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2017年12月20日水曜日

【中国・連鎖地獄 大失敗の一帯一路】中国に露骨に依存し始めたスー・チー氏 欧米メディアは「平和の天使」から「悪魔の使い」に突き落し―【私の論評】スー・チー氏は悪い人ですか?

【中国・連鎖地獄 大失敗の一帯一路】中国に露骨に依存し始めたスー・チー氏 欧米メディアは「平和の天使」から「悪魔の使い」に突き落し


 ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャの居住区・西部ラカイン州は、中国・雲南省までのパイプラインの起点である。だからこそ、中国はアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相を擁護し、ロヒンギャを「テロリスト」と決め付け、国際社会から失笑を買っても平気である。

 ミャンマー軍の軍事作戦を受け、隣国バングラデシュに避難したロヒンギャ難民は70万人近くになった。スー・チー氏は、「民族浄化だ」と批判する国際世論の前でよろめき、欧米に背を向け、中国の政治力に露骨に依存し始めた。

 スー・チー氏は、無思慮にロヒンギャの肩を持つ欧米メディアは自己本位であり、解釈が一方的であり、事態の本質を理解していないと、信頼してきた欧米メディアの激変ぶりに当惑している。

 欧米、特に英国がスー・チー攻撃の最右翼となっている。

 英オックスフォード市議会は11月、スー・チー氏へ授与した称号「オックスフォードの自由」を永久剥奪することを決めた。米国下院のリベラル派も、最高勲章「ゴールド・メダル」の剥奪を要求した。「ノーベル平和賞を返上せよ」と叫ぶ活動家もいる。

ミャンマーの事実上の指導者であるアウン・サン・スー・チー国家顧問の母校、
英オックスフォード大学(University of Oxford )は9月30日、これまで
ホールに展示していたスー・チー氏の肖像画を撤去したことを明らかにした。

国際世論というより、欧米メディアから、スー・チー氏は「平和の天使」から「悪魔の使い」に突き落とされた。それもこれも、「ロヒンギャ難民に対し、ミャンマー政府が弱い者いじめ(弾圧)をしている」という、意図的な世論工作に負けているからである。

 誰がこの印象操作を行ったかといえば、これまでスー・チー氏を「救国のヒロイン」と持ち上げ、前向きな印象操作をしてきた欧米メディアなのだから「現代史のパラドックス」というところだろう。

 中国がしゃしゃり出てきた。ミャンマーに利権を持ち、一度キャンセルになった北辺の水力ダムや港湾施設など、多くのプロジェクトを予定している。中国は、このチャンスを生かすと外交得点も稼げる。

 ミャンマーには7つの主要な少数民族がいる。シャン、カチン、カレン、モン族などに加えて、ワ族がいる。それぞれが武装集団を持ち、国境地帯などに勝手に自治区を広げている。特に、麻薬の密造地帯「ゴールデン・トライアングル」を、麻薬王クンサーの地盤を受け継いで統治し、各地のマフィアと組んでいるため資金も潤沢である。

 ミャンマー政府の統治が及ばない。ほとんどが中国と国境を接している。特に、ミャンマー東部シャン州に盤踞(ばんきょ=根を張って動かないこと)するのがワ族だ。この軍事組織が「ワ州連合軍」(UWSA)で、中国の支援を受けているのだから、ミャンマー情勢はややこしい。

 ■宮崎正弘(みやざき・まさひろ) 評論家、ジャーナリスト。1946年、金沢市生まれ。早大中退。「日本学生新聞」編集長、貿易会社社長を経て、論壇へ。国際政治、経済の舞台裏を独自の情報で解析する評論やルポルタージュに定評があり、同時に中国ウオッチャーの第一人者として健筆を振るう。著書・共著に『韓国は日米に見捨てられ、北朝鮮と中国はジリ貧』(海竜社)、『連鎖地獄-日本を買い占め世界と衝突し自爆する中国』(ビジネス社)など多数。

【私の論評】スー・チー氏は悪い人ですか?

欧米メディアのアウンサンスーチーに対する評価の極端なブレはいただけないです。もっと冷静にみるべきです。日本のメディアも、欧米に追随することなく、独自の視点をもつべきです。そもそも、アウン・サン・スー・チー氏にはいくつか誤解があるようです。以下にそれを掲載します。

アウン・サン・スー・チーは頑固な理想主義者か?

彼女が頑固だという評価は1990年代からありました。いわく「軍政に反対するあまり、自国の経済発展をないがしろにし、軍政と協力してミャンマーの経済開発に協力する姿勢を見せず、徒(いたずら)に民主主義の理想論ばかりを説く」というような評価です。

軍政への彼女の一貫した抵抗姿勢が、逆にこのような受け止め方を一部で生じさせたのでしょう。しかし、アウンサンスーチーはひとつのイデオロギーにこだわるような頑固者ではありません

彼女の思想の最も特徴的な部分を言い表せば、それは「常に変化する現実を客観的に見つめ、そこから正しい目的を導き出し、その目的に相応しい正しい手段だけを用いて行動する」ということに尽きます。彼女にとって目指すべき目的とは、常に変化する現実の中で優先順位がつけられ、変わり得るものとみなされ、より大切な事は、目的達成のための手段が正しいかどうかであるようです。

2013年4月に彼女が日本を公式訪問した際に、東京大学(本郷)で行われた講演で、「たとえ成功できなくても、正しい手段を用いたのであれば自信を持ちなさい」と語っているが、それはまさにこのことを指摘したものです。

2013年4月日本を公式訪問したとき都内で講演するアウン・サン・スー・チー氏
軍事政権下のミャンマーにおいて、彼女は民主主義の実現こそが「いま」この国が必要としている「正しい目的」であると判断しました。その際、それに相応しい「正しい手段」として非暴力闘争を選択しました。

民主主義の確立を目的に設定する以上、民主主義と矛盾する暴力を手段として選択することは本質的に矛盾します。もし暴力を手段として採用すれば、たとえ軍政を倒せたとしても、新しく成立する政府はやはり「暴力で生まれた」と解釈され、反対勢力による新たな暴力で危機に陥り、それを再び暴力で抑圧しようとする「負の連鎖」につながると彼女は考えたのでしょう。

そこには、政治における「暴力の連鎖」に苦しみ続けてきたミャンマーにおいて、国民自らの努力によって「非暴力で政権を交代させる」事例を築き、彼らに自信を持たせたい彼女の戦略的判断も影響していたものと考えられます。

彼女を頑固だと考える人々は、この「正しい手段」にこだわる彼女の姿勢を批判しているのかもしれません。しかし、「目的が正しければ、手段は(非合法でない限り)何を用いても良い」という考え方がもたらす負の側面を私たちは過去にさんざん見せつけられてきたと思います。

手段の選択を間違えると、最初に設定した目的は(いくらそれが正しくても)達成できないことはおうおうにしてあります。彼女がいう「正しい手段」へのこだわりを、「頑固」の一言で片づけてしまうことは安易に過ぎると思います。

アウン・サン・スー・チーは独裁者を目指している?

この誤解は、彼女が2015年11月8日にミャンマー(ビルマ)で行われた総選挙前に「私は大統領より上の存在になる」と公言し、一部のメディアがその発言を問題視したため生じたものでい。確かにこの発言だけを見れば「危ない発言」に映ります。

2015年11月8日にミャンマー(ビルマ)で行われた総選挙でNlDが圧勝
しかし、発言が飛び出た文脈を考える必要がある。ミャンマーの有権者は選挙前、たとえNLD(国民民主連盟)が圧勝しても、軍の特権を保障した憲法の規定のために、アウンサンスーチーが大統領に就任できないとすれば、NLDに投票する意味がどこまであるのかという不安を抱いていました。それを払拭し、有権者を元気づけるため、彼女はこのような発言をしたのです。

憲法の資格条項による制限(=外国籍の子供や配偶者がいる者を正副大統領の資格から除外する規定)のために彼女は大統領に就任できません。である以上、NLD党首としての彼女に残された唯一の選択肢は、自らの意向に従う別の人物を大統領に据え、その人物に影響力を行使することだけです。

その明白な事実を、「大統領より上の存在になる」という、ドラスティックな表現で語ったのだと解釈したほうが自然です。

アウン・サン・スー・チーは日本を嫌っている?
これも一部のメディアが書き、かつ日本人ビジネスマンからよく聞かされる「解釈」であす。しかし、アウン・サン・スー・チーは日本を前向きに評価しており、重要な国として認識していることは間違いない事実です。

アウン・サン・スー・チーが日本を嫌っていると主張する人々には、1988年から2011年まで23年間続いた軍事政権期に、日本政府と日本企業がもっぱら軍政側との交流を重視したため、彼女が日本に不快感を抱いているはずだという「思い込み」があるようです。

したがって、NLD政権が発足すれば日本が「仕返しをされるかもしれない」という恐怖心がどこかにあり、それが「日本嫌いのアウンサンスーチー」という見方を生みだしているのかもしれません。

しかし、彼女は復讐に興味を示さない人間ですし、そもそもそういう行為を国民に対して厳しく諫めてきた人物であす。彼女はまた、「民主主義は規律ある国民の上に花を咲かせる」と認識しています。

日本(および日本国民)はその点で見習うべき存在として高く評価されており、民主化運動にデビューした当初から、民衆への演説でもそのことを何度か指摘している(これについては伊野憲治編訳、『アウンサンスーチー演説集』、みすず書房、1996年を参照)。

さらに、彼女が日本の官僚制を高く評価していることも付け加えておきます。アウン・サン・スー・チーは1回目の自宅軟禁(1989-95)から解放されたあと、民衆に向けた演説の中で、「日本の官僚は前例があれば必ずそれを実行する」ことをほめ、前例があろうがなかろうが動くことなく、軍人に命令されて初めて動くミャンマーの官僚(制)を批判しました。

私たちから見ればネガティヴな受け止め方をする「お役所の前例主義」だが、彼女から見れば「規律ある国民」がつくりあげた長所として評価されているのです。

そのほか、日本ではどこでもゴミが落ちていなくてきれいに維持されていることも、それがミャンマーでは稀な光景だけに、彼女の称賛の的となっていることも知っておくべきです。

彼女はまた、1980年代に2年間、英国のオクスフォード大学で日本語を学び、漢字を1000字以上習得して三島由紀夫の小説を日本語で読めるまでになり、その後、1985年から86年にかけて京都大学東南アジア研究センター(現東南アジア研究所)に訪問研究員として滞在しています。

アウン・サン・スー・チー氏の父 アウンサン将軍
研究テーマは大戦中の日本‐ビルマ関係史で、滞在中、父アウンサン将軍(1915-47)と戦時中に交流した旧日本軍関係者への聞き取りをおこなっています。

アウン・サン・スー・チーは最高権力者?

アウンサンスーチー氏の正式な肩書は「国家顧問」です。先にも述べたように、ミャンマー憲法には、外国籍の配偶者や子供を持つ者の大統領就任を禁じる条項があります。そもそもスーチー氏を念頭において作られたこの禁止条項のため、スーチー氏は現行憲法では大統領になれないのです。そのため新しい「国家顧問」という役職を、スーチー氏は自ら新設したのです。

スーチー氏はミャンマーで、圧倒的に人気の高い政治家です。2015年の総選挙では、国民民主連盟(NLD)を率いて圧勝した。党内と内閣の重要決定のほとんどは、スーチー氏によるもので、外務大臣の地位にも就いています。

ティン・チョー大統領は事実上、スーチー氏に従う立場です。

ミャンマーでは1962年以降、軍部が様々に形を変えながら政権を掌握し続けました。現行憲法は、その軍事政権が制定したもので、信頼性が疑わしい2008年の国民投票で承認されました。当時、NLDもスーチー氏も、この憲法を認めませんでした。

軍事政権が掲げていた「規律ある民主主義」において憲法は、軍が指導的立場を維持するための鍵となる要素でした。この憲法の下、軍人は議会で4分の1の議席を保障されています。

ティン・チョー氏はミャンマーの大統領だが、実際はスーチー氏に従う立場だ
軍は、内務省、国防省、国境省という3つの重要省庁を掌握しています。よって、警察も軍部の統制下にあります。

民主政府を停止できるなど強力な権限を持つ国家防衛安全保障会議(NDSC)についても、メンバー11人のうち、6人は軍が指名します。

上位の文民役職にも多くの軍出身者が就いています。さらに、軍は今でも経済界に大きく関わっています。国防支出は医療予算と教育予算の合計より大きい、国家予算の14%を占めます。

軍部とスーチー氏は20年以上にわたり、激しく対立を続けました。同氏は15年間、自宅軟禁されていたほどです。

一時的に自宅軟禁を解かれた1995年7月、支持者を前に演説するアウンサンスーチー氏
総選挙後のアウン・サン・スー・チー氏と軍部は、協力し合う方法を探る必要がありました。スーチー氏には国民の信任があり、将軍たちは実権を握っていました。

依然として重要な問題については、意見が対立していました。スーチー氏が望む憲法改正しかり、ミャンマー国境付近で70年前から政府と戦ってきた、さまざまな少数民族武装勢力との和平交渉の進捗しかりです。

しかし、経済改革や成長の必要性、急激に変化する緊張が高まる社会に安定をもたらす必要性については、軍部もスーチー氏も同意見でした。(社会の安定について、スーチー氏は「法の支配」という言葉を好んで使います)。

しかしロヒンギャ問題については、スーチー氏は慎重にことを進める必要があります。ミャンマー世論は、ロヒンギャにほとんど同情していないからです。

ミャンマー人の多くは、多くのロヒンギャの家族は何世代も前からミャンマーにいるにもかかわらず、ロヒンギャはミャンマー国民ではなく、バングラデシュからの不法移民だという政府の公式見解に同意しています。

ミン・アウン・フライン将軍はロヒンギャにほとんど同情していないと言明している。写真は今年5月
昨年10月と今年8月に武装勢力の「アラカン・ロヒンギャ救世軍」(ARSA)が複数の警察施設を襲撃したことで、世論の敵意はいっそう高まりました。

ラカイン州では、地元の仏教徒の敵対心は、ますます強まっています。仏教徒がベンガル人と呼ぶロヒンギャと、仏教徒の間の紛争のきっかけは、何十年も前にさかのぼります。

仏教を信仰するラカイン族の多くは、自分たちがいずれは少数派になり、そうすれば自分固有のアイデンティティーが破壊されると懸念しています。同州地元議会は、ラカイン民族党(ANP)が圧倒的多数で支配しています。スーチー氏率いるNLDが支配していない、数少ない地方議会の1つです。

Image copyrightGETTY IMAGESImage captionミン・アウン・フライン将軍はロヒンギャにほとんど同情していないと言明している。写真は今年5月。

警察や軍の間でも、仏教徒への共感は強いのです。警察官の半数近くは仏教徒のラカイン族です。

バングラデシュとの国境沿いにあるラカイン州北部では軍が実権を握っており、人の往来は厳しく管理されています。

加えて、強力な軍部のトップ、ミン・アウン・フライン国軍司令官は、ロヒンギャにほとんど同情していないと言明しています。



フライン将軍は現地で進行中の「掃討」作戦を、1942年にまでさかのぼる問題を終えるために必要なものだと話しています。当時は、旧日本軍と英国軍の戦闘で前線が目まぐるしく変わり、ロヒンギャと仏教徒ラカイン族の間で悲惨な争いがありました。

軍は現在、戦いの相手は外国から資金提供を得ているテロ組織だと認識しており、国民の大半も同じ見方です。

加えて軍部はロヒンギャに対して、他の紛争地域で駆使したのと同じ「4つの分断」戦略を実行しているようです。食糧・資金・情報・徴兵について反政府勢力の地域的連携を断ち、反政府勢力を支援しているらしいコミュニティーを兵士が破壊し、恐怖に陥れる戦略です。



メディアも要因の一つです。ミャンマーでこの5年の間に最も大きく変わったことの中には、新しい独立系メディアの相次ぐ出現と、インターネット利用の激増が含まれます。10年前のミャンマーは、固定電話回線すらほとんどない国でした。

しかしバングラデシュ国内で何が起きているか、あるいはロヒンギャがいかに苦しんでいるかを伝えるメディアは、ほとんどありません。その代わりに多くのメディアは、ラカイン州で住む場所を失った仏教徒やヒンズー教徒について詳しく伝えてきました。

ミャンマーではソーシャルメディアも人気ですが、その分だけ偽情報やヘイトスピーチがたちまち拡散しました。

つまりアウンサンスーチー氏はラカイン州で起きている事態ついて、実際にはほとんど権限を持っていないのです。そしてロヒンギャ支援を表明しようものなら、ほぼ確実に仏教徒の国家主義者たちの怒りを買うはずです。

スーチー氏の道徳的権威をもって、ロヒンギャに対する一般市民の偏見を変えられるかは分からないです。スーチー氏は、ここは賭けに打って出るべきではないと計算したのでしょう。


アウン・サン・スー・チー氏はブログ冒頭の記事のように、ロヒンギャ危機への対応について国際社会から厳しく非難されています。写真は、ロヒンギャ殺害をやめさせるようアウンサンスーチー氏に訴えるプラカードを手にした、ムスリム系インド人の活動家(9月7日、インド・コルカタ)です。

ラカイン州における軍部の行動について、もしアウン・サン・スー・チー氏が批判しやめさせようとした場合、軍部に排除されてしまう危険があるかもしれません。軍部にその力はあります。今の状況では、国民の支持もある程度は得られるかもしれません。

しかし、現在のNLDと軍との権力分割の取り決めはおおむね、軍が2003年に民主化への7段階の行程表を発表した当時から意図していた内容でした。これは念頭におく価値があります。

行程表は発表当時は見せかけに過ぎないと、相手にされませんでした。しかし結局、それから14年の間にミャンマーで起きた政治的展開は、行程表にぴったり沿って実現しました。2015年総選挙で軍系の政党が大敗しても尚、軍は未だに国内で最強の存在です。

ただしこれまで違い今の軍部には、アウン・サン・スー・チー氏という隠れ蓑がいます。おかげで軍の行動について国際社会は、軍部ではなくスーチー氏に徹底的な非難を浴びせているのです。

軍としては、アウン・サン・スー・チー氏を最高権力者とみせかけ、その実今でも多くの権力を手中におさめ、スー・チー氏を隠れ蓑として用いているのでしょう。アウン・サン・スー・チー氏を最高権力者とみるにはまだ無理があるようです。

結論

日本としては、欧米のメディアに追随することなく、アウン・サン・スー・チー氏をもっと冷静に見るべきでしょう。良い人、悪い人という二項分類ではなく、多角的にみていくべきでしょう。

ブログ冒頭の宮崎氏記事には、アウン・サン・スー・チー氏が中国に依存し始めたように書かれていますが、そうとは限りません。スー・チー氏を隠れ蓑にして、軍部が中国依存を始めたのかもしれません。

しかし、軍部とて馬鹿ではありません。チベットなどの例を知っているでしょう。チベットでは最初は中国はアパートをたくさん建設したり、道路を築いたりして、歓迎されました。ところが、その道路をつかって人民解放軍がチベットに侵攻し、現在では中国は中国のチベット自治区になっています。

最初は、安易に依存しても、そのうちその危険に気づくことでしょう。実際、このブログでも述べたように、最近は、中国の一対一路構想から離脱する国々が目立ちます。ミャンマーも「大型水力発電所には関心がない」と表明しています。

日本としては、ロヒンギャ問題なども冷静に見守り、いずれミャンマーを安倍総理の中国封じ込め構想である、安全保障のダイヤモンドに取り込んでいくべきでしょう。

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