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2012年11月26日月曜日

「インフレで喜ぶのは資産家だけ」という野田首相は「日銀キッズ」でお勉強したら?―【私の論評】少なくとも穏やかなインフレは大多数の国民にとって、良いことであること、デフレは悪いことだけであることは認識しておくべき!!

「インフレで喜ぶのは資産家だけ」という野田首相は「日銀キッズ」でお勉強したら?「金融政策」が総選挙の争点になったのは、国民にとって福音だ!:

高橋洋一氏

2012年11月26日(月)

[ 高橋洋一「ニュースの深層」 ]
「インフレで喜ぶのは資産家だけ」という野田首相は「日銀キッズ」でお勉強したら?「金融政策」が総選挙の争点になったのは、国民にとって福音だ! 

[高橋 洋一]

今度の総選挙は、消費税、原発、TPPが争点といわれていたが、景気が大きな争点になりつつある。しかも、安倍晋三自民党総裁が仕掛けた金融政策が俎上に上がっている



【私の論評】少なくとも穏やかなインフレは大多数の国民にとって、良いことであること、デフレは悪いことだけであることは認識しておくべき!!

金融政策といえば、やはり高橋洋一氏の論評を掲載しないわけにはいきません。このブログでも、過去に何度も掲載したことがあります。本日は、現代ビジネスに上記のコラムが掲載されていたので、非常に理解しやすいと思うので掲載させていただきました。

このコラム結構長いので、私なり特に重要なところをピックアップさせていただき、説明など加えさせていただきます。

中央銀行の独立性に対する質問をする記者を指名する安倍総裁

まずは、第一に、中央銀行の独立性についての内容です。
 中央銀行の独立性とは、中央銀行が政府の子会社であるので、一定期間に達成すべき目標を政府は中央銀行に出すが、その後は中央銀行に任せるという意味だ。
 閣僚はまさしく親会社の責任者であるので、中央銀行の独立性は守らなければいけないが、野党の党首は部外者である。政府と中央銀行のパフォーマンスが悪い時に、部外者は親会社である政府にもの申すのが当たり前だ。
高橋洋一氏は、政府と中央銀行のパフォーマンスが悪いときに、「部外者(安部総裁を含む民主党でない他の政党の政治家など)が親会社である政府に物申すのは当たり前だ」と述べています。これは、本当に当たり前のことです。それをマスコミや、今の政府など、まるで日銀の独立性を神聖不可侵であるかのごとく盾にとって、批判すること自体が間違いであるかのような、論評をしたりします。これは、全くおかしくことで、民主的な国家においては、政府のどのような機関であろうと、日銀であろうと、全く批判も何でもきないなどということはあり得ません。そんな国は、独裁国家以外は、ありません。

また、中央銀行の独立性とは、中央銀行が独立して国家の金融政策を定めることができるということではなく、中央銀行は、あくまでも、政府が目指す金融政策に関して、それを専門家的な立場で実行するときに手段を専門家的な立場から選びことができることを示すものです。中央銀行が、国の金融政策をそのものを定めることができるということではありません。これが世界の常識です。しかし、なぜか日本では、政府をさしおいて、日銀が日本国の金融政策を決定しています。そうして、日銀がそうする日銀法という法的裏付けがあります。これは、平成10年に改悪され、今日に至っています。こんな馬鹿なことはやめようということで、安部総裁は、日銀法改正に言及しているのです。

まともな金融政策、財政政策について全く理解不能の野田首相
それに、第二に、重要なのは、インフレに対する野田総理の、認識間違いを正す内容です。
 それにしても、25日(日)の野田首相の言い方は酷かった。「インフレで喜ぶのは株を持ってる人、土地を持ってる人。一般庶民には関係無い」といったので、さすがに安倍総裁から「デフレでいいのか」、「円高でなければ、工場閉鎖しないですんだ」といった、雇用に関連した反論があった。
 一般の方もこの機会に金融政策を勉強したらいい。そのためのいい教材が日銀のサイトにある「にちぎん☆キッズ」だ。これは小学生高学年向けであるが、よくできている。
 そこには、「デフレのとき、日本銀行がお金を多めにする」と書かれている。その下に「金利が下がる」となって、最後に「景気が活発になり、物価が安定する」と書かれている。
 二番目の「金利が下がる」とあるが、これを名目金利ととらえて、ゼロ金利だからもう下がらないというのは、素人だ。これは「実質金利(=名目金利-インフレ予想)である。さすがに小学生には無理だが、大学生には教えられる。
クリックすると拡大します
高橋洋一氏は、名目金利だけでものを考えるべきではないことを語っています。

金利には「名目金利」と「実質金利」があります。普段私達が言っている金利とは名目金利、つまり目に見える金利です。対して、実質金利とは、インフレ率を考慮した金利になります。インフレ(インフレーション)とは通貨価値の値下がりです。デフレ(デフレーション)は逆に通貨価値の値上がりになります。

例えば1%インフレになるということは、今年100円で買えた物が来年は101円でないと買えないわけです。逆に1%のデフレならば、今年100円で買えた物が来年は99円で買えるということになります。

この話を金利につなげると

今年100円を年利1%で預けたとします。このとき、1%インフレなら、実質金利は0%。逆に1%デフレなら、実質金利は2%になります。

つまり、

円の金利は0%(1%のデフレ)=実質金利は1%程度

ドルの金利は2.5%(1%以上のインフレ)=実質金利は1%程度

となることから、そこまで大きな金利差はないという事になります。(実際、米国のインフレ率は昨年一年を見ても、1%を割った事はありません)

ただし、今後も緩やかなペースでの利上げが考えられていますので、今後は実質金利差も大きくなる可能性はあります。

それと、第三に、ここでは引用まではしませんが、雇用と金融政策には、明らかに相関関係がある場合が多いということです。金融政策により、本当に2から3%のインフレになれば、他には何もせずとも、日本でも、なったとたんに一夜にして、数百万人の新雇用が生まれるわけです。それに、長期でみると、日本のような極端なデフレを経験せず、緩やかなインフレを持続していた他の先進国では、20年前と比較すると、賃金んが、2倍になっています。そうして、インフレ分を差し引いても1.5倍になっています。

デフレでなければ、これが普通です。今の日本では、40歳以下の人は、デフレが当たり前になっていて、インフレ時の日本のことなど全く知らないため、そもそも、このようなことを信じられないと思います。そうして、そのその背景もわからなくなっているのだと思います。なぜなら、緩やかなインフレであれば、ある勤労者がまったく当たり前の普通に働いているように見えても、1年間では、少なくとも2%生産性が増すのが当たり前で、それすらできないような勤労者を探すのは、困難です。その2%といっても、すべてが勤労者の努力だけで、あげるものばかりとは限りません。たとえば、それまで、人手で行っていたのを機械化したり、コンピュータ化するとか、あるいは、会社側が、コミュニケーションコストを削減するような努力をするとか、そういうものも含んでのことです。場合によっては、勤労者が何もしなくても、2%くらいの生産性の向上が期待できるかもしれません。

今の40歳台以下の人にとって、インフの実体験は実質上ない。ほとんど記憶にも残っていない。

であれば、デフレでさえなければ、賃金も年間では、さほどでなくても、塵も積もれば山となるということで、まったく同じ職場で、同じ職位で働いていても、10年たてば、多少、20年たてば、目に見えて実質賃金があがるのは、当たり前のことです。それに、昇進した場合には、もっと賃金が上がるのが普通です。何も、日本人だけが、特段怠け者であるとか、馬鹿であるとか、能力がないとか、経営者が馬鹿で創造性に欠けるとか、外国の仕組みが優れているのに、日本だけが劣っているなどの理由で、賃金があがらないということではないのです。その主なな原因は、デフレによるものです。こんなことは、40歳以上の人であれば、実体験で知っているはずです。

これに関しては、以前このブログにもアメリカに長い間在住しておられる、在留邦人の方の、皮膚で感じた実体験など掲載したことがあります。以下にその記事のURLを掲載しておきます。

インフレのある暮らし - 15年ぶりの1ドル80円時代に思うこと―【私の論評】「インフレっていいものですよ!!」は、本当だ!!

本来は、上記のことなど、政治家であれば、常識となっていて欲しいものですが、現実は、少なくとも、野田総理自身には、常識ではないようです。そうして、多くの他の政治家もそうなのだと思います。しかし、私たち、特に40歳以上の人は、少なくとも金融緩和は多くの国民にとって、良いことであることだけは認識しておくべきです。また、穏やかなインフレは、大多数の国民にとって良いことであることを若年層に歴史的事実として伝えていくべきです。



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2012年11月16日金曜日

野田首相には年内解散以外の選択肢はなかった! 旗を失った民主は「流れ解散」に向かい、安倍自民は第3極と手を握るとみた!―【私の論評】政局はさておき、デフレ克服を第一義とするにはそれなりの背景がある!!

野田首相には年内解散以外の選択肢はなかった! 旗を失った民主は「流れ解散」に向かい、安倍自民は第3極と手を握るとみた!:

党首討論で、野田首相は解散を口にした。これは、史上初の異例の出来事である。
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[ 長谷川幸洋「ニュースの深層」 ]
野田首相には年内解散以外の選択肢はなかった! 旗を失った民主は「流れ解散」に向かい、安倍自民は第3極と手を握るとみた! 

[長谷川 幸洋]

野田佳彦首相が11月16日の衆院解散を表明した。政府・民主党の三役会議では、12月16日の投開票も決まった。10月26日付コラムで都知事選とのダブル選になる可能性を指摘してから、私は『週刊ポスト』の連載コラムを含めて、一貫して年内解散の見通しを示してきた。それは的中した。

【私の論評】政局はさておき、デフレ克服を第一義とするにはそれなりの背景がある!!

さて、先日は党首会談で、野田総理が年内解散を確約しました。そうして、本日その通り解散が宣言しました。そうして、ここまでの政局の動き、私自身は予想もしていませんでしたし、そんな予想をするつもりもありませんでした。そもそも、政局そのものにはあまり興味がありません。

衆院が解散され、本会議場を後にする前議員
だから、ここまでの政局、今後の政局など、上の記事をご覧いただきたいと思います。他の政局関連の記事も読んだことがありますが、やはり、上記を書いている、長谷川幸洋氏のものが最も、信頼できそうです。こういう記事、やはり、実際にその時々で、政局の流れを正しく予測している人のものが一番です。

三木武雄氏
そうして、世の中には、「政局」ぱかり追いかける政治家は嫌いだとおっしゃる方も多いようですが、そうはいっても、政局に敏感であり、鼻が効くような政治家でなければ、大事はなせません。まして、政局に疎い政治家など問題外です。石原氏は、若い頃、政治家としては、史上最悪といわれる、三木武夫氏が総理だった頃、親衛隊長を務めていました。しかし、三木氏は、政局を嗅ぎ取る力はかなり優れており、その当時の田中角栄氏などを含めた政治家たちをかなり翻弄しました。こうした、政局の臭覚に関しては石原氏にも、受け継がれていると思います。

若い頃の石原慎太郎氏

こんなことを考えると、上で長谷川氏が述べているように、石原さんが第3局をまとめて、その第3局が、安部自民党と手を組むというシナリオは、十分に考えられるものと思います。そうして、これが、選挙後の民主党の勢力を極限まで、弱めるし、いわゆる戦後革新派、戦後保守派(両派とも、戦後体制を温存する守旧派という意味)を弱体化する上で最も効果がありそうです。

さて、政局の話はさておいて、この記事では、私自身が次の政治家に望むこと、またなぜそう望むかについて、以前にもこのブログに掲載したのですが、本日解散となったこともあり、選挙が現実のものになったので、ここに再度まとめて掲載しておきます。


そうして、ここで、私が「次の政治」ではなく、「次の政治家」と記載したことには、拘りがあります。次の政治に望むことということになれば、自己の政治の理想ということなります。であれば、安部総裁が、総理だったときにあげていた「戦後レジーム(体制、制度)からの脱却」という、いわゆる自民党の党是と同じことになります。そうして、その中には、当然憲法改正も含まれます。私自身は、最近憲法改正をしたばかりの、過去から通算すると、60回近くも改正を続け、終戦直後の憲法とは<、かけ離れたものになっている、ドイツのようになってほしいという望みがあります。そうして、はやく戦後を終わらせることです。今のままの日本であれば、いつまでたっても戦後は終わらず、100年内経っても、1000年経っても戦後のままです。もはや、戦前・戦中生まれよりも、戦後生まれのほうが、はるかに多くなって久しい現状で、そんな馬鹿な話はありません。

これが、私が政治に望むことです。しかし、考えてみて下さい、過去においては、様々な壁があったため、結局これを表看板に上げた、自民党も結局実現できず、そうして安部総理も、体調のこともあったとはいえ、退陣に追い込まれています。それだけ、障壁は高かったということです。そうして、この障壁を高くしているのは、たとえば、自民党の中の、あくまでも戦後体制を保持しようとする、戦後保守派、日本弱体化を旨とする、民主党の勢力、マスコミ勢力、それに、親米、親露、親中国、親北朝鮮、親韓国派などの圧力や破壊工作などです。ありとあらゆる、勢力が、結集したからこそ、この壁はかくも高く・堅牢なものになってしまったのです。

であれば、最終的には、これを目標とするにしても、そこに行くまでの一里塚(マイルストーン)をいくつか、設置して最終目的を達成するということが必要になってきます。一里塚をいくつにするのか、各々の一里塚をどの程度の期間で、突破するのかは、様々な考えがあるとは思いますが、一里塚を設置すべきというこの主張には、賛同される方も多いでしょう。なぜなら、民間企業でも、何か巨大なプロジェクトを実施するには、こうした一里塚を設置することが常識だからです。これを実施しなければ、プロジェクトメンバーが混乱して、一歩も前に進むことができなくなるからです。いままでの政治的混乱は、まさにこのようなことを実施しなかことに原因があります。

古代ローマの一里塚(マイルストーン
だからこそ、次の政治家には、しっかりと、一里塚を定めていただきたいのです。そうして、最初の一里塚は、何にすべきでしょう?それは、国民生活に多いに関わることであり、それを変えれば、日本国民の安寧に大きく寄与するものであることが、望ましいです。しかし、ただそれだけでは、マイルストーンにはふさわしくありません。やはり、「戦後レジューム」から脱却に最終的に直接結びつくものでなければなりません。そんな、都合の良いマイルストーンはあるのでしょうか?

それは、あります!!それは、「デフレからの脱却」です。ご存知のように、日本国は、デフレ基調になってからは、20年、統計上ではっきりと、デフレになってからは、14年目に突入しました。最近では、あのデフレの中でも、元気だった日本マクドナルドでさえ、業績を落していることを、昨日のブログに掲載したばかりです。あのシャープや、ソニーや、エルビーダも業績を落としています。特に既存産業や、地方などかなり疲弊しています。これらは、すでに、自助努力だけでは、どうにもならない水準に達しています。

説明を追加
このデフレから脱却すれば、雇用も安定し、円高も収束し、国民生活の安寧に大きく寄与します。そうして、企業活動もかなり活発になります。それに、このデフレを脱却する過程において、日本の官僚組織の最大・最強である、財務省や、日銀官僚の厚い壁を打ち破ることになります。そうして、これらを支援するマスコミや、その他の勢力を交えた、高い障壁に対してかなり大きな亀裂を生じさせることができます。まさに、デフレ脱却は、これに大きな楔を打ち込むことになるのです。そうすることにより、「戦後レジュームから脱却」にかなり近づくことができます。そうすることによって、国民、企業経営者も含めた、「戦後レジュームからの脱却」への世論形成もかなりしやすくなります。国民生活の安寧に寄与しないところで、たとえば、官僚支配からの脱却ができたとしても、世論は形成できません。

だからこそ、「デフレ脱却」を今後の日本の抜本的政治改革の最初の一里塚にするのです。最初の一里塚としては、これほど相応しいものはないと思います。そうして、最初の一里塚を突破したあかつきには、最終目的に向かって、大きな狼煙をあげれば良いのです。安部総裁が、こうした文脈で、これを最初の一里塚にすることを改めて宣言し(実質上宣言をしているのですが、大方のマスコミは、これをほとんど報道しません)、さらに、第3局を説得することができれば、上の記事でも掲載されているように、安部自民党と、第3局とが、提携するということも十分可能だと思います。そうして、安部総裁は、その方向に向かって着々と歩を進めています。私は、そうなって欲しいと思います。
日本はデフレのため、過去20年にもわたってGDPが横ばいだ
そうして、安部総裁がインフレ目処3%、日銀法の改正などを表明した直後に、野田さんの昨日の解散宣言があって以来、為替市場も、円安に動いています。このような状況の変化がなければ、年末には、日銀の最低の金融政策により、過去最高の円高を更新していたかもしせません。市場は、すでに、上の方向に動きつつあることを察知しているのです。

さて、私のこの考え、皆さんはどうお考えになりますか?


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2012年9月15日土曜日

野田首相は秋の臨時国会で衆院解散・総選挙に追い込まれ、近いうちに「石破・安倍連立内閣」が誕生する!?―【私の論評】いずれにせよ、増税して金融政策をなおざりにする政権は短期で終わる!!

野田首相は秋の臨時国会で衆院解散・総選挙に追い込まれ、近いうちに「石破・安倍連立内閣」が誕生する!?:


2012年09月15日(土)

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[ 歳川隆雄「ニュースの深層」 ]野田首相は秋の臨時国会で衆院解散・総選挙に追い込まれ、近いうちに「石破・安倍連立内閣」が誕生する!? 

[歳川 隆雄]

9月14日に告示された自民党総裁選は、石破茂前政調会長、町村信孝元官房長官、石原伸晃幹事長、安倍晋三元首相、林芳正政調会長代理の5候補者よる本格論戦がスタートした。世上では、"石(原)・石(破)戦争"という評価が定着しているかに見える。


・・・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・・・・

現実的に言えば、これから本格化する総裁選の候補者討論で石原氏は恐らく守勢に回らざるを得ないだろう。一本化調整失敗による谷垣禎一総裁の出馬断念の過程、小中野党が提出した首相問責決議案同調の経緯などについて、執行部ナンバー2である幹事長の責任を他候補から鋭く突かれるのは間違いない。

こうしたことからも、石破・安倍連合の新執行部が誕生する可能性が高い。それは途端に、近いうちに「石破・安倍連立内閣」が誕生することを意味する。野田佳彦首相は、来る秋の臨時国会で石破・安倍自民党の攻勢に晒され、内閣不信任案を突きつけられ、衆院解散・総選挙に追い込まれることも十分あり得る。

【私の論評】いずれにせよ、増税して金融政策をなおざりにする政権は短期で終わる!!

いずれ、政権交代は確実に行われそうです。しかし、次の政権も、理由が何であろうといままで通り、緊縮財政、金融引き締めをやり続けるようであれば、どんなにお題目が素晴らしくても、どんなに人気者が、政権につき、総理になろうとも、素晴らしいことを手がけようとも、短命政権で終わると思います。

これから、政権を担う政党や、政治家はこれを肝に命じるべきです。特に、一国の金融政策の重要性を理解した政党や、政治家など、政権につけば、長期政権を担うことができるかもしれません。また、有権者も、最低限増税は当面せずに、積極財政、金融緩和を行いデフレを克服する旨を公約に掲げない候補者や政党には、票を投じるべきではありません。

肝心要のこと、当たり前のど真ん中かのところに目が行かない、できないような愚かな政治家や、政党に他のことも満足にできるはずはありません。

さて、政局にも動きがでてきたようです、上の記事で主張されているようなことは、本当に実現する可能性が高いと思います。

政治といえば、憲法改正や、安全保障の問題、成長戦略、社会福祉など、日本国内には、問題が山積しています。これらの問題は、非常に重要です。しかし、これらの問題を片付ける前に、するべきことがあります。そうして、これをしなければ、結局他のことをしようとしても、足元をすくわれるだけです。何をやってもぐら叩きになってしまいます。何かを良くすれば、何かが悪くなり、悪くなったことを良くすれば、他のことが悪くなりと、延々と無限ループが続くだけになります。

それは、何かといえば、このブログでも何回も掲載してきたように、デフレからの脱却です。この課題を解決できない政府が、いくら格好のいい公約を掲げたにしても、結局何もできないと思います。


私は、極端なことをいえば、次の政権は、デフレ脱却だけ確実にするだけでも良いくらいだと思っています。今の政治家、結局口でいろいろ「あーでもない」「こーでもんない」といいつつ、結局デフレ脱却にまともに取り組んでいる政治家など、ほんの少数派ですし、その少数派も全く心もとないです。

野田総理と、谷垣総裁は、勝栄二郎財務次官の言うなりで、完璧にマインドコントロールされて、日本は財政破綻するから、増税はまったなしという話を信じこみ、増税路線にひた走りました。そうして、三党合意で、増税法案は、とおりました。しかし、勝財務次官は、今月11日に退任し、後任には、真砂靖主計局長となりました。

勝氏は、今年いっぱいは、財務次官にとどまるつもりでいたようですが、結局退任です。これには、大蔵省OBの圧力がかかったといわれています。要するに大蔵省元老たちが、勝氏に引導をわたしたということです。そりゃそうです。日本が財政破綻するなど、今や世界の金融市場は誰も信用していません。あの、アメリカのゴールドマン・サックスですら、日本が財政破綻するなどというヨタ話はしなくなりました。はなばなしく言いたてても誰れものってこなくなったからだと思います。


そりゃそうです。日本が財政破綻などしないということは、子どもにもわかることです。普通のビジネスマンを日本国にたとえるとすれば、ビジネスマンの着ているスーツの、内ポケットが政府のお金だとします、ここにお金がたくさん入っているとします。その大きな部分が借金だったとします。そうして、借用書も入っているとします。


しかし、背広には胸ポケットの他のポケット、これは、たとえば、家計のポケット、民間企業のポケット、金融機関のポケット、その他のポケットがあります。これらのなかにも、お金と他のポケットからの借用書が入っているいたとします。これら全部あわせたポケットのお金から、借用書の金額を差し引きしたトータルでプラスだったとします。

その場合、このサラリーマンは、借金をしているといえるのでしょうか?いえませんね。ただし、借用書が、自分の他のポケットからの借金だけではなく、他のビジネスマンから借金もあれば、話は違ってきます。そうして、この他のビジネスマンからの借金が、かさんでドウしようもない状況になったのが、ギリシャです。しかし、このビジネスマン、他のビジネスマンからお金を借りているどころか、ビジネスマンの中では、もっとも大きな金額を他のビジネスマンに貸しているとすれば、どうなるでしょう。


これは、借金をしているどころか、大金持ちということになりますね。これが、今の日本の現実(対外純金融資産過去20年世界一)です。では、どうして、政府のポケットに他のポケットからの借金の借用書の金額がべらぼうなのに、何とかしないのかという、疑問がわいてくると思います。そうです、そんな場合は、他のポケットから、政府のポケットにもっとお金をいれれば良いということになります。それが、税金であり、要するに税収が増えれば良いということです。

しかし、それをなかなかしないのが今までのの日本の政府であり、日銀ということです。要するにデフレです。デフレ下では、税率を高めたとしても、もともと、各ポケットのお金の出し入れが少ない状況ですから、政府に入ってくるお金も少なくなります。要するに、減収です。積極財政政策や、金融緩和策をすれば、政府のポケットにも、お金が入るというか、いろいろなポケットのなかから、お金の出し入れが頻繁になります。そうなると、税収が増えます。

iPhoneも入れられるポケットのついたブラ。でも、iPhoe5はサイズが大きくなったので入らないかも?
このような日本国全体の状態は無視して、勝次官は、政府のボケットの中の借用書に書かれてある、膨大な借金の数字だけ取り出して、谷垣総裁や、野田総理を「大変だ!!財源が枯渇する!!」と幻惑していたのだと思います。そうして、彼らはすっかりその気になって、増税路線にひた走りました。こんな子供にでもわかるような理屈を無視して、谷垣・野田増税ツインを増税路線に走らせた勝次官に、大蔵元老院から、鉄槌が下されたのも無理はないと思います。

それに、各ポケットの金の出し入れを促進すること(金融緩和策)に専念すべきであった、日銀に関しては、識者では指摘する人も多いのですが、政治家などでこれを指摘する人も少なく、日銀が責められることはあまりありませんでした。これは、本当に不思議なことです。とにかく、日銀が金融緩和策をしない限りは、各ポケットからのお金の出し入れが頻繁に行われることなく、このままデフレは続きます。政府が、大幅な財政支出をしたとしても、いっとき政府のポケットからお金がでて、他のポケットに入り込みはしますが、そこから、頻繁に出し入れされるということはなくなってしまいます。

日銀は、このようなことをずっと繰り返してきました。過去を振り返ってみると、過去20年におよび、政府は、小渕さんと、麻生さん以外は、緊縮財政のやりっぱなしでした。民主党もその轍を踏みました。日銀は、小泉さんの時はいっとき金融緩和をしました。だからこそ、このブログにも、掲載したように、2000年過ぎあたりに、堀江のライブドア問題や、村上ファンド問題なども浮上しました。しかし、日銀は、すぐに金融緩和をやめてしまったため、結局デフレからの脱却はできませんでした。2008年くらいまで、金融緩和を続けていれば、日本は、デフレから脱却できたと思います。このようなことを繰り返す日銀には、いずれ、大鉄槌を下す必要があります。


野田、谷垣増税ツインは、デフレから脱却できないというのに、はやばやと、増税法案を通してしまいました。増税は、デフレを加速して、先の例でいえば、各ポケットからお金の出し入れをさらに少なくして、税収うを減らすだけです。これは、橋本内閣のときに、増税して、増税以前の税収を上回ったことがないことで十分証明されています。さらに、英国では、財政赤字を減らすという触れ込みで、2010年に日本の消費税にあたる、付加価値税を大幅に上げて、景気が低迷し、いまだ、増収の見込みがなく、財政赤字を減らす目処がたっていないことからも十分証明されています。

このような過去をみていると、次の政権も、理由が何であろうといままで通り、緊縮財政、金融引き締めをやり続けるようであれば、どんなにお題目が素晴らしくても、どんなに人気者が、政権につき、総理になろうとも、素晴らしいことを手がけようとも、短命政権で終わると思います。

まず、国民のことを考えれば、少なくとも、当面増税はしないこと、緊縮財政はやめ、日銀の金融引き締めをやめさせデフレ対策を実行することを公約として、それを本当に実行する政府でない限り、結局財源不足で実効的なことは何もできず、国民の閉塞感がつのり短命政権で終わることは必定です。いくら偉そうな御託を並べても、先立つものがなければ、軍事も福祉も、雇用も、結局何もできません。今は、本当に増税・デフレなどやめて、税収を増やす(名目GDPを増やす)必要があります。税収を増やすには、税率をあげるのではなく、デフレを一刻も終焉させ、景気を浮揚する必要があるのです。税率は、景気が浮揚してはじめて、増収が可能になります。

これから、政権を担う政党や、政治家はこれを肝に命じるべきです。特に、一国の金融政策の重要性を理解した政党や、政治家など、政権につけば、長期政権を担うことができるかもしれません。また、有権者も、最低限これらの公約が網羅されてない、候補者や政党には、票を投じるべきではありません。肝心要のこと、当たり前のど真ん中かのところに目が行かない、できないような愚かな政治家や、政党に他のことも満足にできるはずはありません。現在の日本の最優先順位はデフレ克服以外にありません。これが克服できれば、現在やるべきことが10くらいあったとすれば、全部とはいわずとも、5つから6つは、すぐにも解消できます。デフレを克服しなければ、何も解決できず、モグラ叩きになるだけです。




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