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2019年5月29日水曜日

レアアースは米中貿易戦争の切り札だ! 自信満々だが「過去には失敗」も=中国メディア―【私の論評】レアアースで再び自分の首を締める中国(゚д゚)!

レアアースは米中貿易戦争の切り札だ! 自信満々だが「過去には失敗」も=中国メディア



米国と中国の貿易摩擦が激化し、米国側は中国製品に対する関税率の大幅引き上げや、大手通信機器メーカーであるファーウェイに対する規制を強化する方針を打ち出した。また、米国は中国製の小型無人機(ドローン)や監視カメラに対しても危機感を抱いていることを明らかにしている。

 エスカレートの一途を辿る米中貿易戦争について、中国メディアの今日頭条は24日、中国には米国による圧力に対して「切り札がある」と主張する記事を掲載した。

 記事は、現在の米中による貿易戦争は「中国の科学技術の急激な進歩に、米国が危機感を抱いたため」との見方を示す一方、「中国側は少しも脅威を感じてはいない」と主張し、なぜなら、「中国にはレアアースという切り札があるためだ」と主張した。レアアースが中国にとっての切り札になる理由は、現在までに確認されているレアアースの埋蔵量が圧倒的な世界一で、生産量も世界全体の7割を占めるという「独占的な地位」にあるようだ。

 続けて、レアアースは現代のあらゆる産業を支える、必要不可欠な資源だと指摘。たとえば需要が高まる電気自動車の電池やモーター、医療機器ではCTスキャナー、通信技術では光ファイバー、また身近なところでは家電のLED電球や蛍光灯、プラズマディスプレイなどその使用範囲は広く、「現代人の生活には欠かせない資源となっている」ゆえに、中国が生産し、世界中に輸出しているレアアースは強力な切り札となるのだと主張した。

 中国にとってレアアースが切り札になるカードであるのは間違いないが、中国が過去にレアアースの禁輸を行って、しっぺ返しを食らったことは記憶に新しい。中国は2010年、日本との尖閣諸島問題がエスカレートした際にレアアースの実質的な禁輸を行った。当時の日本や米国はレアアースの調達を中国に依存していたが、禁輸措置を受けて調達先の多元化やレアアースの代替材料の開発を進めた。そのため、現在の中国が再びレアアースを米中貿易戦争の切り札としようとしても、中国にとって大きな効果が見込めるかどうかは疑問と言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

【私の論評】レアアースで再び自分の首を締める中国(゚д゚)!

欧米の後手に回ることが多かった日本の資源戦略で、地味ながらも成功といってよい事例があります。それは、ハイブリッド車のモーターなどに使われてきたレアアース(希土類)の代替材料の開発です。2010年あたりより前までは、大半を中国からの輸入に頼ってきましたが、日本の官民を挙げた技術開発が奏功し、ここにきて輸入依存は大幅に減りました。そこから何を学べるのでしょうか。

「米国や欧州、中国も日本のまねをし始めた。日本発のレアアース代替戦略の先見性を物語っている」。東京都内で2015年3月末に開かれた次世代材料のシンポジウムで、奈良先端科学技術大学院大学の村井真二副学長(当時)はこう称賛しました。

村井氏が指すのは文部科学省が2007年度に着手した「元素戦略プロジェクト」のことです。このプロジェクトは高解像度の液晶技術「IGZO(イグゾー)」の開発で知られる細野秀雄東京工業大学教授が「身近な元素から未知の性質を引き出せば、新たな用途が開ける」と提唱し、20を超える大学や企業などが参加。ディスプレー電極に使うインジウムや触媒向けの白金などの代替技術を探ってきました。

なかでも進展があったのが、高性能磁石に不可欠だったジスプロシウムの代替技術です。日立金属と物質・材料研究機構がネオジム銅合金を使い、高い磁力を保つ新技術を開発。ジスプロシウムが要らない高性能磁石を先駆けて実現しました。

その成果が目に見えて表れたのが2012年。沖縄・尖閣諸島をめぐり日中関係が緊迫し、レアアースの世界生産量の9割を握っていた中国が一時、対日輸出を一方的に停止してからでした。

多くの日本企業が窮地に立たされるなか、自動車大手はハイブリッド車向けに新型磁石を即座に採用。家電各社もエアコンや洗濯機のモーターをフェライト磁石などに相次いで切り替えました。こうして脱レアアースが一気に進み、12年の日本のレアアース輸入量は前年に比べほぼ半減。価格も大幅に下落し、市場は落ち着きを取り戻しました。


元素戦略はなぜ奏功したのでしょうか。それを探ると、2つの要因が浮かび上がります。

まず将来予想される危機を予見し、官民がスピード感をもって対応したことです。元素戦略が始まった07年は商品市場に投機資金が流入し、資源価格が軒並み急騰した時期にあたります。政府はこれに危機感を強め、文科省が代替技術の基礎、経済産業省が応用研究と分担し、異例の連携体制を敷きました。

2つめが、日本が素材分野でもつ底力を引き出したことです。レアアースの代表的な用途の一つが触媒ですが、この分野は鈴木章北海道大学名誉教授らノーベル化学賞受賞者を輩出し、日本のお家芸といえます。元素戦略でも触媒分野で世界的に知られる研究者らが助言役になり、技術開発の進め方で知恵を出しました。



元素戦略は2014年から第2期に入り、自動車鋼板などに使う高張力鋼に不可欠なニオブやモリブデンの代替技術を重点テーマに据えました。これは、当時は安定調達できていましたが、輸入が中国に偏りリスクを無視できなかったからです。

レアアース対策の成功を他の資源戦略に生かせないのでしょうか。日本近海でメタンハイドレートの試験採掘が始まり、海底の希少金属資源も相次いで見つかっています。これらを商業ベースで採掘できるかは未知数ですが、技術力に磨きをかければ輸入品の価格交渉などで有利に働くことが期待できます。

政府は2015年4月に閣議決定した海洋基本計画で、海底資源開発に向け経産、文科、国土交通省などの連携を求めましたが、縦割りを排して効率的な開発に取り組めるかはなお課題が残ります。

2019年2月15日経済産業省は、海洋エネルギー・鉱物資源開発計画を改定しました。本計画は、海洋エネルギー・鉱物資源の具体的な今後の開発の計画などを示すため、海洋基本計画に基づき経済産業省が策定するものです。スピード感をもって挑むには、レアアース代替研究から学べる点があるはずです。

中国はこの重要な鉱物について、それを新たに貿易戦争の道具に使えば、世界中のその他の国から信頼できない貿易パートナーと見なされるようになるでしょう。そうなれば、代替資源の開発が急速に進むことになるでしょう。

  中国の習近平国家主席が20日、江西省内のレアアース企業を視察した。同視察については、
  米中の経済対立に関連しているとの見方が中国内外から出た。

米国は、中国以外の供給国を捜すこともできます。これはベトナムやメキシコといった新興国が、市場にできた穴を埋める機会にもなるでしょう。さらに、驚いたことには、北朝鮮にも豊富なレアアースが埋蔵されているとされています。米地質調査所(USGS)や、日本貿易振興機構(JETRO)などの「資料」によると、半端ない量のマグネサイト、タングステン、モリブデン、レアアースなどのレアメタル(希少金属)が埋蔵されているといいます。

そうして、以前からこのブログにも掲載しているように、韓国は機会があるごとに中国に従属しようとしますが、北朝鮮は中国の干渉を嫌っています。北朝鮮の存在そのものと北朝鮮の核が、結果として中国の朝鮮半島全体への浸透を防いでいます。

中国が、レアアースを貿易戦争の道具にした場合、日米および他の先進国は、代替物の開発を急ぐことになるでしょう。さらに、現状では手詰まりの北朝鮮問題を解決(必ずしも平和的な解決だけではなく、武力攻撃も含む)し、北のレアアースを輸入できる体制を整えることになるかもしれません。

2010年の中国によるレアアース禁輸は3つの点で逆効果となりました。

第1に、世界貿易機関(WTO)が中国の禁輸をルール違反と判断しました。中国は国際貿易における自らの信頼性を喧伝しているだけに、新たにWTOの係争を抱えると政治的に厄介なことになります。

第2に、禁輸はレアアース価格の急騰を引き起こしました。中国政府は国内でレアアース産業の管理を目指していますが、値上がりで違法生産を主体とする生産が急増し、しっぺ返しを受けました。その後、レアアースの価格は急落しましたが、違法生産は減らず、中国は業界の管理に手を焼いています。

第3に、中国が強硬な手段に訴えたことで中国産レアアースの需要が落ち込みました。ホンダやトヨタ自動車など日本の自動車メーカーは電気自動車用磁石で中国産レアアースの利用を抑える新技術を開発し、オーストラリアなど他国産の採用を増やしました。アウディがSUV型電気自動車「eトロン」で磁石モーターではなく誘導モーターを採用するなど、エンドユーザーの反応は今も続いています。

今回も、レアアース禁輸措置をした場合は、同じような逆効果を招くことでしょう。いや、もうすでに日米をはじめ、世界の国々がこれを予期して対策に走っていることでしょう。結局貿易戦争の対抗手段としては、かなり歩が悪くなるだけに終わることでしょう。

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2015年5月10日日曜日

問題だらけの中国経済 都市はゴーストタウン化 レアアースでは大失敗―【私の論評】鬼城が誕生した信じがたい中国中央政府の出鱈目、こんな政府の主導するAIIBなど最初から破綻するのはわかりきっている(゚д゚)!


誰一人、人が住まない中国のゴーストタウン 鬼城
2015.05.10

ZakZak 連載:大前研一のニュース時評

中国国家統計局が先月15日に発表した2015年1-3月期の国内総生産(GDP)は、前年同期比7%増程度だった。これは09年以来最低の数字。中国の経済成長の鈍化は今後も続くことが予想される。

特に足を引っ張っているのは不動産関連だ。先月16日の日経新聞には「中国・重慶市郊外の売れ残った大規模マンションをさばくため、開発業者が『1軒購入すれば、もう1軒おまけします』と売り出した」という記事が載っていたが、こんなトンデモないことをしなければならないほど追い詰められているようだ。

中国ではいま、「鬼城」(グイチャン)という言葉が注目されている。意味は「廃棄された街」。不動産投資の過熱によって各地で巨大都市開発が進められたものの、建設途中でストップしたり、完成しても入居者はなく、建物だけが立ち並んでゴーストタウン化している地域のことだ。

100万人都市として巨大高層マンション群が開発されたのに、実際に居住しているのは3万人程度というところもある。これが中国全土には、大きなものだけでも20-30はあるとされる。だが、中国経済がダウンすると世界も大きな影響を受けることになる。また、過剰な生産設備が海外に目を向けた時には、ダンピングで日本はじめアジア企業は大打撃を受ける。いまは「もう少し踏ん張ってくれ」と言うしかない。

その中国は、蓄電池や発光ダイオード、磁石などのエレクトロニクス製品の性能向上に必要不可欠なレアアースや、超硬工具の原料に必要なタングステンにかけていた輸出関税を5月1日から撤廃した。昨年夏、世界貿易機関(WTO)が中国のレアアース輸出規制を協定違反と認定したことを受けたものだ。

5年前の沖縄・尖閣諸島沖中国漁船衝突事件後、中国は日本に対する嫌がらせのために強引な禁輸措置を取った。しかし、日本や世界各国は知恵を絞って再生利用したり、ほかの物で代用して省レアアース化を進め、需要を縮小させた。いまごろになって、中国側は「もう意地悪はしない」「いや、もともと意地悪なんかしていなかった」と主張しているが、時すでに遅しだ。

最後は毎度おなじみ、「中国人の爆買い」に関する話題だ。広東省の深●(=土へんに川)市の公安当局は先月13日、「深●(=土へんに川)住民による香港訪問を週1回に制限する」と発表した。香港では粉ミルクなど日用品を爆買いする中国人の運び屋のため、日用品不足や商業施設の混雑が深刻化し、香港住民の反中感情も高まっている。それを収めるのが狙いだ。

粉ミルクがまったくなくなってしまうなど、日常生活を荒らされた香港の人たちにとって、とんでもない規模でやってくる中国人の爆買いは迷惑以外の何物でもない。近い将来、東京・銀座でもこういうことが起きないともかぎらない。そうならないことを祈っている。

■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。

【私の論評】鬼城が誕生した信じがたい中国中央政府の出鱈目、こんな政府の主導するAIIBなど最初から破綻するのはわかりきっている(゚д゚)!

中国の鬼城

上記の記事、大前研一氏によるものであり、大体まともなのですが、以下の下りは全く納得できません。

だが、中国経済がダウンすると世界も大きな影響を受けることになる。また、過剰な生産設備が海外に目を向けた時には、ダンピングで日本はじめアジア企業は大打撃を受ける。いまは「もう少し踏ん張ってくれ」と言うしかない。

まずは、特に日本は円安傾向にあることから、大打撃を受けるなどということはないです。むしろ、円高傾向だったときのほうが、はるかに大打撃を受けました。日本で、部品を作成して、それを組み立てて日本国内で販売するよりも、日本で部品を作成して、それを中国で組み立てて、日本に輸入したほうがはるかに安上がりという異常状況にありました。

さらに、部品も中国で作成して、それを中国で組み立てて、日本に輸入したほうがさらにコストダウンとなるということで、多くの企業が中国に進出して、日本の産業は空洞化しました。しかし、このようなことは、円安によって終止符が打たれ、今では、そのようなこともなくなり、中国に進出した日本企業が日本に回帰するという動きが顕著になっています。

今でも、中国製品の多くには、日本製部品が多く組み込まれています。これについては、このブログにも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
GDPで日本の2倍の中国だがいまだ日本抜きで経済成り立たない―【私の論評】張り子の虎の実体はもう明らか、日本は本物の虎に対する投資を増やすなど正しい資源配分をするべき(゚д゚)!
日本は、中国のような張り子の虎を相手にするのではなく、中身も充実した本当の虎を相手にすべき(゚д゚)!
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では円安のため見かけ上、GDPが日本の二倍になったとされる中国ではありますが、その実日本なしには未だに成り立たない中国の現実を掲載しました。

以下に一部をコピペさせていただきます。

 中国のGDP(国内総生産)はすでにドルベースで日本の約2倍となった。しかし、実態は「張り子の虎」。いまだ日本抜きで中国経済は成り立たない。中国の製造業は日本企業の製品や技術が支えているといっても過言ではない。企業のコンサルティングを行なうなど中国ビジネスに詳しい高田拓氏が語る。 
「例えば、白物家電でトップクラスの世界シェアを誇る中国の家電メーカー・ハイアールの冷蔵庫を分解してみると、特に上位機種ほど、コンプレッサーなどの基幹部品はパナソニックなど日本製が使われています」

ハイアールの基幹部品は、日本製(゚д゚)!
他にも、2008年にノンインバーターエアコンで世界市場1位だった中国メーカー・珠海格力電器(グリー・エレクトリック)と業務提携した空調大手のダイキン工業は、同社に独自の「インバーター技術」を供与。代わりにグリーのコスト競争力を得ることで、かつてはゼロに近かった中国国内のインバーター機普及率を6割近くまで高めた。 
「最近では中国市場に数多くあった日本ブランドの家電製品、携帯電話の影が薄くなっているが、ハイアールやダイキンの例に見られるように、基幹部品や技術で多くの“日本製”が内蔵されている。つまり、日本企業は『BtoB』に構造転換しているのだ。一見して見えにくいが、実は日本が中国企業の躍進を下支えしているといえる」
さてこのような中国ですが、いわゆる不動産投資も出鱈目中の出鱈目でした。日本のデベロッパーなど、大規模な開発をするときには、徹底的に市場調査を行い、需要と供給のバランスをはかるような開発をします。

ところが、中国では全く異なります。中央政府も、地方政府も出鱈目でした、不動産投資をして開発がなかなかうまくいかないと、その次に何をしたかといえば、最初の開発で、10の開発したとすとると、さらに大々的に再投資してそのすぐ横に、100の開発をます。その100の開発がうまくいかないとなると、さらに大再投資して、すぐ横に1000の投資をして開発するという具合で、とにかく投資を続けてしまうというとんでもないことを繰り返していました。

だから、ブログ冒頭にもあるような、鬼城が多数生まれてしまったのです。全くの出鱈目で、このようなことが起こってしまったのです。

中国の鬼城

しかし、このようなことは永遠に続くはずもなく、1〜2年前くらいから破綻が始まり、現在に至っています。そうして、このようなことは、中国中央政府がどんどん地方政府に金を流して、地方政府に実行させていたということです。

それは、そうです。現在の中国は共産主義ではないものの、国家資本主義体制ですから、中央政府がこのようなことをさせていたということです。そうして、投資の元手はどこから来るからといえば、ほとんどが海外からの借金です。

さて、このような中国政府が主導するAIIBなど、結局中央政府が、国内では失敗した投資を国外で実行して、儲けようという腹なのでしょうが、投資に関するノウハウがほとんどない中国中央政府によるAIIBなど、最初から破綻するかあるいは、参加表明した国々も、このように信用のおけない中国の実体を知るようになり、有名無実になるのがおちです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年10月27日日曜日

中国なんかこわくない by ポール・クルーグマン―【私の論評】吼えれば吼えるほど、こけおどしであることが明るみに出る中国の実態、本当の戦争をしたこともなく、まともな社会を築けない現代中国共産党中央政府!!

中国なんかこわくない by ポール・クルーグマン

アメリカ国債の束
「中国がアメリカへの信用をなくして国債を投げ売りしはじめるかもしれないぞ」と例のお真面目ぶった連中が警告の声を上げているのを,『スレート』のコメンテータをやってるマシュー・イグレシアスが先日取り上げている.今月の上旬にでた記事で,イグレシアス氏は中国の動機に焦点を当てている.有益な文章だ.

ただ,イグレシアス氏は末尾で短く触れるにとどめているけれど,決定的に大事な要点は,中国の動機がどんなものであろうと,中国人が国債を大量放出したところでぼくらが損害を出すことはないってことだ――それどころか,おそらく,国債が大量放出されるのは,合衆国にとっていいことになるだろう.

「でも,それだと金利が上昇してアメリカ経済が落ち込むことになっちゃうんじゃない?」と言う人がいるかもしれない.この論点については,いろんなかたちでたくさん書いてきたけれど,問題にされてる金利上昇の仕組みについて整合性のある説明はいまだに見たことがない.

2009年来日してテレビで報道されたクルーグマン博士
ちょっと考えてみてね:中国がアメリカ国債を売ったとして,それで短期金利の上昇が駆り立てられることはない.短期金利を設定してるのは連銀だ.そうすると,どうして国債売りで長期金利が上昇するって話になるのかもはっきりしない.だって,長期金利は主に予想短期金利を反映しているんだもの.それに,なんらかのかたちで中国人がもっと満期の長いものを締め付けたとしても,連銀はちょいと量的緩和をさらに進めてそうした国債を買い上げてしまえる.

たしかに,そうした行動はドルの価値を押し下げることになるかもしれない.でも,ドルの下落はアメリカにとっていいことだよ! 日本のアベノミクスを考えてみるといい:アベノミクスがこれまでにあげてる最大の成功は,円の価値を押し下げることだ.円安によって,日本の輸出業者は助けられている.「でもギリシャが」と言うかもしれない.えっとね,ギリシャには自国通貨もないし自国の金融政策もないのよ.たしかにギリシャでは資本が国外に出て行ったら,貨幣供給が減少した.でも,アメリカではそうならない.

中国は中身の空っぽの水鉄砲ですと?!

中国による信用についてデマをとばす連中がひっきりなしにでてくるのには目を見張るね:こういうデマを,例のお真面目な連中は相変わらず語ってる.文字通りにまったく意味をなさないにも関わらずだ.経済学者のディーン・ベイカーがかつて言ったように,中国がぼくらの頭につきつけられた鉄砲だとしても,そいつは水鉄砲でしかもカラッポなのよ.

【私の論評】吼えれば吼えるほど、こけおどしであることが明るみに出る中国の実態!本当の戦争をしたこともなく、まともな社会を築けない現代中国共産党中央政府は、日本の脅威ではない!



自国の通貨を刷り増しできる国は、外国からの借金が大量にない限り国債の暴落などあり得ない

日本の政治家や官僚のマクロ経済の理解のレベルは相当低いと思っていましたが、アメリカも似たようなものです。それを、上の記事クルーグマン氏が説明しています。上の記事要点は以下です。
短期金利を設定してるのは連銀だ.そうすると,どうして国債売りで長期金利が上昇するって話になるのかもはっきりしない.だって,長期金利は主に予想短期金利を反映しているんだもの.それに,なんらかのかたちで中国人がもっと満期の長いものを締め付けたとしても,連銀はちょいと量的緩和をさらに進めてそうした国債を買い上げてしまえる.
これって、あまりに単純な理屈です。だから、アメリカ国債暴落とか、金利が上昇するとかそんなことは全くないわけです。しかし、アメリカ国債暴落などということを平気でほざく連中がいるということです。恥ずかしいことです。これじゃ、日本の一般政治家や官僚と同レベルということじゃないですか?まあ、それにしても、デフレだというのに増税するなどの馬鹿真似をしないだけ、アメリカのほうがまだましなのかもしれません。

日本でも似たような現象がずっと前からあります。日本でも、国債は暴落しません。それは、上の文章で、アメリカ国債を日本国債、連銀を日銀と入れ替えれば、全く同じことです。これに関しては、以前からこのブログにも掲載しています。そのURLを以下に掲載します。
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第5回 デフォルトは「しない」ではなく「できない」―【私の論評】デフレの今日、財政破綻だの国債が暴落すると騒ぐ人は単なる詐欺師?
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、三橋氏は、日本国債が破綻しようのない理由について以下のように語っています。
 たとえ日本政府の信用が凋落しても、日本銀行が金融市場の国債を「買い占める」と、銀行は手元の日本円を政府に貸し出さざるを得ない。すなわち、日本国債が買われることになり、国債金利は低下する。 
 というわけで、日本政府が過去に発行した国債が100%日本円建てであり、かつ「子会社」の日本銀行が国債を買い入れることができるため、我が国は「政府の財政破綻」「政府の債務不履行」に陥りたくても陥れないのである。 
 国民の安全や生命を守るインフラ防災などの公共投資の財源を、日本銀行の建設国債買入に求めている安倍自民党の政策は、現在の日本に適したソリューションだ。 
 ただ、日本銀行の国債買入に代償が一つもないわけではない。それは、インフレ率の上昇だ。
三橋氏は、日銀による国債買入の唯一の懸念とてし、インフレ率の上昇をあげていますが、ご存知のように、今の日本は、黒田日銀体制になってから、異次元の包括的金融緩和を行って、インフレ率の上昇を狙っているくらいですから、何の問題もないどころか願ったりかなったりということです。

結局、表現と国の違いありますが、クルーグマン博士も、三橋氏も同じことを言っています。アメリカや、日本だけに当てはまるマクロ経済現象などあるわけもなく、結局は国債に関しての考え方は、日米同じで、自国通貨のある国では、これはどこでも当てはまる当たり前のど真ん中の話です。

しかし、この当たり前のど真ん中を無視して、日米にかかわらず馬鹿か中国のスパイかのいずれかの連中が、国債暴落を様々な手法を用いて吹聴しているというのが実体です。もうこんな見え透いた猿芝居はやめるべきですし、やめさせるべきです。

上の記事のタイトルは、「中国なんてこわくない」というものですが、アメリカにとっては、軍事的にも経済的にも全く「中国なんてこわくない」ということです。いずれの分野においても、あと100年後でも中国は、アメリカにとって「こわい」存在にはなりえないでしょう。

そもそも、GDPが世界第二位だということすら、怪しい話しで、経済の専門家の多くが、現在の中国はいまだGDPは日本以下で、世界第三位以下だろうと認識しています。

軍事的にも、中国のアメリカが対峙し場合、どうみても中国に勝ち目は、ありません。中国がアメリカを中国内部に招きいれ、泥沼のゲリラ戦にでも持ち込めば話しは別ですが、通常の戦争では、1週間もあれば、すぐに決着がつくことでしょう。無論、米国の一人勝ちです。

日中でも今ところ同じような状況です。先日もお話したように、人民解放軍は、総合商社であり、その総合商社の軍隊は、士気も低いですし、最近では、人民解放軍に入ることのメリットが少なくなっているので、ますます士気は落ちています。それにそもそも、軍備の近代化が近年は進みつつあるとはいえ、日本と比較すれば、全く遅れています。

総合商社の人民解放軍は、国家のために命は落とさない。ましてや、人民のために命を的にしない!
人民解放軍は、尖閣に兵を送ってまともに日本自衛隊と対峙することはできません。実施すれば、日本自衛隊が日本の領土の保全ということで、これを阻止すれば、数時間で決着がついてしまいます。中国人民解放軍は、日本の艦艇を補足する前に、すべて海の藻屑となって消え去り、すぐに勝負がつきます。航空戦も似たようなものです。彼我の軍事力の差は多くの人が想像しているようにはるかに大きいです。特にハイテク分野では、日本の自衛隊が圧倒的に有利です。士気もはるかに高いです。これは、説明するまでもなく、東日本大震災での自衛隊の大活躍が物語っています。

中国が示威する空母「遼寧」も全く無力です。日本の自衛隊の実力からすれば、日本の領海に入ったとたん、数十秒で撃沈です。とにかく、運行速度かあまりに遅いので、アメリカにとっても、インドにとっても、脅威ではありません。ただし、ASEANの小国に対しては、こけおどしとしては十分威力があります。

それから、現在の人民解放軍は、一度も戦争をしたことはありません。現在の人民解放軍の元ともなった八路軍は、日本とはまともに戦争をしたことはありません。日本と中国の間で実質的な戦争状態にあったのは、蒋介石の国民党軍との間であり、これでさえも、正式な戦争ではなく、日華事変などと呼ばれていて、実は正式な戦争ではありません。日本は、大東亜戦争においては、米英露仏蘭などとは正式な戦争をしましたが、中国との間では国民党軍とも、八路軍などとも正式な戦争はしていません。

人民解放軍は、その後チベット侵攻、ウイグル侵攻などしていますが、これは一方的に自分よりはるかに弱い、弱者を攻撃したものであり、とても戦争と呼べる代物ではありません。ベトナムと国境紛争を起こしたのは良いですが、ぼろ負けしてほうほうの体で逃げ帰っています。その他、ロシアやインドなどとも国境紛争などはありますが、あくまで紛争の域を出たことはなく正式な戦争はしたことがありません。というより、弱いものいじめはできても、正式な戦争など恐ろしくでできないのだと思います。

そのための劣等感によるものでしょうか、中国の軍部など最近とみに吼えまくります。

少し前までは、中国の軍部が「戦争の準備をせよ」との号令を下したとの報道がなされていましたが、実際に中国に在住の日本人や、日本の軍事専門家が調べても、実際に戦争の準備をした様子は全くありません。これは、どういうことかといえば、本当に日本と戦争すれば、人民解放軍はぼろ負けをして、世界の笑いものになる可能性が高いということを彼ら自身が良く知っているからです。だから、こけおどしをしているだけです。

また、最近のお笑い種では、以下のようなものもあります。
日本が無人機撃墜すれば「戦争行為」 中国軍が強調 
 領空侵犯した無人機が警告に従わない場合、撃墜を含めた強制措置を取る方針を日本政府が固めたことについて、中国国防省の耿雁生報道官は26日、同措置が中国機に取られた場合、「一種の戦争行為であり、われわれは果断な措置で反撃する」と強調した。 
 報道官は、反撃に伴う一切の結果は「始めた方が負う」と全面的に日本側の責任となることを指摘した。さらに「中国軍が領土主権を守る固い意志と決心を軽く見るべきでない」と日本側を威嚇した。(共同)
中国製無人機 翼龍

無人飛行機とはいっても、今は爆弾を装着できます。実際、アメリカでは祖着して、爆撃を行っており、民間人が巻き添えをくっているという苦情があります。無人飛行機と巡航ミサイルは、ともに遠方からコントロール可能です。違いは爆薬を搭載しているか否かです。しかし、無人飛行機にそれ相応の爆薬を搭載すれば巡航ミサイルと変わりはありません。それを撃墜したからといって、「戦争行為」と強調すること自体がお笑い種です。

普通だと、まずはそのようなことを実施しているなどとは公表しません。秘密裏に行うことです。撃墜されても報道もされないものだと思います。何やら、自ら、他国のスパイ活動をやってますよと、吹聴しているようなもので、これそのものがお笑い種です。頭おかしい!

中東の国などでは、こうした無人飛行機など撃墜するのは難しいことなのかもしれませんが、日本にとては赤子の手をひねるように簡単なことです。中国は、これから、日本によって、無人飛行機が多数撃墜されて、赤っ恥をかくことを牽制するために、このような報道をしているのかもしれません。

さらに、こんなお笑い種もあります。
中国の輸出規制「完全に失敗」…希土類需要急減


世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)が、中国のレアアース(希土類)輸出規制に反対する日米欧の主張を大筋で認める中間報告を出したことが分かった。 
 レアアースを戦略資源と位置づける中国の手法は曲がり角に来ている。 
 日本など各国は、レアアースの使用量を減らす技術や代替品の開発を進めている。新金属協会によると、日本でのレアアースの需要は、2007年の約3万2000トンから12年には約1万4000トンまで減少。価格はピークだった11年の10分の1近くまで下落した。 
 10年9月、沖縄県尖閣諸島付近の領海に侵入した中国人船員の逮捕で日中関係が緊迫した際、中国産レアアースの日本への輸出が事実上止まって大きな影響が出たが、今や輸出国としての中国の地位は低下している。 
 中国は10年にレアアースの輸出枠を大幅に減らしているが、12年の輸出量は枠の4割前後にとどまったとみられる。今回の中間報告で、輸出規制が「クロ」判定される公算が大きくなり、「中国の戦略は完全に失敗した」(外交筋)との見方が強まっている。 
(2013年10月26日08時36分  人民日報じゃなかた!読売新聞)
音楽だって、レア物だから高く売れる。しか
し、販売量を制限してはもともこもなくなる!

完全な大失敗です。極端なことをしたので、外交カードの切り札をなくしたばかりか、折角中国の輸出品を台無しにしてしまいました。

いずれにせよ、中国がらみで日本が経済的に困窮することはありません。これは、以前このブログでも掲載したように、日本のGDPに占める中国の経済の割合などみれば明らかです。

確かに、中国GDPの伸張は、過去においては驚異的なこともありましたが、それにしても、万博当時の日本(年率20%台)に及んだことは一度もありません。それに、少し前からは、鈍化しています。さらに、ごく最近では、不動反バブルの崩壊によって、将来的にも伸びが期待できません。


中国経済的は、はなから日本にとっては問題外であり、軍事的にも将来はどうかということまではわかりませんが、現状ではほんど脅威になりません。

現在の中国、日本にとって、上の記事のクルーグマン氏の結びのように、『中国がぼくらの頭につきつけられた鉄砲だとしても,そいつは水鉄砲でしかもカラッポなのよ』。中国の異質性を語るのは、良いですがいたずらに現在の中国の脅威を煽るやからは、やっぱり、日米人にかかわらず、馬鹿かスパイだということだと思います。

中国は、欧米が数百年かけて、日本が数十年で成し遂げた社会変革がまだ全く進んでいません。この社会変革によって、欧米・日本がその数を増やした中間層という存在がほとんどありません。現代国家では、この中間層が重要であり、この中間層が様々な活動をすることによって、国の富が築かれてきました。中国では、こうした社会変革に取り組む気持ちは毛頭ありません。

だから、民主化も、政治と経済の分離、法治国家化もほとんど進んでいません。ある程度まともな社会になってはじめてまともな実体経済が育まれます。中国には、もはや軍師的にも、社会・経済的にも先に見込みがありません。落ちるところまで落ちるでしょう。このままの体制を続けていれば、もう経済発展などは見込めません。数百年かかっても無理でしょう。今の体制をそのまま温存していては、今から少し前までが限界です。すでに、発展のための限界点は過ぎています。

下の動画のような自衛隊と日本国民との関係が保たれている限り、総合商社の人民解放軍がいくら、尖閣に攻めてこようが、空母で威嚇しようが、こけおどしをしようが、日本が極悪非道異質国家中国に負けるはずはあり得ません。



私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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