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2012年12月14日金曜日

【日本の解き方】雇用問題が論争されない悲劇 改善に重要な金融政策―【私の論評】雇用問題と金融政策は全く無関係だと思い込んでいるのは先進国では日本人だけ!!

【日本の解き方】雇用問題が論争されない悲劇 改善に重要な金融政策:

衆院選では野田佳彦首相が「民主党政権で雇用を改善させてきた」と訴えている。まずデータを確認しておこう。雇用者については、2009年9月の5457万人から12年10月に5528万人と71万人増となっている。

就活をして何度も何度も会社を受けても内定がもらえない人も多い
 もっとも、この数字は注意してみる必要がある。筆者が関係した小泉・安倍政権では、01年4月の5383万人から07年9月5499万人と116万人増えたが、雇用調整助成金にほとんど頼らない雇用増だった。しかし、民主党政権では、雇用のカサ上げのために雇用調整助成金の大盤振る舞いだ。12年10月でも対象者は64・6万人もいる。この点を考慮すると、民主党政権下では、形式的な数字をうのみにできないだろう。


一方、どのように雇用を改善させるか、明確でない政党も目立つ。米国の大統領選では雇用や失業は常に大きな争点である。しかし、日本では雇用問題が政策論争の前面に出てこない。なぜだろうか。

マスコミの人とこの問題を議論するとき、筆者は雇用問題でどこに取材するかと聞く。ほとんどの人は厚労省に取材するという。もし米国だったらどうだろうか、労働省ではなくFRB(連邦準備制度理事会)だ。政府は統計数字を作るだけで、雇用を拡大できるのはFRBである。

このように米国では、金融政策は雇用政策とほぼ同義である。というのは、短期的には失業率とインフレ率の間に逆相関関係(フィリップス曲線)があり、「犠牲率」という概念が広く共有されている。犠牲率とは、インフレ率を低下させるためにはどの程度の失業率の上昇になるかということだ。この概念を用いることで、これ以上下げられない失業率より現実の失業率が高ければ、インフレ率を少し高めて失業率を低下させるという政策を実施できる。

・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・

筆者はかつて金融政策で雇用の確保ができることを連合の古賀伸明会長に話したことがある。同氏はかなり驚いて興味を示していたが、いつの間にか立ち消えになった。民主党政権が欧州左派政党のように金融政策を雇用政策の柱として位置づけることを密かに望んでいたが、はかない期待だったようだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

この記事の詳細は、こちらから!!

【私の論評】雇用問題と金融政策は全く無関係だと思い込んでいるのは先進国では日本人だけ!!



さて、雇用といえば、ここしばらく、特に女子学生の就活など大変です。何社受けても内定をとれないひとなどざらにいます。この状況は、まだまだ続きそうです。このブログでは、以前若者の雇用について掲載したことがあります。

若者雇用戦略のウソ―【私の論評】雇用と中央銀行の金融政策の間には密接な関係があることを知らない日本人?!

詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、特に雇用に関することで述べたことを以下にコピペしておきます。それから、本日は、雇用の話なので、就活女子の写真とともに掲載させていだ
このブログでも、前に掲載したと思いますが、一国の雇用の趨勢を決めるのは、何をさておいても、まずは中央銀行による金融政策です。たとえば、中央銀行が、インフレ率を2〜3%現状より、高めたとしたら、他に何をせずとも、日本やアメリカのような国であれば、一夜にして、数百万の雇用が生まれます。これに関しては、まともなマクロ経済学者であれば、これを否定する人は誰もいないでしょう。無論、日本に存在するマクロ経済学と全く無関係な学者とか、マルクス経済学の学者には、否定する人もいるかもしれませんが、そんなものは、ごく少数であり、グローバルな視点からすれば、無視しても良いです。 
日銀が、やるつもりもないインフレ目処1%など無視して、インフレ率を本当に2〜3%上昇させたとします。そうすれば、日本でも、一夜にして、数百万の雇用が生まれます。これは、マクロ経済学上で昔から知られているし、経験則としても成り立っている法則です。
無論、雇用対策のため、のべつまくなく、インフレにするというわけにはいきません。ある程度以上、インフレになれば、ハイパーインフレとなり大変なことになる場合もあります。そういうときは、中央銀行は、すぐにはインフレ率を高めるわけにはいきませんから、これは、打ち出の小槌のようにいつもできるというわけではありません。雇用枠が増えても、ハイパーインフレということにでもなれば、雇用が増えたという経済に対するブラス要因が、ハイパーインフレというマイナス要因によってかき消されるどころか、経済が悪化してしまいます。 
それに、経済のその時々の状況で、インフレ率を高める方法もいろいろあります。いろいろある方策のうち、雇用に悪影響を及ぼす方策もあります。同じ二つ三つの金融政策を実施するにしても、順番があります。順番を間違えると、かえって、雇用に悪影響を与える場合もあります。こうしたことを認識しながら、雇用調整を行うことは、本当に難しいことです。だからこそ、アメリカではFRBの金融政策の専門家が専門家的立場から、これを調整して、雇用対策を行います。 
雇用を直接生み出すのは、日本でも、本来日銀であるはずです。しかし、日本では雇用対策といえば、厚生労働省の管轄とかたく信じて疑わない人が多いようです。しかし、厚生労働省は、雇用枠を増やすことはできません。一定の雇用枠の中で、雇用対策ができるのみです。できることは限られていて、雇用のミスマッチを改善することくらいのものです。


さて、これをご覧いただければ、いかに雇用の確保が、世界の日本以外の国では、中央銀行の金融政策が、雇用に重大であると受け止められているのか良くお分かりになると思います。さらに、これを裏付ける発言がアメリカFRBのバーナンキ議長から発言されていまいす。それを以下に掲載しておきます。
 【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は12日、連邦公開市場委員会(FOMC)の2日目の会合を開き、2015年半ばまで続けるとしていたゼロ金利政策について、時期の明示に代えて、少なくとも失業率が6.5%を上回り、今後1、2年のインフレ見通しが2.5%を下回る限りは継続するとの新たな目安を決めた。決定は11対1。バーナンキ議長は会合後の記者会見で「金融政策の透明性を高める」と説明した。
 また、期間が短めの米国債を月450億ドル売って長期国債を同額購入する緩和強化策「ツイスト・オペ」を予定通り年内で終了させる一方で、短期国債の売却を伴わない形で、長期国債を月450億ドル購入する方針を決定。月400億ドルの住宅ローン担保証券(MBS)を購入する量的緩和第3弾(QE3)も継続する。量的緩和の拡大を意味し、FRBの保有資産は一段と膨らむことになるが、将来のインフレ高進などのリスクを冒してでも、労働市場の回復を支える姿勢を示した。(2012/12/13-12:36)



上のバーナンキ議長の将来のインフレ高進などのリスクを冒してでも、労働市場の回復を支える姿勢を示したという最後の文書をみれば明らかです。 しかし、日本では、このことがほとんど理解されていないことを冒頭の高橋洋一氏の記事が説明しているわけです。

そうして高橋洋一氏は、このように米国では、金融政策は雇用政策とほぼ同義である。というのは、短期的には失業率とインフレ率の間に逆相関関係(フィリップス曲線)があり、「犠牲率」という概念が広く共有されている。犠牲率とは、インフレ率を低下させるためにはどの程度の失業率の上昇になるかということだ。この概念を用いることで、これ以上下げられない失業率より現実の失業率が高ければ、インフレ率を少し高めて失業率を低下させるという政策を実施できるとも語っているわけです。 そうして、フィリップス曲線とは、以下のようものです。
フィリップス曲線を示すグラフ
この曲線をご覧いただければ、消費者物資があがる、要するにインフレになれば、失業率が下がっていくことを示しています。要するに、インフレになれば、雇用率があがっていくということです。これは、無論国によって、相関係数などは異なりますが、どこの国にもあてはまります。無論、日本だってあたはまります。

こんな、当たり前のことが、日本では、全く理解されていません。皆さんの中には、日銀と雇用とのが関するなど全く結びつかない人もいると思います。しかし日本だけが、他国で通用している、マクロ金融や、経済いの法則くが成り立たないということはありません。日本でも成り立ちます。



そうして、最近選挙ですから、皆さん、安部総裁の金融政策など聞いたことはありませんか。安部総裁は、金融緩和策によって、無論円高・デフレを克服しようとしています。これを克服しなければ、日本の経済はなかなか良くなることはありません。それに、金融緩和を実施すれば、その過程で、雇用も改善んされるということです。


デフレ・円高を終わらせ、しかも、雇用を劇的に改善する、安部総裁のインフレターゲット政策、若者にも、雇用という面でかなり期待できそうです。しかし、このインフレ政策、まだまだ反対の人が多く、実施できるかどうかは、来年夏の参院選の結果をみてみないと、まだ、何ともいえないところもあります。

それにしても、これだけ就職氷河期が続いているのですから、日銀は、はやく金融緩和を本格的にすすめるべきです。円安傾向になり、さらに、特に若者の就職率があがれば、それだけでも随分違うと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?







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