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2019年5月14日火曜日

『女系・女性天皇』6割超賛成の危険性… 八木秀次教授、皇統は「男系の血筋を継承すべき」 産経・FNN世論調査―【私の論評】血筋は大河の流れのよう、これを活用すれば皇統は絶えない(゚д゚)!


八木秀次教授

産経新聞社とFNNが11、12両日に実施した合同世論調査で、極めて深刻な結果が出た。「女系天皇」に賛成が64・2%で、「女性天皇」に賛成は78・3%だったのだ。女系天皇の誕生は「皇統の終わり」を意味するものだが、その危険性が明確に理解されていないようなのだ。皇室制度に詳しい麗澤大学の八木秀次教授に聞いた。

 「万世一系とされる皇統は一貫して男系継承で、天皇の正統性の根拠といえる。126代の天皇はこの原理を外れたことはない。皇位継承を、感情論や女性活躍といった次元で論じてはならない」

 八木氏はこう語った。

 まず、「女性天皇」と「女系天皇」はまったく違う。女性天皇は過去に8人10代存在したが、すべて男性の天皇や皇太子の皇女だった女性が即位されたもので、「男系女子」の天皇である。

 一方、女系天皇は、女性天皇と民間出身の夫の間に生まれたお子さま(男女問わず)が即位する場合であり、その時点で男系の皇統は終わる。男系を簡単にいうと、父方だけをさかのぼれば皇室と血のつながりがあることである。

 八木氏は、皇位継承の基本を次のように示す。

 (1)皇統は一貫して男系継承(2)過去の女性天皇は「男系の女子」(3)女性天皇は、次期天皇(男系の男子)が幼少などの理由で中継ぎ役(4)女性天皇のお子さま(女系)が天皇になったケースはない(5)過去の皇統断絶の危機には、別の男系の血筋から天皇となっている(6)皇位は直系継承ではなく、あくまで男系継承である。

 こうした基本を踏まえて、八木氏は総括する。

 「GHQ(連合国軍総司令部)占領下だった1947年、皇籍離脱を余儀なくされた旧11宮家の系統の男子に皇籍に戻ってもらうべきだ。初代天皇以来の男系の血筋を引く家系だ。その男系の男子を、男性の継承者が存在せずに廃絶する可能性がある宮家に『養子』として迎え、宮家を存続できるように皇室典範を改正するのも一案だ。いずれにせよ、万策尽きるまで、男系継承の道を探るべきだ」

【私の論評】血筋は大河の流れのよう、これを活用すれば皇統は絶えない(゚д゚)!

多くの人々は、女系天皇、女性天皇、男系女性天皇などの区別がついていないのではないかと思います。ましてや、126代の天皇はこの男系継承の原理を一度も外れたことはないということも知らないのではないでしょうか。

実際、産経新聞社とFNNが11、12両日に実施した合同世論調査においても、女性天皇と女系天皇の違いに関しては「理解していない」との回答が過半数で、問題の所在はまだ国民に十分周知されていません。このときに行われた、自民党支持層の皇室に関する回答があります。その結果を以下にグラフで掲載します。


このグラフからみても、女性天皇と女系天皇の違いを理解している人は少ないです。私自身としては、「ある程度理解している」という35.3%にしても、本当は良くは理解していないのではないかと思います。

男系天皇に関しては、このブログでも以前解説したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【新元号】安定的な皇位継承の確保を検討 男系継承を慎重に模索―【私の論評】なぜ皇位は男系によって継承されなければならないのか?


詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に確信部分をあげておきます。
皇室が民間の男性を皇族にしたことは、かつて只の一度の例もありません。男系継承とは、女性を締め出す制度ではなく、むしろ男性を締め出す制度なのです。民間の女性は皇族との結婚で皇族となる可能性がありますが、民間の男性が皇族になる可能性はありません。 
皇室の歴史は、『古事記』『日本書紀』の神話にさかのぼります。初代天皇神武天皇の伝説にさかのぼれば、皇室は公称二千六百年の歴史を誇ります。なぜそれほど皇室は続いてきたのか。神話や伝説の時代から変わらぬ伝統を保持してきたからです。 
だから皇室では、先例が吉、新儀は不吉なのです。なぜ? と言われても、そういう世界だからとしか言いようがありません。 
そのもっとも重要な伝統は、歴代天皇はすべて父親をたどれば天皇に行きつきます。父親が天皇でなければ、その父親、さらに父親とたどりつけば必ず歴代天皇の誰かにたどりつく。これを男系と言いますが、歴代天皇はすべて男系です。天皇になる資格がある人を皇族と言いますが、二千六百年間、皇族全員が男系です。
このことを本当に理解すれば、女系天皇、女性宮家などに賛成する人はあまり存在しなくなると考えます。

もともと女性・女系天皇容認論は平成17年、当時の小泉純一郎首相が設置した皇室典範有識者会議が打ち出しました。若年の男性皇族がいなくなっていたためです。

小泉首相もそのため、典範改正を急ぐ姿勢を示していましたが、秋篠宮家に男系男子である悠仁さまが誕生されたことで、立ち消えとなりました。

小泉政権時を振り返ると、当初は国会議員もマスコミも女性・女系天皇の相違や男系継承の歴史などをよく知らずに賛意を示したこともありました。事実関係を知るにつれ、徐々に慎重論や反対論が強まっていきました。

今回の世論調査結果をみると、女性天皇と女系天皇の区別がよくついていない実態が浮き上がりました。こうした理解の浅さや、過去に女性・女系天皇容認論が後退した経緯が忘れられたことも、調査結果に表れているのでしょう。

また、設問によってこれらとは矛盾するような結果も表れています。男系男子の皇族を増やすため、戦後に皇籍離脱した旧宮家の復帰を認めてもよいかとの質問に対しては、「認めてもよい」(42・3%)が「認めない方がよい」(39・6%)を上回りました。

旧宮家をはじめとする男系男子の血統を持つ人々の皇籍復帰や養子縁組案については従来、「長年民間で暮らしていることから国民の理解は得られない」との指摘が有識者や政府、マスコミらから出ていました。ところが、国民意識は必ずしもそうだとはいえません。

もっとも、男系男子の皇籍復帰への賛否は支持政党のカラーが出ており、自民の賛成50・7%(反対35・2%)に対し、立憲は賛成31・3%(反対57・0%)だったのは特徴的でした。


いずれにせよ、男系継承が女性差別をするものでないことなどを多くの人々が理解すれば、男系天皇への理解、宮家復活の道もひらかれのではないかと期待しています。

一般の家庭でも、家系図をたどると、まるで大河の流れのように血筋が脈々と受け継がれていることがわかります。

以前、ある独身女性が家系図をたどり、自分の血筋が脈々と受け継がれていることを知り、自分が独身でいることをあまり気にしなくなったというネット上の記事をみたことがあります。

このこと自体の是非は別にして、確かに血筋は大河の流れのようなものです。その大河においては、中途で誰が早死しようが、独身であったとしても、大河の流れは誰にもとめることはできないのです。この流れをとめる何かがあるとすれば、地球の崩壊以外にありません。

まさに、男系継承も、この大河の流れを活用すべきなのです。そうすれば、男系継承であっても皇統が絶えるということもなくなります。

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2019年4月2日火曜日

【新元号】安定的な皇位継承の確保を検討 男系継承を慎重に模索―【私の論評】なぜ皇位は男系によって継承されなければならないのか?


平成最後の一般参賀に臨まれる天皇、皇后両陛下と皇族方=1月2日、宮殿・長和殿

 新元号が「令和(れいわ)」と決まり、皇太子さまが5月1日に新天皇に即位されることで、政府は「そんなに時間を待たないで」(菅義偉(すがよしひで)官房長官)安定的な皇位継承を確保する検討に入る。これまで125代にわたり一度の例外もなく受け継がれてきた皇室の伝統にのっとり、父方の系統に天皇を持つ男系の男子による皇位継承維持を慎重に模索する。

 「(旧11宮家の皇籍離脱は)70年以上前の出来事で、皇籍を離脱された方々は民間人として生活を営んでいる。私自身が(連合国軍総司令部=GHQの)決定を覆していくことは全く考えていない」

 安倍晋三首相は、3月20日の参院財政金融委員会でこう述べた。これが首相が旧宮家の皇族復帰に否定的な見解を示したと報じられたが、首相は周囲に本意をこう漏らす。

 「それは違う。私が言ったのは『旧宮家全部の復帰はない』ということだ」

 また、首相が女性宮家創設に傾いたのではないかとの見方に関しても「意味がない」と否定している。

 そもそも皇室典範は「皇位は男系の男子が継承する」と定めており、女性宮家を創設しても皇位継承資格者は増えないからだ。典範改正で女性宮家の子孫も皇位継承資格を持つようにするというのなら、それは女系継承容認につながり、皇室の伝統の歴史的な大転換になる。

 首相官邸筋は「天皇陛下の周りも、女系天皇をつくろうという気は全くない」と明言し、政府高官もこう指摘する。

 「女性宮家は(女性皇族の)みなさんもそれは避けたいのではないか」

 現在、男系の男子である秋篠宮家の長男、悠仁さまが皇位継承順位3位だが、仮に女系天皇を認めた場合にはどうなるか。現在は継承権のない皇太子さまの長女、愛子さまとの間で「どちらにより正統性があるかが問われ、とんでもない事態になる」(別の政府高官)との懸念もある。

 一方、戦後にGHQの皇室弱体化の意向で皇籍離脱した旧宮家の復帰に関しては、現皇室との血の遠さを強調する意見がある。だが、皇位はこれまで直系ばかりで継承されてきたわけでは決してない。

 「旧皇族から適格者に何人か皇族に復帰してもらい、その方自身には皇位継承権は付与せず、その子供から継承権を持つというのはどうか」

 首相官邸内では、こんなアイデアもささやかれている。(阿比留瑠比)

【私の論評】なぜ皇位は男系によって継承されなければならないのか?

神宮式年遷宮

天皇の皇位がなぜ男系によって継承されてきたのでしょうか。これに答えるのは容易ではありません。そもそも、人々の経験と英知に基づいて成長してきたものは、その存在理由を言語で説明することはできません。

なぜなら、特定の理論に基づいて成立したのではないからです。天皇そのものが理屈で説明できないように、その血統の原理も理屈で説明することはできないのです。

しかし、理論よりも前に、存在する事実があります。男系継承の原理は古から変更されることなく、現在まで貫徹されてきました。これを重く捉えなくてはならないです。

例えば、神宮式年遷宮は、神宮(伊勢神宮)において行われる式年遷宮(定期的に行われる遷宮)です。神宮では、原則として20年ごとに、内宮(皇大神宮)・外宮(豊受大神宮)の二つの正宮の正殿、14の別宮の全ての社殿を造り替えて神座を遷します。

このとき、宝殿外幣殿、鳥居、御垣、御饌殿など計65棟の殿舎のほか、装束・神宝、宇治橋[なども造り替えられます。

記録によれば神宮式年遷宮は、飛鳥時代の天武天皇が定め、持統天皇の治世の690年(持統天皇4年)に第1回が行われました。その後、戦国時代の120年以上に及ぶ中断や幾度かの延期などはあったものの、2013年(平成25年)の第62回式年遷宮まで、およそ1300年にわたって行われています。

このような儀式が、1300年にわたって継承されてきたことに大きな意味と意義があります。これほどの継承が繰り返されてきたことは日本以外に世界に類をみません。これも、継続することに意味があるのです。

同様に、天皇は男系により継承されてきた世界最古の血統であり、これを断絶させることはできないです。

もはや理由などどうでもよいのです。特定の目的のために作られたものよりも、深く、複雑な存在理由が秘められていると考えなくてはいけないのです。

男系継承は女性蔑視の制度ではない

男系継承は男女の性別の問題と勘違いされますが、そうではありません。いうなれば家の領域の問題であり、男女は関係ないのです。男系継承とは、「天皇家の方に天皇になってもらう」ことに尽き、それは天皇家以外の人が天皇になるのを拒否することに他ならないです。

民間であっても、息子の子に家を継がせるのが自然で、娘の子たる外孫に継がせるのは不自然です。愛子内親王殿下の即位までは歴史が許しますが、たとえば鈴木さんとご結婚あそばしたなら、その子は鈴木君であって、天皇家に属する人ではありません。

もし鈴木君が即位すれば、父系を辿っても歴代天皇に行きつくことのない、原理の異なる天皇が成立することになります。

民間ならば、継承者不在でも、外孫を養子にとって家を継がせることもあるでしょう。しかし、天皇はそれをやってはいけないのです。継承者がいなくなる度に養子を取るようなことがあれば、伝統的な血統の原理に基づかない、天皇が成立することになり、それは既に天皇ではないのです。

また、男系継承は女性蔑視の制度だという人がいます。これも大きな間違いです。歴史的に天皇は民間から幾多の嫁を迎えてきました。近代以降でも明治天皇・大正天皇・今上天皇の后はいずれも民間出身であらせられます。

ところが、皇室が民間の男性を皇族にしたことは、かつて只の一度の例もありません。男系継承とは、女性を締め出す制度ではなく、むしろ男性を締め出す制度なのです。民間の女性は皇族との結婚で皇族となる可能性がありますが、民間の男性が皇族になる可能性はありません。

皇室の歴史は、『古事記』『日本書紀』の神話にさかのぼります。初代天皇神武天皇の伝説にさかのぼれば、皇室は公称二千六百年の歴史を誇ります。なぜそれほど皇室は続いてきたのか。神話や伝説の時代から変わらぬ伝統を保持してきたからです。

だから皇室では、先例が吉、新儀は不吉なのです。なぜ? と言われても、そういう世界だからとしか言いようがありません。

そのもっとも重要な伝統は、歴代天皇はすべて父親をたどれば天皇に行きつきます。父親が天皇でなければ、その父親、さらに父親とたどりつけば必ず歴代天皇の誰かにたどりつく。これを男系と言いますが、歴代天皇はすべて男系です。天皇になる資格がある人を皇族と言いますが、二千六百年間、皇族全員が男系です。

女性の皇族も、全員が男系です。つまり父親が天皇・皇族です。しかし、民間人と結婚された女性皇族が、その子供を皇族にした例は一度もありません。


ところで、「愛子さまが天皇になれないのは可哀そう」という主張もあります。皇位の継承は、その星に生まれた者の責務なのであって、あたかも甘い汁を吸うかのような権利などでは毛頭ありません。

皇后陛下が失語症になられたこともありました。しかし、見事に克服あそばし、立派に皇后としてのお役割を全うされていらっしゃいますが、皇后だけでも大変なお役割であって、一人の女性が天皇と皇后の両方のお役割を担われるとしたら、それは無理というべきでしょう。

男系継承の原理は簡単に言語で説明できるものではありませんが、この原理を守ってきた日本が、世界で最も長く王朝を維持し現在に至ることは事実です。皇室はだてに二千年以上も続いてきたわけではないのです。

歴史的な皇室制度の完成度は高く、その原理を変更するには余程慎重になるべきです。今を生きる日本人は、先祖から国体を預かり、子孫に受け継ぐ義務があります。何でも好き勝手に変えてよいということはないのです。

以上のことを考慮すると、冒頭の記事にあるように、「旧皇族から適格者に何人か皇族に復帰してもらい、その方自身には皇位継承権は付与せず、その子供から継承権を持つというのはどうか」という考え方が最も理にかなった方法であると思います。

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