2016年9月22日木曜日

実は意外とまとも!? 「トランプ大統領」の経済政策構想をよむ―【私の論評】米メデイアの超偏向ぶりと、公約の完全実行はあり得ない事を知らないと趨勢を見誤る(゚д゚)!

実は意外とまとも!? 「トランプ大統領」の経済政策構想をよむ

いまさら言わずもがなではあるが、今年は米国の大統領選挙の年である。そしてその大統領選もまもなく終盤戦を迎える。

世論調査では、与党である民主党のクリントン候補の支持が、共和党のトランプ候補の支持を上回っているようだが、クリントン候補の健康問題が浮上してきており、両者の差は縮小している。

トランプ候補は、その問題発言等から大統領の資質を欠いているとの批判が多いが、一方でそのダイレクトな物言いから人気も高く、当初の泡沫候補という評判を覆して、正式に共和党の大統領候補となった。

これまではトランプ候補の過激な発言ばかりがクローズアップされ、経済政策についてマスメディアが報道する機会が少なかった印象が強い。そこで今回は、これまであまり取り上げられることのなかったトランプ候補の経済政策について考えてみたい。

  レーガン大統領との共通点

トランプ候補は9月15日、ニューヨークのエコノミッククラブの講演会で、自身の経済政策の構想を明らかにした。

米共和党全国大会で大統領指名受諾演説をするドナルド・トランプ氏
この講演によると、トランプ候補は、レーガン以来の大型減税と各種規制緩和、および貿易政策をテコに、10年間で2500万人の雇用を創出し、年平均で実質3.5%成長を実現させる政策を実施すると言及した。

このうち、大型減税のメニューとしては、以下の3点を挙げている。

①法人税の大幅減税(最高税率を現行の35%から15%へ)
②所得税の税率適用区分の簡素化(現行の7段階から3段階へ)と税率の大幅引き下げ(12%、25%、33%の3段階へ)、および各種控除の拡充(子育て費用)
③相続税の廃止

一方、規制緩和に関しては、現在、オバマ大統領が推進している「パリ条約」にともなう環境政策の停止(クリーンパワープランを廃止し、石油、天然ガス、石炭の生産増をはかる)がその中心となっている。

さらには、ニューヨークでの講演では言及しなかったものの、従来から老朽化が指摘されてきたインフラ(道路、橋、鉄道、港湾など)の整備拡充や防衛関連支出の増大も公約に掲げている。

また、貿易政策では、TPPからの撤退と中国に対する圧力(中国を為替操作国に認定するともに、知的財産侵害や輸出補助金の廃止を中国政府に強く求める)を通じて、米国製造業の輸出を拡大させる政策を提案している。

トランプ候補の台頭は、1980年の大統領選でのレーガン候補の台頭(最終的には大統領選に勝利)と比較されることが多いが、経済政策構想(レーガノミクス)においてもよく似ている部分が多い。

その理由は明らかである。

レーガン氏が台頭してきた1980年は、米国経済がスタグフレーションに苦しんでいた時期であった。その中で、新政権に求められた経済政策は、著しく低下した生産性、および潜在成長率を押し上げることであった。

スローガンもレーガン大統領にそっくり
そしてレーガン大統領が推し進めた経済政策である「レーガノミクス」も、減税と規制緩和を通じて、主に製造業の生産性を上昇させ、米国経済の潜在成長率を押し上げるものであった。

また、当時は、米国の貿易収支、及び経常収支の赤字が急激に拡大し始めた局面であり、保護貿易的な貿易政策もやや強まった(自動車産業などで日米貿易摩擦が強まったのもこのころである)。

  極めて強力な「ケインズ効果」

今回の大統領選でも、リーマンショック後、「長期停滞」に入ったようにみえる米国経済の低成長が問題視されている。

1980年の大統領選当時と同様、米国経済はリーマンショックという未曾有の金融危機を3度にわたるFRBの量的緩和(QE)政策によって克服したものの、その後の成長率はリーマンショック以前に比べ低い状況が続いている。

例えば、リーマンショック後の2010年から2015年にかけての実質GDP成長率の平均は約2.2%で、2000年から2007年までの平均である2.7%から0.5%程度低下している(リーマンショック前までの米国の潜在成長率は約2.8%というのがコンセンサスであった)。

リーマンショック後の米国経済の長期停滞を打破するために、「パパブッシュ」以降の大統領にない強いリーダーシップを求める米国民が数多く存在するというのが現在の米国の実態であり、これがレーガン大統領誕生前の状況と似ていなくもないということなのだろう。

また、レーガン大統領の就任期間には、旧ソ連との緊張が高まり、防衛関連支出の急増から米国の財政赤字は拡大したものの、それがケインズ効果をもたらし、米国経済は回復した。

さらにいえば、当時の防衛関連の投資拡大が、旧ソ連崩壊にともなう民間部門へのスピンオフによって、90年代後半の「IT革命」の素地を作ることにもなった。

CRFB(Committee for a Responsible Federal Budget、米政府の財政政策をモニターするNPO法人)の試算によれば、もし、トランプ候補が大統領に選出され、彼の構想どおりの経済政策が実施された場合、10年後に歳出は、対GDP比で22%まで拡大する。

その一方で、歳入は対GDP比で13%にまで縮小し、結果、財政赤字の対GDP比は9%に拡大すると予想されている(ちなみに2015年度はそれぞれ、20.5%、18%で財政赤字の対GDP比は2.5%)。

すなわち、このことは、トランプ候補が大統領選に勝利し、以上のような経済政策が実施された場合、従来の経済政策の枠組みが大きく転換することを意味する。

各種メディアの報道によれば、このようなトランプ候補の経済政策によって、トランプ氏が主張する「実質3.5%成長」を実現させるのは難しいと考えるエコノミストが少なからず存在するようだ。

だが、インフラ整備や防衛関連を中心とした歳出増と、法人税、所得税の減税の組み合わせが、極めて強力な「ケインズ効果」をもたらすことは間違いないのではなかろうか。

さらに、日本では、様々な困難を乗り越えてようやく交渉妥結にまで持ち込んだTPPをトランプ候補が反故にしようとしていることから「保護貿易主義者」というレッテルを貼っているようだが、これは正確ではない。

トランプ候補は、地域間の貿易協定としてはNAFTA(北米自由貿易協定)を重視し、世界貿易ではWTOの枠組みを利用して自由貿易を維持するとしている。貿易に対する過度な悲観論は不要と考える。要は米国(特に製造業)が不利になるような貿易交渉は反故にするということなのだろう。

  トランプ氏の主張がメインストリームに

ところで、興味深いことに、このようなトランプ候補の経済政策は、最近のマクロ経済学の流れとほぼ軌を一にする点に注意する必要がある。

最近のマクロ経済学では、「長期停滞」を脱する経済政策として、金融緩和よりも財政拡大を重視する動きが強まってきている(これは、金融緩和が必要ではないという意味ではない)。

その意味で、インフラ投資の拡大を掲げるトランプ候補の主張は、「長期停滞」に対する処方箋として有効となる可能性がある(クリントン候補もインフラ整備のための公共投資拡大を政策の一つとしているため、来年以降の米国では、財政支出拡大による景気浮揚が実現する可能性が高まっている)。

さらに、世界的な長期金利低下の一因として、緊縮財政路線による国債発行量の減少にともなう「安全資産」の相対的な不足を指摘する研究も出てきている(いわゆる「Safety Trap」の議論)。

前述のように、トランプ候補は思い切った減税を実施する意向でもあるので、税収も大きく減少する見込みだ。そのため、インフラ整備等の公共投資拡大は国債発行増によって賄われる可能性が高い。

トランプ氏の提唱する財政拡大政策によって米国経済の長期停滞を克服することができれば、米国債は世界随一の安全資産として世界中の投資家に選好されることにもなるだろう。

その一方で、富裕層に有利なように見える所得税改革やオバマケア廃止の方針など、所得格差是正のための所得再分配政策にはいまひとつ消極的な印象がある(貧困家庭に対する救済援助も廃止の方針だと伝えられている)。

トランプ氏はビジネスマンとして、自ら大成功を切り開き、また、数回にわたるビジネス的な試練も自助努力で切り抜けてきた人物だけに、労働のインセンティブにネガティブな影響をもたらしかねない所得再分配には、それほど賛意を持っていないのかもしれない。所得再分配政策の是非が、今後の大統領選の大きな争点になっていく可能性もある。

いずれにせよ、トランプ候補は、その過激な言動ばかりが注目されているが、仮に彼が勝利するようなことがあれば、彼の経済政策が、今後のメインストリームになるという可能性を秘めているので、注意が必要である。

【私の論評】米メデイアの超偏向ぶりと、公約の完全実行はあり得ない事を知らないと趨勢を見誤る(゚д゚)!

トランプ氏の経済政策は、上記で示したように、意外とまともといえばまともです。経済政策について、簡単にいってしまえば、減税を手段とした積極財政を行なうということです。

米国に関しては、リーマン・ショックから金融緩和政策を実施し、それが継続されてきました。しかし最近では利上げのタイミングを見ているという状況です。さらなる追求緩和策をとることはありえないです。

だからこそ、今後積極財政をするというのは、理にかなったまともな政策です。過去の日本のように、緊縮財政、金融引き締めを継続してデフレを長年放置したというのとは大違いです。

日本ではさらに、せっかく2013年から異次元の包括的金融緩和に踏み切ったにもかかわらず、14年から8%増税を実施し、せっかくの金融緩和の腰を折り、GDPも伸びないというのとは大違いです。

8%増税に両手をあげて、大賛成した日本の多くの政治家、マスコミ、識者らには、トランプ氏の経済政策を批判する資格は全くありません。

米オハイオ州クリーブランドのクイッケンローンズ・アリーナで開かれた米共和党大会で、
スピーチを終えた娘のイヴァンカさん(右)から、指名受諾演説のためステージに迎えられる
ドナルド・トランプ氏
以下に、トランプ氏の7月21日、共和党の大統領指名受諾演説から抜粋します。
私の誓いの言葉はこうだ。『私は君達アメリカ人とともにある』。私は君達の声だ。子供達に夢を託すすべての親達、そして、未来を夢見るすべての子供達のために、今夜、私は言いたい。『私は君達とともにある。そして、私は君達のために戦い、君達のために勝利する』」 
「私は約束する。我々はアメリカを再び強くする。我々はアメリカを再び誇らしくする。 我々はアメリカを再び安全にする。そして、我々はアメリカを再び偉大にする。 
~ドナルド・トランプ 7月21日、共和党の大統領指名受諾演説から抜粋
当初、泡沫候補だと思われていたトランプが共和党大統領候補の座を射止めるまでに大躍進を遂げたことは驚きですが、大躍進の背景には、アメリカ人が求めてきたリーダー像がそこにあるのも事実です。

これまでも実業家出身の大統領はいました。代表的な例は第29代ウォレン・ハーディング(任期:1921〜1923 年)と、第31代ハーバート・フーヴァー(1929〜1933 年)、それにジョージ・ブッシュ親(1989~1993年)・子(2001~2009年)の4人です。

ウォレン・ハーディング
その中でも、ハーディングはトランプとの共通項が多いです。1920 年の大統領選挙でハーディングは共和党候補として当選しました。ハーディングの勝利の要因は、時代の要請を敏感に嗅ぎ取ったことにありました。多くの国民は、当時ウィルソン政権が第一次世界大戦で外国の厄介事に巻き込まれたことに飽き飽きしていました。「アメリカを第一に(America First)」と「常態への復帰 (Back to Normalcy)」というハーディングの唱えたスローガンは有権者の心を掴みました。

「アメリカを第一に」は共和党の中で、その後も脈々と受け継がれる伝統になりました。1992 年の共和党の予備選挙でも、パット・ブキャナン候補が「アメリカを第一に」を唱えて現職のブッシュ大統領に挑戦しました。ブキャナンは、自由貿易の推進がアメリカの製造業に深刻な打撃を与え、不法移民がアメリカ人から職を奪っていると主張しました。

今、トランプはまさに同じような主張をしています。そして指名受諾演説で「アメリカを第一に」というスローガンを前面に押し出しており、「我々の目標と我々の対抗者の目標の最も重要な違いは、我々の目標がアメリカを第一に置くことにある。グローバル主義ではないアメリカ主義が我々の信条だ」と、トランプは主張しているのです。

「アメリカを第一に」と「常態への復帰」を目標に据えたハーディング政権は、外国に対する関与をできる限り控え、国内問題に専念する孤立主義への扉を開きました。そうした傾向はアメリカが第二次世界大戦に参戦するまで20年近くにわたって続きました。

トランプが使っている「アメリカを第一に」というスローガンはまさに孤立主義を体現す る言葉です。そして、トランプはハーディングと同じように時代の要請を敏感に嗅ぎ取っています。それは外国よりも国内に目を向けるべきではないかという国民の声です。

さて、トランプの大統領候補指名受諾演説を聞いた人々はどう思うでしょうか。例えば、製鉄所が閉鎖され街に活気がなくなったことを嘆く者は、「TPP は我が国の製造業を破壊するだけではなく、 アメリカを外国政府の支配に屈服させることになる」という言葉に喝采を送ることでしょう。

また不法移民によって麻薬や犯罪が蔓延していると危機感を抱く者は、「我々は不法移民を止め、ギャングと暴力を止め、そして、我々の社会に麻薬が流入するのを止めるために国境に長城を築く」という宣言を支持します。7月7日に起きたダラス警官銃撃事件を知って社会に混乱が広まっていると不安を感じる者は、「俺は法と秩序の候補だ」という台詞に期待を寄せるでしょう。

すべての課題を一挙に解決できる万能の処方箋など存在するはずはありません。しかし、トランプの主張 が正しいか否かは問題ではありません。政治は理性だけでは動きません。感情にかなり左右されます。今、危機に直面している人々からすれば、自分達にも理解できる解決方法を提示してくれるトランプは魅力的に映ります。それに政界の完全なアウトサイダーであることも好ましく思えます。なぜなら彼らは、様々な既得権益にがんじがらめにされた政治家が自分達を救ってくれるはずがないと思っているからです。

民主党候補指名で勝利宣言をしたクリントン氏
クリントン氏は6月2日の外交・安保政策演説で、次期大統領の重要指針として、緊密な同盟関係維持を挙げました。その代表例として、北朝鮮のミサイルの脅威に対抗する日韓とのミサイル防衛協力について説明し、「これこそ同盟の力だ」と訴えました。

さらに、「外交は多くの場合、紛争を避ける唯一の道だ」と強調。オバマ政権が主導してまとめたイランの核兵器開発阻止を目指す合意を取り上げ、「世界や米国が合意の前より安全なのは疑問の余地がない」と力説しました。

内政ではオバマ政権の目玉政策である医療保険制度改革(オバマケア)の継承を打ち出しているほか、銃規制強化や同性愛者の権利保護でも軌を一にします。

目立った政策で一部違いもあります。環太平洋連携協定(TPP)について、雇用創出などの面で効果が不十分だと反対しています。「核兵器なき世界」の実現を掲げるオバマ大統領は広島も訪れましたが、クリントン氏は「大統領ほどには、この問題を大事だとは思っていない」という専門家の指摘もあります。

現政権を継承する外交・内政の諸政策は、共和党からことごとく攻撃されてきました。トランプ氏も「外交政策の経歴で彼女はあまりに多くの過ちを犯してきた」と批判。各種世論調査のオバマ大統領の支持・不支持率はどちらも40~50%台とほぼ同水準で、クリントン氏はオバマ氏の負の半面も背負って戦うことになります。

さて、日本では大統領選はクリントン氏が優勢との報道ばかりです。これは実は日本では、米国メディアがかなり偏っていて、90%はリベラルであり、保守は10%に過ぎないということが理解されおらず、米国メディアからの情報は米国の半分しか実体を表しておらず、多くの人はアメリカの半分しかみていないという現実が大きく左右しているように思います。わかりやすく言うと、米国のメデイアはリベラルが優勢で、日本にたとえると産経新聞すら存在していないというような感覚です。

これについては、以前このブログにも掲載したことがあり、記事中に動画を掲載したので、その動画を掲載します。


米国のメディアの報道は、かなり偏向しているとみて間違いありません。しかし、日本のメディアは米国のメディアをそこまで偏向していないという前提で、受け取りそれを報道しています。

さらに、日本ではトランプ氏の暴言をかなり問題にする人が結構多いです。これに関しては、アメリカ人では額面通りに受け取る人は少ないです。そのことは日本ではほとんど報道されません。

トランプの発言を額面通りに受け取るべきでない理由は以下の3点によります。

第1に、トランプが今のような極端な政策や発言を続けてていては、大統領本選に残った現在、勝利する可能性は少ないです。

第2に、米国の大統領が議会や社会の合意なしにできることは限られています。日本でも、多くの人が誤解していますが、米国の大統領は、平時においては世界最弱といってもいいくらい権限がありません。しかし、多くの人が米国の大統領にはかなり権限が集中していると思い込んでいます。

それは、おそらく戦時のアメリカ大統領を思い浮かべるからでしょう。第二次世界大戦のときも、ベトナム戦争のときにも、その後のイラク戦争などにおいても、議会が戦争することを承認すると、途端に戦争を遂行するために多くの権限が大統領に集中するようになっています。平時とは全く異なります。

第3に、政治家の選挙での発言がそのまま政策になることは、どのような民主主義国にもない。ましてや1年以上も選挙運動が継続する米国では、大統領候補の選挙戦での公約が守られなかった歴史のオンパレードである。極端なことをいうと、米国では大統領の就任演説時は別にして、その前の選挙運動中の公約など半分以上は履行されないのが普通です。

多くの日本人は、アメリカのメディアはかなり偏向しているという事実と、大統領候補の選挙運動中の公約はあまり守られていないという事実を知らない人が多いです。だから、トランプ報道でもかなり幻惑されている可能性が高いです。

そのため、私は、日本のメディアが報道する内容は、米国のメデイアの内容を偏向がないものとして報道しているものと認識し、米国の報道でも小さなものも見落とさないようにしようと努めています。そうして、大統領選に関してそのような報道内容を見つけました。以下にその内容を掲載します。
トランプ氏がクリントン氏を追い上げ-的中率の高い世論調査で
米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏が支持率を上げつつあるのは、有権者の投票意図を調べる伝統的な世論調査だけではない。 
選挙研究を専門とする学者らによると、誰に投票するつもりかではなく、誰が当選すると思うかと質問する調査の方が的中しやすいことが示されている。 
ただ、この調査で示唆されたクリントン氏勝利の確率低下は、これまでの世論調査の集計が示す状況に比べればはるかに緩やかだ。以下のチャートを見ると、トランプ氏はまだ劣勢だが、全国調査で着実に勢いづいていることが分かる。 
消費者を対象とした8月のミシガン大学調査でこの質問をしたところ、民主党候補ヒラリー・クリントン氏がトランプ氏に大差を付けていたが、9月の暫定集計は差が縮まりつつあることを示した。それによると、クリントン氏のリードを示す数値は8月の43ポイントから37ポイントに縮小した。
 
381世帯を対象としたミシガン大学の調査が行われた8月下旬から9月半ばにかけてはクリントン氏の健康問題が浮上したほか、トランプ氏支持者の半数は「嘆かわしい人々」だとのクリントン氏発言が批判を招いた時期と重なった。 
一方、同調査期間の直後には、トランプ氏がオバマ大統領について米国生まれだと認める短い声明を出したことが大きく報じられた。
原題:Donald Trump Is Gaining Ground on Hillary Clinton in a Crucial Polling Question(抜粋)
このような報道日本では全くされません。まだまだ、トランプ氏の勝利の可能性は捨て切れません。

私としては、ヒラリー氏はオバマ氏の路線を受け継ぐということに危惧の念を抱いています。特に、対中国に関しては、現在はオバマ大統領は、レームダック化しているので、軍のほうも中国に対して厳しい措置をとれるのですが、これがヒラリー大統領が誕生すると、オバマ政権の外交政策などを引き継ぎ、対中国に対しても、オバマ並に及び腰になる可能性があります。

しかし、トランプ氏が大統領になれば、日本対する暴言に関してはもとより、他国に対する暴言も、それを実際に行動に移すことなどほとんどないと思います。

おそらく、リアリストとしての実業家の面が多いに発揮され、現実的な政策をとるようになると考えます。

それに比較すると、ヒラリーの場合は、オバマとあまり変わりないし、クリントン財団が、中国人から多額の寄付を受けているなどの、きな臭い情報もあります。日本にとっては全く良いことはありません。

これから、挽回して是非ともトランプ氏に大統領になって頂きたいです。

それよりも何よりも大統領選挙なども、米偏向メディアに操られたり、大統領選挙活動中の公約はあまり実行されないということを認識して、冷静に大統領選の推移を見守ろうと思います。

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2016年9月21日水曜日

【歴史戦】独フライブルク市への慰安婦像設置断念 韓国水原市が発表 日本側が「圧力」と批判―【私の論評】フライブルクに慰安婦像は場違い、あまりにセンスが悪すぎ(゚д゚)!



韓国京畿道・水原市が、ドイツ南西部にある姉妹都市のフライブルク市で計画していた慰安婦像の設置が、独側の拒否で実現不可能となった。水原市が21日、発表した。

水原市は報道資料で、「フライブルク市から『日本側の反対で平和の少女像(慰安婦像)の設置が難しくなった』という公式書簡を受け取った」と明らかにした。書簡は21日午前(日本時間同)に届いたという。

水原市の廉泰英市長は「(慰安婦像設置の)推進委員会など地域と緊密に議論し、フライブルク市に遺憾の意を示す公式見解を伝える」とした。

韓国の慰安婦像
水原市は欧州では初の慰安婦像設置を目指し、今年5月、フライブルク市長に像の共同設置を呼びかけ、7月に像設置受け入れの返事があったという。国連の世界人権宣言の記念日に当たる12月10日にフライブルク市中心部に両市共同で設置し、記念式典を行う予定だった。

フライブルク市は愛媛県松山市とも姉妹都市関係にある。韓国メディアは、慰安婦像設置の撤回に日本側からフライブルク市への「圧力」など妨害があったと批判的に伝えている。水原市は松山市に対し、抗議書簡を送る計画だという。


【私の論評】フライブルクに慰安婦像は場違い、あまりにセンスが悪すぎ(゚д゚)!

ドイツ南西部フライブルク市による慰安婦像の設置計画をめぐり、同市と姉妹都市関係にある愛媛県松山市が両市の交流に影響が出る恐れがあるなどとして懸念を伝えたことが今月15日に報道されていました。フライブルク市は松山市側の懸念について精査していました。

松山市によると、市関係者が事実関係の確認のためフライブルク市担当者と最近面会したそうです。韓国内の報道を踏まえ、提案は女性の権利保護の目的だけでなく、日韓の戦後処理をめぐる政治問題を背景としている可能性があることなどを伝えました。

松山市の担当者は「事情を把握せずに設置を進めれば、日独関係や両市の交流に支障が出る恐れがあるとの懸念を伝えた」としたそうです。

フライブルク市側は松山市から「説明」を受けたことを認めた上、その内容を「現在検討している」と説明。計画については「日本による人権侵害への批判を目的としたものでは一切ない」とも強調していました。

結局のところ、フライブルク市が拒否したということです。ところで、フライブルク市とはどのような都市であるかを以下に簡単に説明します。ちなみに、私は一度この都市を訪れたことがあります。

歴史が息づくフライブルク市
フライブルク市の正式名称は、フライブルク・イム・ブライスガウ(標準ドイツ語:Freiburg im Breisgau, アレマン語:Friburg im Brisgau)です。ドイツ連邦共和国南西部、バーデン=ヴュルテンベルク州の郡独立市です。単にフライブルクと呼ばれることも多く、以下ではこれを用います。

環境保護で先進的な取り組みをしている都市であり、日本では「環境首都フライブルク」と紹介されることが多いです。大学都市でもあり、アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルク(フライブルク大学)や教育大学・音楽大学が所在し、学生や教職員などが多く居住しています。また、外国人へのドイツ語教育機関であるゲーテ・インスティトゥートがあります。
「フライブルク」という名の都市はドイツ語圏の各地に存在し、スイスの都市フリブール(ドイツ語の正式名はフライブルク・イム・ユヒトラント (Freiburg im Üechtland))などが知られていますが、単に「フライブルク」と呼ぶ場合、日本では主にフライブルク・イム・ブライスガウを指すことが多いです。

フライブルクは1945年から1952年4月25日のバーデン=ヴュルテンベルク州設立までの間、バーデン州(ドイツ語版)の州都でした。ドイツ最南の主要都市であるフライブルクは、フライブルク行政管区、南部オーバーライン地域連合、ブライスガウ・ホッホシュヴァルツヴァルト郡の官庁所在地です。なお、フライブルクはこの郡に囲まれていますが、属してはいません。

ドライザム川(ドイツ語版)に沿って広がるフライブルク市の現在の人口は約23万人で、バーデン=ヴュルテンベルク州内ではシュトゥットガルト、マンハイム、カールスルーエに次いで4番目に多いです。フライブルク市とブライスガウ=ホッホシュヴァルツヴァルト郡(ドイツ語版)、エメンディンゲン(ドイツ語版)市で構成されるフライブルク経済圏の人口は合計で約63万人に達します。フライブルクは約600万人の人口を擁するオーバーライン3ヶ国都市圏の一角でもあります。

大聖堂と「ベッヒレ」と呼ばれる水路(共にフライブルクの象徴である)のある旧市街には、年間300万人以上の観光客が訪れます。

1457年に設立されたアルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルク(フライブルク大学)の存在により、フライブルクはドイツの古典的な大学都市の一つに数えられています。
シュロスベルクの展望台からの眺め
これだけ歴史が古く伝統が培われているフライブルクです。そうして、フライブルクの環境保全対策はきわめて広範囲、かつ多角的に進められています。環境に対しては住民の意識も非常に高く、環境問題に取り組むNGOも多数あり、フライブルクでは行政と住民・企業が一体となって環境対策に取り組んでいます。、フライブルクにおける環境対策の代表的な事例をご紹介いたします。

フライブルクの交通対策
v_taiksaku_traffic.jpgフライブルクの交通対策には4つの重要なプログラムがあります。例えばガソリン車の排出ガスを抑制するため、車を使わない「地域環境定期券」の導入と低公害交通機関の整備、市街地に車を乗り入れさせない「PARK & RIDE」方式の制定、自転車交通の促進など。いずれも空気汚染の抑制、市民の快適な生活空間の確保をめざすのみならず、地球規模で進む環境破壊に対処していこうという具体策となっています。


フライブルクの環境都市政策
v_taiksaku_toshi.jpg効果的な緑化対策、日本のような乱開発を許さない、自然と調和した居住地開発、景観保全政策等、フライブルクの環境配慮に基づいた総ての環境都市づくりが様々な局面で実施されています。
フライブルクのゴミ・廃棄物処理対策
garb_thumb.jpgフライブルク市の廃棄物管理は、廃棄物の抑制、廃棄物の再利用、そして埋め立てのみならず最終処分される廃棄物からの有害物質の抑制について積極的に様々なシステムを施行しています。同時にごみに関するフライブルク市民の意識も非常に高い物があります。
フライブルクのエネルギー利用対策
v_taiksaku_energy.jpgドイツで最も温暖で、年間日照時間が1800時間を超えるフライブルク市では、ソーラーエネルギーになどの再生可能エネルギーに力をいれています。また、省エネ住宅基準などの省エネルギープログラム、コージェネレーション技術によるエネルギー効率の向上などのエネルギー対策も重要な環境保全政策として行なわれています。

フライブルクの森林保全政策
v_taiksaku_forest.jpgシュバルツヴァルト(黒い森/ドイツ中南部を縦断する森林地帯)の南端に位置するフライブルクは、豊かな自然に恵まれているだけに森林環境の重要性をよく理解しています。また、フライブルク市では市の面積の40%以上が自然保護区域もしくは景観保全区域に指定されており、自然環境保全と住環境の両立という意味でも住民と行政の合議によるバランスの取れた整備と開発が進められています。


フライブルクの農業(安全な食と農)
v_nougyou.jpgフライブルク市の西側はライン河の流れる平野で肥沃な農業地帯であり、特に穀物、野菜、果物(特に白アスパラやワインが有名)が収穫されます。山岳地では酪農も行われています。またフライブルクはドイツの有機農業の代表的地域としての歴史も長いのです。周辺には、耕地の25%が有機農業の村もあります。
フライブルク・河川の環境
v_river.jpgフライブルクの市内を流れるベッヘレと呼ばれる小川はドライザム川からひいてあり、中世の用水としての役目を果たしていましたが、現在は景観対策として町の空間に欠かせないものとなっています。町の中心部から離れた川の流域では住民参加の「小川の里親制度」として市民の環境活動も含めて保全を図っています。また、ドライザム川の流れは、町の中心から西に30kmのあたりでライン河の本流に流れ込んでいるため、ライン河自体の環境対策も各国間の課題として取り組まれているだけでなく、また地域レベルとしても自治体、NGOの活動の対象となっています。


住民参加
v_jumin.jpg環境対策の多くは住民の力によります。
  • ごみの対策も受益者負担の原則にのっとって行政の役割とは別に住民のモチベーションが重要となります。例:ごみ料金の選択、リサイクルセンターへの再生ごみの持込など。
  • 都市計画 ― フライブルク市の新興団地は、住民サイドの発想・アイディアを重視し、その多くを取り入れています。
  • 再生エネルギーの住民参加型活動として、ソーラーパネルや風力発電のグループ型投資などを行っています。



フライブルクのエコ建築
v_eco_kenchiku.jpgこの地域の環境意識の流れは建築部門にも及び、住居建造物、オフィスビル、メッセ会場など様々な環境に適応した建築物が建てられています。断熱材などの資材や機密性の問題、健康に害を与えずごみの排出の少ない建築素材・設計が開発されています。
フライブルクの環境経済
v_kankyo_keizai.jpg環境政策と経済政策は相対するものとして考えられがちですが、フライブルクでは環境政策の実施に伴う成果としてのクリーンな町づくりが経済立地としてのソフト基盤となり、経済効果をもたらしています。
例:ソーラーエネルギーの中心的存在としての職場創出、エコ・ツーリズムの促進など

フライブルクの環境ツーリズム
v_kankyo_tourizm.jpg環境都市としての様々な社会システムに興味深い事例があることで、そうした視察ツアーもツーリズムとして大切な環境経済要素となっています。学生や他都市からの訪問客、国内外の専門家グループが各専門分野の視察を目的に訪れます。
フライブルク・その他の対策
v_tsonota.jpgフライブルク市では子供たちに早くから環境意識を醸成するため、学校教育のカリキュラムの中にも多様な環境授業・野外活動が盛り込まれています。また、日本と同じく高齢化社会を迎えるにあたり、徹底した医療行政、老人福祉政策が推進されています。
公共施設の環境広報活動
v_publiity.jpgフライブルク市の環境局とフライブルク周辺の代表的エネルギー企業Badenova社(フライブルク市が30%以上出資)が共同で「ソーラー圏フライブルク」を広報センターとして開設しています。


このような都市フライブルクに、どう考えても韓国の慰安婦像は似合いません。なんというか、京都のど真ん中にニュヨークの自由の女神像を建てるようなものです。本当に場違いです。建てるにしても、慰安婦像ではなく、過去のすべての戦争で犠牲になった女性に関するモニュメントのようなもので、町並みに調和するようなものなら理解できますが、あの慰安婦像では、どう考えても調和しません。

あまりにセンスが悪すぎです。フライブルク市側は、このようなことも考えのではないでしょうか。あのような像は、韓国にこそふさわしいです。

それに、慰安婦問題に関しては、昨年の暮に、日韓合意に至っています。韓国側は、この韓国合意を守る意思はまるでないようですが、日本としては、日韓合意に至ったことを海外に向けて発信しています。

ドイツや、フライブル市にも、この情報は伝わっています。韓国の独りよがりな、プロパガンダに何も考えずに乗ってしまうような、都市や国はもうないということです。フライブルクのようなまともな都市が増えるにつれて、既存の慰安婦像を設置したような、都市など赤っ恥をかくだけです。

政府同士が、合意しているのに、韓国の一都市である、水原市がこのような振る舞いをすることについて、論理的にものを考えるドイツ人の都市であるフライブルクの当局者もさぞ困惑したことでしょう。

フライブルク市の今回の措置は、本当に妥当なものでした。

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2016年9月20日火曜日

都内の朝鮮大学校「日米を壊滅できる力整える」 金正恩氏に手紙、在校生に決起指示―【私の論評】金正恩自身も恐怖に苛まされている(゚д゚)!

都内の朝鮮大学校「日米を壊滅できる力整える」 金正恩氏に手紙、在校生に決起指示


 朝鮮大学校(東京都小平市)が5月、日米壊滅を目指す手紙を北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に送っていたことが19日、分かった。朝大関係者が明らかにした。朝大の張炳泰(チャンビョンテ)学長が、朝鮮総連の許宗萬(ホジョンマン)議長から指示を受け、米国圧殺運動の展開を在校生に指示していたことも判明。手紙や指示には金委員長を称賛する文言があふれており、日本政府は朝大の反日・反米教育が加速化する可能性が高いとみて動向監視を強めている。

朝大の張炳泰(チャンビョンテ)学長
写真はブログ管理人挿入 以下同じ
関係者によると、手紙は5月28日、朝大で開かれた創立60周年記念行事で金委員長に送る忠誠文として読み上げられ、「大学内で米日帝国主義を壊滅できる力をより一層徹底的に整える」と明記。日米敵視教育を積極的に推し進める考えを表明した。

 また、金委員長に対しては「資本主義の狂風が襲い掛かっても、平然とした態度でいられる度胸を育ててくれた」「くれぐれも体を大切に過ごされるようお祈り申し上げる」などと忠誠を示している。

 一方、張氏は7月下旬、都内で開催された総連幹部会議に出席。許氏は「米国の孤立圧殺を展開中だ。金正恩元帥さまを最高尊厳として推戴(すいたい)し、民族教育事業の革新を引き起こすため総決起しろ」と指示した。これを受け、張氏は許氏の指示を朝大の幹部会議を通じて在校生に伝達した。

さらに張氏は8月、朝大教育学部など3学部の在校生約60人を「短期研修」の名目で北朝鮮に派遣した。金委員長に対する崇拝の念を北朝鮮当局からの指導を通じて、醸成させることが目的とみられる。張氏は北朝鮮の国会議員にあたる最高人民会議代議員も兼務しており、今後も金委員長を偶像化する教育を推進するとみられる。

 朝大は産経新聞の取材に対し、「担当者がいない」としている。

【私の論評】日本では報じられないが、金正恩自身も恐怖に苛まされている(゚д゚)!

朝鮮大学校(張炳泰学長、朴英植理事長)は1956年4月10日の創立から60年をむかえ、これまで1万7000余人(学部卒業生総数1万5951人)の卒業生を輩出しました。この創立記念の時に読まれた忠誠文の内容がブログ冒頭の記事の内容のものだったというのですから、驚きです。

朝鮮という国は、独裁国家であり、全人民に独裁者への忠誠が求められるわけですから、忠誠文を記念行事で読み上げたり、手紙として出すこと自体は当たり前といえば、当たり前なのでしょうが、それにしても過激です。

しかし、これにはそうしなければならない背景もあるのでしょう。たとえば、朝鮮からは以下のような情報も伝わってきています。
金正恩氏が「ブチ切れて拳銃乱射」の仰天情報 
北朝鮮で、エリートたちの亡命が相次いでいる。先月下旬、極秘裏に韓国入りしたとされる駐英大使館の太永浩(テ・ヨンホ)公使夫妻は、一説に「北朝鮮の貴族」とも言うべき抗日パルチザンの血筋だとされる。 
韓国の中央日報によると、太公使の父は、故金日成主席が抗日パルチザン活動を行っていた時代に伝令兵を勤め、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の大将まで上り詰めた太炳烈(テ・ビョンリョル)氏だという。
 美女脱北でも公開処刑 
これには「事実でない」とする声もあるが、英国に10年間も駐在した太公使が、体制から全幅の信頼を置かれていたエリートであることは間違いない。そして彼のほかに、複数の外交官や党官僚が脱北の道を選んでいるのは事実だ。
こうした現状に、金正恩党委員長がブチ切れないはずはない。 
聯合ニュースによれば、正恩氏は国家安全保衛部(秘密警察)に「検閲団」を組織させ、中国をはじめとする海外各地に急派。逃走を未然に防ぐべく躍起になっているという。
一方、聯合はこうも伝えた。
「消息筋によると、海外駐在の北朝鮮公館職員の間では近ごろ、金委員長が北朝鮮エリート層の相次ぐ脱北・亡命に激怒し、軍に指示して脱北を防げなかった人民保安省(警察)や国家安全保衛部の関係者を残忍に銃殺させたとするうわさが公然の秘密として広がっている」
これと同様のうわさは、4月に発生した北朝鮮レストラン従業員らの集団脱北を巡ってももたらされていた。 
集団脱北をした北朝鮮レストランの従業員の写真
(参考記事:金正恩氏、美人ウェイトレスの集団脱北で「公開処刑」を指示か) 
意に沿わない幹部らをことごく残忍な方法で処刑してきた正恩氏ならば、大いにありうることだろう。 
(参考記事:「家族もろとも銃殺」「機関銃で粉々に」…残忍さを増す北朝鮮の粛清現場を衛星画像が確認

 処刑前の動画公開 
そして実は、聯合は正恩氏の最近の「ブチ切れ」ぶりについて、もうひとつのうわさを伝えている。なぜか日本語版ウェブサイトでは削除されているのだが、記事のハングル版原文には次のような一説がある。 
「米国が自分を人権犯罪者扱いしていると言って激怒し、拳銃に実弾を装填して辺りに乱射した」
あくまでうわさだが、事実ならば正気の沙汰ではない。もっとも、正恩氏は昨年、スッポン養殖工場を視察して支配人の職務怠慢にブチ切れ、彼を処刑にした際、その直前の動画をテレビで放映させていた。 
(参考記事:【動画】金正恩氏、スッポン工場で「処刑前」の現地指導

自分の怒りの強さを、周囲に思い知らせなければ気が済まない性質なのかもしれない。 
しかし、そんなことをすればするほど、脱北の連鎖は止まらなくなると思うのだが。
北朝鮮のトップがこの有様ですから、朝鮮大学校の学長の張炳泰氏もいつどのようなことで、トップの逆鱗に触れないとも限りません。保身のためにも過激な内容の手紙を金正恩氏に送ったのでしょう。

それにしても、金正恩氏がなぜこのようなことになるかについては、ここ日本ではあまり報道されないので、日本ではあまり理解する人は少ないでしょう。

実は、金正恩氏自身も恐怖にさいなまされているのです。それについては、このブログにも掲載したことがあります。
米がICBM試射、北朝鮮への警告メッセージ―【私の論評】核の暴走をやめない金正恩を米国が斬首するかもしれないこれだけの理由(゚д゚)!
ミサイルサイロの中のミニットマンⅢ
この記事では日本ではほとんど報道されていない、米国による北朝鮮への警告としての弾道弾発射のニュースを掲載しました。

詳細は、この記事をごらんいただくものとして、以下に一部この記事から引用します。
このニュース日本では、全く報道されていません。北朝鮮の日本海へのミサイル発射の3時間後、米空軍が太平洋にこの発射テストをしました。これは、北朝鮮が日本EEZ内の日本海にミサイル3発を発射した事への警告です。オバマ米大統領は発射直後に「挑発は一層の圧力とより深い孤立を招くと北朝鮮は知るべきだ」と語ったそうです。
さらに、この記事の結論部分を掲載します。
こうした、正恩氏の暴走を止めるための手段として、米国によるミニットマンⅢの発射は企図され実行されたのです。そうして、これからも金正恩が核の暴走をやめないかぎり、米国もこの方針を改めることなく、継続することでしょう。

この傾向は、米側ももはや変わらず、金正恩が死ぬか、北朝鮮の体制が変わらない限り続くものと踏んでいるものと思われます。

だからこそ、米軍は韓国に金正恩斬首部隊を常駐させているのです。私は、条件が揃えば、米軍は本当に金正恩を斬首するつもりだと思っています。

そんな馬鹿なと考える人は、一つ忘れていることがあります。それは、アメリカはあのオサマ・ビンラディンを殺害しているという事実です。あれは、あくまで殺害であって、暗殺ではありません。事実米国は、殺害を公にしています。

しかも、核保有国でもあるパキスタンの領内でこれをやってのけています。オサマ・ビンラディン暗殺には、最初のとりかかりから含めるとアメリカは7年以上の年月をかけて実行しています。私は、すでに米国は金正恩斬首に向けて動いていると思います。そのことは、金正恩氏も知っていると思います。だからこそ、なおさら「核の暴走」をやめることができないのです。
米国は、オサマ・ビンラディンはもとより、リビアのカダフィ大佐、イラクのフセイン大統領も斬首しています。

オサマ・ビンラディン
カダフィ大佐
フセイン大統領
さらに、米国の軍人は、北朝鮮への先制攻撃の可能性も示唆しています。それについては、以下の記事をご覧になって下さい。
「金正恩の出方しだいで先制攻撃も」米軍元トップが表明
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、以下に一部のみ掲載します。
米軍の制服組の元トップが、北朝鮮への「先制攻撃も選択肢のひとつ」との意見を表明した。 
オバマ政権で最初の統合参謀本部議長を務めたマイケル・マレン氏は16日、米シンクタンク・外交評議会(CFR)がワシントンDCで開いた討論会で「もし、北朝鮮が米国を攻撃できる能力を手に入れそうになり、米国を脅迫するのであれば、自衛的な側面から北朝鮮に対して先制攻撃を行うことができる」「理論的には(ミサイルの)発射台や以前に発射が行われた場所を除去(破壊)することは可能だ。米国には十分に(軍事的な)対応を行う能力がある」などと発言。
マイク・グレン・マレン 統合参謀本部議長就任時 2007年

この米シンクタンクは、イラク戦争(2003年3月)開戦の半年も前に、その勃発と戦闘の経過を詳細に予測していました。以来、「影のCIA」などと呼ばれているのですが、実際に国防総省やCIAと強いパートナーシップを結び、情報活動の一端を担っているようです。このシンクタンクにおける発言は北朝鮮も無視するわけにはいかないでしょう。

斬首作戦あり、ICBMの発射あり、先制攻撃の可能性もありで、金正恩が核ミサイル連発しても、アメリカはそれに一切ひるむことなく、妥協せずに次々と対抗策を打ち出してきます。ひところのオバマ大統領の及び腰路線とは全く正反対です。

このままだと、金正恩氏個人の生命が危険にさらされるだけではなく、北朝鮮そのものも危ういです。

金正恩氏の苦悩は想像を絶するものでしょう。いつ、空から自分めがけて、空から斬首部隊が降ってくるかわかりません。ドローンに攻撃されるかもしれません。国そのものもいつ軍事的に米軍の攻撃をうけるかわかりません。そうして、いつ自分の部下が裏切り行為にうってでるかもしれないと疑心暗鬼になっていると思います。米国が本気になって軍事的に挑戦してきた場合、北朝鮮には為す術がありません。

日本は、残念ながら軍事的にはできることは限られています。しかし、日本でも実行できることはあります。

たとえば、東京都内の朝鮮学校に対する補助金支給を凍結している東京都の小池百合子知事が、停止を継続する方針を示しました。都のホームページ(HP)から、削除されていた朝鮮学校が在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の強い影響下にあると結論づけた都調査報告書についても、小池氏の指示で再び掲載されました。

拉致被害者の家族や支援者からは、朝鮮大学校や朝鮮総連に対しても厳しい態度を取るよう求める意見が上がっています。朝鮮総連をめぐっては数々の疑惑が指摘されています。

このような締め付けをする方法は他にもいろいろあるはずです。いくら、自分の保身のためとはいいながら、「日米を壊滅できる力整える」などと、金正恩氏に手紙を送付したり在校生に決起指示をするような学長が存在する朝鮮大学校をそのまま放置しておいて良いはずがありません。

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在韓米軍、「金正恩斬首」の特殊部隊を配備―【私の論評】戦争に傾く混迷の2016年以降の世界を日本はどう生き抜くのか(゚д゚)!




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2016年9月19日月曜日

豊洲盛り土問題の真相〜マスコミには高校化学の知識もないのか…―【私の論評】豊洲は安全、早期に移転しないと意味がなくなる(゚д゚)!

豊洲盛り土問題の真相〜マスコミには高校化学の知識もないのか…


豊洲新市場
 やはり豊洲に移転すべき

先々週(9月5日)の本コラム「築地市場は一刻も早く移転せよ! 都民のことを思うなら答えは一つだ」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49645)で、サンク・コスト論から「豊洲新市場に早期に移転すべき」と書いた。

そのロジックは次のとおりだ。

「今の時点で豊洲市場はほぼ完成形なので、仮に追加対応するためにコストは少ない。その一方、その便益は、対処が可能であれば、4000億円程度と大きいことは間違いない。これを平たく言えば、豊洲が欠陥で使い物にならないのでない限り、今の築地に比べると安全・衛生的なので、移転中止せずに早く移転したほうがいい」

ところが、先々週の本コラムの後に、一部で盛り土をしていなかったことが発覚し、マスコミで大きな話題になった。9月10日、小池都知事の緊急記者会見である。これには、豊洲移転の推進派からも懸念が出てきた。

先週のテレビ各局は豊洲盛り土問題を連日報道した。今までの説明と違うだろ、という話だ。そこで、現代ビジネス編集部からも、新たな問題の発覚をうけて、あらためて筆者の見解をうかがいたいと連絡があった。

結論をいえば、基本は移転すべきで変更なしだ。技術的・経済的な観点からはやはりすぐに移転を決断すべきである。ただし、話がかなりこじれたので、政治的には説得の時間が必要になる。移転にはちょっと時間を要するだろう。

 有識者会議の意味
筆者としても、盛り土問題を事前に知らなかったので、早速、各種資料を見てみた。

豊洲市場に関わる問題は歴史があるので、資料には困らない。東京都サイト(http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/)を見ればいい。その中で、特に、豊洲市場に関する会議資料(http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/siryou/)は疑問点をほぼ網羅している。

筆者は、役人時代の経験から、こうした歴史のこじれた問題のときには、各種審議会を使って、役人が「勝手にやっていない」という足跡を残すことを知っている。

各種審議会は、有識者の見識を聞くためのものではなく、役人がやりたいことを公開し、そこに参加した有識者を役人意見の応援団にするためにものだ。

はっきりいえば、各種審議会はスタート時に方向がほぼ出来ていて(筆者の場合には1年後の報告書も8割方出来ていた)、そのために審議会委員を人選する。この方式は悪いことでない。メリットとしてはディスクロージャーがよくなる。

豊洲問題について、「豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議」と「豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議」がある。その議事録はサイトで公開されていて、豊洲問題のディスクロージャーはなかなかのレベルである。

それらの議事録を読むと、有識者とされている方々は、都役人から声をかけられたが、あまり本質的な意見をいわずに、都官僚がぐいぐいと議事を引っ張っているのがよくわかる。豊洲の会議の有識者はほぼ役人のいうとおりに振る舞った人々である。

ところが、急に盛り土問題が出てきて、自分は知らなかったという有識者が続出である。

技術会議の資料を見れば、建物の下で盛り土をしなかったことは明らかだ。技術会議のメンバーは、出席していたか、欠席でも資料は後日送付され、場合によっては都役人が説明にくるはずなのに、今になって知らなかったというのは見苦しい。

もっとも役所の委員なんてそんなもので、知らない間に役所が事を進めていくのはよくあることだ。逆にいえば、盛り土がなかったことを問題視する有識者はそうした会議に呼ばれるはずない。

筆者はこれまでそうした審議会方式を批判してきた。もっとも、批判するのは役人主導で間違ったことをやった場合だけである。今回の事例では、役人主導でやった盛り土はそれほど間違っていない。というか、いい方法だとすら思えてくる。

 むしろまともな案ではないか?

初めて盛り土問題の報道を見たときの感想は、これは地下ピットだな、しかもやけに天井までの空間が広い、というものだ。

ワンフロアも作れるくらいの地下ピットがなぜ必要なのかはにわかに理解できなかったが、万が一、地下の汚染が出てきた時に対処するためのアローワンス(余裕地帯)なのかというのが直感的に思ったことだ。

18日の日本テレビの真相報道バンキシャを見ていたら、当時の都幹部の話として「将来土壌汚染が確認されたら、パワーシャベルなどの重機を入れて対応するもの」という証言が紹介されていた。

常識的に考えても、すべてに盛り土して、その上に建物を建てたら、くい打ちは盛り土分を考慮して深く打たなければならない。しかも豊洲のように大きな建物では、地下ピットは配管管理などで必要なものだ。豊洲で盛り土の上に地下ピットを作ったら、想定以上の高さになって、耐震設計上コストが高くなるだろう。

どうせ地下ピットは必要、しかも大きな空間にして将来の汚染問題に対処可能、地下に埋めることで耐震上も安全、盛り土も節約できる、しかも汚染土壌対策では有害土壌除去で厚めのコンクリートカバーで対応、ということであれば、一石何鳥にもなって安全上もコスト上も悪い話ではない。

ここまでの話は、あくまで技術的・経済的な論点である。筆者は、それらの観点から見れば、盛り土なしで地下ピットはむしろまともな案だと考える。
現時点では安全性の問題なし

ただし、地下ピットはいい案であるが、もし、たまり水や地下空間で汚染物質が基準値以上に出てきたら、これは単に手抜き・欠陥工事になってしまう。

そうなれば、追加コストがべらぼうにかかってしまう。逆に、今後モニタリングする必要があるが、汚染物質が基準値以内であれば、実施段階でのいい計画変更になる。

現時点では、たまり水の東京都など調査によれば、安全性の問題なしと出た(http://www.shijou.metro.tokyo.jp/press/2016/0917.html)。


マスコミは、基準値の4割もの猛毒のヒ素が出たと報道するが、これはミネラルウォーターの基準(下図http://minekyo.net/files/lib/1/25/201501281444336650.pdf)よりも低い数字だ。



筆者は、この話を、9月17日のTOKYO MX『週刊リテラシー』で話した。

しかし、強アルカリだと危険を煽る共産党の御用機関になったのかと見間違うほど、マスコミはそのポイントを取り上げた。

高校の化学知識があれば、コンクリートには水酸化カルシウムがあり強アルカリで、鉄筋を錆から守るので、鉄筋コンクリートが強いことを知っているはずだ。もしコンクリートが強アルカリでなければ、中の鉄筋は錆びて、建物が崩壊してしまう。

こうしたこともマスコミは報道しない。このような報道姿勢は、原発報道とよく似ている。煽るような学者を登場させて、おどろおどろしく語る。いずれにしても、現時点では、地下ピットは手抜き・欠陥ではなく、いい意味での計画変更という程度だ。

   問題は「風評被害」

問題は、地下ピット案をどのように政治家や世間に知らせたかである。これは手続き問題であるが、政治的には重要であり、都官僚幹部の仕事である。

世間に知らせる最低限のことは行っている。豊洲の各種会議の資料や議事録はすでに公開されているからだ。ただし、大きな話では、あたかもすべてに盛り土が行われてきたかのような説明になっている。ここには明らかに問題がある。

あとは、都のトップなどがどこまで把握していたかだ。これについては、石原・元都知事の意見が迷走している。15日には地下ピットについて「報告を受けていた」と答えたが、その後、「報告受けたことない」と一転させている。

小池都知事の発言は、ローキー(控えめ)で、情報公開し、意思決定プロセスを解明するとしかいっていない。選挙中、豊洲問題は一度立ち止まって考えるとして、8月31日に11月に予定されていた移転を延期するといい、これは公約どおりだ。いつまでの延期なのか、中止になるかは一切語っていない。

小池都知事は今後、誰が決めたかのをすっきりさせなければいけない。ただし、地下ピットそのものが悪手ではないので、連絡の手続き面での問題にとどまるべきだろう。

むしろ問題は風評被害である。

マスコミは、連日、豊洲問題を扱っている。上に述べたようにその報道はかなり偏向している。そのためなのか、豊洲の評判はがた落ちで、豊洲の高級タワー・マンションで風評被害の危機に直面している。中国人の爆買いの反動もあるのだが、オリンピックと豊洲市場で売り出した物件は風評被害を受けているかもしれない。

せっかく地下ピットは十分な空間があるので、たまり水や地下空間で汚染物質について、モニタリングをして都民に公開すればいいではないか。原発事故後に各地で行われている放射線量測定モニタリングは、住民不安の解消に役立った。その上で、安全確認ができたら、早く移転を決定すべきである。

マスコミも、これだけ反原発もののような突っ込んだ報道ばかりであるが、これからのたまり水や地下空間の調査で何も出てこないと、急速に都政に関心を失う可能性がある。

そのとき、小池都政は正念場である。都議会が一気に小池都政に手向かってくるかもしれない。それに備えて、小池都政は、例えば東京を金融都市にするというようなまともな長期ビジョンを用意し、小池新党などで政治勢力を確保する必要がある。

もちろん、豊洲問題と平行して、手続き面での都幹部官僚の処分、それにより重要な問題であるが、築地市場での談合疑惑の解明も進めるべきだろう。

【私の論評】豊洲は安全、早期に移転しないと意味がなくなる(゚д゚)!

築地は豊洲より圧倒的に危険です。移転延期して、数年後に移転ということにでもなれば、せっかくの豊洲市場の社会的意義もなくなります。そもそも、現在では、魚介類の少量が減っています。

最近では、独自の物流センターや、築地市場を通さない直取引も増えています。こちら札幌ですが、札幌では一昔前、良い食材はすべて築地に持って行かれので、築地から仕入れこともあるとあるレスラン経営者が語ったことを覚えていますが、いまはそうでもないようです。札幌でも結構良い食材が入るそうです。

これを無視して、延期が長期化すれば、豊洲新市場そのものが必要なくなるかもれしません。早期に移転すべきです。

豊洲の盛り土問題については、以前もこのブログに掲載したことがありますが、この記事今から振り返ると、マスコミの煽りに煽られてしまったところもあったと思います。謙虚に反省して、本日はこの記事を掲載することに決めました。

ただし、盛り土をせずに、コンクリートのピットにすることに意思決定したのは、誰かということが未だ明らかになっておらず、これに関して前回の記事で、地方自治体の意思決定は一般の人が思っているよりはかなりいい加減であることを、他の事例も示して、強調しました。

そうして、東京都や小池都知事には、このようなことを排除すべきであり、そうすることにより、全国の他の自治体のいい加減さを排除するための先駆けになっていただきたいという主張をしました。その主張には、現在でもいささかも変わりはありません。

ブログ冒頭の記事をみてもわかる通り、現在の豊洲市場はかなり安全です。現在の築地市場と比較すると、豊洲のほうがはるかに安全です。


以下に、築地市場の危険性について掲載します。

そもそも、築地市場から豊洲新市場に移転する最大の理由は、築地市場の限度をはるかに超えた老朽化にあります。

そうして、築地には上の表を見ても分かる通り、アスベストの問題もあります。このアスベストは今ではかなり危険であり、肺がんの原因になるという指摘がされています。

1935年に開場された築地市場ですが、老朽化や過密化が指摘されており、このままだと、天井が落ちて犠牲者が出る事故が多発することにもなりかねません。特に、大きな地震が発生したときなど非常に危険です。

そんなところに観光客が大勢集まっているのですから、最悪な場合には市場間家者だけではなく、外国から来た観光客を含めた大惨事になりかねません。

さらに、交通事故も多発しています。これは元々築地市場がトラック物流を想定していない設計になっているからです。築地市場が開場された1935年頃の物流の中心は列車でした。その為築地市場は列車での運搬を想定して造られています。

上は、築地市場の模式図ですが、市場が扇形になっていることがわかります。その理由は、列車が接する部分を広くして荷物の搬入をしやすくする為です。

しかし、時代はトラックの物流が主流になり、築地市場も対応に追われましたが、改築増築だけでは、トラックに適した施設にするには限度がありました。そのために、築地市場内での交通事故が多発しているのです。


築地市場には衛生面でも問題があります。よくテレビなどで、マグロのセリが放送されたりします。下の写真のようなものです。


床に大量に並べられたマグロがダイナミックで、活気にあふれています。しかし、一歩引いて冷静に考えると違和感があります。

これをマグロではなく、ほかの食品で考えて見てください。たとえば卵焼きが床に並べられているとします。そこに土足の人達が、セリをおこなっているわけです。

皆さんは、その卵焼き、食べられますか?もちろん卵焼きの表面を削って食べても
洗ってもらっても構いません。

マグロだって皮を剥ぎますから床に並べられたものだって、食べられなくはないはです。しかし、正直いえば、私はその卵焼きは食べられません。きっとそう思われる方も多いのではないかと思います。

では、なぜマグロは良くって、卵焼きは駄目なのでしょうか。両者とも人の口に入る食品です。マグロだけが、例外というはずはありません。ちなみに、以下は札幌中央卸売市場です。マグロは台の上に置いてあります。


これが、築地市場を取り巻く衛生管理上の問題なのです。こういうやり方を止めようという事で、豊洲市場では新たに設備を一新し、運用しようとしているのです。

そもそも、水はね防止の為、魚介類のような食品も例外なく床から60cm離して保管するよう、厚生労働省が指針を出しています。ましてやマグロは生で食べることが多い食材です。
しっかりした衛生管理が必要です。

安全性の観点から言えば、今回の移転延期は「科学的根拠のある判断」ではなく、「根拠は無いけどなんとなく不安」という空気によるものとしか考えられません。

他にも、そもそもこの記事で示したように「誰が豊洲市場の建物の地下を盛り土ではなくコンクリートの空洞にする決定をしたのか未だに曖昧」であることや、「移転費用の増大」や「情報公開の不足」などが主な延期理由として挙げられていますが、「盛り土しない意思決定」や「不透明なカネの流れ」などは移転後でも十分に追及できるはずです。

むしろ移転を前提にして色々な手配を行なってる業者にもキャンセルフィーを払ったり莫大な経費がかかることになり、延期の方がはるかにコストが掛かるのでないでしょうか。

やはり、ここはなるべく早く移転すべきです。様々な問題や不都合は、それからでも十分に追求したり是正したりできるはずです。

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2016年9月18日日曜日

結婚と出産・子育てへの最も高いハードル、いずれもやはり「経済的理由」だったと判明―【私の論評】少子化と経済は、自殺者の増減と同じく大いに関係あり!まずは、経済を良くせよ(゚д゚)!


少子化の大きな原因はやはり経済的理由でした。詳細は以下から。

昨日から話題になっている厚生労働省の出生動向基本調査。これは国立社会保障・人口問題研究所がおおよそ5年ごとに行っている調査で、独身者と夫婦に対して異性との交際や結婚、出産や子育てなどについての実態や意識を調べるもの。

その中で、結婚意思のある未婚者に、1年以内に結婚するとしたら何か障害となることがあるかをたずねたところ、男女とも最も多かったのが「結婚資金」(男性 43.3%、女性 41.9%)となりました。水準はどちらも5年前の前回調査とほぼ同じです。また、2000年以降の調査ではハードルとして「職業や仕事上の問題」を障害に挙げる人が増えています。


図表Ⅰ-1-9 調査別にみた、各「結婚の障害」を選択した未婚者の割合

図表はブログ管理人挿入 以下同じ

また、夫婦が実際に持つつもりの子供の数が理想的な子供の数を下回っている現状に対し、夫婦が理想の子ども数を持たない理由についても「子育てや教育にお金がかかりすぎる」という経済的な理由が56.3%と過半数に達しトップの回答となっています。この傾向は妻の年齢が35歳未満の若い層では8割前後に達しています。

ここから読み取れるのは、結婚の意思のある若者にとって経済的な理由がハードルとなっていると共に、結婚した夫婦にとっても子育てや教育がお金の掛かりすぎるものであるということ。「若者の結婚離れ」や「若者の出産離れ」の背景には「お金の若者離れ」という現実が重くのしかかります。

逆に言えば、若者にお金がしっかりと回るようになれば、意志のある若者にとって結婚や出産・子育てへのハードルは低くなるということ。育児休暇や保育制度の充実はもちろん、そこに至るまでの段階の若者への経済面でのバックアップが少子化対策として有効であると言えそうです。

また、この調査では独身の男女のうち、「異性の交際相手がいない」と答えた男性が69.8%(前回61.4%)、女性で59.1%(同49.5%)と大幅増加しているというショッキングな数字が出ています。性体験のない独身男女も男性42%、女性の44.2%とどちらも前回調査より増加しています。

異性との交際には最低でもデートの時間と多少のお金が必要になるもの。ブラック企業で低賃金で長時間労働をしている場合はどちらも満足に捻出できない可能性が少なからず存在しています。この5年間で男女ともに10ポイント前後も交際相手がいない人が増えているということを考えると、何らかの相関関係は疑ってみてもよいのかも知れません。

2015年の調査で恋愛結婚が87.7%にも上ることを考えれば、恋愛→結婚→出産・子育てという流れはやはり王道と言えるもの。独身の若者が恋愛のできるような時間とお金を持ち、結婚を考えるだけの資金を貯められ、育児や教育に掛かる多大な費用や諸コストを保障する制度があればこそ、少子化に歯止めを掛けることができるのではないでしょうか?

(pdf)第 15 回出生動向基本調査 結果の概要

「交際相手いない」男性7割、女性6割 過去最高を更新 :日本経済新聞

独身男性7割「交際相手いない」「性経験なし」も増加 – 産経ニュース

【私の論評】少子化と経済は、自殺者の増減と同じく大いに関係あり!まずは、経済を良くせよ(゚д゚)!

上の調査は、多くの人々にとってショッキングであると思います。それにしても、上のブログの記事、結論は「独身の若者が恋愛のできるような時間とお金を持ち、結婚を考えるだけの資金を貯められ、育児や教育に掛かる多大な費用や諸コストを保障する制度があればこそ、少子化に歯止めを掛けることができるのではないでしょうか?」です。

結婚する若者に対してそのための、資金を貯められ、費用やコストを保障する制度があれば、少子化に本当に歯止めがかけられるのでしょうか。

制度とはなんでしょうか。政府がこの若者たちを対象に補助金制度などをもうけるということでしょうか。あるいは、学費や子育てにお金がかからないようにするということでしょうか。

残念ながら、私はこれも必要でしょうが、これだけでは少子化には歯止めがかからないと思います。

なぜこのようなことになってしまったのかといえば、やはりあまりにも長い間デフレが放置されたからでしょう。さらに、平成14年4月から導入された8%増税も影を落としていると思います。

せっかく、平成13年4月から、日銀が、金融緩和政策をとってその効果が数字上に明らかに出ていたのに、平成14年に増税してから、金融緩和の効果が相殺されて、経済はほとんど伸びませんでした。ただし、金融緩和は継続していたので、雇用はかなり改善されました。

高卒、大卒の就職率は数十年ぶりに良くなりました。金融緩和と雇用とは密接に結びついている、当たり前のことが実証された形になりました。

私は、少子高齢化に関しても、やはり金融政策と関係があるものと思います。過去の日本のように、20年近くも、デフレでは、やはり上記のように、経済が結婚と出産・子育てへの最も高いハードルになってしまい、少子高齢化につながるものと思います。

私は、以前少子高齢化とデフレには当然密接な関係があるものと考え、人口減などのグラフと、デフレとの関係を示すものがあるに違いないと思い、いろいろと調べてみましたが、これに関してはいろいろ複雑なことがからみ合っていて、単純な相関関係はありませんでした。

考えれば、生まれたばかりの子どもが、大人になってから、子どもを生むようになるまでには、20年後の時を経てからです。単純に相関関係がはっきりわかるような客観的データはなかなか見つかるものではなかったので、そのようなものは現在もみあたりません。

しかし、自殺者とデフレの関係は完璧に相関関係があります。日本がデフレに入った直後から、それまでは二万人台であった年間の自殺者数が、三万人台に増えました。ところが、デフレの深刻さが減衰した頃からは、また二万人台に戻っています。無論、これには政府の自殺対策による効果もあったとは思われますが、一番は、デフレが深刻さが低減したことによるのが最も大きかったと思います。

自殺者数に関しては、このブログでも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【正論】「欲ない、夢ない、やる気ない」……現代日本の最大の危機はこの「3Y」にある 作家・堺屋太一―【私の論評】団塊の世代以上の世代には想像もつかない現代の若者の窮状(゚д゚)!
堺屋太一氏
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では「団塊の世代」という言葉の生みの親でもある堺屋太一氏が、現代の若者が、「欲ない、夢ない、やる気ない」のいわゆる「3Y」に陥っており、現代日本の最大の危機はこの「3Y」にあるという発言について、現在の若者が3Yになる原因を追求してみました。

その大きな原因の一つが、デフレであると結論づけました。その論拠の一つして、自殺者数の推移をあげました。以下にこの記事から、一部を引用いします。
ところで、自殺者数と景気は相関が高いことが知られていますが、この数年間の経済状況の改善と、さらに自殺対策にここ数年経費を増加させていく方針を採用していることもあり最近は自殺者数が減っています。類似の事例はホームレス対策にもいえ、ホームレス数は景気要因に関わらず対策費の増加に合わせて減少しています。 
自殺者数の減少については、マクロ(景気)とミクロ(自殺対策関連予算の増加スタンス)の両方が功を奏していると考えられます。 
自殺対策関連予算の推移はまとまったデータがないので拾い集めてみると
平成19年 247億円 平成20年 144億円 平成21年 136億 平成22年 140億 平成23年 150億 平成24年 326億 平成25年 340億 平成26年 361億 となってます。


そうして、この記事では以下の書籍を紹介しました。

経済政策で人は死ぬか?: 公衆衛生学から見た不況対策

この書籍に関して説明し部分をこの記事から引用します。
この書籍には、経済政策と死者数と間の相関を調べた内容が記載されています。

さて、日本では、現在アベノミクスの是非が話題になっています。世界中どこでも、不況に陥ると経済政策をどのようにするべきか、議論されます。しかし、結局のところ、どのような政策がいいのでしょう。そして、その決断を、イデオロギーや経済理論だけを頼りに行って、本当に良いのでしょうか。 
世界規模の不況に陥ったとき、国ごとに経済政策は異なり、それによって国民の運命も異なる方向に動かされてきました。公衆衛生学者と疫学者である本書の著者は、そのことを利用して政策の優劣を比較しました。つまり、過去の各国の政策選択とその結果のデータを、世界恐慌からソ連崩壊後の不況、アジア通貨危機、そしてサブプライム危機後の大不況まで調査し、比較したのです。 
比較の指標は、国民の生死です。政策の違いによって、国の死者数は増えたのか減ったのか、健康状態や平均寿命などがどう変化したかを比較しました。経済政策は、国の借金返済や構造改革、景気刺激など、さまざまな目的で行われますが、そもそも国民に死を強いるようでは元も子もありません。結果はどうだったのでしょうか。 
著者らの研究によれば、不況下で危険な「緊縮政策」を選択した影響で増加する死亡数は、まさに驚くべきものです。最も悲惨なのは、ソ連崩壊後のロシアで、1990年代に経済政策の失敗により数百万人の男性が死んだ(主に自殺とアルコール関連の死亡)と考えられるといいます。
このロシアの例をみてもわかるように、経済政策が悪ければ、自殺者は増えます。反対に、経済政策が良ければ、自殺者は減ります。やはり、自殺するしないに経済的理由は大いに関係があるのです。

日本でも、深刻なデフレに突入した途端に自殺者が三万人台に増えたということで、これは、ロシアだけでなく、日本にも当てはまっているのははっきりしています。

当然のことながら、少子化も国の経済政策に大きく左右されると思います。ただし、国の経済対策が悪くなったからといって、すぐに人口減になるわけではありません。子どもが生まれて、その子どもが大人になり結婚して子どもをもうけるようになるには、少なくとも20年前後の時を経てからです。しかも、高齢化という問題もあります。他の事象ともからまって、少子化と経済の関係が単純にはっきりわかるようなデータはありません。

しかし、ブログ冒頭の記事でもわかるように、結婚と出産・子育てへの最も高いハードルは、経済的な問題であることから、やはり政府の経済対策なども大きくからんでいると考えるのが妥当です。

特に、デフレがあまり長期にわたって続くと、若い世代は将来に希望を持てなくなります。逆に、ハイパーインフレはもちろん駄目ですが、緩やかなインフレで、緩やかに経済成長していれば、若者は希望が持てます。

考えてみてください、デフレの時代は希望がありませんが、緩やかなインフレで、緩やかに経済毎年数%ずつ経済成長しているとしたら、物価は上がるものの、給料も物価スライド分よりも少しだけは、あがるとしたらどうなりますか。

1年2年では、物価や給料が上がったにしても、ほんの数%ですから、実際の生活者の視点からすれば、誤差に過ぎませんが。20年たつと、給料は二倍くらいになります。物価スライド分を考慮しても、1.5倍くらいにはなるのです。

これは、今の日本では夢のような話ですが、数十年前の日本では当たり前のことでした。誰もが、自分の給料は少しずつながらあがっていくだろうと思っていました。

そうして、それは、同じ会社で同じ職位に20年間とどまっていてもそうなるのです。少し頑張って、職位が上になったり、給料の高いところに転職したりすれば、2倍、3倍、4倍というのも決して夢ではありません。さらに、努力する人にはもっと給料があがる場合だってあり得るのです。こういう状況なら若者も希望が持てます。

このように将来に希望が持てれば、今貧乏であっても、子どもが大きくなるにしたがって、給料が上がることが見込めるので、結婚しようとか、子育てしようという機運が高まるのは当然のことです。

しかし、これがデフレでは、同じ会社に同じ職位に20年間とどまっていたとしたら、給料があがることは絶対にあり得ません。それどころか、ほんの少しずつですが、給料が下がります。20年も、同じ職位にとどまっていたら、下手をすると給料は半分になっているかもしれません。給料をあげるなら、努力に努力を重ねて激烈な競争に勝ち抜いて、なるべく上の職位につくしかありません。それどころか、いつリストラされないとも限りません。こんな状況では、若者は結婚しようとか、子育てしようという気になれないのは当然のことです。これが、少子化に長期的に結びつくのは明らかです。

なお、少子化の問題というと、すぐにフランスの例がだされたりします。以下にフランスが実施している出産・子育て支援の内容を掲載します。

1. 妊娠・出産手当(妊娠5ヶ月~出産)・・・すべての費用について保険適用 
2. 乳幼児手当(妊娠5ヶ月~生後3歳)・・・子ども1人あたり約23,000円/月 
3. 家族手当・・・子ども2人で約16,000円/月。1人増す毎に約20600円/月追加(20歳までの支給) 
4. 家族手当補足・・・子ども3人以上の1人ごとに約15,000円/月 
5. 新学期手当(小学生~)・・・約29,000円/年 
6. 産後の母親の運動療法・・・保険全額支給 
7. 双子もしくは子ども3人以上など・・・家事代行格安派遣(1~2度/週) 
8. 片親手当・・・子ども1人で約76,000円、1人増えるごとに約19,000円/月
これは、確かに良い政策だとは思います。しかし、日本で現在この制度を導入したからといって、フランスのようにすぐに少子化が改善されるとは思えません。フランスがこのような制度を導入して成功した頃には、無論フランス経済はデフレではありませんでした。日本とは異なり、緩やかに成長していました。

この制度があったにしても、今の結婚適齢期の男女はすっかりデフレ脳になっていて、将来に希望をもてません。将来に希望の持てない、若者たちに対して、このような手厚い支援をしたとしても、すぐに効果がでるどころか、ほんの少し良くはなるかもしれませんが、すぐにもとに戻ってしまいます。

なぜなら、日本は、まだデフレから完璧に脱却しきっていないからです。デフレから脱却して、緩やかなインフレになり、多くの人々が緩やかなインフレはこれからもしばらく続くだろうと、認識するようにならないと、少子化の傾向は継続することになります。

そうして、上記の制度を導入することを条件に、増税ということにでもなれば、若者はますます将来に希望が持てなくなり、この制度が導入されたとしても、少子化は緩和されるどころかさらに促進されることになります。

日銀は未だ物価目標を達成していません。まずは、この物価目標を達成した上で、その状態がしばらく続くと多くの人が認識するようになるまで緩和を続けなければなりません。

それと同時に、フランスの例のような手厚い支援をするようにすれば、それでも5年、10年してからようやっと少子高齢化が緩和され、人口が増えるようになることでしょう。

無論、経済がまともになったして、支援策を充実したとしても、個々の様々な問題は存在し続けるとは思います。しかし、マクロ的にみれば、そのような事例は少数で確実に少子化傾向に歯止めがかかります。個々の問題は、経済の問題ではなく、その他のカウンセリングなどの対策によって救済されるべきものです。

いずれにせよ、経済が緩やかにでも成長するようになっていなければ、少子高齢化問題は、解消しません。

黒田総裁は会談後「次回(9月20、21日)の金融政策決定会合で(金融政策の)総括的な検証をするとしていますが、物価目標も達成できない現在、マイナス金利などの質的緩和の深掘りなどではなく、追加金融緩和を実施すべきです。そうでなければ、直接その影響が見えないかもしれませんが、少子化問題にも少なからず悪影響を及ばすことになります。

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