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2008年6月24日火曜日

クジラの個体数は回復していない、専門家らが指摘-IWC総会向けのデモンストレーションか?

調査捕鯨の主な捕獲地である南氷洋

クジラの個体数は回復していない、専門家らが指摘(もうすでに読んだ方、内容をご存知の方はよみとばしてください)
【6月23日 AFP 2008年06月23日 11:32 発信地:パリ/フランス】1986年に商業捕鯨の一時禁止(モラトリアム)が実施されて20年以上が経過するが、専門家らはクジラの個体数はほとんど回復していないと指摘する。

23日からチリのサンティアゴ(Santiago)で開催される国際捕鯨委員会(International Whaling Commission、IWC)の総会では、モラトリアム導入後のクジラの個体数が1つの焦点になる。

モラトリアム導入後も、日本、ノルウェー、アイスランドは、ミンククジラやザトウクジラなどを年間2000頭以上捕獲してきた。これら捕鯨国はIWCに対し捕獲枠を要求してきたが、反捕鯨国はこれを拒否。モラトリアムの順守を訴えている。

■個体数が増えていても注意が必要

一方で、一部の種類が絶滅の危機に瀕しているというのは各国の一致した意見だ。鯨類保護団体(Whale and Dolphin Conservation Society)によると、セミクジラ、北大西洋セミクジラ、コククジラは、過去70年の保護活動にもかかわらず数百頭にまで減っているという。アイスランドの海洋研究所は最近、ミンククジラが2001年以来「激減」したという2007年の調査結果を発表している。日本とノルウェーが2007年に捕獲したミンククジラは 1600頭を超える。

さらに、個体数が数千頭にのぼり毎年3-8%増加している種でも危機を脱しているわけではなく、本来の個体数に戻すには数十年が必要だと指摘する科学者もいる。パリの国立自然史博物館の海洋生物学者でIWCフランス代表団の1人、Jean-Benoit Charrassin氏は、シロナガスクジラの個体数は1970年代の400頭から2200頭に回復したが、これでも本来の個体数の1%に過ぎないと言う。

科学者や反捕鯨団体は、個体数が回復しつつあるクジラについても商業捕鯨には反対している。

■「クジラは精神的に疲れている」

クジラが直面している問題は商業捕鯨だけではない。鯨類保護団体は、漁船との衝突、漁網に絡まる危険、汚染や生息域の環境破壊なども考慮に入れるべきとしている。気候変動の影響も無視できない。温暖化による海洋の酸性化は、クジラの主食であるオキアミを激減させる。甲殻類が酸性化を食い止めてくれるとしても、養魚場の増加によりオキアミはトン単位で消費されている。

1986年のモラトリアムを推進したフランスの動物学者Yves Paccalet氏は、数世紀にわたる人類の攻撃により、クジラは精神的に疲れていると指摘する。個体数が少ないと、じゃれ合ったりふざけ合ったりする仲間を見つけることができず、憂鬱になって交尾もしなくなるという。「クジラを放っておいたらクジラは増えない。手を施さなかったら減少傾向は加速するだろう」(c)AFP/Marlowe Hood

IWC総会開催に向けてのデモンストレーションの一環か?
第60回国際捕鯨委員会(IWC)総会が23日、チリの首都サンティアゴで始まった。捕鯨支持国と反捕鯨国に二分され、非難の応酬となるのが常だった近年のIWCが、「正常化」に向けて一歩を踏み出せるかどうかが、今回の最大の焦点となります。先、報道は完全にこの総会に向けてのデモンストレーションの一環です。

さて、これに関連して、日本ではずっと調査捕鯨を継続していますが、調査捕鯨の内容を以下に掲載します。

「調 査捕鯨は、鯨の生態や資源量を科学的に調査・管理するために日本政府が(財)日本鯨類研究所に許可を与え、毎年、北西太平洋(1994年~)及び南極海 (1987/88年~)でおこなっているものです。具体的には、船上からの目視調査による資源量の推定や、全長や重さなどの計測の他、年齢、性別、内臓か らのサンプル収集、胃の内容物の調査など100項目以上を調査しています」

では、調査捕鯨ではどのくらい捕獲することが認められているのでしょうか?

「現 在の南極海での捕獲頭数は、ミンククジラが850頭±10%、ナガスクジラが50頭、ザトウクジラが50頭です。一方、北西太平洋における捕獲頭数は、ミ ンククジラ220頭、ニタリクジラ50頭、イワシクジラ100頭、マッコウクジラ10頭となっています」

20年間の調 査の結果、鯨のエサの種類や行動範囲、寄生虫や汚染物質の蓄積度合いなどのデータが集まり、論文も発表されているとのこと。しかし、反捕鯨国や反捕鯨団体 からは“希少種”である鯨を殺す“調査方法”のものへの批判も。対立はエスカレートし、昨年の国際捕鯨委員会(IWC)総会でも議論が前に進みませんでし た。

「一昨年12月に日本政府がザトウクジラの調査捕鯨延期を発表したのも、IWC副議長国として、IWCの正常化をまず考えたからです」

鯨が希少種かどうかというデータひとつとっても、意見が食い違っている捕鯨問題。すぐの解決は難しそうですが、理性的な議論が行われるためには、IWCの会議正常化がまず望まれます。

今年の総会を最終結論とすべき?
先のニュースの科学者は、オーストラリアのカンガルーも疲れているというのでしょうか?最初から予見を持って調査や実験などすると真実とはかけ離れたものになりかねません。記憶に新しいものでは、韓国の人間のクローン胚を作成することに成功し、さらにその中から胚性幹細胞(ES細胞)を抽出したと発表した、黄教授の例などがあげられます。少なくとも、鯨が疲れているとの、科学的論拠はあるとは思えません。鯨が疲れているなどと予見を持った調査は、本当に信頼に足るものなのでしょうか?。

今年の総会は一体どうなるのでしょうか。いい加減、一定の結論が出て欲しいものです。狂牛病問題や、食料の高騰などから、鯨肉は世界的に重要な資源になりつつあります。もう、くだらない論議には、日本人は疲れています。結論がでなければ、日本は、脱退すべきだと思います。

最近思うのですが、反捕鯨活動をする連中は、世界中で中国の聖火リレーの応援に繰り出した中国人と大差のない連中だと思います。資金援助を得ているか、判断能力が極度に低い連中だと思います。これらに、惑わされることなく、まともな総会になることを期待します。

以下に、当ブログで掲載した、反捕鯨関連の記事を紹介します。反転文字をクリックすると当該記事に飛びます。

■一位長崎、上位に旧拠点地 調査捕鯨の鯨肉推計消費量

■捕鯨に関する最近の話題―鯨はこれからも重要な資源であり続ける

■調査捕鯨にまた薬入り瓶―抗議船妨害、警告弾で応酬

■鯨の肉は牛肉より環境に優しい―ロイターニュースから確信したパクスマリーナの正当性

■オーストラリアが捕鯨に反対する理由(5)

■オーストラリアが捕鯨に反対する理由(4)

■オーストラリアが捕鯨に反対する理由(3)

■オーストラリアが捕鯨に反対する理由(2)

■オーストラリアが捕鯨に反対する理由(1)

■IWC総会反捕鯨国の偽善―昨年のニューズ・ウィークの記事(昨年6月13日号)

■アーサー C. クラークの海底牧場―21世紀は鯨の時代?

■反捕鯨の背景―世界への指針

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