国債が品薄で取引が成立しない日が相次いでいると報じられているが、その実態はどうなのか。品不足であれば、国債を出して大阪での地震のような災害対策に使うべきではないのか。
報道によれば、「取引が成立しない日は、去年は1年間で2日、今年はすでに5日と2倍以上に増えている」という。
ただし、これは国債の取引を仲介する「日本相互証券」によるものだ。国債はこうした仲介なしで、金融機関間で直接取引されるものもあるので、取引がなくなったわけではない。
日本相互証券株式会社 |
実際に取引が少なくなっているのは事実だろう。その理由は、報道のとおり「日銀が大規模な金融緩和の一環として大量の国債を買い入れた結果、いわば品薄になっている」のだ。
これに対して、専門家の意見は面白い。「取引が低調になると、財政悪化に対する市場の懸念が見逃されるリスクも出てくる」と報道されている。一般に財政悪化は国債を大量発行した際に起きることが多いのに、実際には品不足という滑稽さだ。
報道でいう専門家とは、いわゆる「債券村」の人で、金融機関で債券を主として扱っている。一般的に景気が良くなると株式が上がり、悪くなると株式が下がる。しかし、債券はその逆である。
これまでのデフレ期では、株式市場関係者はうだつが上がらず、債券市場関係者は収益を上げて金融機関を支えてきた。ところが、アベノミクスで株式市場が良くなり出すと、今度は債券がダメになった。
「債券村」は、デフレ期の金利低下が好きで金利上昇を嫌うので、財務省からみれば、財政再建キャンペーンで“ポチ”になる人たちだ。その人たちは、日銀が国債を購入することを「財政ファイナンス」だとして批判、ハイパーインフレになるとも言ってきた。
財政ファイナンスは、デフレ下で心配するどころか、積極的に行うべきことだ。さらに、ハイパーインフレなど全く起こっていない。これだけでも「債券村」の人が言うことがいかにデタラメだったのかわかるだろう。
本コラムで主張してきたのは、財政悪化は日銀を含めた統合政府のバランスシート(貸借対照表)で見るということだ。それによれば日本は財政悪化を心配する必要はなく、その結果として、国債品不足になっているわけだ。
米連邦準備制度理事会(FRB)元議長のベン・バーナンキ氏は、かつて筆者に、中央銀行が全ての国債を市場から買い取ってもインフレにならなければ財政再建ができるという意味で結構なことではないか、と語った。
報道での専門家は「債券村」で、財務省のポチであるためか、国債が品不足の際の処方箋である国債発行を主張できなくなっている。
折しも大阪北部で直下型の大きな地震があり、社会インフラに被害が出た。こうした震災被害を事前に最小化するために、将来投資が必要だ。今の低金利環境、国債品不足状況など、まさに国債発行しろと市場が催促している状況だ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
【私の論評】自分たちさえ儲かれば国民など無視する債券村の住人(゚д゚)!
論評の前に、現状の最新の経済の状況を振り返っておきます。
総務省によりますと生鮮食品を除いた先月の全国の消費者物価指数は、平成27年を100とした指数で101.0と、去年の5月を0.7%上回りました。
これはガソリンの値上がりが続いていることや、人手不足に伴う人件費の上昇で、外食のメニューが幅広く値上がりするなどしているためで、消費者物価指数のプラスは1年5か月連続です。
ただ、上昇率は0.7%にとどまっており、日銀が目標とする2%の物価上昇率にはなお距離があります。
これについて総務省は「家電やパックの海外旅行など値下がりしている品目もあるが、ガソリンや電気料金の上昇は続いており、物価は今後も緩やかに上昇を続けるとみている」としています。
一方、生鮮食品のほか電気やガス料金などエネルギーを除いた指数は101.1で、去年の5月を0.3%上回りました。
国債が超低金利でかつ品薄であり、物価目標2%には未だ遠い状況にある現在、国債発行(財出)をし、それを日銀買入するという、いわゆるヘリマネがもっとも実行しやすい時期であることは間違いありません。大規模に実行したとしても、ハイパーインフレになる懸念など全くありません。具体的には、数十兆円でもハイパーインフレになりません。
現在はヘリマネのやり時 |
さらには、大阪北部で直下型の大きな地震が発生、東日本大震災の復興も未だ完璧ではありません。過去の地震の震災の復興のため、あるいはこれから発生するであろう震災被害を事前に最小化するために、将来投資が必要であり、どう考えてみても、今は長期国債を大量に発行すべきときです。そうして、復興税など廃止してしまうべきです。
経済を良くするために、ただお金をばら撒くということであれば、国民の中にもこれをなかなか納得しない、できない人も存在するでしょうが、地震の復興のためや将来の地震の被害を最小限にとどめるためという立派な大義名分があります。
今はヘリマネのやり時なのです。そうして、これを実行すれば、地震の復興や将来の震災被害を最小限にとどめられるだけではなく、現状ではデフレに舞い戻っても不思議でないほどの状況の日本経済も伸びて、日本経済はデフレから完璧に脱却し再び成長軌道にのります。
債券村の住民はブログ冒頭の高橋洋一氏も指摘するように、「取引が低調になると、財政悪化に対する市場の懸念が見逃されるリスクも出てくる」等と語っていますが、債券市場の取引低調になったといいますが、それは債券村の人々が投資で利益を得られなくなったというだけであり、国民生活には良い影響がででいるだけで、悪いことは一つもありません。
債券村の住民はデフレを維持することで債権市場から利益を得続けることができるわけですが、経済政策は国民生活のためにあるものであり、一部の業界の利権を維持するためにあるのではありません。債券村の住人は、デフレ時代に稼ぎ頭だった夢が捨てられないのでしょう。
債券村ははっきりいえば、ブラック部門と言っても良いくらいです。デフレ状況でしか生息できない哀れな人たちです。いわば、ゾンビのような人たちです。このような連中が、日本の経済を語る資格はありません。
かつて、債券村の住民どもは、これを覆い隠すためにトンデモ経済理論として有名な「人口減少デフレ論」まで持ち出していました。恥を知れといいたいです。利己的であるにも程があると思います。自分たちさえ儲かれば、国民などどうでも良く、気にもかけていない連中です。
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