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2012年11月26日月曜日

「インフレで喜ぶのは資産家だけ」という野田首相は「日銀キッズ」でお勉強したら?―【私の論評】少なくとも穏やかなインフレは大多数の国民にとって、良いことであること、デフレは悪いことだけであることは認識しておくべき!!

「インフレで喜ぶのは資産家だけ」という野田首相は「日銀キッズ」でお勉強したら?「金融政策」が総選挙の争点になったのは、国民にとって福音だ!:

高橋洋一氏

2012年11月26日(月)

[ 高橋洋一「ニュースの深層」 ]
「インフレで喜ぶのは資産家だけ」という野田首相は「日銀キッズ」でお勉強したら?「金融政策」が総選挙の争点になったのは、国民にとって福音だ! 

[高橋 洋一]

今度の総選挙は、消費税、原発、TPPが争点といわれていたが、景気が大きな争点になりつつある。しかも、安倍晋三自民党総裁が仕掛けた金融政策が俎上に上がっている



【私の論評】少なくとも穏やかなインフレは大多数の国民にとって、良いことであること、デフレは悪いことだけであることは認識しておくべき!!

金融政策といえば、やはり高橋洋一氏の論評を掲載しないわけにはいきません。このブログでも、過去に何度も掲載したことがあります。本日は、現代ビジネスに上記のコラムが掲載されていたので、非常に理解しやすいと思うので掲載させていただきました。

このコラム結構長いので、私なり特に重要なところをピックアップさせていただき、説明など加えさせていただきます。

中央銀行の独立性に対する質問をする記者を指名する安倍総裁

まずは、第一に、中央銀行の独立性についての内容です。
 中央銀行の独立性とは、中央銀行が政府の子会社であるので、一定期間に達成すべき目標を政府は中央銀行に出すが、その後は中央銀行に任せるという意味だ。
 閣僚はまさしく親会社の責任者であるので、中央銀行の独立性は守らなければいけないが、野党の党首は部外者である。政府と中央銀行のパフォーマンスが悪い時に、部外者は親会社である政府にもの申すのが当たり前だ。
高橋洋一氏は、政府と中央銀行のパフォーマンスが悪いときに、「部外者(安部総裁を含む民主党でない他の政党の政治家など)が親会社である政府に物申すのは当たり前だ」と述べています。これは、本当に当たり前のことです。それをマスコミや、今の政府など、まるで日銀の独立性を神聖不可侵であるかのごとく盾にとって、批判すること自体が間違いであるかのような、論評をしたりします。これは、全くおかしくことで、民主的な国家においては、政府のどのような機関であろうと、日銀であろうと、全く批判も何でもきないなどということはあり得ません。そんな国は、独裁国家以外は、ありません。

また、中央銀行の独立性とは、中央銀行が独立して国家の金融政策を定めることができるということではなく、中央銀行は、あくまでも、政府が目指す金融政策に関して、それを専門家的な立場で実行するときに手段を専門家的な立場から選びことができることを示すものです。中央銀行が、国の金融政策をそのものを定めることができるということではありません。これが世界の常識です。しかし、なぜか日本では、政府をさしおいて、日銀が日本国の金融政策を決定しています。そうして、日銀がそうする日銀法という法的裏付けがあります。これは、平成10年に改悪され、今日に至っています。こんな馬鹿なことはやめようということで、安部総裁は、日銀法改正に言及しているのです。

まともな金融政策、財政政策について全く理解不能の野田首相
それに、第二に、重要なのは、インフレに対する野田総理の、認識間違いを正す内容です。
 それにしても、25日(日)の野田首相の言い方は酷かった。「インフレで喜ぶのは株を持ってる人、土地を持ってる人。一般庶民には関係無い」といったので、さすがに安倍総裁から「デフレでいいのか」、「円高でなければ、工場閉鎖しないですんだ」といった、雇用に関連した反論があった。
 一般の方もこの機会に金融政策を勉強したらいい。そのためのいい教材が日銀のサイトにある「にちぎん☆キッズ」だ。これは小学生高学年向けであるが、よくできている。
 そこには、「デフレのとき、日本銀行がお金を多めにする」と書かれている。その下に「金利が下がる」となって、最後に「景気が活発になり、物価が安定する」と書かれている。
 二番目の「金利が下がる」とあるが、これを名目金利ととらえて、ゼロ金利だからもう下がらないというのは、素人だ。これは「実質金利(=名目金利-インフレ予想)である。さすがに小学生には無理だが、大学生には教えられる。
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高橋洋一氏は、名目金利だけでものを考えるべきではないことを語っています。

金利には「名目金利」と「実質金利」があります。普段私達が言っている金利とは名目金利、つまり目に見える金利です。対して、実質金利とは、インフレ率を考慮した金利になります。インフレ(インフレーション)とは通貨価値の値下がりです。デフレ(デフレーション)は逆に通貨価値の値上がりになります。

例えば1%インフレになるということは、今年100円で買えた物が来年は101円でないと買えないわけです。逆に1%のデフレならば、今年100円で買えた物が来年は99円で買えるということになります。

この話を金利につなげると

今年100円を年利1%で預けたとします。このとき、1%インフレなら、実質金利は0%。逆に1%デフレなら、実質金利は2%になります。

つまり、

円の金利は0%(1%のデフレ)=実質金利は1%程度

ドルの金利は2.5%(1%以上のインフレ)=実質金利は1%程度

となることから、そこまで大きな金利差はないという事になります。(実際、米国のインフレ率は昨年一年を見ても、1%を割った事はありません)

ただし、今後も緩やかなペースでの利上げが考えられていますので、今後は実質金利差も大きくなる可能性はあります。

それと、第三に、ここでは引用まではしませんが、雇用と金融政策には、明らかに相関関係がある場合が多いということです。金融政策により、本当に2から3%のインフレになれば、他には何もせずとも、日本でも、なったとたんに一夜にして、数百万人の新雇用が生まれるわけです。それに、長期でみると、日本のような極端なデフレを経験せず、緩やかなインフレを持続していた他の先進国では、20年前と比較すると、賃金んが、2倍になっています。そうして、インフレ分を差し引いても1.5倍になっています。

デフレでなければ、これが普通です。今の日本では、40歳以下の人は、デフレが当たり前になっていて、インフレ時の日本のことなど全く知らないため、そもそも、このようなことを信じられないと思います。そうして、そのその背景もわからなくなっているのだと思います。なぜなら、緩やかなインフレであれば、ある勤労者がまったく当たり前の普通に働いているように見えても、1年間では、少なくとも2%生産性が増すのが当たり前で、それすらできないような勤労者を探すのは、困難です。その2%といっても、すべてが勤労者の努力だけで、あげるものばかりとは限りません。たとえば、それまで、人手で行っていたのを機械化したり、コンピュータ化するとか、あるいは、会社側が、コミュニケーションコストを削減するような努力をするとか、そういうものも含んでのことです。場合によっては、勤労者が何もしなくても、2%くらいの生産性の向上が期待できるかもしれません。

今の40歳台以下の人にとって、インフの実体験は実質上ない。ほとんど記憶にも残っていない。

であれば、デフレでさえなければ、賃金も年間では、さほどでなくても、塵も積もれば山となるということで、まったく同じ職場で、同じ職位で働いていても、10年たてば、多少、20年たてば、目に見えて実質賃金があがるのは、当たり前のことです。それに、昇進した場合には、もっと賃金が上がるのが普通です。何も、日本人だけが、特段怠け者であるとか、馬鹿であるとか、能力がないとか、経営者が馬鹿で創造性に欠けるとか、外国の仕組みが優れているのに、日本だけが劣っているなどの理由で、賃金があがらないということではないのです。その主なな原因は、デフレによるものです。こんなことは、40歳以上の人であれば、実体験で知っているはずです。

これに関しては、以前このブログにもアメリカに長い間在住しておられる、在留邦人の方の、皮膚で感じた実体験など掲載したことがあります。以下にその記事のURLを掲載しておきます。

インフレのある暮らし - 15年ぶりの1ドル80円時代に思うこと―【私の論評】「インフレっていいものですよ!!」は、本当だ!!

本来は、上記のことなど、政治家であれば、常識となっていて欲しいものですが、現実は、少なくとも、野田総理自身には、常識ではないようです。そうして、多くの他の政治家もそうなのだと思います。しかし、私たち、特に40歳以上の人は、少なくとも金融緩和は多くの国民にとって、良いことであることだけは認識しておくべきです。また、穏やかなインフレは、大多数の国民にとって良いことであることを若年層に歴史的事実として伝えていくべきです。



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