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2017年12月8日金曜日

中国の“微笑み外交”要警戒 「分断工作だ」尖閣衝突回避策で日中大筋合意にチラつく思惑 河添恵子氏リポート―【私の論評】台湾の今そこにある危機を認識せよ(゚д゚)!

中国の“微笑み外交”要警戒 「分断工作だ」尖閣衝突回避策で日中大筋合意にチラつく思惑 河添恵子氏リポート

福岡市で開催された日中両政府の高級事務レベル海洋協議
では「海空連絡メカニズム」についても協議された=29日午前
 習近平国家主席率いる中国が軟化してきたのか。日中両政府は、沖縄県・尖閣諸島のある東シナ海での偶発的な衝突を防ぐ「海空連絡メカニズム」の構築と早期運用に向けて「前向きな進展」があったと発表した。「日中関係の改善の象徴」と報じるメディアもあるが、歴史的に計略を用いる中国を簡単に信用していいのか。北朝鮮と台湾をめぐる、中国の思惑もささやかれている。

 「彼らの『工作』の可能性を疑った方がいい。中国は『微笑み外交』をしてきたときこそ警戒すべきだ」

 中国情勢に精通するノンフィクション作家の河添恵子氏は言い切った。

 海空連絡メカニズムは、自衛隊と中国軍が接近時の連絡方法などをあらかじめ定め、衝突を防ぐ仕組み。中国・上海で5、6日開かれた、日中の外務、防衛、海上保安当局などの高級事務レベル海洋協議で、主要論点がほぼ一致したという。

 河添氏は「北朝鮮と台湾の問題が背景にあるはずだ」といい、続けた。

 「習政権と、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権の関係は劣悪で『事実上の敵』といえる。加えて、習氏は2020年以降、本気で台湾を取りに行こうとしている。こうなると、中国人は『敵の敵は味方』のフリをするモードになる。日本政府や自衛隊に笑顔で接近して、話し合いの環境をつくろうとする。彼らの本音は、日本人を油断させて『日米同盟の分断』と『自衛隊内のシンパ構築』を狙っているのではないか」

 習氏は10月の共産党大会で、「3つの歴史的任務の達成」を宣言した。この1つに「祖国統一の完成」があり、武力侵攻も含めた「台湾統一」と受け止められている。

 「核・ミサイル開発」を強行する北朝鮮に対しては、米国の軍事的制圧も視野に入ってきた。中国は、緊迫する東アジア情勢の中で巧妙に立ち回り、台湾統一の邪魔になる「日米同盟の分断」に着手したのか。

 河添氏は「習氏にとって、安倍晋三首相とドナルド・トランプ大統領が体現している『日米同盟の絆』は脅威だ。ここにクサビを打ち込もうとしているのではないか。中国人は『台湾は中国の一部。尖閣諸島は台湾の一部』と考えている。無人島の尖閣諸島は後回しにして、台湾を先に取ろうと考えているのだろう」と分析している。

【私の論評】台湾の今そこにある危機を認識せよ(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事にある、川添氏の「無人島の尖閣諸島は後回しにして、台湾を先とろうとしている」という懸念については根拠があります。

今年10月、米国で出版された一冊の書籍によって、中国の習近平指導部が準備を進めている「計画」が暴かれました。
大規模なミサイル攻撃の後、台湾海峡が封鎖され、40万人の中国人民解放軍兵士が台湾に上陸する。台北、高雄などの都市を制圧し、台湾の政府、軍首脳を殺害。救援する米軍が駆けつける前に台湾を降伏させる…
米シンクタンク「プロジェクト2049研究所」で、アジア・太平洋地域の戦略問題を専門とする研究員、イアン・イーストンが中国人民解放軍の内部教材などを基に著した『The Chinese Invasion Threat(中国侵略の脅威)』の中で描いた「台湾侵攻計画」の一節です。

イアン・イーストン氏
イーストン氏は「世界の火薬庫の中で最も戦争が起きる可能性が高いのが台湾だ」と強調しました。その上で「中国が2020年までに台湾侵攻の準備を終える」と指摘し、早ければ、3年後に中台戦争が勃発する可能性があると示唆しました。

『The Chinese Invasion Threat(中国侵略の脅威)』の表紙
この、衝撃的な内容は台湾で大きな波紋を広げました。中国国内でも話題となりました。
具体的な時間は分からないが、台湾当局が独立傾向を強めるなら、統一の日は早く来るだろう。
国務院台湾弁公室副主任などを歴任し、長年、中国の対台湾政策制定の中心となってきた台湾研究会副会長、王在希は中国メディアに対し、イーストンの本の内容を半ば肯定しました。

王在希氏
その上で「平和手段か、それとも戦争か、台湾当局の動きを見てから決める」と踏み込みました。近年、中国の当局関係者が台湾への武力行使に直接言及するのは極めて異例です。

ブログ冒頭の記事にもあるように、10月24日に閉幕した共産党大会で、党総書記の習近平(国家主席)は「3つの歴史的任務の達成」を宣言しました。「現代化建設」「世界平和の維持と共同発展の促進」とともに掲げられた「祖国統一の完成」とは、台湾を中国の地図に加えることにほかならないものです。

党大会終了後、北京市内で開かれた政府系シンクタンクが主催するシンポジウムで、軍所属の研究者が「中国近未来の6つの戦争」と題する発表しました。

その研究者は、習近平指導部が隠してきた、中国が主権を主張する領土を奪還するための2050年までの予定表を明かしました。台湾統一の時期は20~25年。イーストンの指摘と一致します。

習近平は、東シナ海や南シナ海、インド、ロシアとの国境周辺などにも版図を広げる心づもりだといいます。同発表では、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を奪還する時期は40~45年とされています。

中国の情報機関はここ数年、台湾軍の内情を探るため深く潜り始めています。
台湾の蔡英文政権が2016年5月に発足して、中国国内の各情報機関の台湾担当部署の予算も人員も大幅に増加しました。
ある中国共産党関係者は、こうした変化も台湾への軍事侵攻に向けた準備だととらえています。

今年5月、台湾軍中枢の参謀本部ミサイル防衛指揮部(当時)の前指揮官、謝嘉康(少将)が、中国側に重要な軍事情報を漏らしたとして、「国家安全法」違反容疑で拘束されました。

謝嘉康
同指揮部は陸上配備のミサイル部隊を統括しており、米国製の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)などの防空網や、上海を射程に収めるとされる自主開発の巡航ミサイル「雄風2E」の情報が漏れた可能性があります。

謝嘉康を中国側につないだのは退役後、旅行業を営んでいた元上官の男でした。男は、中国の国家安全部門に籠絡されて、その手先となっていました。09年と10年、元上官からタイやマレーシアへの家族連れの無料旅行に招待された謝嘉康は、たくらみに気付かず、誘いに乗ってしまったのです。

11年には、陸軍少将の羅賢哲が、指揮通信情報(C4ISR)を統合するシステムの情報を漏洩(ろうえい)した疑いなどで逮捕されました。

羅賢哲
羅賢哲は武官として駐在したタイで、歓楽街での買春現場を中国の工作員に撮られて脅されました。04年から情報提供を始め、毎回10万~20万ドル(約1120万~2240万円)の報酬を受け取っていました。羅賢哲は12年、無期懲役となりました。

台湾当局はスパイ事件の詳細や判決を公表していません。それ自体が手の内を明かすことになるからです。

羅賢哲にハニートラップをかけたとされる美女間諜:李佩琪
台湾軍内部には中国側の協力者が数多くおり、明るみに出たのは氷山の一角と指摘する声があります。ある現役将校は「中国側や軍内部の協力者に見せつけるため、逮捕案件自体を選別している可能性がある」と指摘しました。

台湾軍幹部の中には、中国大陸から来た「外省人」とその子孫が多いです。特に年齢層の高い退役軍人や高級幹部は「大中国」意識が強いです。退役・現役軍人の中には「台湾人意識」を支持基盤とする民主進歩党に反感を持つ者も多く、もともと中国に利用される素地があるといいます。

昨年11月には、北京の人民大会堂で開かれた孫文の生誕150周年記念式典に、台湾の退役将官32人が出席しました。中国の国歌斉唱時に起立し、国家主席、習近平の演説を神妙に聞き入る姿が問題となりました。

危機感を抱いた蔡英文政権は今年7月、改正法案を提出し、退役した軍高官が中国で政治活動に参加することを禁じましたが、後手に回っていることは否めません。

「世界一流の軍隊」の建設を目指す習近平は共産党大会で、20年までの「機械化、情報化の実現による戦略能力の大幅な向上」を宣言しました。台湾軍は「内と外」からの脅威にさらされています。
日本としては、先日もこのブログで述べたように、地政学的に重要な位置にある台湾との協力を強化する必要があります。まずは、日本は台湾を主権国家として認めなければなりません。
その道筋をつけるために、台湾にTPP加盟をすすめたり、日台の経済関係を強化したりするなど、協力関係を強化していくことが重要です。

さらには、日米台の関係を深め、安倍総理の安全保障のダイヤモンド政策をさらに充実・拡充するべきです。

そのためには、沖縄にある米海兵隊の一部を台湾に駐留させるようにし、いずれ半分もしくは全部を台湾に駐留させるということも考えられます。

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