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2012年8月5日日曜日

南極沖の海底で亜熱帯雨林の痕跡を発見、論文―【関連記事】地球温暖化は、人類によるCO2発生が原因によるものではない!!

南極沖の海底で亜熱帯雨林の痕跡を発見、論文


【AFP=時事】南極沖の海底掘削調査で、現在は氷に閉ざされている南極大陸が5200万年前には亜熱帯雨林に覆われていたことを示す痕跡を発見したという論文が2日の英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された。

南極の氷床

2010年に東南極大陸沖の海底を掘削して採取された堆積物コアを詳しく調べた結果、始新世(5600万~3400万年前)に南極大陸を覆っていた亜熱帯性の森林のものとみられる花粉の化石が見つかった。

調査に参加した豪クイーンズランド大学(University of Queensland)の古気候学者、ケビン・ウェルシュ(Kevin Welsh)氏によれば、コアから見つかった温度感受性のある微粒子を分析したところ、5200万年前の南極大陸は気温が約20度と非常に温暖で、氷は存在せず森林に覆われていたとみられることがわかった。

南極は昔森林で覆われていた!!
温暖な気候の主な原因は、大気中の高い二酸化炭素レベルにあったとみられている。ウェルシュ氏によれば当時の二酸化炭素(CO2)濃度は990~数千ppmに上っていた可能性がある。現在のCO2濃度は395ppmと推定されており、国連(UN)の気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、IPCC)による最も極端な予測に従えば南極の氷は「今世紀末までに」また解け始めるだろうとウェルシュ氏は述べた。

「これは人々と各国政府の行動に大きく左右されるので、はっきりと言うのは難しい。(CO2)排出量が将来どの程度の量になるかにかかっている」(ウェルシュ氏)

ウェルシュ氏は、南極とその地表に蓄えられている膨大な量の水が地球全体に対して持つ役割の重要性からすれば、今回の発見は将来起きる気候変動を理解するにあたって「非常に大きな意味を持つ」と説明した。【翻訳編集】 AFPBB News

この記事の詳細はこちらから!!

【関連記事】地球温暖化は、人類によるCO2発生が原因によるものではない!!

地球温暖化二酸化炭素説や、地球温暖化災厄説とか、私自身はほとんど信用していません。このことについては、数年前までこのブログでも、良く掲載していましたが、最近では、ほとんど掲載していませんが、上の記事そもそも、論理的に破綻しているので、本日はこれについて掲載します。

地球温暖化の危機を訴えるために、氷河の上で裸で仰向けに寝る人々
上の記事の矛盾点をつきます。まずは、人類の起源諸説紛々でいろいろありますが、少なくとも現生人類がこの世に誕生したのは、せいぜい10万年未満であることは、一致していると思います。上の記事では、5200万年前に、南極は地球温暖化のために、今と比較すれば、暖かくて、森林であったとしています。そうなると、現生人類が存在するずっと以前、要するに人類が存在するずっと以前に、地球温暖化で、南極は森林で覆われていたということになります。地球温暖化二酸化炭素説を主張する人たちは、現在人類が化石燃料などを使い放題使い、空気中に二酸化炭素を撒き散らすので、それが原因となって、地球温暖化になると主張しており、その説により、二酸化炭素の排出を規制すべきだと主張しているわけです。

地球温暖化になれば、南極でもこんな姿でいられる?
であれば、もう、上の記事の主張など完璧に破綻していると思います。なにしろ、地球上に人類が存在するずっと以前に温暖化で南極は森林で覆われていたということを示しているからです。上の記事は、5200万年前には、人類が存在しておらず、化石燃料を使う使わないは全く関係なしに、空気中の二酸化炭素が多く、 温暖化で、南極は森林に覆われていたということです。

地球温暖化は災厄ではない、実際ヨーロッパは地球温暖化にあたる時代に大躍進した
地球温暖化二酸化炭素説に反対の人々の中には、二酸化炭素炭素が増えたから、地球温暖化になるのではなく、地球温暖化になったから、空気中の二酸化炭素が増えたのだと主張する人たちもいます。確かにこれは、理解しやすいです。地球温暖化になれば、植物の繁殖できる範囲が増え、気温が低かった時より多く繁殖しはじめます。そうなると、森ができる範囲も増え、そうなると最初は森の木々が成長するために、二酸化炭素を吸収するのですが、森が成長し、数百年もすれば、森自体が古くなり、成長する必要もなくなり、今度は、二酸化炭素を吸収するよりも、排出するほうが多くなります。そうなれば、空気中の二酸化炭素は増えます。そうして、森林の面積が広大であれば、確かに、空気中の二酸化炭素も増えることでしょう。

寒けりゃ寒いなりに楽しみは一杯ある!!
ひよっとしたら、上の記事の論文は、本当はこのことを裏付けているのかもしれません。いずれにせよ、人類の排出する二酸化炭素など関係なしに、地球温暖化になっていたことは間違いありません。上の記事は、人類が存在していなくても、顕著な地球温暖化と顕著に空気中の二酸化炭素が多いことが過去にあったということを示しています。

地球温暖化になれば、寒冷地でもこのような格好でいられるようになる。それが、悪いことか?
上の記事の論文は、この事実を無視して、現在の地球温暖化問題に援用しているという点で間違いです。このような科学的な間違いは、良くあることです。科学的態度とは、何か一つ新発見をしたとして、その事実をもって言えることと、言えないことを十分に区別をつけるということであり、その区別がつかないということで、上の論文は、科学的ではありません。

地球温暖化は、豊穣を意味する。実際過去には、耕地面積は増えた!!
私は、地球温暖化二酸化炭素説に限らず、どのような分野でも、こうした取り違いはすべきではないと思います。たとえば、日本国財政破綻説もそのようなものの一つです。
地球温暖化になれば、寒冷地でも年中このような格好でいられる
私は、最近の太陽の黒点活動の不活発化による、寒冷化のほうがよほど懸念されるのですが、それにしたって、数千年や、数万年の単位で徐々に起こることなので、ケインズが「我々は長いうちには必ず死ぬ」といって、長期の経済を考えても仕方ないと主張していたように、我々は温暖化や、寒冷化を心配するよりも、もっと身の回りのたとえば、デフレ下の増税などの問題を心配したほうが良いと思います。

地球温暖化になれば、寒冷地でもこのような姿は当たり前になる?
実際多くの人はそう考えていると思います。人類による二酸化炭素放出が、地球温暖化の原因になっているなどとの考えは、まだ実証されてもおらず、このような不確かなことよりも、世界は、しばらく続いている不況の解消に感心がいっていると思います。上の論文などは、現在の経済情勢などから、忘れされがちな、地球温暖化をアピールして、自分たちに再び目を向けさせるために、発表したものだと思います。皆さんは、どう思われますか?


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2012年7月22日日曜日

ポール・クルーグマンの新著『さっさと不況を終わらせろ』−【私の論評】まったくその通り!!

ポール・クルーグマンの新刊『さっさと不況を終わらせろ』


これは、ポール・クルーグマンの新刊です。この書籍の主張は、きわめてシンプルなものです。5年目に突入した大不況は、失策を認めたくない人たちが複雑な構造的問題に見せかけているだけであり、脱出は驚くほど簡単であるという内容であり、 いま最も信頼できるノーベル賞経済学者が叩きつける最終処方箋ともいうべき内容です。「不況のときに緊縮財政するな。政府は財政赤字なんか気にせずに拡張的な雇用創出政策をやれ。中央銀行はそれを支援しろ」というものです。煎じ詰めれば、これだけです。

そうして、この主張を補強するために、金融危機の前史から経緯をふりかえり、アメリカ、ユーロ圏、イギリスなどの現状を概観し、流動性の罠に関する不況の経済学をわかりやすく解説し、清算主義を批判しています。とりわけ不況を「道徳劇」として見る発想をくりかえし批判しています。

ただし、一部で議論を呼びそうだなと思われたのは、以下のくだりです。(p.143)
フリードマンの取った政治的な立場の多くを嫌う人々でさえ、彼が立派な経済学者だったことは認めざるを得ないし、非常に重要な点をいくつか指摘したのも否定できない。残念ながら、彼の最も影響力ある宣言の一つ――大恐慌はFRBがちゃんと仕事をすれば起こらなかったはずだし、適切な金融政策があれば、二度目の大恐慌に類するものは決して起きないという宣言――は、ほぼ確実にまちがっていた。そしてこのまちがいには深刻な結果が伴う。金融政策が十分でないときにはどんな政策が使えるか、FRB内部でも、他の中央銀行でも、学術研究の世界でも、ほとんど議論が行われていなかったのだ。
「金融政策が十分でないときにはどんな政策が使えるか」に対する近年のマクロ経済政策の模範的解答は「非伝統的金融政策」というものです。これ自体はクルーグマンも否定していませんが、それだけじゃぜんぜん足りないし、だいいちそれは主役じゃない、という主張をしています。

この書籍でもっとも感動したのは、「第13章 この不況を終わらせよう!」の冒頭です。以下にその部分を引用させていただきます(p.286)。
ここまできたら、少なくとも一部の読者は、いまはまっている不況が基本的には人為的なものなんだと納得してくれたと期待したい。これほどの苦痛に苦しみ、これほど多くの人生を破壊する必要なんかないのだ。さらに、だれも想像できないほど急速かつ簡単に、この不況を終わらせることができる――だれもといっても、本当に不況経済の経済学を学び、そうした経済に政策がどう作用するか歴史的な証拠を検討した人々は除くけれど。
でも、前章末にくるまでには、ぼくに好意的な読者ですら、経済分析をいくら積み重ねても意味がないんじゃないかと思い始めていることと思う。ぼくが述べたような路線での回復プログラムなんて、政治的な問題としてそもそもあり得ないのでは? そんなプログラムを主張するだけ時間の無駄では?
この二つの疑問に対するぼくの答えは、必ずしもそうとはいえない、そして絶対に無駄ではない、というものだ。過去数年の財政引き締めマニアをやめて、雇用創出に改めて注目するという本物の政策転換の可能性は、通説に言われるよりもずっと高い。そして最近の経験が教えてくれる重要な政治的教訓がある。穏健で物わかりのいいふりをしようとして、基本的には論敵の議論を受け容れてしまうよりも、信念のために立ち上がり、本当にやるべきことを主張するほうがずっといいのだ。どうしても必要ならば政策では妥協してもいい――でも真実については決して妥協してはいけない。
このブログの詳細は、こちらから!! 

【私の論評】まったくその通り!!日本は、何をさておいても、まずはデフレを解消すべき!!


上の書籍は、クルーグマン氏がブログで書いたことを書籍にまとめたものだそうです。だから、経済学の本というより、クルーグマン氏が日々考えていることを反映したものであり、学問的なものではありません。そこが、クルーグマン氏の信念が伝わてくるところがあり、良い所だと思います。

クルーグマン氏の、ブログは、以下のURLを参照してください。

http://krugman.blogs.nytimes.com/



上のブログの記事にもあるように、もちろんクルーグマン氏の多くの論敵もまた「信念」をもっていることでしょう。緊縮財政は「本当にやるべきこと」なのだと主張することでしょう。そうした信念は「借金は早く返さなきゃ後がこわい」という素朴な感情によくなじむものです、いまや経済運営上の「常識」と化して世界中を支配しているかのように見えます。そうして、この一見常識にみえる非常識は、あの悪名高いワシントンコンセンサスの中にも含まれています。本書はそんな常識をくつがえし、過去にも十分証明された事実を思い返させるものであり、現在の常識は、ごく最近のものにすぎないものであり、しかもこれは、過去に何度となく繰り返されてきて、失敗し続けてきたものであり、本当の常識の重要性をおもいかえさせるものです。

アメリカやEUはどうなのかという話はどうなのかという話は、上の書籍にゆずるものとして、日本では過去にクルーグマン氏の提唱するような政策をとり大成功を収めた事例があります。ここでは、二つ事例をあげます。

元文小判

一つ目は、「宝永の改鋳」です。江戸時代中期に徳川吉宗が行った緊縮財政(享保の改革)により日本経済はデフレーションに陥いりました。そこで町奉行の大岡忠相、荻生徂徠の提案を受け入れ政策転換し、元文元年(1736年)5月に元文の改鋳を行いました。改鋳は差益を得る目的ではなく、純粋に通貨供給量を増やすことが目的でした。現在でいえば、日銀による増刷に相当するものです。

徳川吉宗
元文の改鋳は現在では、幕府初のリフレーション政策と位置づけられ、日本経済に好影響をもたらした数少ない改鋳であると積極的に評価されています。元文の通貨は以後80年間安定し続けました。江戸の経済対策というと、なにかといえば儒教思想にもとづく倹約道徳にもとづく、吉宗が行ったような緊縮財政であり、いわゆるこの事例のような、金融緩和策は数少ない成功事例の一つです。

もう一つの事例は、世界大恐慌に世界が陥ったときに、日本も同じように、恐慌に陥り日本では、昭和恐慌と呼ばれていました。この昭和恐慌をのりきったのが、上でクルーグマンが主張している方式です。

高橋是清
昭和恐慌は、第一次世界大戦時の好況の反動が発端です。1914年第一次世界大戦は起りましたが、日本は戦場にならず、輸出の増大で日本経済は大いに潤いました。しかし大戦が終わり、列強が生産力を取戻すにつれ、日本経済は落込こみまし。1920年以降、日本経済はずっと不調が続きました。特に27年には世界大恐である金融恐慌が起り、取り付け騒ぎや銀行の休業が到るところで見らました。

昭和恐慌時のポスター
このような経済が苦境の最中の29年に発足したのが、浜口幸雄内閣でした。そうして、この内閣の蔵相は、元日銀総裁の井上でした。浜口・井上コンビはデフレ下で緊縮財政を始めました。浜口首相は「ライオン宰相」として国民から熱狂的な支持を受けていました。前の田中義一首相が、腐敗などによって国民から反感をくっていた反動でした。


濱口幸雄
浜口首相は「痛みを伴う改革」を訴え、「全国民に訴う」というビラを全国1,300万戸に配布しました。内容は「・・・我々は国民諸君とともにこの一時の苦痛をしのいで、後日の大いなる発展をとげなければなりません」と言うものでした。そうしてこの政策は国民から熱狂的に迎えられました。昔から日本ではバンバン金を使う者より「緊縮・節約」を訴え、「清貧」なイメージの指導者の方が、少なくとも当初は支持を集めるのです。

しかし不況下でこのような逆噴射的な経済運営を行ったため、経済はさらに落込み、恐慌状態になってしまいました。まったく当り前の話です。浜口・井上コンビは財政政策だけでなく、為替政策でも大きな間違いを犯しました。それは、「金輸出の解禁」です。

為替を変動させておけば、総合収支尻は、為替の変動によって自動的に調整されます。ところが為替を固定させておくと、総合収支の決済尻をなにかで埋め合わせる必要があります。輸出が好調で総合収支が黒字の場合には問題はありませんが、反対に赤字の場合には国際的に価値が認められている「金」などで決済することになります。つまり「金輸出の解禁」は、変動相場制から固定相場制、そして金本位制への移行を意味します。

井上準之助
さらに浜口・井上コンビは固定相場に復帰する際のレートを日本の実力以上に設定しました。実勢より一割も円高の水準で固定相場に復帰したのです。これは単純に以前の固定相場の時のレートを採用したからです。この二人は、蔵相や日銀総裁を経験した経済のプロと思われていた人物した。しかし頭が固い(悪い)のでした。

浜口・井上コンビの狙いは、構造改革で競争力を高め、輸出を増やして、不況から脱することでした。しかし設定した固定為替レートは高すぎ、逆に輸入が増えました。また貿易業者は、輸入代金を市場から外貨を調達して払うのではなく、高い円で金を買い、これを送って決済しました。金はどんどん輸出され、日銀の金の保有量が減りました。金本位制のもとで金の保有が減ったため、政府は財政支出を減らす必要に迫られました。これによって経済はさらに落込みました。この結果、財政支出を削っているにもかかわらず、財政はさらに悪化したのです。

さらに29年のニュヨーク株式相場の崩壊から始まった世界恐慌の影響も日本に及んで来ました。日本では街に失業者が溢れ、大幅な賃金カットが行われ、労働争議が頻発しました。特に農村は、農産物の大幅な下落によって大打撃を受け、「おしん」のような娘の身売り話も増えました。

世界恐慌の時のウォール街
このため農村から離れる者が増えました。しかし一方、逆に街で働いていた人々が失業して、どんどん農村に帰って来ました。彼等は元々農家の次男・三男達であり、帰農者と呼ばれました。帰農者は明らかに失業者でした。しかし井上蔵相は「帰農者は失業者ではない」と主張しました。元々彼は「失業はたいした問題ではない」と言う認識の持主でした。そして失脚後の32年2月に彼は暗殺されました。

30年の5月、浜口首相は、ロンドン軍縮会議・五カ国条約の批准に不満を持った分襲撃されました。次の首相の若槻礼次郎首相も構造改革派でした。したがって日本経済はどん底状態になりました。そしてついに31年12月に政友会に政権交代が行われ、犬養毅内閣が発足しました。犬養は、以前首相も経験したことのある高橋是清に大蔵大臣就任を懇請しました。

犬養毅
高橋は矢継ぎ早に、デフレ対策を行いました。まず「金輸出の解禁」を止め、さらに平価の切下げを行いました。最終的には約4割の円安になりました。そして積極財政に転換し、その財源を国債で賄いました。さらにこの国債を日銀に引受けさせることによって金利の上昇を抑えました。実に巧みな経済運営でありますが、上の書籍でクルーグマン氏が主張している方法と寸分たがわないやり方です。

以下に、当時の経済成長率の推移を示します。

昭和恐慌時の実質経済成長率(%)

経済成長率

1927 3.4

1928 6.5

1929 0.5

1930 1.1

1931 0.4

1932 4.4

1933 11.4

1934 8.7

32年からの経済成長は実にすばらしいものです。実際、列強各国はこの時分まだ恐慌のまっただ中であり、日本だけがいちはやく恐慌からの脱出に成功したのです。

1932年に国債の日銀を引受けを始めたましたが、物価の上昇は、年率3~4%にとどまっています。1936年までに日銀券の発行量は40%増えましたが、工業生産高は2.3倍に拡大しました。そしてこの間不良債権の処理も進みました。

ケインズの一般理論が世の中に出たのが36年の12月であり、実にその5年前に既にケインズ理論を実践したのが高橋是清である。さらには、今日クルーグマンが上の書籍で、主張していることを80年前に実行したのです。

ケインズ
日本ではこのような先駆的な成功事例があるにもかかわらず、多くの政治家や、官僚、マスコミはこれを評価するどころか、そもそも、このような歴史的事実を認識していません。上の浜口・井上コンビなど、時代背景が異なるのですが、現在や、少し前の政治家や財務大臣を彷彿とさせます。

日本では、何時の間にか高橋是清のような政策をとることは、ハイパーインフレを招くとか、赤字国債の発行や国債の日銀引き受けが禁じ手であるかのような錯覚をするものが多いです。

ハイパーインフレに見舞われた第一次世界大戦後のドイツ
上の書籍でクルーグマン氏が主張することは、探せば、世界中で、成功事例が見つかると思います。上のように、日本でも成功事例があります。逆に、不況のときの、緊縮財政、金融引き締めの結果かえって、経済が悪化した例も、日本の江戸時代のようにたくさんあります。


最近では、英国が不況であるにもかかわらず、付加価値税(日本の消費税にあたる)をあげて、さらに、不況を深刻化させました。これに対処するため、イングランド銀行(イギリス中央銀行)は、かなりの増刷をしました。増刷しても、イギリスの経済は、あまり良くはなりはしませんでした。そうして、インフレ傾向がしばらく続きました。これをもって、ハイパーインフレ論者は、不況のときに、お札を刷れというクルーグマンんの主張は、間違いであるとの格好のケーススタディーとしました。ところが、最近ではイギリスのインフレは、収束しました。そうして、もし増刷していなかったら、イギリス経済の落ち込みはささらに、悲惨なことになっていたことがはっきりしています。やはり、クルーグマンが正しかったということです。

現在でも、不況のときに、緊縮財政、金融引き締めをしては、かえって経済が悪くなるということです。不況のときには、財政などあまり気にせずに、積極財政と金融緩和策をしなければならないというのが当たり前の真ん中の常識です。ケインズなんぞまったく知らなかった、江戸幕府や、高橋是清も、この常識に従って成功しているのです。現在の不況は、この常識に常識に従わなかったことが大きな要因の一つです。非常識派は、過去の歴史を振り返ったり、現在の出来事を直視せず、ただただ、自分の頭の中でつくりだした、非常識な常識を唯一正しいものとして、押し付けているだけてあり、思い上がりも甚だしいです。

この書籍、こうした常識を忘れた現代人に対する警鐘を鳴らすものであると思います。そう思うのは私だけでしょうか?これは、本当に今の財務省、日銀はいうにおよばず、多くの政治家、官僚、そうして多くの国民に読んでいただき理解していただきたいと思います。

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2012年4月22日日曜日

不況とSNSがラジオを変える!?―【私の論評】インターネットラジオとSNSが日本のスペンドシフトを加速する!!

不況とSNSがラジオを変える!?

不況による広告費の落ち込みに加え、ラジオに接する機会がなく馴染みのない若年層が増えており状況を悪化させている。

そのためラジオ業界は様々な形で努力をしてきた。スポンサーシップによる広告収入に加え、グッズ販売やイベントなどの収益事業も積極的に行いマネタイズ(収益化)を図る番組も多い。

またラジオ端末を持たない人のためにインターネットを通じて番組を聴くことができるradikoというサイマル放送を始めたり、番組の一部を後日パソコンやスマートフォンなどにダウンロードできるPodcastというサービスも提供したりと、実はリスナーにとっての利便性はどんどん高まっている。
その中、Twitterを始めとするSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)が思わぬ役割を果たし始めているという。


もちろん従来のハガキやFAXによる投稿に加え、最近ではメールやSNSを通じてのコメントが多くなってきている。特にSNSはリアルタイム性が高く、ラジオとの親和性も高い。

しかしSNSがラジオに及ぼしている影響はそれだけではないという。

このニュースのつづきはこちらから(exite小ネタ)

【私の論評】インターネットラジオとSNSが日本のスペンドシフトを加速する!!

震災以降日本でも、従来よりは、ラジオを聴く人が増えたこと、それに新しい動きもあるようなので、本日は、ラジオについて掲載することとしました。本日は、セクシー過ぎるDJの画像とともに、掲載します!!


最近は、めっきりラジオそのものは、聴かなくなった人が多いのではないかと思います。私も、ここ10年ほどは、聴いていません。なぜかといえば、アメリカをはじめとする海外に行って、1ヶ月以上でも、滞在した方なら誰でもおわかりになると思います。


日本などのように、厳しい電波法の規制がないアメリカでは、ラジオ局が日本の数十倍あります。FMだけでも、たとえば、ニューヨークのような大都会であれば、数十局もあるのではないかと思います。そうなると、自分の聴きたい音楽や、話題などに近い内容を放送しているラジオ局が必ずあるので、結構聴く機会が増えるものです。それに、あれだけラジオが国民に根付いているせいでしょうか、オバマ大統領がラジオで全国民向けに放送することもあります。それも、場合によっては、かなり重要な話を20分~30分する場合もあります。日本なら、テレビでならそのようなこともあますが、ラジオではないですね。せいぜいニュースで要旨を紹介する程度くらいのものだと思います。


しかし、日本では、放送局自体が極端に少ないので、自分が聴きたい音楽や話を提供する放送局はまずは存在しません。どれも、雑多な音楽と、雑多の話題の集合体ということで、あまりというより、ほとんど聴く気になれません。こんなことからも、ラジオが衰退していたのだと思います。


放送局がたくさんあり、自分の好みの局選べるのが昔から当たり前になっているアメリカでは、ラジオだけではなく、インターネットラジオの放送局も多いですし、それに驚いたことに、日本ではおそらく存在しない、衛星放送のラジオ局も多数存在します。日本だと衛星放送といえば、テレビだけですが、アメリカの衛星放送受信機は、ラジオも多数受信できるようになっています。それも、チャンネル数もかなりあります。アメリカでこのようなことを経験した私は、日本は永遠にそうはならないだろうと思っていましたが、最近はだんだんと事情が変わってきているようです。



まずは、ミニFM局が増えてきました。たとえば、札幌などではFM局でも、たえば、FM白石とか、三角山放送局などと、ほんとうに狭い地域専用の放送局もでてきています。さらに、最近は、インターネットラジオが聴けるようになったので、ラジオがなくても、世界中の放送を聴くことができるので、非常に聴きやすい環境が整ったと思います。


インターネットラジオといえば、私の場合特に、AccuradioとTunin Radioというアプリを使って聴くことがほとんどです。これらは、パソコン、スマホ、タブレット用のアプリがあってとても便利です。そうして、両方ともAirPlay対応アプリですから、AppleTVでは無論のこと、AirPlay対応のスピーカーなら、これらの放送を受信しているガジェットからワイヤレスで音を飛ばすことができます。Accuradioは、アメリカの音楽専用インターネットラジオで、考えられるほとんどのジャンルの音楽がそろっています。Tunin Radioは、世界中のインターネットラジオ放送局を集めて、聴くことができるアプリです。そうして、何と、スマホやタブレット用アプリの有料版だと放送が録音できたりします。


パソコンや、iPhone、iPad、アップルTVでも聴くことかできるので、最近は、時々インターネットラジオは聴くようになりました。この二つのアプリがあれば、まずは、誰でも自分の聴きたい放送を見つけられるのではないかと思います。


さて、いろいろ書いてきましたが、そろそろ、結論を書きたいと思います。インターネットの世界では、従来のラジオのような規制は少ないと思います。であれば、日本でももっともっとラジオ局を増やせるのではないかと思います。そうして、上の記事のように、最近では、ラジオに親近感をもつどころか、絆を見出している人多いようです。これは、以前書いたスペンドシフトという消費の傾向とも関連しているかもしれません。しかし、今まで、電波法の厚い壁があった日本では、地域に密着した新たなインターネットラジオ局を開設して、地域のための、放送を流し、絆を深めていくための大きなチャンスとなるかもしれません。その絆が新しい消費の形であるスペンドシフトを加速するかもしれません。



ちなみに、スペンドシフトとは、書籍の名称でもありますが、アメリカで9.11があったころから、顕著になり、さらに、リーマンショックで加速した、新たな消費傾向のことをいいます。以下にそれを簡単にまとめます。
自分を飾るより ⇒ 自分を賢くするためにお金を使う。ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。モノを手に入れるより ⇒ 絆を強めるためにお金を使う。有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる。
この傾向は、日本でもみられていましたが、特に昨年の東日本大震災で、顕著になり加速されつつあります。

DJ-Kaori

インターネットラジオで、地域に特化した放送を流すようにして、上のような傾向の内容を放送で流すようにすれば、このスペンドシフトという時流にのることができるだけではなく、さらにこの傾向を加速することができるのではないかと思います。そうして、放送をただ流すだけではなく、インターネットの特性をいかし、そこにfacebookやtwitter、Google+などのSNSとうまく絡めれば、かなり面白いだけではなく、文化的にも、本当に豊かで新たなライフスタイルを提供できると思います。何といっても、アメリカのように放送局が多くはない日本では、新たでさらに広くて深い需要を呼び起こすこともできるのではないかと思います。

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