラジオとSNSが日本のスペンドシフトを加速する!!


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2012年4月22日日曜日

不況とSNSがラジオを変える!?―【私の論評】インターネットラジオとSNSが日本のスペンドシフトを加速する!!

不況とSNSがラジオを変える!?

不況による広告費の落ち込みに加え、ラジオに接する機会がなく馴染みのない若年層が増えており状況を悪化させている。

そのためラジオ業界は様々な形で努力をしてきた。スポンサーシップによる広告収入に加え、グッズ販売やイベントなどの収益事業も積極的に行いマネタイズ(収益化)を図る番組も多い。

またラジオ端末を持たない人のためにインターネットを通じて番組を聴くことができるradikoというサイマル放送を始めたり、番組の一部を後日パソコンやスマートフォンなどにダウンロードできるPodcastというサービスも提供したりと、実はリスナーにとっての利便性はどんどん高まっている。
その中、Twitterを始めとするSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)が思わぬ役割を果たし始めているという。


もちろん従来のハガキやFAXによる投稿に加え、最近ではメールやSNSを通じてのコメントが多くなってきている。特にSNSはリアルタイム性が高く、ラジオとの親和性も高い。

しかしSNSがラジオに及ぼしている影響はそれだけではないという。

このニュースのつづきはこちらから(exite小ネタ)

【私の論評】インターネットラジオとSNSが日本のスペンドシフトを加速する!!

震災以降日本でも、従来よりは、ラジオを聴く人が増えたこと、それに新しい動きもあるようなので、本日は、ラジオについて掲載することとしました。本日は、セクシー過ぎるDJの画像とともに、掲載します!!


最近は、めっきりラジオそのものは、聴かなくなった人が多いのではないかと思います。私も、ここ10年ほどは、聴いていません。なぜかといえば、アメリカをはじめとする海外に行って、1ヶ月以上でも、滞在した方なら誰でもおわかりになると思います。


日本などのように、厳しい電波法の規制がないアメリカでは、ラジオ局が日本の数十倍あります。FMだけでも、たとえば、ニューヨークのような大都会であれば、数十局もあるのではないかと思います。そうなると、自分の聴きたい音楽や、話題などに近い内容を放送しているラジオ局が必ずあるので、結構聴く機会が増えるものです。それに、あれだけラジオが国民に根付いているせいでしょうか、オバマ大統領がラジオで全国民向けに放送することもあります。それも、場合によっては、かなり重要な話を20分~30分する場合もあります。日本なら、テレビでならそのようなこともあますが、ラジオではないですね。せいぜいニュースで要旨を紹介する程度くらいのものだと思います。


しかし、日本では、放送局自体が極端に少ないので、自分が聴きたい音楽や話を提供する放送局はまずは存在しません。どれも、雑多な音楽と、雑多の話題の集合体ということで、あまりというより、ほとんど聴く気になれません。こんなことからも、ラジオが衰退していたのだと思います。


放送局がたくさんあり、自分の好みの局選べるのが昔から当たり前になっているアメリカでは、ラジオだけではなく、インターネットラジオの放送局も多いですし、それに驚いたことに、日本ではおそらく存在しない、衛星放送のラジオ局も多数存在します。日本だと衛星放送といえば、テレビだけですが、アメリカの衛星放送受信機は、ラジオも多数受信できるようになっています。それも、チャンネル数もかなりあります。アメリカでこのようなことを経験した私は、日本は永遠にそうはならないだろうと思っていましたが、最近はだんだんと事情が変わってきているようです。



まずは、ミニFM局が増えてきました。たとえば、札幌などではFM局でも、たえば、FM白石とか、三角山放送局などと、ほんとうに狭い地域専用の放送局もでてきています。さらに、最近は、インターネットラジオが聴けるようになったので、ラジオがなくても、世界中の放送を聴くことができるので、非常に聴きやすい環境が整ったと思います。


インターネットラジオといえば、私の場合特に、AccuradioとTunin Radioというアプリを使って聴くことがほとんどです。これらは、パソコン、スマホ、タブレット用のアプリがあってとても便利です。そうして、両方ともAirPlay対応アプリですから、AppleTVでは無論のこと、AirPlay対応のスピーカーなら、これらの放送を受信しているガジェットからワイヤレスで音を飛ばすことができます。Accuradioは、アメリカの音楽専用インターネットラジオで、考えられるほとんどのジャンルの音楽がそろっています。Tunin Radioは、世界中のインターネットラジオ放送局を集めて、聴くことができるアプリです。そうして、何と、スマホやタブレット用アプリの有料版だと放送が録音できたりします。


パソコンや、iPhone、iPad、アップルTVでも聴くことかできるので、最近は、時々インターネットラジオは聴くようになりました。この二つのアプリがあれば、まずは、誰でも自分の聴きたい放送を見つけられるのではないかと思います。


さて、いろいろ書いてきましたが、そろそろ、結論を書きたいと思います。インターネットの世界では、従来のラジオのような規制は少ないと思います。であれば、日本でももっともっとラジオ局を増やせるのではないかと思います。そうして、上の記事のように、最近では、ラジオに親近感をもつどころか、絆を見出している人多いようです。これは、以前書いたスペンドシフトという消費の傾向とも関連しているかもしれません。しかし、今まで、電波法の厚い壁があった日本では、地域に密着した新たなインターネットラジオ局を開設して、地域のための、放送を流し、絆を深めていくための大きなチャンスとなるかもしれません。その絆が新しい消費の形であるスペンドシフトを加速するかもしれません。



ちなみに、スペンドシフトとは、書籍の名称でもありますが、アメリカで9.11があったころから、顕著になり、さらに、リーマンショックで加速した、新たな消費傾向のことをいいます。以下にそれを簡単にまとめます。
自分を飾るより ⇒ 自分を賢くするためにお金を使う。ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。モノを手に入れるより ⇒ 絆を強めるためにお金を使う。有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる。
この傾向は、日本でもみられていましたが、特に昨年の東日本大震災で、顕著になり加速されつつあります。

DJ-Kaori

インターネットラジオで、地域に特化した放送を流すようにして、上のような傾向の内容を放送で流すようにすれば、このスペンドシフトという時流にのることができるだけではなく、さらにこの傾向を加速することができるのではないかと思います。そうして、放送をただ流すだけではなく、インターネットの特性をいかし、そこにfacebookやtwitter、Google+などのSNSとうまく絡めれば、かなり面白いだけではなく、文化的にも、本当に豊かで新たなライフスタイルを提供できると思います。何といっても、アメリカのように放送局が多くはない日本では、新たでさらに広くて深い需要を呼び起こすこともできるのではないかと思います。

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DJ-KAORIについては、こちからから!!

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