【調査方法】
韓国軍・民間合同調査団は、韓国の10組織からの専門家25人、軍事専門家22人、国会が推薦した専門家3人、米、豪、英、スウェーデンの4か国の専門家24人で、調査を行った。【物証】
海底から回収された船体のゆがみなどから、ガスタービン室の下方左舷側で起きた自動誘導式魚雷の強力な水中爆発によって、船体が切断され、沈没したと判断される。
船体損傷部位の分析の結果、衝撃波とバブルジェット(強い水流)効果により、船体の竜骨部分が上方に大きく変形した。ガスタービン室の隔壁は大きく破壊され、変形した。
【乗組員】
生存者は、1、2回、ほぼ同時に爆発音を聞いた。白●島海岸の哨戒兵は2、3秒間、高さ約100メートルの水柱を目撃した。死者の中にやけどをした者はいないが、骨折や裂傷が見られる。(●は「令」の右に「羽」)
【北朝鮮の関与】
魚雷使用の決定的な証拠として、スクリューを含む推進モーターと誘導装置などを沈没現場から回収した。その特徴は、北朝鮮の「CHT―02D」魚雷の輸出用小冊子で示されている寸法や形と完全に一致している。同魚雷は直径21インチ、総重量1・7トンで、爆薬量250キロに達する重魚雷だ。
「1番」を意味するハングルの印が推進装置の後部の内側で見つかり、これは、以前に入手した北朝鮮製魚雷の表記法と一致する。これらの証拠から、回収された魚雷部品が北朝鮮製のものだと確認できた。
沈没事件の2、3日前に小型潜水艇数隻と母艦1隻が北朝鮮西部の海軍基地を出港し、事件の2、3日後に帰港した。
【結論】
使用された武器は北朝鮮製で、高性能爆薬約250キロ規模の魚雷だと確認された。これが、水深約6~9メートル、ガスタービン室の中心部から左側3メートル付近で爆発した。
「天安」は、北朝鮮製魚雷による外部水中爆発の結果、沈没したとの結論に到達した。以上の証拠を総合すると、この魚雷は北朝鮮の小型潜水艇が発射したとするほかに説明できない。
朝鮮と韓国は未だ戦争状態にある!!
■六カ国協議は実質上休止
多くの国際問題評論らは、韓国政府が北朝鮮への報復を望んでも適切な選択肢は、特に中国が傍観的な態度を維持した場合には、ほとんどないだろうとみているようです。
韓国政府は、全面戦争を引き起こす恐れから軍事行動による報復は選択肢から排除しているとみられますが、国連安保理に新たな対北朝鮮制裁を提起する方針をすでに明らかにしています。
現在のところ、北朝鮮の潜水艇がどうやって韓国の領海に潜入し、哨戒艦を攻撃した後に帰港したのかについて調査団は説得力のある証拠を示していないため、北朝鮮側は、あくまで、自分たちの仕業てあるとは認めないことでしょう。そのため、中国としては、積極的な行動にでることは考えられず、そのため、韓国政府が持つ有効な選択肢はそう多くはないと考えられます。今後、北朝鮮側が緊張をさらに高め、黄海の北方限界線付近での砲撃や、短距離ミサイル実験などを再開させる可能性は十分にあります。
多くの人は、忘れがちですが、韓国と、朝鮮は、国際法上においては、休戦状態にはありますが、あくまで、休戦であり戦争状態あることには変わりありません。
6か国協議はすでに生命維持装置を付けられたような状態でしたが、哨戒艦沈没の調査結果によって、ついに実質上消えてしまいました。これから、11月にソウルで開催が予定される主要20か国・地域(G20)サミットへ向け、緊張を高めようと狙う北朝鮮にとって、哨戒艦の沈没はほんの前哨戦かもしれません。
韓国、米国、日本は、同盟国関係にあることはもとより、中国と、北朝鮮も同盟関係にあることを忘れるべきではありません。
■北朝鮮で何が起こっているのか?
strategypage..comに3月時点での、北朝鮮の状況が良く解説されているので、その内容の要約を掲載します。
http://www.strategypage.com/qnd/korea/articles/20100330.aspx
(1)中国が北朝鮮に「核爆弾の放棄」を行うよう圧力をかけているが、北朝鮮にはそれに応じる気配がない
(2)中国と北朝鮮の双方が諜報活動を活発化している
(3)北朝鮮の警戒するのは、プロ中国派(軍と政府官僚の内部に存在する)によるクーデターである
(4)このため北朝鮮政府は中国国境近辺での中国製携帯電話の使用を禁止し、見つけ次第投獄する
(5)飢餓は起こりつつある。90年代の飢餓は政府によって敵対する外国勢力の陰謀と説明されていたが、今回は政府の経済運営失敗が明瞭なので、そういう言い訳ができず、民衆が公然と不平を言い始めている警部担当者などは、そうした現状を放置、スルーしている
(6)北朝鮮政府の経済運営の混乱から、年老いた世代の旧守的な共産主義者が指揮を取るようになっており、経済運営はますます危ういものとなり、改善の見通しは立たない
(7)政権の経済運営上の混乱から金正雲への政権移譲が遅れている。金正日の健康状態が良いとは言えず金王朝への批判も発生している
さて、北朝鮮、昨年のデノミ政策などの前までは、何とかできたものが、デノミの失敗以降は、そろそろ、金正日体制による統治そのものが困難になってきていることが推測できます。これは、韓国の脱北者の支援団体が、中国の電波塔を経由して、北朝鮮内の内報者からの携帯電話の情報からもあきらかになっています。危機的な状況にあることが、携帯電を通じて始めて明らかになっています。いろいろな情報からすると、今回の撃沈事件は、プロ中国派によるものの仕業かもしれません。日本でいえば、二二六事件の青年将校のような連中が仕出かしたことかもしれません。
行き詰まりの状況を打破するために行った行動かもしれません。そうなれば、何も相手は、韓国でなくても構わないわけです。
その矛先がいつ、米軍や、日本にむくかは判ったものではありません。昨年、北朝鮮が人工衛星と称した、新型ミサイルの打ち上げをして結局は失敗しました。あのとき、当時の麻生総理大臣は、いちはやくミサイル迎撃体制を整え、世界を驚愕させました。これは、日本国内ではさほどニュースにはなりませんでしたが、北朝鮮に対してはかなりのインパクトになった事と思います。
普天間基地問題であれだけ優柔不断な行動しかとれず、今回の口蹄疫でも、対策本部の設定すらすぐにはできなかった鳩山首相や民主党、十分な対応ができるのか心配です。民主党は親中派ですが、それを活用してこの問題をどうこうするなどのことも出来ないのだと思います。それでは、親中派の親中派たる所以も何もないということだと思います。
日本としても、十分警戒していく必要があるでしょう。これに関しては、今後も追跡していきます。今後何か変化がみられたら、再度ブログに掲載します。
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