朝鮮人民軍の兵士たち |
わが国はこのような鴨緑江国境地帯において発生する現象に非常に遺憾に思い、中国の公安局と軍隊の厳しい調査と対策を要求する。
◯中国人がわが国(北朝鮮)の人民と接触しないようにしてほしい。
◯鴨緑江の周辺で中国人が活動できないようにしてほしい。
◯鴨緑江の山麓で汚物と動物の死体を捨てないようにしてほしい。
◯鴨緑江周辺と国境地帯から、わが国に向けて大声を叫んだり、写真を撮ったりしないようにしてほしい。
◯密輸と共に非法越境を幇助する行為を統制して欲しい。
◯動物の放牧を禁止し、もし動物がわが国の方に越えてきても、人は付いてこないようにしてほしい。
◯わが国の国境警備隊は、中国人が原則に従わない場合、最大限公正に処理する。(ただし、状況によって避けられない場合は銃器の使用も許可する)
2020年2月29日
朝鮮民主主義人民共和国国家保衛省
これは、デイリーNKの朝鮮人民軍(北朝鮮軍)内部の情報筋が、国家保衛省(秘密警察)が中国の辺防部隊(国境警備隊)に送った「鴨緑江を含む国境沿線(地帯)の全地域における伝染病と関連し、中国人の行動を統制し、規則を尊守することについて」という、抗議の意を込めた通知文の要約だ。
国家保衛省は先月29日、平安北道(ピョンアンブクト)、慈江道(チャガンド)、両江道(リャンガンド)、咸鏡北道(ハムギョンブクト)にある、すべての税関を通じてこの通知文を伝達した。
北朝鮮は、新型コロナウイルス対策の一環として国境を封鎖するなど、過剰とも取れる対策を取っているが、今回の通知文は人間、動物を問わず、中国との接触を完全にブロックしたいという北朝鮮当局の願望がよく現れた文章となっている。
中朝国境の鴨緑江 |
中国との国境を流れる鴨緑江、豆満江の河原には、かつて北朝鮮側から多くの人が洗濯、水汲みなどで降りていたが、密輸や脱北を取り締まる名目で禁止されてしまった。一方で中国側では、羊や牛に水を飲ませるために河原に降りてくることが少なくない。情報筋は「おそらくこれに対する信訴(ブログ管理人注:中国の「信訪」と同様に、理不尽な目に遭った国民が、そのことを権力中央に直訴するシステムで、一種の「目安箱」のようなもの。元々は法制度の外で運用されていたものが、1998年に制定された信訴請願法で、法的根拠が与えられた)を受けた中央政府は、これ以上見逃せないと判断しているのでは」と見ている。
(参考記事:北朝鮮「川接近禁止令」で住民の暮らしに支障)
「伝染病が先に広がった中国人が感染を広げる可能性が高いのに、わが国だけが徹底的に統制しても、中国人に川の周辺でウロウロされては病気を防げないという懸念が反映されたようだ」(情報筋)
ここで注目すべきは「違反者には銃器の使用も辞さない」という強硬姿勢だ。北朝鮮は、金正恩氏の命令に基づき、密輸、脱北などに対して射殺を含めた厳しい対処を取ってきた。
(参考記事:中朝国境の川で4人射殺…「金正恩命令」実行の一部始終)
2003年には、脱北者56人が射殺される事件すら起きている。ただし、中国人を射殺したとなっては外交問題になりかねないため、中国人への銃器の使用は控えられてきたようだ。
(参考記事:中国公安の内部文書「鴨緑江に脱北者56人の射殺体」)
しかし、最高指導者が指示した「超特級防疫任務」を遂行するためには、このような強攻策も辞さない姿勢を見せることで、中国側に抗議の意を示したものと思われる。
(参考記事:新型コロナ「平壌など23人死亡」…金正恩に極秘集計の衝撃情報)
情報筋によると、中国側は「共同の努力が必要だ」と共感を示しつつも、銃器使用については「絶対に反対する」と通知した。
「中国側も国境管理の即時実行と徹底した統制に入るだろう。朝鮮と中国が有機的、持続的にコミュニケーションを取りつつ行われるため、当分の間は蟻一匹通さない厳戒態勢となるだろう」(情報筋)
しかし、中国側の川べりには数多くの民家、交通量の激しい道路が存在する。北朝鮮側の要求どおりに統制を厳しくするにも限界があるのだ。
【私の論評】北朝鮮は中国に厳しい要求をつきつける一方、韓国は反日に走る迷走ぶり(゚д゚)!
北朝鮮、とにかく北朝鮮に新型コロナウイルスが入ってこないように、必死になっていることがよくわかります。持てる力で、コロナウイルスの蔓延を食い止めようという金正恩の並々ならぬ決意がみられます。防疫体制も整っていない北朝鮮では、これが政府にとってできる精一杯のことなのでしょう。
それにしても、中国に対してもこのような厳しい要求をするのですから、やはり以前からこのブログに掲載してきた、北朝鮮とその核が、朝鮮半島への中国への浸透を防いでいるというのは正しいようです。私達は、北の核というと、韓国や日本、そうして米国を狙っていることは認識していますが、同じ北朝鮮の核が当然のことながら、北京等の中国の都市も狙っていることを忘れてしまいます。
日本の親中派には、このような厳しい要求は、できないことです。そうして、日本国内の親中派に配慮せざるを得ない、安倍総理もなかなかできないことです。
一方、韓国の文在寅大統領は、できないどころか迷走しています。
韓国大統領府 青瓦台 |
大統領府は日本政府の防疫措置に対しても「不透明で消極的な措置により、国際社会から不信を持たれている」などと強い不満を示しました。韓国外務省は同日中に趙世暎(チョ・セヨン)第1次官が冨田浩司駐韓大使を呼び、抗議する予定だとしています。同省は日本訪問に際して注意を促す旅行警報の第1段階を発令中です。第4段階まである警報引き上げなどを検討しているとみられます。
一方、同省によると韓国からの入国禁止や隔離など、何らかの検疫強化策を取っている国・地域は6日時点で100に上っています。保健福祉省は同日、同国の感染者が前日より518人増えて6284人になったと発表しました。聯合ニュースは死者が計43人になったと報じました。
安倍晋三首相は5日に、新型ウイルスの感染が拡大する中国と韓国からの入国者を医療施設などに2週間待機するよう要請する措置を取ると表明しました。短期滞在向けのビザ(査証)の効力も停止します。
日本の措置は、防疫のためであって、政治的なものではありません。文在寅大統領のこれに対する、発言などは全く理解不能です。韓国からの入国禁止や隔離など、何らかの検疫強化策を取っている国・地域は6日時点で100に上っていますが、日本以外の国に対しては、どうするつもりなのでしょうか。
日本は、中国に対しても全域からの入国制限をしましたが、中国政府も人民レベルでも当然であるとの受け止め方がされていて、韓国のような異様な反応は示していません。
日本の防疫措置まで、反日にすり替えてしまうのですから、異常です。韓国が何をしても、日本にはさほど影響はないですし、そんなことより日本としては、防疫体制を整えることが最優先です。韓国はしばらく無視で良いです。
韓国外務省の趙世暎第1次官は6日夜、日本とのビザ免除措置を9日から停止すると発表しました。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、日本政府が発表した韓国からの入国制限強化を受けた事実上の対抗措置としています。趙次官は「日本から流入する感染病を徹底して統制する」と強調したそうです。
6日、ソウルの韓国外務省で、康京和外相(右)と会う冨田浩司駐韓国大使 |
日本としては、韓国からの入国制限をしているくらいですから、よほどの例外を除いて、現在韓国に入国しようとする日本人などいないでしょう。これで、報復したつもりなら、何やら韓国政府はまるでピエロのようです。
北朝鮮は、拉致被害者問題があるので、これからも交渉など、関係を続けていくべきとは思いますが、韓国とはこれを機に断交で良いと思います。今回のコロナウィルスをめぐって、日韓はますます縁遠くなりそうです。