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2013年5月7日火曜日

「資産バブル終焉」に懸念 中国人民銀行、異例の警告―【私の論評】中国に失われた10年がやってくるか?くる前に国そのものがなくなるかも?

「資産バブル終焉」に懸念 中国人民銀行、異例の警告

中国人民銀行

 【上海=河崎真澄】中国の不動産市況が下降に向けた転換期に入り、銀行や市場に負の連鎖反応が起きることを懸念した異例の声明を、中国人民銀行(中央銀行)が3日までに公式ウェブサイトで公表した。「資産バブルの終焉(しゆうえん)」に対する警告と受け止められる。

 人民銀行は声明で「不動産投資の伸びは弱含んでおり、開発業者の資金繰りが悪化。取引が減速し、不動産価格は転換期にきている」との認識を示した。

 住宅価格の下落が続けば高騰を見込んで融資した多くの銀行に不良債権が膨らみ、経営破(は)綻(たん)に追い込まれる懸念がある。人民銀行では市場の住宅パニック売り誘発の連鎖反応も懸念。中国政府に効果的な予防措置を取るよう求めている。

 中国国家統計局がまとめた10月の国内70都市の住宅価格は、新築住宅の価格指数が前月比で下落した都市が34都市と、前月の27都市から急増した。今月中旬に発表される11月の数値はさらに悪化するとみられており、開発業者間の値下げ競争など、市場では売り急ぎの悪循環が起きていた。

 人民銀行は11月30日に週明け5日からの預金準備率引き下げを発表。金融緩和策への転換を表明しているが、不動産価格の抑制策を堅持する方針は変えていない。「資産バブル終焉」警告を出しておくことで、週明けに市場が再び住宅価格の高騰に転じないようクギを刺した可能性がある。

【私の論評】中国に失われた10年がやってくるか?くる前に国そのものがなくなるかも?


中国不動産バブルは終わった!

上の記事では、 中国人民銀行が預金準備率引き下げを発表。金融緩和策への転換を表明したものの、不動産価格の抑制策を堅持する方針は変えていないことも表明していることを伝えています。

しかし、中国では、不動産バブル崩壊が始まったという報道もあります。これについては、あの石平氏が記事を書いています。詳細は、その記事のURLを以下に掲載しますので詳細は、以下の記事をご覧になって下さい。

 不動産バブル崩壊が始まった

それにしても、なにやら苦しい言い訳のようにしか感じられません。中国ではすでに随分前からインフレが続いています。そのインフレを終息するためには、金融引締めをする以外にありません。しかし、それとは逆に緩和をしようというわけです。

何やら、少し前の日本とは全く逆の様子です。日本の場合は、何かと金融引締めばかりをやって失敗しました。 そもそも、一般物価の資産物価とは違います。物価の安定は、経済が安定的かつ持続的成長を遂げていく上で不可欠な基盤であり、中央銀行はこれを通じて「国民経済の健全な発展」に資するという役割を担 います。

中央銀行の金融政策の最も重要な目的は、「物価の安定」を図ることにあります。資産価格の金融政策運営上の位置付けを考えた場合、資産価格の安定 そのものは金融政策の最終目標とはなり得ないというのが、各国当局、学界のほぼ一致した見方です。日本では、金融政策の対象になる一般物価は資産価格を含まず、資産価格が上昇しても一般物価が落ち着いているときには、一般的に金融引き締めを行うべきではありませんでした。しかし、日銀がそれを行なってしまったがゆえに、デフレに突入しました。

さて、中国の場合は、一般物価も、株土地などの資産物価もインフレで、バブル状態でした。それで、引き締めを行ったのですが、今度は景気が落ち込んできたので、緩めようというわけです。しかし、再度資産バブルの懸念が払拭できないため、上記のような煮え切らない中国人民銀行の発言となっているわけです。それにしても、中国人民銀行が懸念を表明しただけで、資産バブルが再燃しないなどという事はあり得ません。本来は、金融引締めをしばらく行うべきだと思います。なのに、このようなことを発表せざるを得ないのにはそれなりの背景があります。

その背景については、以前のこのブログにも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。

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 詳細は、この記事をご覧いただくものとして、一部を以下にコピペさせていただきます。
  中国が円安の衝撃を和らげるためには人民元を切り下げるしかない。中国は通貨の自由変動相場制をとっている日米欧と違って、外為市場介入によって人民元相場の変動幅を小さくする管理変動相場制をとっている。

従って、人民元を当局の意のままに切り下げることもできるが、米国は中国が意図的に人民元をドルに対して安い水準になるよう操作していると批判している。切り下げると、米国から「為替操作国」だと認定され、制裁関税を適用されかねない。

中国自身も国内事情の制約を受けている。というのは、中国の党幹部とその一族や大手国有企業はこれまで国外でため込んだ巨額の外貨を、中国国内に投資して不動産や株で運用してきた。これらが「熱銭」と呼ばれる投機資金であり、その流入によって不動産バブルの崩落は食い止められ、株価も崩壊を免れている。

通貨当局はこれまで熱銭を国内にとどめるためもあって、人民元レートを小刻みに切り上げてきたが、一転して人民元切り下げ政策に転換すれば、1000億ドル単位の熱銭が国外に逃げ出す恐れがある。アベノミクスによる円安に対し、中国はどうにも動けない。
中国としては、元安にしたいのですが、上記のような理由でなかなかできません。元安と、金融引締めは一見関係ないようにみえますが、金融引締めをすれば、元高になるのですが、それをやっていると、「熱線」が国内から去ってしまうので、それもできず、今度は金融緩和をやろうとうわけです。 しかし、金融緩和をすれば、元安にはなりますが、資産物価があがります。そうして、緩和を続けていれば一般物価も上がってしまいます。これでは単なるイタチごっこであり、あれをやれば、これがまずくなる、これがまずくなっので、これをやれば、また別の何かが悪くなるということで、堂々巡りになってしまいます。中国の経済の舵取りは、格段に難しくなってきたと思います。

10年前くらいだと、景気が悪くなれば、金融緩和と財政出動を行い、すみやかに景気を良くし、景気が過熱すれば、今度は、金融引き締めと緊縮財政を行い景気の過熱を冷まし、行き過ぎて景気が落ち込めばまた、金融緩和と財政出動を行うというように、経済の教科書どおりにやっていれば、本格的に景気が落ち込むということはなく楽に経済運営することができました。

しかも、ここ20年は、日本が円高政策を続けたおかげて、固定相場制の中国はまるでぬるま湯に漬かったような状況で楽に経済を運営することができました。それに、他国からみれば、過度のインフレになって、人民が騒いだとしても、武力で弾圧すればそれですんできたというのが実態です。

しかし、現在では日本の円高政策は終焉し、上のような状況にたち至っているため、一筋縄ではいかない状況にあります。普通の国だと、もうとっくに破綻していたでしょうが、中国には他国にみられない熱銭とか、いざとなれば、武力による鎮圧などということもできたので、今まで何とか綱渡りをしてこれました。



それに比較すると、今の日本は、金融緩和をしても、他に何か悪いことがおこるかというと、中国のように深刻ではありません。今のところは、全く何の懸念もなく金融緩和ができます。一部の評論家は、金融緩和によるデメリットをあげるものもいますが、それも、中国に比較すれば微々たるものです。マクロ的には、何もないと言って良いと思います。

日本とは、違って今の中国は八方塞がりという状況です。しかし、これを解消する手段はあります。それは、中国が、民主化、政治と経済の分離、法治国家化を行うことです。いきなり、完璧に高次元でやろうとしなくても、少しづつ実施するだけでもかなり効果があります。これをすることによって、何がおこるかといえば、いわゆる経済的な中間層が増えるということになります。

中国・湖北で、富裕層男性向けのお見合いイベント

中間層が増えるということは、今までの中国のように一部の富裕層だけが、極端に儲かるということではなく、いわゆる数多くの中間層が、富裕層と比較すれば、小口ながらも、数多く総体では、一部の富裕層よりも、多く結果としていままでよりも活発に消費や投資を行うようになり、それが、経済発展の原動力となるということです。これは、中国以外の新興国では普通に見られることです。日本だってかつての高度成長のときには、中間層が増え、これらの活発な消費や投資によって、大発展しました。ヨーロッパだって、かなり時間をかけて中間層を増やしてきたからこそ、過去には発展できたのです。

しかし、中国共産党中央政府にはそのような考え方はないようです。これでは、本当の八方塞がりです。こんなことから、ここしばらく、中国の経済はどんどん悪い方に向かうことでしょう。

このように中国では、これから経済が悪くなる一方なので、現政権に対していちゃもんをつけやすくなるので、権力闘争が激化しそうです。そうしてそのような兆候はもうみられています。その記事のURLを以下に掲載します。

習主席“毛沢東回帰”に改革派反発 共産党内、保革抗争の激化も

中国のネットでは、以下の様な流行歌が流行っているということをあの大前研一氏が紹介しています。

大前研一氏
中国のネットで流行る歌 「日本殺すにゃ武器要らず」

 尖閣諸島問題で対日攻勢を強める中国。中国のネットで流行っているという「戯れ歌」を大前研一氏が紹介する。

******************************
 いま中国のネットでは「日本殺すにゃ武器要らず」という戯れ歌が流行っている。

1.すべての日本商品をボイコットする
2.レアアース(希土類)の日本向け輸出をストップする
3.有り余る中国マネーで円を買って極端な円高にする

 この3つで日本を滅ぼすという内容だ。今回は1、3を実行するまでもなく2だけで日本は大騒ぎになった。
 
 日本との関係を悪くしても、中国には何の不利もないということもわかった。今や日本は完全にナメられてしまったので、これから中国はますます強気になって要求がエスカレートするだろう。
 
※SAPIO2010年11月10日号
しかし、この流行歌は全く真実ではありません。中国人が、すべての日本商品をボイコットしたとしても、対中国輸出は、日本のGDPの4%前後に過ぎません。これは、他のアセアン諸国等に対する輸出で代替できる水準です。それに、日本がデフレから脱出したら、内需だけでこのくらいは十分に賄えるどころか、お釣りがくるほどです。

レアアースに関しては、代替素材が一部開発されていますし、それに、日本の近海に大量にある事が判明していますし、商社なども、中国以外の国からの輸入の道を開きつつあります。それに、現在デジタル小物(携帯電話、ミュージック・プレーヤーなど)の金やレアアースをはじめとする資源を回収する基盤が形成されつつあります。

、有り余る中国マネーで、円を買ったとしても、かつての白川日銀ならともかく、現黒田総裁は日本円が足りなくなれば、増刷をするに違いありません。そうなれば、中国がいくら日本円を買い占めたとしてもなんにもなりません。それどころか、貯めこんだ円を大放出すれば、さらに円安を助長することになります。

こんなことを考えると、本当に中国はもう八方塞がりです。 中国に対しては、黙って放置しておいてはも、こんなことから、現中国共産党政府は瓦解するか、自己変革をしなければなりません。まさに、現在の中国共産党中央政府はを倒すには武器いらずという状況です。こんな八方塞がりの状況では、現政権に対して責任を追求しやすくなり、権力闘争が激化することが懸念されます。そうして、その兆候はすでに見られています。その記事のURLを以下に掲載します。

習主席“毛沢東回帰”に改革派反発 共産党内、保革抗争の激化も

こんな状況では、ますます、経済も落ち込む一方ですし、権力闘争も激化して、弱る一方です。しかし、勘違いしてはいけません。弱ったらかといって、今までの理不尽な要求をやめるというわけではありません。負け犬の遠吠えのように、中国はますます強気であるようにみせかけて、要求がエスカレートすることでしょう。というより、以前から負け犬の遠吠えだったのですが、日本人が勘違いしていただけです。どんなに強気に見えても、本当は負け犬であったことは、あの中国の多数の裸官の存在でバレバレの真実です。勝ち組で、輝かしい将来があるというのなら、裸官など存在しないはずです。

中国富裕層が一番く欲しがるのは「愛人」だそうな?
負け犬は、いくら吠えたとしてもいずれ近いうちに敗退します。そうして、中国にも日本の失わた10年が始まると思います。しかし、10年も現体制は持たないかもしれません。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?

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